ミッションと提供価値
関厳氏(以下、関):リブ・コンサルティング代表取締役の関です。2025年12月期の通期決算説明会を開始します。本日の流れとしては、会社概要、2025年の通期業績、2026年の通期業績予想、今後の成長戦略の順番でお話しします。
上場後初めての決算報告となるため、2025年12月期の通期業績について、過去から現在に至るまでの戦略や差別化要素にも触れながらお話ししたいと思います。
まずは会社概要についてです。当社は「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」というミッションのもと活動しています。具体的には、優れた商品、サービス、思いを持つ企業が存続・発展・成長するための支援を行うコンサルティング業務を主業としています。
当社の提供価値としては、社会にBefore・Afterを本気で作ろうとする企業や組織、事業リーダーに対し、現場主義と実践性を重視したリアリティのあるコンサルティングを提供し、それにより目に見える成果を実現することを目指しています。
そして、当社で育った経営人材や事業リーダーを企業や国家に最適配置することで、社会に貢献したいと考えています。
会社概要
リブ・コンサルティングの会社概要です。現在グループ全体で約350名が在籍しており、日本に本社を、タイに東南アジアの拠点を置いています。事業内容としては、戦略から実行まで幅広いソリューションを提供する総合コンサルティング業務を行っています。
コンサルティング領域と対象顧客
コンサルティング領域と対象顧客についてです。戦略およびハンズオンを組み合わせたビジネスコンサルティングを主軸としています。スライドに示されているように、事業戦略や新規事業の開発において、企画や作戦を立案するだけでなく、現場に寄り添いながら戦略を具現化していくハンズオンの部分も担っています。
この2つを組み合わせて行う業務をビジネスコンサルティングと呼びます。こちらが全体の売上高の約86パーセントを占める主業務となっています。そして、残りの約14パーセントがIT・DXコンサルティングに分類されます。
スライド右側の顧客属性別売上構成比のグラフをご覧ください。当社はこの面で唯一無二の強みを持っています。顧客層としては、大企業・中堅中小企業・ベンチャー企業の3つをバランスよく保有しています。このことが、当社独自の提供価値や採用における人気度向上などに大きく貢献しています。
FY2025年の連結業績ハイライト
2025年の通期業績についてです。連結業績のハイライトとして、売上高、EBITDA、営業利益、当期利益のいずれも過去最高の業績となりました。非常に良い決算結果だったと考えています。
売上高は61.0億円で前年比22.8パーセント増、EBITDAは9億4,000万円で前年比75.4パーセント増、営業利益は8億3,000万円で前年比105.5パーセント増、当期利益は5億1,000万円で前年比87.6パーセント増となりました。
連結の財務指標一覧
連結の財務指標一覧です。売上高と営業利益が増収増益となり、通期予想を上回る結果となりました。特に営業利益率は8.2パーセントから13.7パーセントへと大きく改善しました。
連結の5か年推移との比較
連結の5か年推移との比較です。この5年間、成長のペースを維持してきました。
売上高ベースでは20パーセント強の成長率を維持しており、その流れは2025年も継続しました。また、EBITDAも50パーセント強の水準で推移しており、2025年も同等以上の成長率を実現しました。
FY2025年の単体業績ハイライト
単体の業績ハイライトです。単体では、当社の国内のコンサルティング事業が中心となっています。こちらが売上高の8割を占めています。売上高、EBITDA、営業利益、当期利益のいずれも過去最高の数字となりました。
売上高は48.0億円で前年比20.3パーセント増、EBITDAは8.0億円で前年比112.9パーセント増、営業利益は7億6,000万円で前年比149.9パーセント増、当期利益は5.0億円で前年比125.1パーセント増となっています。
単体の財務指標一覧
単体の財務指標一覧です。こちらも連結と同様の流れで、増収増益と営業利益率の大幅な増加が見られます。コンサルティング事業を中心とした単体の営業利益率は、15.9パーセントという水準です。
単体の5か年推移との比較
単体の5か年推移との比較です。これまでと同様、あるいはそれ以上の成長率で、売上高およびEBITDAが推移しています。
スライドの一番右側に示されているのは、2026年12月期期初の受注残増加率です。こちらは、ある年の12月終了時点で翌年に見込める確定売上の規模を、1年前と比較したものです。今回は25.7パーセント増となり、十分な受注残を確保した状態でのスタートとなっています。
単体のKPI開示
単体のKPIです。期末時点人員数が前年の162名から188名に増加し、一人当たり売上高も前年の2,340万円から2,620万円へと大きく増加しました。また、顧客満足度も高い水準を維持しました。
単体の業績向上要因
ここから業績向上の要因についてお話しします。まずは単体の数字をベースに、全体の8割を占める部分についてご説明します。こちらの説明を通じて、業績が継続的に向上している要因や、戦略が一定の効果を上げていることを明らかにするとともに、どのような施策を講じてきたのかについてもあわせてお伝えしたいと考えています。
売上高の増加については、コンサルタント人員数の増加と一人当たり売上高の増加が掛け合わさることで、全体の売上高が継続的に伸びています。
売上総利益率については、一人当たり売上高の増加が給与の上昇率を上回りました。この結果として、粗利率の増加が見られます。
一般管理費率は減少してきています。このことと、売上高の向上と営業利益率の向上とが組み合わさり、スライドの一番右側に示したように、最終的に営業利益の大幅な増加が実現しました。これは単体でも連結でも同様の傾向です。
A 売上高の増加に必要な要素
売上高、売上総利益率、一般管理費率の改善について、打ち出してきた施策との関連で検討します。まず売上高の増加については、当社では3つの要素で捉えています。1つ目は「獲得可能な市場の拡大」であり、成長している市場をターゲットにできているかどうかという点です。
2つ目の「差別化による需要の獲得」とは、その市場で差別化を図り、それによって需要を取り込めているかということです。
ここで1点、補足したいことがあります。上場しているコンサルティング会社には、ITコンサルティング会社が多いです。そのため「市場が大きければ、人がいれば、仕事って取れますよね」と捉えられることがあります。
しかし、当社が主軸とするビジネスコンサルティングの分野では、差別化が特に重要です。この差別化をどのように実現しているのかについては、スライドの「差別化による需要の獲得」の項でご説明しています。
3つ目は「需要に応える人材の確保」です。この1つ目、2つ目、3つ目が成り立つことで、売上高が継続的に増加していくと捉えています。
A-1)獲得可能な市場の拡大
この3つの要素について、1つずつ見ていきたいと思います。まず、伸びている市場を対象にしているかという点です。大企業、中堅中小企業、ベンチャー企業のいずれにおいても、また戦略、ハンズオン、IT・DXのいずれの領域においても、コンサルティング市場は拡大していると考えています。
コンサルティング市場には3つの顧客層があるため、ニーズがそれぞれ異なるのではないかと思われるかもしれません。しかし、実際には共通点が存在します。外部環境の変化が激しい中で既存事業の変革と新規事業の創出が求められており、これらは共通したニーズとなっています。
一方で、スライド左下の図にあるように、経営企画を担う企画人材やIT・DX人材が不足しており、人材の確保が難しい状況にあります。この需給ギャップをコンサルティングサービスによって継続的に埋めていくことが求められています。
企画人材やIT・DX人材は常に不足しており、今後もその状況が続くと考えられます。そのため、スライドの右側にあるように、大企業、中堅中小企業、ベンチャー企業のいずれにおいても、戦略、ハンズオン、IT・DXの各領域で需要が伸び続けています。当社が対象としている市場が大きく、今もなお成長していることがおわかりいただけると思います。
A-2)差別化による需要の獲得
市場での差別化についてです。当社では、クロスポイントによる差別化を図り、さらに1万件超のプロジェクトナレッジを蓄積し、それを活用して事業を拡大する取り組みを行っています。
クロスポイントとは「大企業・中堅中小企業・ベンチャー企業という異なる産業プレイヤーが交差し、社会課題・国家戦略分野を“事業として”解決するための産業共創モデル」のことを指します。
簡単に言えば、顧客属性の幅広さを活かし、ナレッジが交差するポイントで差別化を図るということです。例えば、外資系のコンサルティング会社は基本的に、日本企業に海外の知見を持ち込むことで差別化を図り、仕事を獲得していると考えられます。
当社では、例えば大企業では十分把握しきれない、中堅中小企業やベンチャー企業が持つ知見を提供することで差別化を実現しています。
具体的に言えば、大企業が新しい事業を作ろうとする際に、成功しているメガベンチャーの事業作りのプロセスやスピードを参考にしたい場合があります。こうした際にアクセスできる情報があることが、当社の大きな強みです。
一方で、ベンチャー企業の場合、最近では都心部だけでなく地方でも売上を伸ばす必要があるケースが増えています。その際、地方の経済環境や連携すべき企業の選定などを洗い出すことは、当社のようにナレッジを交差させることのできる会社でなければ難しいと考えています。
このように当社独自の顧客構成が差別化要素を生み出しており、こちらがいわば取引のスタート地点となっています。
スライドの右側に示しているとおり、累計実施プロジェクト1万件超の、リアリティのあるナレッジが蓄積されています。この蓄積されたナレッジをAIをはじめとするテクノロジーに読み込ませることで、独自の集合知基盤が構築されています。
若手メンバーであっても、しっかりとしたベーススキルを持っていれば、こうしたナレッジを活用して質の高い支援を行うことが可能になります。その結果、高い顧客満足度が実現され、ビジネスのさらなる拡大へとつながっています。
当社は生成AIの進化に伴い、表面的なデータの価値が低下し、独自かつ深堀りされたデータの重要性が増していると考えています。当社では創業以来、泥臭いコンサルティングスタイルで蓄積してきたナレッジがあり、こちらが今後さらに大きな強みとなっていくと確信しています。
A-2)売上増加を実現する高い顧客満足度
「売上増加を実現する高い顧客満足度」についてです。先ほど触れたナレッジを活用することで、初回契約で高い顧客満足度を実現しています。その結果、取引の継続や拡大、他の顧客からの紹介により、売上高が増加しています。
顧客満足度は現時点で、5段階評価中「4:満足」以上の割合が、90.8パーセントとなっています。5段階評価で3以上をつけた割合は99.4パーセントです。この結果から、支援に対してほとんどの企業が満足し、ほぼ問題ないと感じていると言えます。
A-2)当社コンサルティングに対する顧客の評価
この顧客満足度の高さが当社業務の強みだと思いますので、顧客の声を個別にご紹介します。
例えばIT企業については「難易度の高い状況に対し、何が何でも絶対に成果を出すというプロ意識で伴走してくれる姿勢は、非常に頼りがいがありました」、自動車メーカーについては「議論を通じて本質的な課題に気づかせてくれるスキルがありました。人材マネジメントの全体像が理解でき、マネージャーの意識も大きく変化しました」とあります。
スライド3つ目の総合アウトソーシング企業では「真摯に耳を傾けつつ、プロフェッショナルとして『良いものを創り上げる』という強いコミットメント」を感じたという声があります。こちらは新規事業でしたが、「初年度で累積損失を解消するほどの成果が出ています」という評価をいただきました。
全体として「成果」「プロフェッショナル意識」「実践的」「伴走」というキーワードを中心に、高い評価をいただいていることがわかると思います。
このような、いわゆる結果に強く、現場に寄り添って支援する業務は、生成AIなどが今後広がってきたとしても代替されにくいものだと考えています。このような点を評価していただけることは非常にありがたく思います。
先ほどご説明したように、高い顧客満足度が新しい顧客につながっています。大きな市場に対してクロスポイントで初回取引を作り、それをデータと高い顧客満足度によって大きく広げていくという流れができています。こちらが差別化要因となっています。
A-3)需要に応える人材の確保
そのようにして獲得した案件に対応していくためには、優秀人材の採用がきわめて重要です。この点にかなり力を入れており、当社はすでに採用において高いブランド力を築いています。
例えば、「ONE CAREER就活クチコミアワード2025」でベンチャーランキング最高賞の「GOLD」や、ハイクラス人材向けサイト「外資就活ドットコム」の2027年卒就活人気企業ランキングで総合4位を獲得しています。ここには有名な外資系戦略ファームや総合商社が並ぶ中で、唯一当社がランクインしています。このような状況で、優秀な人材の採用を進めています。
これにより、これまでの流れで売上を着実に増加させています。
B 一人当たり売上の増加
粗利率の向上の要因として、一人当たり売上高の増加が挙げられます。生成AIを活用することで業務効率化や人材の最適配置を実現していることが、こちらの増加につながっています。
スライド左側に示しているコンサルティングのベース業務の型化の部分では、議事録の作成や資料・スライドの作成、メールコミュニケーションなどに生成AIを活用し、コンサルタントが必要な業務に集中できるようにしています。
またスライド右側のとおり、人員稼働率や個人のスキル強化といった要素を可視化することで、プロジェクトのアサインを最適化しています。こうした取り組みにより、必要な業務に集中することで一人当たり売上高が増加するという流れを生み出しています。
C 一般経費の主要コスト推移
一般管理費率の低下についてです。スライドの主要コストの推移を見ていただくと、人件費率、採用費率、上場準備・維持費率、広告宣伝費率、地代家賃比率といった額の大きいコスト項目がいずれも横ばいもしくは微増のため、比率としては下がり続けています。これにより、「規模の経済」が効いてきている流れとなっています。
ここまでの流れを通じて、売上高が拡大し、粗利率が増加し、販管費率が低下することで営業利益率が増加し、営業利益額も上がるという流れができており、この流れは今後も続くと見ています。
FY2026年の連結業績予想
2026年12月期の通期業績予想に関してです。売上高が16.0パーセント増、営業利益が32.3パーセント増と予想されています。
先ほど説明した売上高の増加、粗利率の上昇、一般管理費率の減少により、営業利益と営業利益率が増加する流れが継続する見込みです。これまで5年間にわたり取り組んできたことを、今年もさらに実現していく流れになります。
スライド右下の当期利益について、1点ご説明します。2025年に留保金課税の税負担が増加し、税率で約38.5パーセントかかっていました。こちらを解消することで、当期純利益率をさらに向上させることができると見込んでいます。この点を踏まえ、2026年12月期の連結業績予想を策定しています。
短中期のコンサルティング市場予測
今後の成長戦略について、お話しします。先ほど触れましたように、市場は成長している状況ですので、成長戦略の基本方針に変わりはないとご理解いただければと思います。
2025年12月期の業績について説明した内容が基本方針となります。その上で、市場をどのように見ているのか、また、市場が成長する中でどのようなチャンスがあるのかについてお話しします。
短中期とは3年以内を指しています。これまでのコンサルティングニーズに加え、生成AIの導入ニーズが加わることで、市場の成長がさらに加速すると予測しています。実際に現在もそのような変化が起きています。
こちらについては、生成AIの影響が大きいです。当社は戦略、ハンズオン、IT・DXの3つの領域において展開していますが、まず戦略領域では、これまでの事業戦略に加え、各社が生成AIを自社の戦略にどのように活用するかが問題となっています。さらに生成AIを用いた事業開発のニーズが増加しており、この領域の市場が拡大しています。
ハンズオン領域については、基本的には現場に伴走する業務であり、いわゆる「人間がやるべき仕事」といわれる部分です。この分野は、特に生成AIの影響を受けることなく、現状通り伸びている状況です。
IT・DX領域に関しては、生成AI導入を絡めたITニーズが増加しており、こちらも市場が拡大しています。大企業に加え、中堅中小企業でもその伸びが顕著に見られる状況です。
当社の場合、顧客企業には中堅企業が多く含まれています。これら売上高が数百億円規模の企業では、これまで個別のIT投資が進みにくい状況がありました。
しかし、生成AIの導入によってコスト効率が改善されるようになり、その導入が本格化してきており、これからも導入が進むと考えられます。そのため、すでに顕著な成長を見せている分野ですが、さらに伸びていくと思われます。
このような3年間が終わった後にどうなるのか、「生成AIの中長期的な影響でニーズがなくなるのではないか」という見方もあるかと思います。しかし、当社としては、コンサルティングのテーマや対象顧客の観点から、継続的に成長できると考えています。
1つ目は、戦略にハンズオンを組み合わせた支援を行っており、人間が引き続き担う業務を主軸としています。そのため、ここについては継続的な成長が見込めると考えています。
2つ目は対象顧客についてです。「生成AIが浸透するとコンサルティングニーズがなくなるのではないか」という意見もありますが、生成AIの本格的な普及には何年、もしくは何十年かかるかわかりません。普及は主に投資余力のある大企業から進むと予測されますが、当社が対象とする中堅中小企業やベンチャー企業については、浸透のスピードが遅いと見ています。
そのため、大企業でもコンサルティング需要は引き続き存在すると考えていますが、中堅中小企業やベンチャー企業に関しては、AIの導入期、いわば「Before AI / After AI」の間のトランスフォーメーション期間がかなり長く取れると見込んでいます。これにより、この分野における市場は継続的に成長すると考えています。
したがって、クロスポイントと高い顧客満足度の実現を図りながら事業を拡大していくことで、短中期的に成長するだけでなく、長期的にも成長が見込めるマーケットであると見ています。
人材強化への取り組み
人材の強化に取り組むため、採用力の確立と人材の育成・定着率向上を図る7つの施策を進めていくことが重要だと考えています。1つ1つご説明していきます。
採用市場でのブランド力
まず採用に関してです。これまで築いてきた採用ブランドをさらに進化させ、より良い人材を採用できる環境を作ることが重要だと考えています。
新たにコンサル業に参入する方々にとって採用力や採用ブランドを築くことは難しいため、当社はそちらをしっかり維持し、さらに強化していきます。
発信力と早期の活躍機会
2つ目は、発信力と早期の活躍機会についてです。これまでの強みをさらに磨き上げるための施策です。当社の高い採用力の要因はいくつかありますが、その中でも大きなものとして、市場における発信力が挙げられます。
独自の発信媒体として、業界最大級のYouTubeチャンネルを保有しており、現在2万2,000人が登録しています。この登録者数は継続的に増加しており、当社独自の求職者へのリーチ方法を今後さらに強化していく予定です。これが1つ目のポイントです。
2つ目は早期の活躍機会です。この点が他社にはない当社の採用の強みです。まず、ビジネスコンサルティングを主軸としていることが挙げられます。また、若手が入社した際の修業期間が短く、実力があれば早期に活躍できる環境が整っています。
この背景として、当社が多くの顧客を抱えていることがあります。若くても実力があれば、どんどんプロジェクトマネージャーを任せられる環境があり、他社よりも1年以上早くプロジェクトマネージャーを経験する機会を得られることが特徴です。
修業期間が3年から4年になると離職につながったり、志望者が減ったりする可能性があります。しかし、これが2年から3年以内であれば、実力がある方にとっては「チャレンジしてみよう」と思える環境になります。この点は現在も当社の強みであり、今後も他社には真似できない強みとして磨き上げていきます。
また、スライドの下部に示しているように、採用強化施策は新しいものを随時試みながらブラッシュアップを重ねています。こちらも引き続き継続していきます。
評価・報酬と組織文化の醸成
評価・報酬と組織文化の醸成についてです。平均年収は現状では約980万円となっており、国内のラインメンバーは1,000万円に近づいています。昇給率も2桁となっており、これを継続し、さらに高い水準を目指していきます。
また、組織文化の醸成についても、継続的に実施していきます。人材定着施策については、随時多様な手段を試し、RIを確認しながら進めています。このようにして、さらなる人材育成と人材定着の実現を図っていく考えです。
人材育成と生成AIによる新たなコンサルタントモデルの構築
人材育成に関しては、スライド左側に記載した職位別トレーニングやプログラムをこれまで以上にブラッシュアップするだけでなく、生成AIによる新たなコンサルタントモデルの構築を強化しています。
現在、コンサルタント人員の生成AIの利用率は100パーセントに達しており、すでにかなり活用が進んでいます。今後は個別の業務AIエージェントの構築や新たな活用トレーニングを推進することで、コンサルタントの育成をさらに進めていきたいと考えています。
これによって、新たなコンサルタントモデルを構築することで生産性が向上するだけでなく、コンサルタントが本来行うべき業務に集中することで、提供価値がより明確になり、新たな仕事につながっていくと考えています。
また、当社が実証したモデルを導入したいというお客さまも増えてくると予想しており、こうした取り組みを着実に進めていきたいと考えています。人材の採用・育成・定着については、これらの施策を中心に進めていきます。
同業界におけるM&Aの推進
今後の成長戦略の3つ目は、同業界におけるM&Aの推進です。主にIT・DXやハンズオン領域における提供価値の拡大を目的として、M&Aを進めていきます。当社は同業界を対象としています。
スライド左側に示されているとおり、現状は戦略領域、ハンズオン領域を中心に一部IT・DX領域を含んでいます。M&Aによって、これらをさらに拡大していきます。
M&A実行プロセスにおける当社の強み
M&Aの成功要因はいくつかあると考えています。当社はすでに数件のM&Aを実施し実績を上げてきましたが、当社の強みは次の点にあります。
1つ目は、M&Aの戦略や方針を策定する際に、ターゲット選定やアプローチ方法を見極める部分です。当社はこれまでに多くのコンサルティング経験を通じて、M&Aの戦略策定支援を行っており、その経験を活かしています。
2つ目のデューデリジェンス(DD)に関しては、当社にはさまざまな業界の専門家が在籍しています。自社でDDを行うことで適切な価格設定を行い、さらにPMIプランも適切に策定し、買収を進めていくという流れになります。
最後に、「Value Up」プランについてです。このプランには、3つのポイントがあります。1つ目は、当社の顧客基盤を活用して買収先企業に送客することで売上を向上させることです。2つ目は、当社の採用力を買収先企業に適用し、優秀な人材を増員することです。3つ目は、良質な管理体制を導入して管理領域のコストを削減することです。
これら3つを活用し、M&Aのバリューアップを比較的再現性を持って進めていきたいと考えています。
M&A実績
M&Aの実績についてです。過去の事例ではグループイン直後から劇的な業績改善を実現しています。スライド左側に示しているGoofy社については、送客連携・採用強化・管理体制の提供を通じて、早期の増収増益を実現しました。1年間で売上高が91.8パーセント増、営業利益が338.4パーセント増という実績を出しています。
スライド右側のFlow Group社については5ヶ月の実績で、管理体制の提供により売上が1.7パーセント増、営業利益が38.9パーセント増となっています。これから売上高もさらに上げていきます。このようなバリューアップの再現性を高め、今後もM&Aを推進していきたいと考えています。
株主価値向上に向けた財務規律の徹底
株主価値向上に向けて財務規律を徹底します。のれんのコントロール、EPS(1株当たり利益)、投資効率(ROIC)、そしてDebt活用についても、規律を守りつつ、しっかりと効果が出るM&Aを実施していきます。
中期の数値目標
中期の数値目標です。今後3年間のCAGRについては、売上高で20パーセント、営業利益で40パーセントのペースで成長を目指していきます。
これまでお話しした売上高の増加、粗利率の向上、一般管理費の低下といった流れをしっかりと継続するとともに、現在堅調に伸びているビジネスコンサルティングやIT・DXコンサルティングの需要を的確に捉えていきます。また、生成AIによる需要拡大も多く見られることから、こちらをさらに取り込むことで、この中期目標を確実に達成していきたいと考えています。
以上で2025年12月期の通期決算報告を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:競合他社との優位性と成長性について
司会者:「他にも上場しているコンサルティングファームが複数あります。御社の優位性と成長性について具体的に教えてください」というご質問です。
関:こちらについては先ほど少し触れましたが、スライドの「2) 差別化による需要の獲得」という項をご覧ください。主に競合するのは、上場しているコンサルティング会社のほか、外資系コンサルティング会社や総合コンサルティングファームといったビジネス系の企業です。
当社では、大企業、中堅中小企業、ベンチャー企業といった異なる規模の顧客をまたいだクロスポイントに価値を見出し、そこを強みとして入り込んでいます。一度関与すると、現場に寄り添った伴走型の支援を通じて顧客満足度を高め、そちらを基盤に事業を拡大しています。このように競合他社に対する差別化を実現しています。
質疑応答:決算発表のタイミングについて
司会者:「本日9時に決算を発表したのは、なにか意図があったのでしょうか?」というご質問です。
中川貴裕氏(以下、中川):取締役CFOの中川です。今回、取引期間中に公表したのは、情報の透明性を重視し、みなさまに一刻も早く情報提供を行い、その情報を判断した上で取引ができる環境を提供することが上場企業としての誠実性であると考えたためです。この判断のもと、9時に提供しました。
当社は、投資家のみなさまとの信頼関係と対話を非常に重視しています。この姿勢を持ち続けながら、今後もIR活動を進めていきたいと考えています。
質疑応答:Preferred Networks社との共同開発について
司会者:「2025年7月にPreferred Networks社と業務提携契約を締結しましたが、共同開発の進捗はいかがですか?」というご質問です。
関:こちらに関しては、順調に進んでいます。共同開発したサービスのPoC(トライアル期間)が終了し、徐々に実行段階に移行しています。また、両社の連携によって、共同開発以外の部分でもお客さまのニーズが出てきています。そういった意味で、順調に進捗していると認識しています。
質疑応答:今後の株価対策について
司会者:「今後の株価対策を具体的に教えてください」というご質問です。
中川:当社としては、事業成長による企業価値の最大化が最大の株価対策であると考えています。
具体的には、2点あります。1つ目は、トップラインと利益の持続的成長を引き続き進め、その結果としてEPSを継続的に高めることで、最終的には株価に反映されると考えています。
もう1つは、当社が上場したばかりということもあり、市場での認知度があまり高くありません。そのため、この認知度の拡大が重要です。IR活動に力を入れることで認知を拡大していきたいと考えています。
この2本柱で企業価値の最大化を目指し、その評価である株価の最大化を図っていきたいと考えています。
質疑応答:株主還元策の検討状況について
司会者:「株主還元策は検討されていますか?」というご質問です。
中川:先ほどの回答と重なる部分はありますが、当社の現段階における成長ステージでは、成長への再投資が中長期的に最大の株主還元になると考えています。
具体的には、人材の採用や育成体制の整備に投資し、さらに成長を加速させていきたいと考えています。ただし、どこかの時点では、配当や自社株買いなど、よりテクニカルな株主還元策も検討する必要があると認識しています。現時点ではまだその段階に至っていないと考えています。