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ケルトナーチャネル（KC）を使ったFX手法を平野朋之さんに詳しく話を伺いました。平野さんは、国内FX会社での勤務経験を持つ平野さんは、現在はテクニカル分析に特化したセミナー講師として活動し、個人投資家向けの情報発信にも力を注いでいます。
（FX雑誌『外国為替』vol.5より再構成／チャート提供：TradingView）
平野朋之氏プロフィール
ひらの ともゆき。株式会社トレードタイム代表取締役。米国在住時にシカゴ等の市場を見学して金融に興味を持ち、大学卒業後に為替取次業務を行う。その後、ひまわり証券に入社。FX事業部の立ち上げ、自己売買ディーリング業務、オプション取引の助言業務やセミナー講師等を務めた後、2011年に独立。セミナー講師やトレード情報提供等で多数の実績を誇る。
ケルトナーチャネルだけでトレンドとボラティリティを読み解く
今回紹介するのは、ケルトナーチャネル（KC）を活用した順張りのアプローチです。平野さんによると、KCは指数平滑移動平均線（EMA）と平均値幅を組み合わせた、シンプルながら市場の勢いを捉えやすいテクニカル指標だという。
「ケルトナーチャネルは、アメリカの投資家チェスター・W・ケルトナー氏が考案したテクニカル指標で、ボリンジャーバンドと同じく3本のラインで構成されます。中心に位置するミドルラインがEMAで、トレンドの方向性や強弱を、単純移動平均線（SMA）よりも早めに反応して示してくれるのが特長です。
そしてミドルラインの上下に配置されたアッパーバンドとロウアーバンドは、EMAから平均値幅分だけ上下に広げたもの。市場の変動が大きくなるとバンド幅も広がり、ボラティリティが落ち着くと自然に狭まります。ローソク足が内側からこれらのバンドを抜けたときに、トレンド発生のサインとして扱います。
ボリンジャーバンドとの主な違いは、ボリンジャーバンドはミドルラインがSMAであるのに対し、ケルトナーチャネルはEMAであるため反応が早い点。ボリンジャーバンドの上下のラインは標準偏差であり、ケルトナーチャネルは平均値幅であるため、ボラティリティの変動に伴う変動幅がケルトナーチャネルの方が小さい点です。
今回お伝えする手法は、まず上位足でミドルラインとの位置関係を確認して環境認識を行い、その後トレードする時間足で上下のバンドを突破してきた動きを捉え、ブレイクアウトを狙うという流れです」
上位足の方向性に沿ったブレイクアウトだけを取る
このトレードは、4時間足・日足・週足のどれでも応用できるという。今回はその中でも4時間足を例に、具体的な判断プロセスを説明してもらいました。
「4時間足で仕掛けるときは、最初に確認するのは日足の状態です。日足のローソク足がケルトナーチャネルのミドルラインより上にあるなら買い目線、下に位置していれば売り目線でトレードの準備をします。
新規買いのエントリーの流れは次の通りです。
①まず、4時間足で高値がケルトナーチャネルのアッパーバンドを上抜け、トレンドが発生していることをチェック。
②それから重要な高値が形成されるのを待ちます。
③その後その高値が形成されたら、その価格で逆指値注文を発注。
エントリー後は、次の4時間足で含み益になっていれば利確。損切りは、重要な高値を作ったローソク足の安値のラインです。なお、次の足以降、建てた足の安値を割り込んでいない場合は、過去2本の最安値にストップ注文を置きながらトレール注文で含み益を伸ばすことも可能です。
単に終値がケルトナーチャネルのアッパーバンドを越えたという理由だけで買いエントリーするのではなく、その後の重要な高値を越えた時点でエントリーすることが重要です。重要な高値の形成を待つため、4時間足でのトレードの頻度は週に一回程度しかありませんが、焦らずチャンスを待ってください」
【解説1】この手法で使用する分析アプローチ
ケルトナーチャネル（KC・Keltner Channel）
ボリンジャーバンドと同じく3本のラインで構成されるテクニカル指標で、中央のライン（ミドルライン）でトレンドを、上下のライン（アッパーバンド、ロウアーバンド）でボラティリティを確認できる。
ミドルラインはEMA（指数平滑移動平均線）で、トレンドの方向や強さを把握できる。またEMAなので、SMA（単純移動平均線）と比べて、より早く値動きに反応する。
上下のラインは、ミドルラインからのATR（値幅平均値）の乖離幅で、ボラティリティを把握できる。ローソク足が上下のラインを内側から外側に抜けるとトレンドが発生していると判断する。
【解説2】トレード手法の基本情報
| 狙う通貨ペア | 主要通貨ペア （ドル円、ユーロドル、豪ドル米ドル、 ポンドドル、ポンド円、ユーロ円、豪ドル円等） |
| 表示するチャートの時間軸 | 4時間足、日足（週足も可） |
| 使用するインジケーター | ケルトナーチャネル （期間：20 乗数：1.3 ATR：10） |
| 平均的なポジション保有時間 | 1日～数日 |
| 平均的な利益確定の値幅 | 50～100pipsほど |
| 平均的な損切りの値幅 | 50pips前後 |
| ■勝率の目安 | 58%程度 |
| ■トレードの頻度 | 週1回 （監視する通貨ペアを増やすとおおよそ数日に1回程度） |
①環境認識
4時間足でトレードする場合（日足、週足でトレードも可能）
- 日足のケルトナーチャネルがミドルラインを超えている場合、4時間足で買いの準備をする
- 日足のケルトナーチャネルがミドルラインを割込んでいる場合、4時間足で売りの準備をする
②新規売買（新規買いの場合）
- 【1】高値がケルトナーチャネルのアッパーバンドを越えていることを確認
- 【2】その後、重要な高値(※)が形成されることを確認
- 【3】【2】の高値に逆指値で買い注文を発注
※ 重要な高値：隣り合った2本のローソク足の高値を比較して、一番高い高値を形成した足の上ヒゲ先端（トレード実践例参照）
③決済売買（新規買い→売り決済の場合）
利益確定
●ポジションを建てた足の次の足で含み益の場合は利益確定
（次の足以降、建てた足の安値を割り込んでいない場合は、過去2本の最安値にストップ注文を置きながらトレール注文で利益を伸ばすことも可能）
損切り
●重要な高値を形成した足の安値を割り込んだ場合は損切り
【トレード実践例】ポンド円／日足～4時間足／2023年4月28日
【1】日足がケルトナーチャネルのミドルラインより上にあることを確認し、買いの準備をする
【2】4時間足で高値がケルトナーチャネルのアッパーバンドを上回ることを確認できたら、重要な高値の形成を待つ
【3】重要な高値が形成されたら、逆指値で新規買い。その足の安値で損切り。次の足で含み益になっていたら決済売り
この手法を用いた、ポンド円のトレード例。日足でケルトナーチャネルのミドルライン（20EMA）の上にローソク足があり、上昇トレンドであることを確認したら、4時間足で高値がアッパーバンドを上回るのを待ち、4時間足でも上昇トレンドを確認する。その後、重要な高値の形成を待ち、重要な高値で逆指値の順張りエントリー。次の足で含み益となったため利益確定。
ケルトナーチャネルが使えるチャートツールを提供しているFX会社
チャート分析をするならチャートツールの機能や使いやすさが重要です。ここからは数々のチャートツールを使い比べている外国為替編集スタッフが厳選した、直感的に操作ができ、テクニカル指標や描画機能などが充実しているチャートツールを無料で使えるFX口座をご紹介します。ケルトナーチャネルを実装しているチャートツールは少ないですが、この3社が提供しているチャートツールでは利用できるので、この記事でご紹介した手法を再現できます！
ちなみにチャートツールの利便性以外にも、1,000通貨から少額取引可能、取引手数料0円、安心のカスタマーサポートありと、FXを始めやすい条件を満たした会社を選んでいるので、初心者の方はここで紹介しているFX会社を基準に検討してみるとよいでしょう。
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FXTF（ゴールデンウェイ・ジャパン） |
プロが利用する2つのチャートツールを提供！
★テクニカル指標（ケルトナーチャネル）の有無 ⇒ TradingViewあり、MT4は別途インジケーターをダウンロードする必要あり FXTFでは2つのFX取引口座があり、FXTF GX口座ではTradingViewを、FXTF MT4口座ではMT4を利用可能。どちらもFX業界では有名なチャートツールです！ インジケーターや描画ツールの充実度、チャート画面の見やすさや操作のしやすさでFX口座を選ぶなら一度公式サイトで取引ルールも含めてチェックしておきましょう。 ■公式サイトで詳細をチェック → ゴールデンウェイ・ジャパン |
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みんなのFX（トレイダーズ証券） |
TradingViewを使いながら好条件な取引を可能にしたFX会社！
★テクニカル指標（ケルトナーチャネル）の有無 ⇒ TradingViewあり 総合力で選ぶなら最有力候補に挙げられるのが、このみんなのFX。そもそも低スプレッド＆高スワップポイントなFX口座なのですが、12種類のLIGHT通貨ペアではさらに好条件に！ TradingViewを利用できる上に、自社の独自コンテンツも盛りだくさん。取引ツールも配信情報も抜かりありません！ ■公式サイトで詳細をチェック → みんなのＦＸ |
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