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ZETA Research Memo(1):2026年12月期は2ケタ増収増益見込み。AI時代に強みを生かし持続的成長へ

■要約

1. デジタルマーケティングの領域でECサイト内検索などCX改善サービスを提供
ZETAは、デジタルマーケティングの領域で、ECサイトの利便性を向上するCX(顧客体験)改善サービスをEC事業者に提供している。ECサイト内検索エンジンやリテールメディア※1広告エンジンなどで構成される「ZETA CXシリーズ」は、EC全般にわたる一気通貫したハイエンドサービスで、大手小売など大企業を中心とするクライアントに好評である。国内のインターネット市場とデジタルマーケティング市場はいずれも中長期的な拡大が見込まれ、そのなかで同社のCX改善サービスは安定して成長を続けると見られる。さらに、近年注目が集まるリテールメディア広告や、同社が蓄積してきたUGC※2を活用したAIコマースメディアなど成長期待の大きい領域へ事業を拡大しており、持続的に成長するステージへ入ったと言える。

※1 リテールメディア:小売企業が自社の顧客データを活用し、ECサイトやアプリ、デジタルサイネージなどを通じて広告配信する仕組み。
※2 UGC(User Generated Content):クチコミ、Q&A、レビュー投稿など一般ユーザーによって生み出されるコンテンツ。

2. AI時代に重要なハイエンド性能のほか、一気通貫性や先駆性に強み
同社の強みは、ハイエンド性能、シナジーを発揮しやすい製品群、一気通貫サービス、ニーズへの対応力、売上総利益率が上昇しやすい高収益性、外部環境の成長力、成長分野での先駆性などである。なかでも大容量・高速に対応できるハイエンド性能が最大の強みで、AIの普及で検索条件が複雑化するなか、検索処理や検索データの反映、日本語特有の処理能力など「ZETA CXシリーズ」でなければならないケースが増えている。また、高度な機能や手間をかけた運営支援が必要なリテールメディア広告や膨大なUGCを扱うAIコマースメディアにおいても、ハイエンド性能は成長のための重要な要素となる。現在、CX改善サービスやリテールメディア広告、AIコマースメディアを真っ当に扱える企業は同社以外にほとんど見当たらず、そうしたポジション自体も同社の強みと言える。

3. 会計処理変更のため2025年12月期の期初予想は未達も、業績の実態は好調でV字回復へ
2025年12月期の業績は、売上高が1,858百万円、営業利益396百万円となった。「ZETA SEARCH」を中心に「ZETA CXシリーズ」が好調で、6ヶ月決算だった2024年12月期を12ヶ月決算と仮定した実質的な比較では、売上高が前期比23.5%増、営業利益が同411.1%増となった。特にリテールメディア広告が第4四半期に急伸、「ZETA AD」の案件数が導入済み・準備中を含めて期初の想定を上回って積み上がった。このように業績は実質好調だったが、期初予想に対しては業績未達となった。これは、会計処理変更を2025年2月に急遽実施したため、業績予想の根拠となる期初の精査が十分できなかったこと、受注残の売上計上時期が長期化したことが要因である。既に対処済みで、前期比という点で2026年12月期への影響はない。

4. 2026年12月期は受注好調で好業績予想。AI進化などを背景に中期経営計画を見直し
2026年12月期の業績については、売上高2,100百万円(前期比13.0%増)、営業利益500百万円(同26.2%増)と、受注好調につき2ケタの増収増益を見込んでいる。施策としては、最先端のAI研究に取り組み、RAG(Retrieval Augmented Generation)※連携など検索エンジンをさらに強化する一方、製品ラインナップの多様化に伴って、営業など組織最適化を早急に実施する方針だ。2025年12月期が計画未達であったため保守的な前提になっているようで、組織最適化が順調に進めば上振れ要因になると思われる。2025年3月に策定した中期経営計画「Strive for 17 and beyond」については、会計処理変更の影響やAIの急速な進化を背景に、経営戦略の見直しを図っている。新たな中期経営計画は2026年3月末を目処に公表する予定となっているが、潜在的な成長力を発揮することになろう。

※ 検索拡張生成。生成AIに関する技術で、より高い信頼性を得るため、LLM(大規模言語モデル)による学習だけでなく、外部データベースから関連性の高い情報を取得すること。

■Key Points
・ECサイト内検索エンジンなどで構成される「ZETA CXシリーズ」を大手小売などに提供
・一気通貫性や先駆性などが強みで、特にハイエンドは他社にないAI時代に必要な優位性
・2025年12月期は会計処理変更で期初予想未達も、業績の実態は好調でV字回復へ
・2026年12月期は受注好調で20%超の営業増益予想。中期的に潜在的な成長力を発揮へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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