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ノースサンド、3Q売上高・利益ともに過去最高を更新 コンサルタント数は1,343名と着実に増加

目次

前田知紘氏(以下、前田):株式会社ノースサンド代表取締役社長CEOの前田です。2026年1月期第3四半期の決算説明を行います。よろしくお願いします。

スライドは本日のアジェンダです。最初に会社概要、次に2026年1月期第3四半期の業績、最後に今後の見通しについてご説明します。

会社概要|基本情報

株式会社ノースサンドの会社概要です。当社は2015年7月10日に創業し、今年で創業11年目を迎える総合コンサルティング会社です。本社は東京・銀座にあり、関西に支社、福岡に営業所を設けています。

従業員数は2025年10月末時点で1,646名となっています。

会社概要|ビジネスモデル・収益構造

当社のビジネスモデルについてです。スライド左側に示しているように、ノースサンドがお客さま向けにITおよびビジネスコンサルティングサービスを提供し、その対価としてフィーをいただくシンプルなビジネスモデルとなっています。売上は、コンサルタント数・稼働率・平均単価の3つの要素を掛け合わせたもので構成されています。

会社概要|理念

当社の理念についてです。「世の中にまだない新しい価値を提供する」として、コンサルティングの「スキル」だけでなく、コンサルタントという「人」にフォーカスし、人間力を育んできました。愛嬌があり、素直で、しつこく、泥臭いことをいとわない姿勢を大切にし、他のコンサルティング会社にはない、新しいノースサンドとしての価値を提供していきたいと考えています。

会社概要|行動指針 8RULES

行動指針についてです。「8RULES」という8つの行動指針を掲げており、どれも当たり前のことを示していますが、私や役員を含む全従業員がこれらをより高いレベルで実行できる会社を目指して取り組んでいきたいと考えています。

2026年1月期第3四半期の業績|経営成績(P/L)

2026年1月期第3四半期の業績についてご説明します。スライドに成績を記載しています。まず、P/Lの状況ですが、売上高は183億6,100万円で前年同期比58.2パーセント増加、営業利益は37億1,500万円で前年同期比98.5パーセント増加、営業利益率は20.2パーセントで前年同期比4.1ポイント増加し、いずれも過去最高を更新しました。売上を構成する主要なKPIも堅調に推移しています。

コンサルタント数は1,343名で、前年の第3四半期より454名増加しました。採用が計画以上に進み、定着率も高く、人員は順調に拡大しています。また、稼働率は引き続き90パーセント以上を維持しており、既存・新規ともに案件獲得も順調です。

平均単価も前年同期比で上昇しています。お客さまとの関係を強化することで、着実に単価を引き上げることができています。

2026年1月期第3四半期の業績|四半期ごとの業績推移

四半期ごとの売上高と営業利益についてです。どちらも順調に推移しており、着実に実績を積み上げています。

2026年1月期第3四半期の業績|業績の進捗率

通期予想に対する進捗率についてです。スライド左側の売上高は、2026年1月期第3四半期までで進捗率73.4パーセントとなっています。スライド右側の営業利益の進捗率は76.2パーセントで、どちらも過去2年と比較して順調に推移しています。

当社は人員の増加に伴い、期末に向けて売上が拡大するビジネスモデルとなっています。通期予想の達成に向けて、残りの第4四半期も成長を続けられるよう努めていきます。

2026年1月期第3四半期の業績|財政状況(B/S)

B/Sの状況です。資産は99億2,500万円で、事業拡大に伴う現預金および売掛金の増加によるものです。負債は43億700万円で、仕入れや外注費の増加が要因です。

純資産は56億1,700万円となっています。これは事業拡大による利益増加が要因です。自己資本比率は56.6パーセントとなり、前期末比で13.3ポイント上昇しました。事業成長により、安定した財務基盤を構築できています。

今後の見通し|2026年1月期通期予想(2025年11月21日の公表内容から変動なし)

今後の見通しについてです。まず、今期の通期予想ですが、2025年11月に公表した内容から変更はなく、売上高は250億600万円、営業利益は48億7,400万円、営業利益率は19.5パーセントを目標としています。

今後の見通し|成長戦略

当社の成長戦略についてです。これまでと同様に、採用、人材育成、お客さま獲得、組織作りを軸とした活動で各KPIを伸ばし、持続的な成長を目指していきます。

採用では、引き続き人材エージェントとの関係を強化し、採用数の増加を目指します。次に、人材育成では、コンサルタントを支える体制を強化し、単価の向上を目指していきます。また、お客さまに対しては、これまで以上にきめ細かい対応ができる営業体制を整え、案件の獲得と高稼働率の維持につなげていきたいと考えています。そして組織作りにおいては、マネージャー層とメンバー層のバランスが取れた人員構成を重視していきたいと考えています。

今後の見通し|長期の目標

これらの取り組みを通じて、長期的な目標としてコンサルタント数3,000名以上、稼働率90パーセント以上を達成し、平均単価の継続的な向上を目指していきます。また、売上高600億円、売上総利益率50パーセント以上、営業利益率30パーセント以上を実現し、コンサルティング業界において確固たるポジションを築いていきたいと考えています。

以上で、2026年1月期第3四半期の決算説明を終了します。

質疑応答:主要KPI(採用数、稼働率、単価)の進捗状況について

質問者:基本的なKPIについて確認させてください。1点目にコンサルタントの人数についてですが、現在1,343名で、今年度の目標が1,400名超とのことでした。そのためには60名弱の採用など積み上げが必要かと思います。こちらの進捗状況について教えていただけますか? 

2点目は稼働率についてです。資料ではすべて90パーセント超と記載されていますが、QoQで見た場合、コンサルタントの人数が増加していることから変動しやすいと考えています。この点について、現状はどのような状況でしょうか? 

3点目は平均単価についてです。前年同期比で上昇とありますが、コンサルタントの方、特にデリバリーのメンバーが増えていることにより、変動が生じているのではないかと推察しています。QoQで見た場合、どのような変動が見られますか? 以上の3点の主要KPIの動きについて教えてください。

前田:1点目の採用数の進捗については、順調に進んでいます。

2点目の稼働率については、コンサルタントの人数は増加していますが、引き続き90パーセント以上を維持しており、こちらも順調に推移しています。

3点目の単価については、QoQでデリバリーの人数が増加していますが、お客さまとの良好な関係を築き、信頼を得ていますので、単価も上昇傾向にあります。

質問者:稼働率や単価について、QoQで見た場合はどうでしたか? もう少し詳細に教えていただけると幸いです。

小久江省隆氏(以下、小久江):専務取締役CFOの小久江です。四半期ごとの稼働率については、特に大きな変動はありません。この点については、季節性の影響も特に見られません。

単価については、例年3パーセントから5パーセント程度上昇しており、この傾向は今期も継続しています。そのため、計画どおり単価を引き上げられていると考えています。

質問者:では、単価についてはQoQで上昇しているという理解でよいですか? 稼働率については横ばいということですね。

小久江:細かくご説明すると、新卒の社員が入社する時期などには、単価が毎回右肩上がりになるわけではありませんが、トータルで見れば3パーセントから5パーセントの上昇となっています。そのようにご理解いただければと思います。

質疑応答:上場の理由と採用成功の要因について

質問者:2点おうかがいします。1点目に、御社は社歴が非常に長く、業績も安定していたと思いますが、このタイミングで上場を選択された理由をあらためてお聞きしたいです。

2点目は、昨今の採用が難しい状況の中で、非常に多くの人材を採用できていることについてです。資料を拝見し、とてもすばらしいと思いましたが、その理由についてもう少し詳しく教えていただけますか?

前田:1点目の、創業10年というタイミングでなぜこの時期に上場したのかについては、2022年に監査法人のショートレビューを受け、業績も順調に推移しており、上場に向けての活動に自信が持てました。その結果、上場準備を開始し現在に至ります。

2点目の、採用がなぜうまくいっているのかについては、私たちは人材エージェントとの関係性を強化し、良好な関係を築いています。そして、愛嬌があり、素直でしつこいなど、人間力のあるコンサル未経験者を採用し続けていることで、この成果が生まれていると考えています。

質疑応答:業績進捗率について

質問者:業績の進捗についておうかがいします。売上高と営業利益の進捗率がおおむね75パーセントで、例年と比較して良好であり、特に営業利益は前年の第3四半期で約66パーセントだったところ、今期は76パーセントと、計画を10パーセントほど上回っているように見受けられます。この理解で間違いないでしょうか?

小久江:業績の進捗率は現状75パーセント前後であり、例年に比べて順調に推移しています。第4四半期においても、特別な費用が発生する予定は現在のところ認識していません。そのため、例年と比べても順調に推移しており、第4四半期はコンサルタント数や稼働人員の増加に伴い、着実な成長を実現していきたいと考えています。ご指摘の内容についてもおおむねそのとおりです。

質疑応答:2028年1月期のコンサルタント数目標について

質問者:中期目標が2028年1月期の経営目標とされている中で、御社の場合、コンサルタント数が1つの重要なKPIであると考えています。今期の2026年1月末には1,400名超となる見込みで順調というお話がありました。一方で、2028年1月期の2,000名超という目標を見ると、1,400名から2,000名に増加する人数は600名となり、2025年1月期から2026年1月期までの460名増と比較すると、増加ペースが減速しているようにも見受けられます。この2,000名という目標値がかなり控えめな設定なのか、そのあたりを補足してご説明いただけますか?

小久江:2028年1月期のコンサルタント数については、現状、当社としては、コンサルタント数が月単位で純増35名程度となる見込みで、年間で約420名増えることを期待しています。また、新卒については、今年の実績として120名が入社しており、その結果、全体として500名程度の増員を見込んでいます。

ただし、人数が増えるにつれて、離職率は低いものの、退職者数自体は増加していくため、全体的には400名程度の増加を目指していきたいと考えています。

そのため、全体で2,000名を超える見通しとしています。

質問者:そうすると、実際には1,400名から各年で400名以上増加していき、2,000名という中期目標はあるものの保守的な数字であり、実際には2,200名から2,300名程度を目処にしているという理解でよいでしょうか? 

小久江:おおむねそのとおりです。

質疑応答:中途採用者の未経験者割合と出身業界について

質問者:人事に関しておうかがいします。今期の新卒採用は120人で、現在のコンサルタント数は1,343名ですが、年間で400人ほど増やしていく目標とのことでした。

年間でこの120人の新卒を除いた後、中途採用のうちどの程度が未経験者なのでしょうか? 

おそらく中途採用について、未経験者をメインに採用されているとは思いますが、実際には経験のあるコンサルタントとの比率がどのようになっているのか教えてください。

前田:中途採用でコンサル未経験者の割合は約9割です。

コンサル以外では、IT関連企業の出身者や事業会社の出身者などがいます。さまざまな業界からの採用がありますが、約9割がコンサル未経験者であるとご理解いただければと思います。

質疑応答:未経験者の給与と教育コストの扱いについて

質問者:給料についておうかがいします。未経験者の採用の場合、それほど高い水準にはならないと思いますが、一般的なコンサルタントを雇う場合と比較して、低めの給与水準で採用することは可能でしょうか? 

また、先ほど、単価の改善が3パーセントから5パーセント進んでいるとのお話がありましたが、これは未経験者が経験を積むことで次回の契約書で単価が上がることによるものと考えてよいのでしょうか? マネタイズができ始めているという理解でよいですか? 

前田:そのとおりです。社内の育成の仕組みが整っており、未経験者を採用し、社内で育成して単価を次の契約でどんどん上げていくことで、単価を上昇させています。

質問者:御社の場合、トレーニング中のコストや人件費は、SGAの中に計上されているのですか? あるいは、現在規模が小さいため、つい最近のベイカレント社のように、すべて原価の中に計上されているのですか? 

小久江:中途採用のコンサルタントについては、初月からほぼ100パーセント稼働しているため、その分は売上原価に計上されています。

新卒採用については、2ヶ月間のトレーニング期間があり、この期間中の費用はSGAに計上されています。その後、6月から現場に出るようになり、そこから売上原価に計上される仕組みです。

質問者:未経験者で中途採用の方も、Day1から売上に計上しているかたちですか? この方たちはトレーニングを受けないのでしょうか? 

小久江:未経験者であっても、先ほど示したとおり、IT業界にいた経験がある方などは最低限のスキルをお持ちです。

また、現場でのOJT体制もしっかり整えていますので、初日からおおむねの人材が稼働可能です。90パーセント以上の稼働率を確保できている状況です。

質疑応答:得意な業種と売上比率について

質問者:得意な業種などはありますか? スライドに記載のチャートに関して、売上を分析した場合、どのような売上比率や割合になっていますか?

前田:スライドに売上の比率について示していますが、製造業のお客さまが10パーセントを占めています。

上位5社で全体の売上の約30パーセントを占めている状況でして、業界として分散できていると考えています。

質疑応答:契約書の期間とアップデートスキームについて

質問者:契約書の期間については、約3ヶ月ぐらいでアップデートしていくようなスキームなのでしょうか? 

前田:そのとおりです。契約期間は3ヶ月です。

質疑応答:AIの台頭に対するITコンサルティング業界の対応について

質問者:現在のITコンサルティング業界は、「Nice to have(あるとよい)」のような状況かと思います。

そのため、AIの台頭に関する質問が出てくることがあると思いますが、御社はどのように対応されているのでしょうか?

前田:AIについては、当社にとって追い風になっていると考えています。

理由は2点あります。1点目は、当社の仕事自体が生成AIを活用した業務改善の案件を受注できているためです。

2点目は、当社自身が米国のNotion社の販売代理店であり、Notion AIを活用して当社業務の効率化やサービスの効率化を進めており、それによって当社の付加価値が向上しているためです。

以上の2点から、AIの台頭は当社にとって追い風であると考えています。

質疑応答:来期の売上成長見通しについて

質問者:現在、売上が約50パーセント伸びている状況ですが、スライドに「中期目標として売上高成長率30パーセントから35パーセントを目指す」と記載されています。今は58パーセントという勢いで伸びていますが、来期も同じくらいの伸び率を維持できるのでしょうか? それとも、「いやいや、58パーセント、60パーセント近く伸びているので、来期は40パーセントから50パーセントぐらいだよね」というような見方をすべきでしょうか? すでに第3四半期、第4四半期に入っている中で、来期についてどのようなイメージを持つべきか、ヒントをいただきたいです。

小久江:事業規模がこれだけ大きくなる中で、現在50パーセントから60パーセントの成長を実現していますが、コツコツと同じ割合で人員を増やし、稼働を増やし、単価を上げていくことを考えています。そのような取り組みを繰り返す予定です。

その結果、規模の拡大に伴い割合としての成長率は緩やかになっていきます。つまり、3ヶ年の平均成長率が30パーセントから35パーセント程度であることから、先ほどご質問にあった30パーセントから50パーセントにかけてのイメージ感は、まさにその中間点といった位置づけになるかと思います。

質問者:「来期に向けてのパイプラインは豊富です」というイメージは変わらないということでしょうか? 

小久江:ご理解のとおりです。

質疑応答:事業環境と需要の分布状況について

質問者:好調な売上高や利益を見る限り、事業環境は非常に強いという印象を受けます。一方で、外部から見ると、どのような案件や事業環境が特に強いのかが見えづらい部分もあると考えています。

そこでうかがいたいのですが、現状の御社の需要の主な柱のようなものとして、例えばSAP関連のモダナイズのPM案件が大きな割合を占めているのでしょうか? 

また、AIに関しては、社長のおっしゃることに共感しています。適用案件も今後さらに増えていく可能性があるのではないかと考えています。

以上を踏まえ、見通しを含めた事業環境についてコメントをいただけますか?

前田:事業環境についてお話しします。我々がどのような仕事をしているのか、スライドに示している内容をご覧ください。当社は幅広い業界に対してサービスを提供しています。特定の業界に偏ったSAPの案件が多いわけではなく、幅広いサービスを展開しています。

例えば、比較的多いのは、大規模な基幹システムのリプレイスや刷新といったプロジェクトのサポート業務です。

また、AIについては、まだ案件数が少ないのが現状ですが、今後増加することに対応していきたいと考えています。

質疑応答:コンペにおける勝率と取り組みスタイルについて

質問者:御社のもともとの経営陣の経歴を含め、コンサルティングにおいてしっかりと教育を重視されているという印象があります。未経験の方が多い場合、コンペにおいて他社との状況に関しては、価格や勝率などがどのような状況になっているのかご教示いただけますか?

前田:「未経験者がコンペに勝てるか」ですが、少人数でお客さまのプロジェクトに参画するケースが多くあります。

その中で、未経験者であっても品質を評価いただき、「また次の3ヶ月も契約したい」とおっしゃっていただくことで、リピート率を向上させています。

したがって、コンペで競争するというよりは、スモールスタートで参画し、徐々に規模を拡大していくスタイルを採用しています。

質疑応答:営業利益率改善の要因について

質問者:営業利益率が前年よりもかなり改善しているのが今期の印象です。粗利率については、前年の数字が確認できないため、どこからの改善なのかがわかりません。四半期の単価上昇による粗利率の改善なのか、それとも販管費率の効率化なのか、どこが営業利益率の改善要因なのかを教えていただけますか? 

小久江:現状では、両方から営業利益の改善が図られています。

まず、粗利については、年に1ポイントから2ポイント程度の改善があり、将来的に50パーセントを目指して継続していくことが目標です。

次に販管費率についてですが、過年度は30パーセント台前半でしたが、現在は30パーセントを下回る割合になっています。オペレーティングレバレッジにより、採用費や人件費の割合が薄まってきています。これらを踏まえ、営業利益については、まずは20パーセントを着実に達成し、そのうえで将来的には30パーセントを目指していきたいと考えています。

質疑応答:通期目標および第4四半期の費用見通しについて

司会者:「第3四半期までの営業利益の通期計画に対する進捗率が76パーセントと、昨年度の67パーセントを上回っています。順調な利益進捗にもかかわらず、通期計画の見直しを行わなかった理由は何ですか? 第4四半期の進捗によっては、通期の計画を見直す可能性があるという理解でよいでしょうか?」というご質問です。

小久江:通期の目標に関しては、おっしゃるとおり例年と比較して営業利益の進捗は順調です。

先ほどご説明したように、第4四半期については特別に大きな費用が発生する見通しはありません。また、現時点では、東京証券取引所の適時開示基準に基づき、通期予想の見直しは実施しないと判断しています。

今後は、売上や営業利益を1億円でも2億円でも着実に伸ばす努力を続けていきます。その上で、基準に照らし見直しが必要となった場合には、速やかに対応します。

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