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ベルトラ、5期ぶり通期黒字化 営業利益は前期比2億8,000万円改善で収益構造を刷新

目次

二木渉氏:ベルトラ株式会社代表取締役社長兼CEOの二木です。本日は決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2025年12月期の決算について、決算概要を含めた3点をご説明します。

業績サマリー

はじめに業績サマリーです。2025年度は当社にとって大きな転換点となりました。2019年以来、5期ぶりの通期黒字化を達成しました。連結営業収益は45億8,000万円で、前期比6.4パーセントの増収となり、営業利益は1億500万円と、前期から2億8,000万円の劇的な改善を果たしました。

セグメント別では、収益の柱であるOTA事業の利益率が23.2パーセントへと大幅に向上し、成長を牽引する「LINKTIVITY」も売上高24パーセント増と高い成長率を継続しています。この黒字化は単なる市場回復によるものではなく、短期的な規模拡大よりも収益性と組織効率を最優先したリセットの成果です。

PLサマリー

この筋肉質な事業基盤の詳細をご説明します。PLサマリーの内訳です。売上高が過去最高水準に回帰する一方で、営業費用は前年並みの水準を維持しました。増収分をそのまま利益として積み上げる、営業レバレッジが効く構造へと変貌しています。

その内容は、一律のコスト削減だけではありません。OTA事業では、徹底した組織集約と効率化により構造的なコストダウンを実現する一方で、「LINKTIVITY」では将来の成長を見据え、人材やシステムへの投資を戦略的に拡大しました。攻めと守りの資源配分を明確に変えたことが、今回の黒字転換の源泉となっています。

利益増減分析

次に、利益増減分析です。利益が改善した要因を図で示しています。増収によるプラス効果に加え、人件費や広告費などの固定費・準固定費の最適化が黒字化を強力に牽引しました。

ここで強調したいのは、AI活用やプロセスの自動化により、人員を増やさずに利益率を向上させる効率的な体制を構築できた点です。このようなコストの最適化は今期も継続的に推し進めていきますが、少ないリソースで大きな付加価値を生む筋肉質な収益構造への転換が着実に進んでいると考えています。

2025年12月期 セグメント業績

セグメントの業績です。当社は現在、キャッシュを創出するOTA事業と、市場を拡大する「LINKTIVITY」という明確な役割分担によるデュアルエンジン体制を確立しています。

OTA事業は、営業利益率が前期から12ポイント改善し、23.2パーセントに達しました。徹底した効率化により、グループの成長資金を安定的に生み出す高収益体質へと脱皮しています。

一方の「LINKTIVITY」では、売上高が8億9,000万円となり、前期比24パーセント増と力強い成長を維持しました。稼ぐ力と伸びる力が補完し合うことで、グループ全体で持続的な再成長を描ける基盤が整いました。

BS/CFサマリー

BS/CF、キャッシュフローのサマリーです。特筆すべきは、営業キャッシュフローが9億2,000万円の大幅なプラスに転換した点です。これにより、手元預金は前年比5億2,000万円増加し、将来の成長投資に向けた十分な流動性を確保しました。

自己資本比率は、事業拡大に伴う買掛金の増加により微減していますが、「LINKTIVITY」の取扱高がOTAを大きく上回るなど、BtoBプラットフォームとして市場に深く浸透している証拠であり、極めて健全な推移と捉えています。

グループの重点施策

次に、グループの重点施策です。まず、昨年2025年度を「リセットの年」と定め、利益を原資とした再成長サイクルの構築に取り組んできました。OTAが生み出したキャッシュをスケーラビリティの高い「LINKTIVITY」へ再投資する循環を、組織レベルで定着させました。

OTA事業の取組み報告

ここからは、それぞれの事業について具体的にどのような施策を行ったのかご報告します。OTA事業では、収益性の定着にこだわりました。マーケティングコストと組織体制の最適化や、業務プロセスの見直しを実行し、営業費用を11.6パーセント削減しました。これにより、安定して利益を生み出す構造を作りました。

同時に、既存のFIT、いわゆる個人旅行だけでなく、クルーズ事業の本格稼働や法人・官公庁向けの新領域開拓にも着手しています。稼ぐ力を最大化しながら、次なる収益の柱を育てるフェーズへ移行していきます。

LINKTIVITYの取組み報告

「LINKTIVITY」の取組みの報告です。成長の要である「LINKTIVITY」は、インバウンド市場の伸びを上回る24パーセントの増収を達成しました。単なるチケット販売にとどまらず、「Go Taxi」「Tokyo City Pass」など交通インフラとの連携を進め、さらに東アジアへの水平展開を加速させています。

現在は利益確保よりも、システム・人材・ネットワークへの先行投資を優先する戦略を取っています。昨年から継続してきたこれらの設備投資が、今期の力強い売上成長の見込みを支える大きな原動力となっており、圧倒的な市場シェア獲得のための基盤整備を推進しています。

2026年12月期 業績予想

次に、本年度2026年12月期の業績予想です。売上高は前年同期比9パーセント増の50億円、営業利益は262パーセント増の3億8,000万円を見込んでいます。今期は、昨年度に進めた筋肉質な構造を基盤に、利益が利益を生むフェーズへの移行を目指します。

マレーシア法人閉鎖に伴う一時的な撤退費用などが発生しますが、これにより将来の固定費負担を軽減し、営業利益率を確実に引き上げる構造改革の完遂を目指しています。

2026年12月期 戦略方針

2026年12月期の戦略方針です。この予想を達成するための3本の柱について説明します。1つ目は、組織の機動性向上です。マレーシア法人の機能を国内へ統合し、開発拠点を集約することで、ガバナンスの強化と意思決定の迅速化を図ります。同時に、自律型職能横断モデルを本格的に導入します。

企画・開発・運用が一体となった小グループによるスピード開発へと進化させ、不透明な環境変化に即応できる体制を構築します。これにより、1人あたりの生産性を最大化し、将来的な固定費の抑制にもつなげていきます。

2つ目は、高収益領域へのリソース集中です。国内の開発リソースについても、戦略的な優先順位に基づき、より高い付加価値を生む領域へ人員の最適配置を断行し、組織全体の投資対効果を最大化します。

3つ目は、成長投資の収益化です。「LINKTIVITY」におけるこれまでの投資を利益として回収するフェーズへ移行し、安定して高い利益を創出できる体制を確立していきます。

コーポレートガバナンスの強化

最後に、経営体制の刷新とガバナンスの強化についてご説明します。本日、当社は中期経営計画の取り下げを発表しました。海外旅行市場の回復スピードが当初想定より緩やかである現状を鑑み、固定的な3ヶ年計画を維持するのではなく、毎期市場環境を反映させるローリングプラン方式へと舵を切ります。

これは目標からの後退ではなく、着実な利益成長と株主還元へのコミットメントを、より実効性の高いものへ進化させるための決断です。

また、2月6日に公表した子会社における資金流出事案について、株主のみなさまに多大なるご迷惑をおかけしたことをあらためて深くお詫びします。今回の事案を極めて重く受け止め、当社グループでは、現在ガバナンスの再構築を喫緊の最優先課題として取り組んでいます。

攻めのガバナンスとして組織をスリム化し、意思決定を早める一方で、守りのガバナンスとして内部統制を徹底し、脆弱性を完全に排除します。透明性の高い対話型IRを通じて、みなさまからの信頼を早期に回復し、持続的な企業価値向上に全力で取り組んでいきます。

2025年12月期決算説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。

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