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プロHD Research Memo(2):2025年12月期決算は、改革の成果により修正予想を超過

■業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
プロジェクトホールディングスの2025年12月期の連結業績は、売上高5,485百万円(前期比3.9%増)、営業利益155百万円(前期は187百万円の損失)、経常利益144百万円(同229百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益126百万円(同393百万円の損失)であった。売上高は2024年12月期における子会社2社の連結除外に伴う減収要因を大きく受けたが、このグループ離脱の影響を除くと前期比15.7%増であった。各事業の成長に伴い売上総利益が同12.6%増となった一方、グループ離脱の影響もあって販管費が同6.3%減となったことで、各段階の利益は黒字転換した。また、会計基準や税制、減価償却方法の違いに左右されずに、企業の収益力を比較できる指標として同社が重視するEBITDA※も、324百万円(同422.6%増)と大幅に増加した。

※ EBITDA=営業利益+減価償却費(のれん償却含む)+敷金償却+株式報酬費用+株式給付引当金繰入額。

2025年11月14日公表の修正予想との比較では、売上高は予想比1.6%増ながら、営業利益は同29.2%増、経常利益は同30.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は同80.0%増と予想を大幅に超過達成した。増収に加えて売上総利益率の改善により、営業利益及び経常利益は計画よりも上振れて着地した。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、繰越欠損金や賃上げ促進税制の活用によって税負担率が低下したことで、計画を大きく上回った。2025年12月期はグループ離脱に伴う一時的な影響を受けたものの、成長軌道への回帰に向けて様々な改革に取り組んでおり、改革の成果が確実に出始めた好決算であったと弊社では評価している。

2. 事業セグメント別動向
(1) デジタルトランスフォーメーション事業
同事業では、プロジェクトカンパニーによって、事業会社における事業変革(業務変革・組織変革・オペレーション改革・データ利活用等)やAI活用等の新規施策の実行推進を支援する「コンサルティングサービス」、デジタルマーケティングの戦略策定や実行推進を支援する「マーケティングサービス」、自社モニターを活用したユーザーテストソリューション「UIscope」によるスマートフォンアプリやWebページのUI/UX評価を行う「UIscopeサービス」を提供している。ただ、「マーケティングサービス」では、2024年12月に子会社のDCXforceを譲渡した。

2025年12月期には、コンサルティングサービスにおいて既存クライアントにおける事業変革テーマの拡大に伴い同社グループによる支援需要は堅調に推移した中、収益性向上を目的に、プロジェクトごとのアサイン計画の精度向上、プロジェクトマネジメントの標準化、品質管理の徹底等を通じた社内コンサルタントの稼働適正化を重点施策として推進した。一方、外部のパートナーコンサルタントの活用については、案件特性に応じた最適な体制を構築し、外注比率の低減を進めたことが売上総利益率の改善に寄与した。

これらの結果、当年度の「デジタルトランスフォーメーション事業」におけるサービスごとの売上高は、コンサルティングサービスが3,883百万円(前期比11.7%増)、マーケティングサービスが87百万円(同80.9%減)、UIscopeサービスが15百万円(同37.4%減)の計3,987百万円(同0.6%増)となり、セグメント利益は651百万円(同75.3%増)となった。同事業では子会社譲渡の影響を受けたが、従業員の稼働率向上及び単価の改善に伴い、大幅増益であった。

(2) DX×テクノロジー事業
同事業では、アルトワイズによって、IT企業などに対し、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐し、システム開発業務やソフトウェアテスト業務を行う「テクノロジーサービス」を提供する。2024年4月には、プロジェクトテクノロジーズをアルトワイズに統合した。

統合後は組織状況が改善し、アルトワイズが強みを持つエンジニアの働きやすい環境を打ち出すことで退職者数が減少し、加えて採用活動が好調に進捗したことでエンジニア数は大きく増加した。また、エンジニアを派遣するビジネスにおいて、デジタルトランスフォーメーション事業と連携した商流の上位化(要件定義や設計などの上流工程を担当すること)などにより収益性の高いコンサルティング案件が増加し、利益率が改善している。コンサルティング案件において、グループ外のパートナーからアルトワイズに切り替えていることも、収益性改善につながっている。以上の結果、同事業の売上高は1,284百万円(前期比27.5%増)、セグメント利益は45百万円(前期は86百万円の損失)となった。

(3) DX×HR事業
同事業では、Dr.健康経営が産業医のマッチングサービスを主軸に、保健師サービスを等を通じて企業の健康経営を支援する「ヘルスケアサービス」を提供している。

2024年5月に「HRソリューションサービス」を手掛けるプロジェクトHRソリューションズを売却したことで、同事業の売上高及び利益は大きく減少した。ただ、「ヘルスケアサービス」は、従来の産業医サービスに加えて、前期後半から始めた保健師サービスにより、売上高は増収基調にある。以上から、同事業の売上高は213百万円(前期比30.9%減)、セグメント利益は1百万円(同94.7%減)となった。

自己資本比率は上昇し、高い安全性を確保
3. 財務状況
2025年12月期末の財務状況について、資産合計は前期末比907百万円減少の4,632百万円となった。うち、流動資産は同768百万円減少した。これは主に、売掛金が62百万円増加した一方、現金及び預金が528百万円減少したこと等による。固定資産は同139百万円減少した。これは主に、繰延税金資産が42百万円増加した一方、敷金が65百万円減少したこと等による。負債合計は同926百万円減少の2,372百万円となった。流動負債は横ばい(同0.3百万円減少)であったが、これは主に、賞与引当金が74百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が139百万円減少したこと等による。固定負債は同925百万円減少したが、これは主に長期借入金が854百万円減少したこと等による。この結果、借入金と社債を合計した有利子負債は、同999百万円減少の1,230百万円となった。純資産合計は同18百万円増加の2,260百万円となった。これは主に、利益剰余金が126百万円増加したこと等による。

以上から、自己資本比率は48.6%(前期末比8.1ポイント増)に上昇し、2025年3月期における東証プライム・スタンダード・グロースに上場する全産業平均の34.1%を大きく上回る安全性を確保していると評価できる。一方、ROA及びROEの収益性指標は全産業平均を下回っているが、3ヶ年業績見通しの着実な進捗に伴い収益性指標も改善すると弊社では予想する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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