東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、1月の取引数量が前月比28.7%増の203万4450枚、1日の平均取引数量は9万6878枚と前月比で増加した。12月末時点の証拠金預託額は5634.53億円と前月比で19.89億円減少した。取引通貨量では、トルコリラ、米ドル、メキシコペソ、南アフリカランド、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、1月の取引数量が前月比15.3%増の417万8092枚、1日の平均取引数量は19万8957枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は982.20億円となり、前月比で154.48億円の増加となった。
取引数量トップはトルコリラ・円で51万8420枚(前月比19.3%増)であった。1月23日に米NY連銀がレートチェックを実施し、日米共同介入への警戒感が急速に高まったことでドル・円は159円台から155円台へ円高方向に大きく振れた。この円高進行により円キャリー取引のポジション調整も一部起きたとみられ、高金利通貨であるトルコリラにも売りが波及。トルコリラ・円は3.6円台後半から3.5円台後半へ急落した。なお、22日にトルコ中央銀行は政策金利引き下げ(100bp)を決定しているが、足元のインフレ鈍化にもかかわらず利下げ幅は市場予想(150bp)より抑制的で、将来的なインフレ再燃を警戒した慎重姿勢が維持されたと受け止められた。このため、金融政策決定自体がリラ相場に与えた影響は限定的だったとみられる。
南アフリカランド・円は18万2979枚(前月比59.5%増)であった。前述の1月23日のドル・円急落により、ランド・円も9.8円台から9.6円台へ下落した。ただ、南アランドは貴金属価格の記録的な上昇を背景に堅調地合いが続いており、23日の下落後も再びじり高基調へ回帰。26日には対ドルで約3年半ぶりの高値を付けている。29日に南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利据え置きを決定したが、声明では追加利下げに含みをもたせる姿勢も示した。インフレ動向を見極めつつ景気回復を支援する余地があるとの見方が、市場ではランドの先高観につながっているようだ。
1月のドル・円は下げ渋る展開か。日銀の早期追加利上げ観測が浮上すれば円安けん制につながる可能性はあるものの、足元の円安は日米金利差を起点とした構造的な円売り圧力が依然として根強く、短期的な政策対応だけでトレンドが反転する局面には至っていない。足元ではドル売りもいったん一服しており、円キャリー取引の前提条件が大きく崩れていない以上、ドル・円は調整を挟みつつも円安方向へのバイアスが残りやすいとみられる。ただし、1ドル=160円前後では当局の円安警戒姿勢が一段と強まりやすく、為替介入を意識した神経質な値動きには注意が必要だ。
豪ドル・円は強含みか。豪準備銀行(中央銀行)は2月3日に約2年ぶりとなる利上げを実施し、同日に公表した経済報告ではインフレ率の高止まりに対する警戒姿勢を示した。インフレ抑制を優先するスタンスが続くとみられる中、金融政策面では豪ドルを下支えする構図が維持されている。足元で円安基調が続いていることに加え、貴金属価格が堅調地合いを保つ場合には、資源国通貨としての豪ドルへの追い風となり、豪ドル・円の支援材料となりやすいだろう。