富士紡ホールディングスは30日、2026年3月期第3四半期(25年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比6.6%増の343.33億円、営業利益が同20.7%増の60.19億円、経常利益が同19.9%増の62.31億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同16.7%増の42.53億円となった。
研磨材事業の売上高は前年同期比15.3%増の165.29億円、営業利益は29.7%増の46.16億円となった。超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によるHBMなどのメモリや最先端ロジック向け半導体の需要増加により受注が堅調に推移した。シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保した。ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では中国の家電補助金政策によりパネル需要が好調に推移し、受注が増加した。
化学工業品事業の売上高は前年同期比6.1%増の107.03億円、営業利益は17.0%増の11.05億円となった。機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、半導体を含む電子材料市場の拡大が継続していることに加え、在庫調整が続いていた農薬市況においても緩やかな回復傾向が見られ、受注が堅調に推移した。また、柳井・武生両工場の稼働も総じて高い水準を維持した。
生活衣料事業の売上高は前年同期比8.6%減の49.18億円、営業利益は21.3%減の4.00億円となった。繊維素材は、人件費の増加やコストの高騰、円安の影響を受け、厳しい環境が続いている。繊維製品は、アウトドア向け製品が、ECと実店舗を組み合わせたOMO戦略を展開し、専門店への卸売りや販促活動を強化したことで、認知度と売上が計画以上に伸びている。一方、海外向け販売は、日中対立の影響により新規受注が減少した。主力である年間定番品についても、売場の縮小や消費者の買い控えが重なり、売上が落ち込んだ。
その他の売上高は前年同期比8.6%減の21.82億円、営業利益は0.78億円減益の1.02億円の損失となった。化成品部門は、医療機器用部品やデジタルカメラ用部品の受注は堅調に推移した。金型部門は、自動車用途では業界の不透明感が続き、2026年度に向けて案件が徐々に具体化しているものの、回復には至っていない。事務機器用途は、開発案件の端境期にあり売上が伸び悩んでいるが、医療分野を中心とした新規分野への展開を進めている。また、ホットランナーについても、需要に波があり、車載関連を中心に受注が増加傾向にあるものの、業績回復には時間を要している。
2026年3月期通期については、売上高が前期比5.8%増の454.00億円、営業利益が同15.8%増の75.00億円、経常利益が同15.4%増の77.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.7%増の50.00億円とする10月31日発表の修正計画を据え置いている。