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2022年度のロビンスカップFX部門で、収益率333.7%という驚異的な成績を残し、世界1位の栄冠を手にしたコウスケ氏。過去にも複数回の入賞経験を持つ彼に、参加者だから分かるロビンスカップの裏話や大会に継続的に参加する理由、大会優勝へと導いた手法のロジックなど、貴重なお話を伺いました。
聞き手:鹿内武蔵
(FX雑誌『外国為替』vol.3より改変/対談日:2023年1月16日)
コウスケ氏プロフィール
世界トレードコンテスト「ロビンスカップ」の上位入賞を得て大手メディアより注目を集める。現在ではFXトレードでFIREを達成しFIRE生活を送りながら公式YouTubeでトレードノウハウ等を発信している。【Achievement】世界トレードコンテスト2022 WTC (ロビンスカップ)優勝/世界トレードコンテスト2019 WTC (ロビンスカップ)第2位/世界トレードコンテスト2017-2018 WTC (ロビンスカップ)第3位
世界制覇への道のりは参加するのも一苦労
─よろしくお願いします。ロビンスカップで過去2回の入賞実績があるコウスケさんに。今日は色々とお伺いさせてもらえればと思います。2022年度大会に参加されていたと聞いていますが、今回の結果はどうでしたでしょうか?
コウスケ FX部門で無事に1位を獲得しました。今回は初期資金5000ドルからエントリー可能というルールだったので、5000ドルでスタートし、最終的に口座残高は2万1685ドルとなりました。収益率は333.7%ですね。年間72回の取引を行い、最大ドローダウンは1.82%、勝率は93%と高水準でした。
─1位も納得のパフォーマンスですね! リアルマネーだと一か八かの無謀な取引をする人はいないでしょうし、30か国ほどの参加者が競う、歴史のあるロビンスカップで入賞するのは本当のステータスだと思います。有名な優勝者ってたしか…(思い出せない)。
コウスケ (微笑みながら)ロビンスカップ優勝で一躍有名になった人物となると、真っ先に思いつくのが米国の投資家ラリー・ウィリアムズですね。1万%超の収益率はいまだに破られていません。日本人で最初に1位になったのは、バカラ村さんですね。
─業界では知っている人が多いロビンスカップですが、個人投資家でその存在を知っている人はそれほどいませんよね。参加者も海外の人がメインだとか。
コウスケ どうやって参加すればいいのか分からない人がほとんどなのかと思います。ロビンスカップにエントリーする日本人が少ない要因としては、『言語』『資金』『参加手続き』という三つの壁が挙げられます。
英訳したパスポートや免許証などが必要になるので、役場に行って公証人に翻訳してもらったライセンスを取得するという手間があるんです。海外に口座を開くイメージですね。海外銀行に口座を作るには公証関連の書類が必要になってくるのですが、それと同じ流れです。
─それが面倒で敬遠しているトレーダーも多そうですね。ちなみに、ロビンスカップはどんなプラットフォームでトレードするんですか? さすがにみんなバラバラというわけではないのかなと。
コウスケ ATCというブローカーのMT4です。これがなかなか厄介で、取引コストがかさむ環境なんですよ。例えば、ドル円のスプレッドは2pipsとかなり広く、短期売買には不利な環境で。スキャルピングだと手数料負けしてしまいます。また、リクイディティ・プロバイダーは良いかというとそうでもなく、重厚なレートが配信されている感じではありませんでした。コストやレートが微妙だったので、基本的には1週間程度でポジションを手仕舞うセミスイングでトレードしていました。
source: FX雑誌『外国為替』/コウスケさんに見せていただいた今回の取引履歴の一部。6つのポジションの決済価格は全て1.04509だが、エントリー価格は上昇トレンドを追いかけるように切り上がっている。
世界と比べて日本のトレードレベルは?
─コウスケさんは、2017-18年の日本大会で3位、2019年の世界大会で2位と、すでにロビンスカップで好成績を残しています。継続的に参加されていますが、その理由を教えてください。
コウスケ 自作ツールの検証と、日本人が世界で活躍する姿を示すこと、この二つです。世界大会で好成績を残せば、日本にも実力のある本物のトレーダーがいることを証明できますからね。
─日本と海外とでトレード技術の差はあるものですか?
コウスケ 私は投資とトレードは分けて捉えていて、投資の情報やリテラシーの部分では日本人のレベルはそんなに低くないです。ただトレードという観点で比較すると、日本人のトレード技術は世界的に見てもまだまだ低い水準にあると思っています。
資本に対してお金をどんどん入れて資産を増やす投資行為では、日本人は海外と比べても決して劣っていませんが、決済して稼ぐというトレード技術においては海外のヘッジファンド勢、プログラム、アルゴリズムなどを見ると、日本のレベルは低いなと感じます。逆の見方をすれば、日本人にはトレード技術の伸びしろが十分あるということです。
─今回、日本代表として(笑)、優勝されたわけですが、すでに次の目標は決まっていますか?
コウスケ 根底には日本人のトレード技術を向上させたいという思いがあるので、今後も初心者の方々に向けた分かりやすいツールの提供や、トレードの情報発信は継続してやっていきたいです。大会については一応継続してエントリーしようと思っているんですけど、まだ2023年の大会には申し込んでいません。1位で終わらせた方がきれいなので、このまま勝ち逃げするのもありかなと思っています(笑)。
FX大会で1位を獲得したトレードテクニック
─続いて最も読者が知りたいであろうことを(笑)。ズバリ、今回の大会で使われていたトレード手法を教えてください!
コウスケ 私の一番得意分野である裁量メインでトレードしていましたが、今回はスキャルピングができない環境下にあり、かつ相場に張り付ける時間も限られていたので、バックアップで三つのEAも回していました。裁量とEAを組み合わせたハイブリッド方式のトレードスタイルですね。
EAの方はそこまでロットをかけていなくて、取引の100%のうち20~25%がEAで、残りが裁量という配分です。EAは、自分が理解しているロジックが相場を見ていないときにも作動してくれるので、メンタル的な安定剤となりました。ハイブリッド方式にすることで、チャートをあまり見ることができない状況でも自信を持ってトレードに臨めましたね。
利用していたEAは、ボラティリティが急激に発生したときにエントリーするタイプのものです。ポジションを長く持つかどうかは相場の流れ次第になるんですけど、高ボラティリティが続く限りはずっと持ち続けるロジックでした。
─では裁量トレードの方はどのような手法で取り組まれたのでしょうか?
コウスケ 今回はセミスイング的なトレードになること、また収益率を上げていかなければならないという観点から、ピラミッティングを活用しました。通貨ペアはドル円かユーロドルで、どちらも日足ベースでの順張りを基本戦略としていました。ダブルインサイドバーやアウトサイドバーといったチャートパターンを相場の転換点として捉えてトレードする、スタンダードなやり方です。
─なるほど。思惑通りの方向に相場が進んでいけば、ポジションを積み増していくピラミッティングはかなり有効ですよね。今回の大会で良い収益率を残せた要因はどの辺にあるとお考えですか?
コウスケ やはりドル円の動きが分かりやすかったことですね。今回は歴史的な円安相場に乗れたのが大きかった。そこである程度、収益のボトムが固まり、複利で高ロットを張りやすくなったのが勝因だと思います。
YouTubeや他の教材では随分前から公開していた話なのですが、ドル円相場は2021年10月の時点で5年間のレンジ帯を上昇ブレイクアウトしていたので、その時点で既に円安になることは予想できていたんです。なので、特に迷うことなく円安の流れに乗ることができました。
─そんなに早い段階から円安を視野に入れていたとは驚きです。相場の大きな流れを判断するやり方をもう少し詳しくお願いします。
コウスケ 年足→月足→週足…といったように上位足から順番にチャートを落とし込んで分析しています。そしてチャート上でレンジを抜けそうだなと思ったときには、その方向だけについて行くようにしています。この際の注意点としては、自分の勝手な思い込みで相場が反転すると判断しないことですね。トレンドは続きやすいことを意識した上で、大きな流れに乗ることが大切です。
source: FX雑誌『外国為替』/ドル円週足チャート。2021年10月にサポレジ転換したことが確認できる。ここから教科書通りの上昇トレンドが続いた。
─ありがとうございました。最後に、読者の方に向けたメッセージを。
コウスケ 私はトレードと投資の二つを使って資産運用していくことが大切だと考えています。例えば、お金があまりないのであれば、まずは投資とトレードに使う資金の配分を明確にしておいた方が良いです。基本的に、トレードに回す資金は資産の25%未満とし、資産が増加していくにしたがって、その割合をどんどん減らしていくべきだと考えています。資産の25%以上をトレードに投じてしまうと精神的に負荷がかかってしまい、トレードを楽しめなくなりますからね。
今後の大きな展望としては、トレードと投資の根本的な違いを日本人にしっかりと伝える活動も引き続き行っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
外国為替編集部が推せる!裁量取引と自動売買を一緒にできるFX口座
今回話を伺ったコウスケさんのように自動売買と裁量取引のハイブリッド方式でトレードを検討したい方に向けて、自動売買に対応しており、なおかつ裁量&自動売買で好条件な取引ができるFX会社を、外国為替編集スタッフの上岸が厳選しました。ここで紹介している2社を比べて、サービスの違いを確認してみましょう。
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