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なぜ11月が「ポジション整理の月」といわれるのか?[FXアノマリー徹底解説シリーズ]

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10月相場は、自民党総裁選や「高市トレード」の話題に彩られながらも、日経平均株価が史上最高値を更新し続けるという異例の展開を見せました。前回のレポートでは、「10月は相場急落が多発するショックの月」として紹介しましたが、今年は違った意味でショックな相場となった印象です。

では、次なる11月相場においては、例年通りのアノマリーが機能するのでしょうか? 本稿では11月に見られる季節的な傾向や注意すべきパターンについて詳しく解説していきます。

11月は「ポジション整理」のタイミング

11月は、マーケット関係者の間で「ポジション整理の月」として知られています。とりわけ9月以降に強いトレンド相場が発生した年には、その勢いが次第に減速し11月頃から反転の兆しが現れるケースが多く見受けられます。

この背景には、機関投資家や大口トレーダーが年内の収益を確定する動きがあるとされ、特に11月中旬以降は利益確定売りによるトレンド転換が起こりやすくなります。継続トレンドを想定したポジションには、警戒感を持って臨む必要があるでしょう。

実需主導の「GOLDアノマリー」にも注目

11月のもう一つの注目アノマリーが「金(GOLD)」に関する季節性です。中国やインドでは、11月後半から婚礼シーズンや贈答イベントが集中し、金の実需が高まることから金相場が上昇しやすい傾向が見られます。

こうした需要増加を見越して、投資家が買いで仕掛ける場面も多く、実際に11月後半~翌年1~2月にかけて利益確定を行う戦略も広く知られています。

また、GOLDが上昇する局面ではドルが売られやすい傾向も見られ、為替市場にも波及する可能性があります。今年の金相場は歴史的な強さを示し、4,000ドル台を突破するなど高水準を維持していますが、それでもなおアノマリーに基づいた買いが発生するか、今後の展開に注目です。

為替市場の注目アノマリー|NZドル/米ドルの傾向

為替市場において、11月特有のパターンとしてNZドル/米ドル(NZD/USD)の動きも取り上げられることが多くあります。以下は過去20年間の月足データに基づく傾向です。

11月:陽線8回、陰線12回
12月:陽線14回、陰線6回

このデータからは「11月に下落(陰線)で終わると、翌月12月は反発(陽線)しやすい」傾向が統計的に読み取れます。

このパターンには理由があり、乳製品を中心とした農畜産物の輸出サイクルや季節的な貿易収支の変動が影響していると考えられます。国土の約半分を農地が占めるニュージーランドは、輸出の約60%を農畜産物が占める一次産業国家です。中でも酪農製品は輸出額全体の4割以上を占めており、需給サイクルの影響は為替市場にも色濃く反映されます。

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【統計データ】過去14年間の11月の為替変動(米ドル/円、ユーロ/米ドル)

米ドル/円の平均変動幅:約511.9 pips(過去14年の11月データ)

傾向としては、陰線がやや優勢なものの、明確な偏りは見られません。2025年はこれまでのところボラティリティが非常に高く、すでに複数の月でこの平均変動幅を上回っています。11月についても同様に、高い変動率を想定したリスク管理が重要になるでしょう。

ユーロ/米ドルの平均変動幅:約461.7 pips(過去14年の11月データ)

陰線の発生頻度が陽線の2倍以上となっており、下落傾向が顕著な月とされています。特に米ドル高圧力が強まる局面では、ユーロが売られやすくなる傾向があり、相関性もあわせて意識する必要があります。

過熱感漂う米国株と今後の為替市場の展望

依然としてトランプ前大統領の発言や政治的影響力が市場に波紋を広げる中、米国株式市場は歴史的な過熱状態にあるとされ、バリュエーション指標やセンチメント指数も極端な数値を記録しています。

この株式市場の“熱”が為替相場にも波及すれば、年末にかけて大きなボラティリティが発生するリスクも否定できません。相場の転換点となる可能性を視野に入れ、11月は一層慎重なスタンスが求められます。

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