■今後の見通し
● 2026年12月期の業績見通し
ドリーム・アーツの2026年12月期の連結業績は、売上高6,250百万円(前期比10.5%増)、営業利益865百万円(同11.2%減)、経常利益890百万円(同17.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益616百万円(同18.6%減)と、2ケタ増収を維持するが、中期経営計画の達成に向けた成長投資により減益となる見込みだ。ホリゾンタルSaaSにて新規顧客60社の獲得を計画するほか、バーティカルSaaSでも全国チェーンへの導入プロジェクトやそれ以外にも大型案件が進行していることで、主力のクラウド事業の売上高は5,140百万円と同15.0%増を見込む。実際、大口顧客の解約もあって足踏みとなった「Shopらん」では、モスフードサービスが全国約1,300店舗に導入したほか、コープデリ生活協同組合連合会が約270拠点に導入するなど、足元で既に大手顧客の開拓が進んでいる。プロフェッショナルサービス事業の売上高も、クラウド移行及び導入・開発支援プロジェクトを中心に704百万円と前期比6.8%増を見込む。一方、オンプレミス事業の売上高はライセンス受注を織り込まずソフトウェアメンテナンスの計画的な解約加速を見込み404百万円と同23.0%減となる計画だ。
この結果、売上総利益は3,863百万円(売上総利益率は61.8%)と同331百万円(同9.4%増)増加するが、成長投資に伴い販管費が2,998百万円と同440百万円(同17.2%増)増加するため、営業利益は同109百万円の減少となる。また、減益計画のなかではあるものの、年間配当は前期と同額の1株当たり20.00円(2026年1月1日付の1対3の株式分割後ベース)を予定している。なお、配当性向30%を目安とした累進配当の方針を新たに導入した。AIエージェントの進化によりSaaS企業全般が一緒くたに警戒されている足元の状況において、中期経営計画で打ち出した施策推進を通じた持続的な成長に対する同社の自信を示唆しているとして、弊社ではポジティブに捉えている。
2026年12月期は中長期的な成長基盤を強化するため、「人的資本」「広告販促」「製品開発」の3点に重点的な先行投資を行う計画だ。事業拡大に伴い人的リソースの拡充は不可欠であり、営業・マーケティング及び開発体制を強化するため年間純増で35名程度の確保を目指すとともに、従業員向け株式報酬制度の運用を通じて組織エンゲージメントの向上も図る。広告販促投資には544百万円を充てる予定で、自社主催オンラインイベント「デジタルの民主化DAY」の継続開催や大規模ユーザー会「スマデビジャンボリー2026(仮)」の開催に加え、各種メディアへの露出や広告、さらにAIO(AI検索最適化)を踏まえたコンテンツ拡充により潜在顧客への認知拡大を推進する。さらに、製品開発には300百万円の投資を計画しており、「グローバル・コネクト」やAIを業務プロセスに組み込む「DAPA」構想に基づくAI機能強化の推進など、競争力強化かつよりAI-readyな形への変化に向けた開発を加速させる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)