■業績動向
3. 財務状況
ドリーム・アーツの2025年12月期は、税金等調整前当期純利益1,073百万円の計上や減価償却費200百万円の計上に加えて、クラウド事業の成長に伴い契約負債が前連結会計年度末比で128百万円増加したことなどのプラス要因があった一方で、法人税等の支払額249百万円などがあり、営業活動によるキャッシュ・フローは1,091百万円の収入となった。クラウド事業においては、一定期間の利用料を前受で受領し、契約未履行分を契約負債として計上しており、事業の成長がフリーキャッシュ・フローの増加に直結している。既存顧客は自社の予算執行の関係から契約を3月期末などで更新するケースが多く、第2四半期(4~6月)に契約負債が大きく増加する傾向があるが、通期を通じても順調に積み上がっている。投資活動によるキャッシュ・フローは、プロダクト開発による無形固定資産の取得244百万円、オフィス拡張等に伴う敷金及び保証金の差入45百万円などの支出があったものの、保険積立金の解約による収入250百万円などにより、合計では71百万円の支出に留まった。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出328百万円、社債の償還300百万円、配当金の支払154百万円などの支出があった一方で、自己株式の処分による収入328百万円などがあり、合計で454百万円の支出となり、その結果、2025年12月期末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末比571百万円増加し4,122百万円となった。社債を全額償還したことで再び無借金となり、借入金に依存せずに成長投資に振り向ける流動性資金を潤沢に確保する財務構造を強化している。親会社株主に帰属する当期純利益757百万円の計上から剰余金の配当154百万円を差し引いたことなどにより利益剰余金が602百万円増加し、純資産合計は前連結会計年度末比607百万円増加した。負債合計は、社債の償還による減少があった一方で、前述の契約負債の増加や、課税所得の増加に伴う未払法人税等の増加89百万円、株式報酬引当金の計上79百万円などにより、前連結会計年度末比で25百万円の減少にとどまったが、純資産が大きく増加したため、自己資本比率は54.9%と前連結会計年度末(48.8%)を6.1ポイント上回り、財務の安全性は一段と高まっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)