2026年6月期第2四半期決算説明
常見武史氏(以下、常見):Genky DrugStores株式会社執行役員財務IR部長の常見です。まず私からご説明します。
今回開示しているものは主に3つです。決算説明資料、決算説明補足資料、経営戦略です。補足資料はデータベースですので説明は割愛し、本日は説明資料、経営戦略の順番でご説明します。
売上高・客数・客単価 前年対比推移
売上高・客数・客単価の前年対比の推移です。
総括として、第2四半期後半は医薬品やシーズン品が若干伸び悩みました。昨年よりも気温が高かったことや、昨年インフルエンザ流行の反動が影響したためです。
食品について、昨年は生鮮食品のキャベツなど葉物野菜が非常に高騰していたことから、今年は同じ数量を販売しても売上が6割程度でした。また米価の高騰により、値上げせざるを得なかったお弁当類の販売も苦戦しました。
しかし食品全般としては、競合他社に比べ競争優位性のある売価を維持しており、お客さまの節約志向をしっかりと取り込むことができたことから堅調で、既存店の売上高は計画の2.6パーセントに対し2.5パーセントと、ほぼ計画どおりで着地しました。
一点単価は、食品を中心とした物価高の影響で5.2パーセント上昇しました。したがって、お客さまの節約志向は依然として非常に強い状況です。
これにより、買上点数は昨年より0.3個減少、マイナス4.8パーセントでした。しかし、節約志向のお客さまが当社に多くご来店いただいたことで、既存店の客数は前年同期比でプラス2.3パーセントと堅調に推移しました。
補足として、政府の備蓄米については、当社は第1四半期に約6,000トン、売上高でいうと約20億円分を販売しました。第2四半期にはほぼ影響がありません。
また第3四半期に入った1月度の月次データもグラフに追記しています。前年対比98.6パーセントとなりました。
曜日巡りの影響で日曜日が1日少なく、曜日ズレを調整すると同曜で前年対比100.6パーセントという結果でした。
若干低めではありますが、当社の1月度には、年末年始、いわゆるハレの日が含まれています。当社はこれまで日常デイリー品を中心に、お客さまに積極的に訴求しましたが、この裏返しで、年末年始の需要がやや伸び悩んだ結果となりました。
これについては2月以降しっかりと挽回していきます。
2026年6月期 2Q会計期間 前年比
第2四半期の会計期間3ヶ月間の前年比についてです。具体的な数字はスライドのとおりです。今回から、前年同期比に加えて四半期ごとの計画比も表示しています。
売上高はほぼ計画どおりに着地しました。出店数は18店舗を計画していましたが、1店舗期ズレし17店舗でした。
荒利益率について、計画対比0.1ポイントの下振れで着地しましたが、第1四半期では計画比プラス0.3ポイントでしたから、通期計画に影響はありません。また、食品の廃棄ロスなどについても第1四半期同様、適切な範囲で管理できています。
また外的要因として、節約志向の高まりにより、化粧品や雑貨など非食品がやや苦戦したことが、若干のマイナス影響として含まれています。
販管費は、計画比で2億1,000万円下回る着地となりました。主な要因は人件費が計画比で2億7,000万円下回ったためです。
これは第1四半期からの継続的な傾向です。当社は昨年からセルフレジを全店舗に導入しています。これにより、人件費の抑制を見込んでいました。とはいえ、導入したばかりですから想定外の人件費を見越し、バッファーを設けていました。これらを適切にコントロールできたことで、計画比抑制となりました。
結果、第2四半期の3ヶ月間で、営業利益高は計画比1億4,000万円の上振れで着地しました。
2026年6月期 2Q累計期間 前年比
こちらは上期累計ですが、ほぼ同様ですのでご説明は割愛します。
四半期会計期間 連結業績推移
こちらもご説明は割愛します。
主要経営効率の推移
当社が主要と考える数値の推移です。1坪当たりの売上高、荒利益高、販管費などを記載しています。
当社はローコストオペレーションを重視しているため、坪当たり販管費を上限20万円で維持することを目指しています。そのコントロールの上で、ディスカウンティングにより客数を増やすことで売上高を伸ばし、坪当たり営業利益高を高めていくサイクルです。
その坪当たり販管費ですが、当第2四半期でも20万2,000円でしっかりとコントロールしています。坪当たり売上高・坪当たり荒利益高も順調に伸ばしており、その結果、坪当たり営業利益高も毎年漸増させることができています。
坪当たり販管費の維持に重要な、従業員一人当たり売場面積ですが、これはいかに店舗人員が少ないかを示す指標であり、店舗効率化で毎年増加し、直近では39.8坪となりました。当社のレギュラー店の面積は300坪であるため、10人未満で店舗のオペレーションをしていることになります。
荒利益率・販管費率 四半期推移
四半期ごとの当社および同業他社の荒利益率・販管費率の四半期推移です。
スライド右側の販管費率、ドラッグストア業界で最低の15パーセント台を安定して維持しています。
営業利益率 四半期推移
その結果、荒利益率は20パーセント台と、業界で最も低い水準でありながら、営業利益率は5パーセント台の高水準を安定的に維持できています。
2026年6月期 通期業績予想(2026.1.22修正
私からのご説明は最後になりますが、本年1月22日に通期業績予想を修正しました。
出店数を66店舗から61店舗へ修正しました。来期への期ずれが要因です。それに伴い、売上高は期初計画より6億円程度下振れの見込みとなりました。
一方、販管費をしっかりと抑制できていることから、営業利益高は、期初計画の105億円から110億5,000万円へ上方修正しました。
Financial Results and Forecasts(Updated 2026.1.22)
こちらは過去5年間のトレンドです。ご参照ください。
本日はご説明しませんでしたが、「決算説明補足資料」を当社ホームページにアップしており、四半期ごとの売上高、荒利益、販管費などの計画詳細を公開しています。
特に販管費は、人件費・設備費・一般費・販促費の4項目に分解して記載していますから、ぜひご参照ください。
以上、数字の振り返りとなります。続いて、弊社代表取締役社長の藤永賢一より、当社の戦略についてご説明します。
藤永賢一氏(以下、藤永):代表取締役社長CEOの藤永です。よろしくお願いします。
坪当たり売上高は、5年前には110万円台でしたが、これはEDLP(エブリデイ ロープライス)を始めた頃ともいえると思います。そこから20万円ほど上昇してきました。徐々に、お客さまが便利さや生活必需品の安さを感じていただき、来店客数、特に同じお客さまの来店頻度が増加している結果です。
高速出店で新店比率は上がっていますが、既存店の伸びにより坪当たり売上高が上昇しています。また、スライド一番下の利潤分配率は一時20パーセントを下回る時もありましたが、現在は25パーセント台まで上昇しています。
他社比較について、「マツモトキヨシ」さんが業界で最も高い7パーセント台の営業利益率を達成しており、評価されています。
「マツモトキヨシ」さんの荒利益率は34パーセントから35パーセントに達しており、利潤分配率を計算しますと約21パーセントになります。
一方当社の荒利益率は20パーセント台と低いものの、営業利益率が5パーセントを超えてきており、利潤分配率が25パーセントと非常に高いのが特徴です。つまり、損益分岐点売上高比率を低く抑えられているということです。
坪当たり売上高が徐々に増加していますから、荒利益率はほぼ一定でも坪当たり荒利益高が少し増加し、かつローコストで販管費が抑えられているため、自然と坪当たり営業利益高が増加しています。
売上高や荒利益率が際立って高いということはなく、一見すると地味な損益に見えますが、それが当社の目指す標準化の実現につながり、多店化の要となります。
例えば、昨年末に当社は500号店を出店しました。多くの会社では200店、500店といった壁があり、次には1,000店、2,000店というさらなる壁が現れます。その壁を事前にしっかりと準備することで突破しやすくなる点が、非常に重要です。
ここが、高売上高や高荒利益率といった偏った経営では、この壁を突破することが非常に難しくなります。これは欧米チェーンの事例を通じて学んだ試金石とも言えます。
経費コントロールができていることで、売れ行きが悪くても利益を生み出せる仕組みにつながります。「売れなければいけない」や「荒利が高くなければいけない」では、ドミナントエリア構築や自社競合・他社競合の影響を受けやすい点が特徴です。
特に日本は人口減少国であり、その中で生き残るためには、地味ですが経費コントロールを着実に進めていくことが、大きな意味を持ちます。これが最終的に、残存者利益となり、営業利益率や利潤分配率の上昇につながっています。
そして、経費コントロールの要である標準化や単純化が、店舗数の壁を突破する要因となります。
ドラッグストア業界も再編が進んでいますが、単独企業で2,000店舗を超えるのは非常に難しい状況です。これは、店舗が統一されておらず、個店ごとの売上高や高荒利益率に依存していることが大きな問題であると考えます。
さらに、物流や出店など重要な部分を自前化していないことが、自力成長を妨げている要因です。これは当社の差別化につながるポイントであり、大切にしていきたいテーマとして捉えています。
マクロ環境:消費マインド
それでは戦略についてお話しします。まずマクロ環境から、エンゲル係数が上昇しています。今朝のNHKニュースでも、石川県能登地方の地震の影響により、物価高と相まって生活が困窮している年金生活の方々の状況が伝えられていました。
これは能登だけの問題ではなく、地方全体が困窮を深めていると言えるでしょう。そのような状況の中、そのニュースでは当社のお店で買い物をしている様子も紹介されていました。
「少しでも安いものを買いたい」というニーズは、選挙が終わった後も必ず続きます。そこを当社はEDLPで捉えていきます。
マクロ環境:人口減少
人口減少が進む中で店舗数が増加し、ドラッグストア1店舗当たりの全国平均人口は、約5,400人まで下がってきました。
そのような状況の中、当社発祥である福井県は1店舗当たり約3,900人、滋賀県では全国平均程度、愛知県では平均よりやや高めとなっています。つまり当社は、空気の薄いところで鍛えられてきたと言えます。
実際に坪当たり売上高を県別で比較しても、やはり愛知県のほうが高くなっています。わずかな差ではありますが、1店舗当たり人口4,000人と5,800人の違いは、大きな影響を及ぼしています。愛知県が出店の主軸になっていくことも、ここで言えます。
業界環境:ドラッグストア業界のポジションが2極化
左上“FOOD & DRUG” Groupについてです。当社は食品構成比が一番高く、70パーセントを超えています。また、荒利益率が最も低く、つまり店頭価格が低いわけで、「コスモス」さんよりも左上に位置しています。その右側には「薬王堂」さんや「クスリのアオキ」さんが続いています。
一方、スライド右下は“Specialty Drug” Groupと呼んでおり、こちらは荒利益率が高い、つまり価格が相対的に高く、食品構成比が低い点が特徴です。「ウエルシア」さん、「ツルハドラッグ」さん、さらに「スギ薬局」さんや「マツモトキヨシ」さんという位置づけになっています。
“Specialty Drug” Groupが多くても、お客さまは使い分けをされるのでしょうか、当社が出店しにくいということはほとんどありません。
業界環境:各グループの「稼ぎ方」の違い
スライドは、荒利益率と販管費率の関係を示したグラフです。このグラフでは、幅が広いほど営業利益率が高いことを意味します。当社は荒利率も低く経費率も低い位置で、幅が広いのが最適と考えます。
競争力の観点でも、低い経費率と低い荒利益率で、高い営業利益率を目指すべきです。営業利益率5パーセントはモデルであり、荒利益率が20パーセントの場合、利潤分配率20パーセントで営業利益率4パーセントとなり、これを収益下限と位置づけています。
営業利益率が4パーセントを下回ると、モデル店舗としての収益レベルを満たしません。
現在の利潤分配率は25パーセントですから、積極的な出店計画を進めていますが、これが20パーセントを下回り、営業利益率4パーセントという下限を割る場合、マーチャンダイジングの再検討などが必要になると考えています。
営業利益率3パーセント台で多店化を進めている会社もありますが、非常に危険ではないかと考えます。
Genkyの特徴
エリア戦略です。当社は中日本地域に出店を集中させており、現在は5県に展開しています。一昨年、富山県にRPDC(リージョナル・プロセス・ディストリビューションセンター)を設置したことから、6県目は富山県を見据えています。
まずはこの中日本地域で、ドミナント方式をしっかりと推進していく方針です。愛知県が主力となりますが、この地域に約500店舗展開できると考えており、現在の5県合計で1,000店舗の出店が可能だと見込んでいます。
スライド左側の表は、当社の特徴を示しています。当社は生鮮品を取り扱い、売場面積300坪で標準化された店舗のみを展開しています。チラシの発行頻度は年に3回から4回と限定的です。こうした取り組みにより、EDLP戦略を進めています。
DgS各社 荒利益率・販管費率 四半期推移
2019年にEDLPを始めてから、荒利益率と販管費率が低下しました。
一時は営業利益率が2パーセント台まで落ち込みましたが、踏ん張った結果、上昇に転じました。ハイアンドローからEDLPに切り替える際には相当な勇気が必要でしたが、クリアできてよかったと考えています。
DgS各社 営業利益率 四半期推移
営業利益率の推移についてです。2021年に一度5パーセントを超えたことがありましたが、これはコロナ禍のマスク騒動による偶然のものでした。実力が反映されたのは、2024年の初めからで、現在は5パーセント台に入ってきました。
ここから6パーセント、7パーセントにするわけではありませんが、5パーセントを目標にしつつ、引き続き低価格を継続します。
お客様に最大の価値を提供できるゲンキーの店舗
当社のレギュラー店は、すべてスライドのような標準レイアウトとなっています。
このレイアウトも理論どおりに作成しており、「ここをひっくり返したほうがいいんじゃないか」ということは起きず、社内では憲法のように固定されており、改正はできません。少しずつアップデートは行いますが、少人数で作業をしているため、大幅な変更は行いません。
ドラッグストア業界では、比較的大きな売場変更が行われることがあります。それに伴って企業内にパターンが増え続け、AIによる棚割り管理を行うなど一生懸命取り組んでいますが、結果的にバイヤーが把握しきれない売り場になります。
当社店舗レイアウトは、レジ内側が正方形という原則に基づいており、主通路である医薬品の1番通路と日配品の11番通路のみが少し広くなっています。この比率もレイアウト理論に従っています。
後方在庫はありません。レイアウト左下の長方形部分が後方ですが、そもそもバックヤードがないため、「売れたものしか納品されない」となっています。
このスペースは、他社では50坪から100坪ほどある場合もありますが、後方在庫がたくさんあるにもかかわらず売場で商品が欠品しているという矛盾が発生しています。当社も過去、大型店の運営時にそのような状況がありましたが、レギュラー店では改善を行い、作業動線をどんどん短くする工夫を行っています。
EDLC(エブリデイ ローコスト)文化
坪当たり売上高が上がっているにもかかわらず、坪当たり販管費が上昇しない点が非常に重要だという点をご説明しています。
売上高が増加すると、通常は人件費中心に経費も比例して上がりますが、いったん増えた経費は簡単に減らすことができないので、売上が少しでも減少したり、荒利益が減少すると、たちまち赤字になる可能性があります。
当社は「経費が上がるぐらいなら、売上は上がらないほうがいい」とさえ考えており、例えば「経費が上がるのなら、荒利益を上げてカバーすればいい」や、「売上が上がるといいな」といった期待だけでコントロールすることは、持続性がないため行いません。
つまり、経費のコントロールを徹底して行うということです。賃金も上昇し続けることを見越して経費コントロールを続け、売上に依存しない運営を目指します。
「ローコストオペレーションは業界で一番ですから、もう限界でしょう」と言われますが、まだあります。スライド右側は従業員1人当たりの売場面積を示しており、現在も増加し続けています。
「セルフレジの効果がメインですよね?」と聞かれるのですが、それ以外に取り組んでいる項目は何十にも及び、それらを積み重ねることで、従業員1人当たりの守備範囲を広げています。
売場面積300坪中、一人当たり売場面積36坪ということは、従業員10人以内で対応可能ということです。
ヤメル・ヘラス・マトメルで店舗業務の効率化を追求
効率化の追及です。「あれもやめました、これもやめました」が多いのですが、「今の時代、そんなのでいいのですか? eコマースもやらないし、SNS販促もやらないし、店内販促のデジタルクーポンとかなぜやらないのですか?」とも聞かれます。
それらは効果が曖昧で、マスコミ受けが良く、話題になりやすいと言うだけですから、「やらなくていい」ということ、やめるものばかりです。
現在、当社は次の組織体制の整備を進めており、店舗単位では、1人当たり売場面積を60坪とすることを目指しています。本部人員を含めた場合でも、1人当たり40坪を目指せるのではないかと考えます。
ただし、15パーセントの売上販管費率については、これ以上の削減は必要ないと判断しています。そのため、1坪当たり20万円の売上を目指しつつ、15パーセントの販管費率を維持することを引き続き目標としています。
あらゆるコストが上昇している中において、15パーセントの販管費率を維持し、坪当たり経費高20万円にすることは困難な道のりですが、将来的に1,000店舗、2,000店舗という規模の壁を乗り越える準備として、非常に重要なテーマとして取り組んでいます。
自前主義
自前で行わないとコストが下がりませんので、全部自前で行っています。
サードパーティやアウトソーシングに依存している企業もありますが、特に店舗開発において、デベロッパーによる建築費やリース料の高騰による影響が大きく出ると見ています。
スライドの最初に記載した内容も、この背景に基づいています。店舗開発はすべて自前で行うことが重要だと考えています。
組織開発の詳細は、スライド16ページ以降に記載しています。
物流 SCM改革
「物流を制するものは小売を制する」ということで、トラック業務だけは外部委託していますが、それ以外の倉庫内作業やシステム構築など、デジタル化含めて内製オペレーションを強化していく方針です。
スライドに記載されている内容は、標準化された店内レイアウトと強く関連しています。全店舗、同じ通路で同じ商品しか置いていないため、物流センターで専用の代車に同じように商品を組み付けることができるので、店舗では同じ通路・カテゴリの商品がまとまって到着することになり、歩き回ったりせずに品出しができるという効率的な運用が可能になります。
これは、1店舗ごとに通路商品が異なる会社では実現できません。物流センターで1店舗ずつコーディネートするにはリードタイムが短すぎて、とても対応できないのです。
当社では商品マスターにすべて通路番号が入力されており、通路別にカテゴリー納品が可能になります。
このように、サプライチェーン全体がカテゴリー納品に対応できるのは、11通路の26連結という標準化された店舗構成であるからこそ可能なのです。1,000店舗以上をバラバラに運営している企業が「じゃあ、標準化に戻しましょう」として実現するのは不可能です。
従って当面は1パターンで運営を続けます。
EDLP(エブリデイ ロープライス)文化
EDLP(エブリデイ・ロープライス)についてです。先ほどお話ししたとおり、ディスカウントを強化した2019年は売上、利益、荒利のいずれも下がるという、トリプルパンチを受けました。
しかし、なんとか復活し、反転して売上が上昇していきました。運が良かった面もありますが、しっかりと突破できたのが現在の状態です。
生鮮食品やお惣菜の強化で来店頻度・買上げ点数の向上
売場の写真です。このような商品までも販売しており、精肉やお弁当・お惣菜は自社プロセスセンターで加工しています。
全店分の自社プロセスセンターを持つドラッグストアは未だに存在しません。それだけ、当社が食品に力を入れているということです。
今後も、コンビニエンスストアに匹敵する品質で、かつスーパーマーケットよりも安価に販売することを目指しています。
お買い得デリカでコンビニエンスストアからの集客強化
最近好調なサンドイッチについてご紹介します。99円、199円という低価格でありながら、非常に柔らかくておいしいパンを使用しています。また、具材も一定のレベルを保っており、コンビニエンスストアのクオリティに少しずつ近づいています。
また巻き寿司やお弁当も、自社プロセスセンターで製造し、全店へ配送しています。反面、今回の雪害のように幹線が止まると品揃えに影響が出るという課題があり、気に掛けるポイントです。
同じ製品を1ヶ所でのみ生産することが効率的です。精肉については温度管理や物量の点から、各センターで同じ商品を製造していますが、サンドイッチ・巻き寿司やお惣菜などは、生産効率の観点から1プロセスセンター1SKUで製造を行っています。
プライベートブランド 全カテゴリ・低価格帯
PB(プライベートブランド)についてです。これには一般的に3種類あります。
1つ目は、NB(ナショナルブランド)メーカーが製造する商品のパッケージだけを変更して販売するものです。「ダブルチョップ」と呼ばれる最もシンプルなやり方です。
ドラッグ業界では、ヘルス&ビューティ分野のPBが多く、ダブルチョップの割合が多くなっています。特に医薬品は法律による登録制度がありますから、必然的にダブルチョップが多くなります。
2つ目は、OEMメーカーにオリジナル商品を製造してもらう方法です。こちらは、よりPBらしい形態となります。
3つ目は、海外を含めて原材料から仕様書発注をする、本格的なPBです。こうなると、SPA企業や100円ショップに対抗できるレベルの商品が開発され、圧倒的な価格差をつけることになります。
PB比率を上げていかなければ、PBの本格的な展開にはつながりません。売上構成比で30パーセント、数量構成比では40パーセントを目指していますが、ここには大きな壁があると感じています。
生活必需品はNBが主流であり、小商圏フォーマットでは1店舗当たりの人口が今後5,000人、3,000人と減少していきます。そのような状況でも利用していただくためには、品揃えにNBが欠かせません。
その中でPBを4割にするには、価格差と品質のバランスを相当慎重に取らなければなりません。「安かろう悪かろう」では誰も購入していただけませんので、「安かろう良かろう」に挑戦し続ける必要があります。
そのため、開発先のソーシングや仕様書発注に取り組んでいます。現在、ドラッグストア業界の中で、当社が数量構成比・売上構成比どちらも1位となっています。
PBの荒利益率はNBよりも高いため、これを原資にNBの売価を下げていく施策を進めています。つまり、PBは全社的な荒利益率コントロールにおいて非常に重要な役割を果たすということです。
プライベートブランド スイッチングPB
スライドのように「PBのデザインがNBに似すぎているのではないか」と怒られる場合もあります。
板チョコ「Ghana」の売価は169円です。チョコレートは売価が上がっていますが、PBは税抜99円で販売しています。
その他「キッチン泡ハイター」の隣に「キッチン泡ブリーチ」を大量陳列し、お客さまにスイッチング購買を訴求する方法です。
出店数の拡大施策
多店舗化は成長の要であり、詳細を記載しています。人のスキルだけに頼らず、仕組みで多店舗化を進めるには、地主との交渉をいかにシンプルにするかが重要です。そのための標準化を進めていることも、大きな意味を持ちます。
店舗開発部の業務範囲を集中、成約数をUPさせてきた
分業についてご説明します。他社の店舗開発部では、これらをすべて1人の人間が担当しており、最も重要な地主交渉に割ける時間が2割程度しかありません。
それ以外は、許認可や設計の打ち合わせといった雑務に充てられており、一番重要な交渉部分がアウトソーシングになっているようです。こうなると、主導権を握られ、すべての単価が言いなりになってしまいます。
また建築費が上昇しており、他社は、当社では考えられないような高い建築単価で出店しています。
これは「出店競争に勝たなければならない」と、単に数の問題だけに取り組んでいるように見受けられます。
当社ではこうならないよう、分業体制を整備し、各部署が投資額のコントロールを行うことで投資過多にならないようにしています。
総勢 100名以上による出店強化体制
商圏調査部は25名、店舗開発部は77名、建設部は15名で分業し、組織的に出店体制を拡充してきた結果、出店数が上がってきました。この3部署はそれぞれキャラクターが異なります。特に、地主と交渉する店舗開発部が最も営業力を発揮しなければならないチームです。
商圏調査部による出店事前評価
商圏調査部は、候補地の開店後の売上予測を行っています。これまで、出店した500店舗の実績と売上予測結果を照らし合わせながら予測値に修正を加え、毎月のように精度が向上しています。
また地主と交渉する際には、この売上予測値を共有して話をしています。こうすることで、地主との合意後に「売上が届かなそうなので」とお断りするような、ご迷惑をおかけすることを避けることができます。
この商圏調査部のPDCAによって、いわゆる外れ出店がなくなり、それに伴い減損損失も減少します。出店の精度向上は、坪当たりの収益性の向上にもつながります。減損損失が多い会社は注意が必要です。こうした状況を放置すると、いずれ出店が停止することになると考えています。
売上高・店舗数推移
スライドは、これらを踏まえた今後の出店計画です。収益モデル店があるからこそ、果敢に店舗展開を進めることができます。
物流やプロセスセンターの構築、内部システムや仕組みの整備を進めてきたため、「こんなに低コストで運営していると、持続性がないのではないか」と指摘されることもありますが、大きな誤解です。
かつてのアメリカの「ウォルマート」さんなども、「いつかはレベルが崩壊していくだろう」と評され続けながら、世界一に成長しました。コストが低いにもかかわらず、持続可能性がある点が、バックシステムの要となると考えています。
当社は採用から教育、マニュアル作成に至るまで、欧米チェーンストアの知見をフル活用し、「自分で編み出したものがまったくない」と言っても過言ではありません。思いつきや闇雲ではなく、チェーンストア理論に基づき、果敢に挑戦を重ねています。
Store Map
当社はローコスト収益モデルが確立していますから、他社よりも圧倒的に出店しやすい企業です。「将来的な出店余地は42都道府県にある」と記載していますが、これは早計に飛び地出店するという意味ではありません。簡単には県を飛び越えず、現在のドミナントエリアを深掘りすることで、他社が入れない圧倒的なシェアを確立した上で、隣県に出店していきます。
出店戦略は、1つの物流センターが100店舗から300店舗をカバーしていくかたちで、県ごとにドミナントエリアを構築するのがセオリーです。薄く広く展開することは、大手デベロッパーの罠にかかっている証拠とも言えます。
我々は店舗開発を自前化し、ドミナント化を進めていきます。自前で年間100店舗の出店を、5つの県だけで実践するのは、業界でも「セブン-イレブン」さんぐらいしか成し得なかったことです。これをぜひ達成し、出店を加速させます。
物流 店舗網を支える 県ごとミドルサイズRPDC
物流に関するご説明です。スライドには、通過型のTCと、RPDC(リージョナル・プロセス・ディストリビューションセンター)が示されています。RPDCは、食品製造のプロセスセンター、PBをストックするDC、商品を店舗に配荷するTC、この3つの機能が統合されています。
現在、RPDCは岐阜県と富山県に1ヶ所ずつ、計2ヶ所ありますが、2028年末には愛知県内に3ヶ所目の建設を予定しています。また、TCは各県ごとに必要で、現在4つのTCを運営しています。
高速出店を支える人的資本
人材についてです。人手不足が懸念される中、当社では採用に非常に力を入れており、新卒採用も不足することはありません。
会社が成長し続けなければ採用が滞ると考えており、そのためには成長と採用が両輪の関係にあると捉えています。その中で、優れた人材を育成していく方針です。
本部が中心となり、さまざまな改革を検討する一方で、店舗側にはオペレーションの改善を積極的に提案してもらい、問題を発見する役割を担ってもらっています。その後、管理能力を高めた店員が店舗運営部から本部へ移り、さらに高度な専門業務を担当するというステップアップです。
これもチェーンストア組織の理論に基づいた構造です。「何々本部を作って取りまとめました」など、よくマスコミに取り上げられていますが、当社では基本的に組織図の変更はありません。
本部人員は現在200名ですが、数名しかいなかった時から組織図はほとんど変わっていません。ただ、兼任がなくなってきています。このように、理論と王道に則った組織作りを進めています。それに伴い、人材育成とマニュアル作りが連動して進んでいます。
結語 : ビジョン
日本国内で1万店舗を目指すという大きな目標です。達成に向けて、課題が詰まってしまわないよう、壁を次々と乗り越えられる体制を事前に整え、取り組んでいきたいと考えています。
2040年には年間1,000店舗の出店を目指し、コンビニエンスストアだけが成し得てきたことを、ぜひ当社も達成したいと思います。以上です。
質疑応答:今後の出店計画の見通しについて
質問者:今後の出店の見通しについておうかがいします。年間100店舗の出店を計画しており、店舗開発チームを組織された一方で、今期の計画を下方修正しています。今後の加速は本当に可能なのでしょうか?
減速するリスクも考えられる中で、この先の出店について、短期的および中期的な見通しを教えてください。
藤永:年間100店舗というのは1つの壁であり、いずれ150店舗、200店舗と拡大し、最終的に年間1,000店舗を出店することを目指します。そのための準備を着実に進めております。
一方で、当社の確立した収益モデルが崩れるほうが、はるかに大きな問題になります。
今回の出店数下方修正は、その収益モデルを死守するための判断で、このバランスを欠かないことが重要です。
出店加速は簡単ではありませんが、前述の組織拡充も含め、体制は整いました。出店コストを抑え、収益モデルを壊さない仕組みも確立しつつあります。みなさまの期待に沿う成長軌道を描けるよう、全社一丸で邁進していきます。
質疑応答:食品消費税ゼロ実施の影響と増税による消費行動について
質問者:食品消費税について、現在の選挙において消費税ゼロが実施された場合、その影響をどのように考えていますか?
藤永:食品の構成比が上がったり、外食を控えたりすることがあるかもしれません。それより問題は、2年後に実質増税となることです。
そのことによって、買い控えが起きる可能性があります。食品価格が一気に8パーセント上がるわけです。したがって、その時に節約を考えたお客さまが当社を選んでもらえるよう、体制を整える2年間になるのではないかと思います。
質疑応答:高速出店における資金確保と利上げの影響について
質問者:先ほどの出店に関連しますが、高速出店を進めるには資金の確保が必要と考えられます。現状、利上げが続いていますが、その影響をどのように見ていますか?
常見:こちらもご心配には及びません。当社の財務諸表から支払利息推移をご確認いただければわかるとおり、当社の成長に影響を及ぼすような水準ではありません。
一方で、配当をやや低水準に抑えている点については、高速出店のために資金を優先的に回したい意図があります。ご理解ください。
以上をもって、当社第2四半期決算説明会を終了します。本日は、1時間にわたりご視聴いただき、誠にありがとうございました。