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ぶっちゃけFXは一番難しい投資。だからこそ相場のテーマを常に把握しておく|YEN蔵氏インタビュー

※この記事はアフィリエイト広告を利用しています

外資系銀行で20年以上外国為替ディーラーとして活躍し、現在は投資系メディアやYouTubeなどでマーケットに関する情報発信を精力的に行っているYEN蔵さん。

豊富な知識と経験を持つ為替のプロに、FXで成功するためのノウハウをインタビューで伺いました。今回は聞き手役として、ユーチューバー&FXトレーダーの逢坂みぁさんにも参加していただきました。

聞き手:逢坂みぁ/本文:落合彰
(FX雑誌『外国為替』vol.4より改変/インタビュー日:2023年3月30日)

 

YEN蔵氏プロフィール

米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨を始めとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。

逢坂みぁさんプロフィール

2019年の会社退職をきっかけにしてFXとYouTubeを開始。2021年6月にノックアウトオプションで資金を14倍に増やし、9月にはファイスタTV公式FXトレードバトルで優勝。日足と15分足を使ったトレードを得意とし、損切りの早さに定評がある。

 

日本のFX会社はすごくクリーン

逢坂みぁ(以下、逢坂) 長年、銀行でディーラーとして活躍されていたYEN蔵さんですが、個人投資家になってからは為替相場に対してまた違った印象をお持ちなのではないでしょうか?

YEN蔵 銀行を辞めたのは2008年くらいで、そのときは円キャリートレードが流行っていて、スワップを取るやり方がメインでした。でもスワップを取るやり方だと絶対に最後はドスンと円高に動くので、危ういなと思っていたら案の定リーマンショックでそうなったわけ。

日本のFXトレーダーの皆さんはクロス円が大好きで、だいたい円絡みの通貨ペアでしかトレードしないよね。ここ1年ぐらいは外貨の金利が上がってきているので、またスワップが取れるのであればクロス円の取引でもいいけど、クロス円の場合、考えなければいけない要素が三つになるので基本的に難しくなる。例えば、ドル円だったらドルと円の力関係で為替が動くので、その二つの要素を考えればいいけど、ユーロ円ではユーロと円とドルの三つの力関係を見なければならないからね。

逢坂 ドル絡みの通貨ペアで取引した方が簡単だということですか?

YEN蔵 そうだね。ドルが絡む通貨ペアは直接取引なので、動きがはっきり出る傾向がある。もちろんリスクオン、リスクオフが流行っているときはクロス円中心でもいいけど、そうじゃないマーケットもあるので、そこらへんは使い分けた方がいい。それと、株の動きで円高や円安になるときも同様にクロス円中心でいいけど、そうではないときはドル絡みの方が分かりやすいよね。特にドル円はスプレッドも狭いし、取引しやすいと思うよ。

逢坂 今はFX会社間のスプレッド競争が激しくなっていて、ドル円のスプレッドは極めて狭いですよね。個人トレーダーにとってはありがたい環境です。

YEN蔵 個人トレーダーの方が入手できる情報も昔と比べて格段に増えたよね。銀行で得られる情報と比べるとまだ少ないけど、それでもトレードに生かせる情報をFX会社などからタダでたくさん得ることができる。今は昔とは比べものにならないほど低コストでトレードできる環境が整っていると思う。FX会社が頑張りすぎなんじゃないかな。

逢坂 YEN蔵さんはFX以外にもいろいろな投資をされているじゃないですか。全体的に見て、FXトレーダーの特徴や問題点などありますか?

YEN蔵 株に比べてFXや仮想通貨を取引する人は若い人が多いよね。過去に投資の経験がない人たちにとっては、株よりもFXや仮想通貨の方が参入のハードルが低いんだと思う。

逢坂 確かに、株→FX→仮想通貨の順に若くなっていくイメージです。最近のFX業界で他に良い部分、悪い部分、変わっていけばいい部分などはありますか?

YEN蔵 日本のFX会社はすごくクリーンだよね。例えば、FX会社が破綻しても証拠金は保証してくれるし、海外の業者と比べると明らかに安全で、しっかりレギュレーションができていると思う。その一方で、あまりにもスプレッド競争が激しすぎる。そこにこだわるのではなく、約定力を上げるとかもっと他のことを重視してもいい気がする。

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為替相場には上がるか下がるかの決定的な理由がない

逢坂 日本のFX会社のサービスはすごいですよね。各社の差がもうつかなくなってきているので、ちょっと大変そうだなと感じます。続いて、FXで成功するためのアドバイスをいただきたいです。まず個人トレーダーにおすすめの平日のルーティーン、週末のルーティーンなど、こんなことをやっておいたらいいみたいな習慣があれば教えてください。

YEN蔵 僕は毎日チャートだけでなくファンダメンタルズも見ていて、YouTubeで朝会をやるために経済指標とか要人発言は必ずチェックしています。FXの基本はテクニカル分析だと考えているんだけど、ただテクニカルをやるにしても何で相場が動いているのかを把握しておく必要がある。テクニカルだけでなく、ファンダ的に今何がフォーカスされているかのチェックは毎日やっておいた方がいいだろうね。

逢坂 テクニカル分析を重視するという考え方は、株や商品先物など他の投資に対してもお持ちですか?

YEN蔵 株もテクニカルがメインになるけど、時間軸の長い取引だとファンダの要素が入ってくる。個別株の場合は経済全体のファンダだけでなく、個別の企業のファンダが重要になってくるので、そこを調べないといけない。株が上がるか下がるかはファンダと需給で決まるので、そこの分析に時間を割きますね。一方、為替の場合はフォーカスされているテーマから大局的に上がるか下がるかがある程度予測できるけど、日々のトレードはテクニカルじゃないとできないから、必然的にテクニカルのウェイトが高くなるよね。

逢坂 なるほど。さまざまな投資先がある中で、FXトレーダーは手っ取り早く稼ぎたいという人が多い印象です。

YEN蔵 個人的な見解ですが、僕はFXが一番難しいと思っています。株が簡単とはいわないけど、個別株の場合は業績を徹底的に調べることによって打率を上げることができる。すごく儲かっている会社は、いずれ上がるからね。でも、FXは絶対的にこれで動くという要素が決まっていない。もちろんファンダでもテクニカルでも動くには動くけど、動く要素が常に変わるから難しいんだと思う。

逢坂 そう思っている方は少なくないですよね。「FXってトレンドがないから難しくない?」みたいにおっしゃる方もいます。

YEN蔵 為替相場には、上がるか下がるかの決定的な理由がないんだよね。例えば、メキシコペソのようなスワップ金利が高くて上昇傾向の通貨ペアがあっても、それがどこまで上がるか分からない。株だったらPERとかで大体のあたりはつけられるんだけど、為替はどこまで行っても不思議ではないし、限界が読めない。

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金利だけは絶対に見ておくべき

逢坂 ところで、最近の為替市場は、AIによるアルゴリズム取引の占める割合が増えていると思います。そういう市場に対して、個人トレーダーはどう向き合うべきだとお考えですか?

YEN蔵 初めて僕らがアルゴリズム取引を見いだしたのは、1990年代後半から2000年ぐらいのときです。銀行間の取引はEBS(Electronic Broking System)という端末でやるんだけど、その端末の中にも異常に高速な売買をしている人たちがいて、人間が見ても分からない速さで1秒間に何十回、何百回と取引するんだよ。

いわゆるHFT(High Frequency Trading)なんだけど、個人トレーダーがそれと同じ土俵で戦ってもしょうがないよね。なので、僕はアルゴリズム取引に巻き込まれないよう、距離を取って長期のスイングをやっています。スキャルの人はアルゴリズムと戦わないといけないので大変だと思うよ。研究してアルゴリズムのクセを見ながら裏をかいてやっていくしかないんじゃないかな。

逢坂 ありがとうございます。次に、初心者におすすめのテクニカルのインジケーターはありますか?

YEN蔵 初心者に向いているかは分からないけど、僕はピボットとRSIを使ってる。ピボットに関しては、デイリーピボットと週間ピボットが重なるところをかなり意識してる。例えば、昨日(2023年3月29日)はデイリーピボットのレジスタンス3と週間ピボットのレジスタンス1が重なっていたんだよね。ピボットは損切りポイントが分かりやすいのも利点かと。

逢坂 私もピボットを使っているので良さが分かります。テクニカルに続きましてファンダメンタルズについてもう少し掘り下げてお話を聞かせてください。これだけは必ず把握しておいた方がいいことは何でしょうか?

YEN蔵 金利と中央銀行の動きは押さえておいた方がいいね。特に金利は為替にも株にも全部に影響する。ファンダメンタルズは難しいので敬遠しがちだけど、金利だけは絶対に見ておきましょう。

逢坂 ファンダメンタルズはとっつきにくいですよね。初めてFOMCのドットチャートを見たときに見方が分からず挫折しました。あれ分かりづらくないですか?

YEN蔵 確かに分かりづらいので、ドットチャートを見るのではなく、SEP(FOMC参加者の経済見通しのサマリー)の下の方にFFレートのターゲットというのがあるから、そこを見た方がいいよ。

逢坂 なるほど、勉強になります。10年前とか20年前ってFXを勉強するツールといえば基本的に本でしたが、今は動画とかSNSとかたくさんあって、初心者はどの情報を信じたらいいのか判断がつかないと思うんです。YEN蔵さん的におすすめの動画やSNSはありますか?

YEN蔵 最初はFX会社が公開している初心者向けの解説動画を見るのがいいんじゃないかな。あとYouTubeを見るんだったら、本当に信頼できる人が教えてくれる動画がいいよね。また、ニュースを取得するのにTwitter(編注:現X)は便利だと思う。ただ、基本的にロイターとかのニュースは英語版の方が早く出るので、速報性を求めるなら英文のニュースを読む必要がある。英語でもTwitterやグーグルの翻訳機能を利用すれば内容は分かると思うので、英語ができなくても問題ないでしょう。

逢坂 私もTwitterは情報を得るのに適していると思います。ただ、SNSは自分の都合のいい解釈で情報を取ってしまいがちです。例えば、自分のポジションとか思考に合致しているものしか取ってこないみたいな。偏った情報を取らないようにする方法はありますかね?

YEN蔵 FXの情報ってそんなに偏ってるかな? 海外の情報とかいろいろ見るけど、僕は別に偏っているとは感じない。むしろ株関連の方が煽りのポジショントークとかが激しいと思う。FXはまだマジなんじゃないかな。

逢坂 確かに個別株のSNSは私利私欲が渦巻くダークネスなところという印象があります。その点、FXは割とフェアかもしれません。

FXはどうすれば儲かるのか?

逢坂 では、単刀直入にFXはどうすれば儲かると思いますか?

YEN蔵 俺が聞きたいよ(笑)。真面目に答えるなら、自分の得意なテクニカルを三つくらい決めて、それをブラッシュアップしていくことだね。例えば、野球のピッチャーはストレート1本のみではなく、カーブ、スライダー、フォークなど他の球種も覚えた方が有利じゃないですか。FXもそれと同じで、自分に合ったテクニカルを三つぐらい選んでしっかり勉強して、まずは自分のものにすることが大切だと思う。そして実際にエントリーしてみて、勝てるかどうかを試してみる。FXで勝つ秘訣は、使えるテクニカルを一つずつ増やしていくことじゃないかな。

逢坂 インジケーターの基本部分や性質をしっかりと勉強した上で、トレードの場数を踏んでいき、慣れていくみたいな感じですかね。

YEN蔵 そうだね。FXの勝ち方は本当に千差万別だけど、地道にテクニカルの勝率を上げていくか、リスクリワードを高くするか、それしかないと思う。

逢坂 ありがとうございます。では最後に読者の方に向けてメッセージを。

YEN蔵 FXは非常に難しいので、まずはいくつかのテクニカルを勉強して使いこなせるようになってください。ファンダメンタルズに関しては、勉強するというより、今のマーケットが何に注目しているかということだけ押さえておけばいいと思います。

それと、FXは1000通貨取引ならやられても致命傷になることは少ないので、1000通貨で慣れてから資金を本格的に投入していくのもいいんじゃないかな。何の努力もせずに初心者がいきなり成功できるほど甘い世界ではありません。焦らずゆっくり成長していきましょう。

インタビュー日◎2023年3月30日

外国為替編集部が推せる!米ドル/円取引に向いているFX口座[その3]

米ドル/円のスプレッドが原則固定0.2銭(例外あり)以内と取引コストが優しいFX口座を、FX歴5年超えの外国為替編集スタッフ上岸が3つ厳選しました。いずれも1,000通貨から少額取引可能、取引手数料0円、安心のカスタマーサポートあり! 最短で当日から取引可能です

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