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はてな Research Memo(3):GigaViewerはストック売上拡大に向けた成長支援サービスを本格開始(1)

■業績動向

2. サービス別売上動向
はてなの2026年7月期中間期のサービス別売上高は、テクノロジーソリューションサービス、コンテンツマーケティングサービス及びコンテンツプラットフォームサービスのすべてのサービスで減収となった。

(1) テクノロジーソリューションサービス
テクノロジーソリューションサービスの売上高は前年同期比7.4%減の1,361百万円となった。「Mackerel」が2025年5月にアプリケーション・パフォーマンス・モニタリング(APM)機能を正式リリースしたことによる新規顧客の獲得により、同2.7%増の372百万円と3期ぶりの増収に転じたものの、受託サービスが新規開発の端境期にあたったことで同10.7%減の988百万円と落ち込んだことが減収要因となった。

受託サービスのうち「GigaViewer」に関しては、Web版として2025年8月に「一迅プラス」((株)一迅社)、2026年1月に「COMIC Y-OURS」((株)少年画報社)の2件をリリースしたほか、アプリ版として2025年11月に「くじらバンチ」((株)新潮社)をリリースした。これにより2026年1月末時点の「GigaViewer」提供社数は18社27サービスとなった。また、アプリ版の成長を支援するためのサービス「Comic Growth powered by GigaViewer」も「くじらバンチ」から本格的に開始した。同サービスはこれまで培ってきたマンガサービスの集客や成長支援のためのノウハウを活用したもので、アプリの認知・インストール獲得、作品の読者獲得、サービスグロースを目的に、戦略立案から実施・効果検証までのデジタル広告のあらゆる工程をワンストップで支援するサービスとなる。アプリ版の新規導入とあわせて提供し、年間の広告宣伝費用として数億円程度を想定している。このため、サービス開始当初は広告宣伝負担で減益要因となるが、アプリの成長とともにレベニューシェアが増加し収益貢献するビジネスモデルとなっている。出版社と一緒にアプリを育てていく協働パートナーとなることで成長を目指す戦略だ。受託サービスのうち「GigaViewer」関連だけで見れば、レベニューシェアを中心としたストック売上の拡大により、増収基調が続いている。

一方、「Mackerel」については、前期まで主要顧客先のサービス縮小に伴う監視対象サーバー台数の減少や新機能開発のため新規顧客の営業活動を手控えていたこともあり減収基調が続いていたが、APM機能のリリースとともに営業活動も強化したことで新規顧客獲得件数が増加したことや、既存顧客においてもアップセルが進み解約率も低減したことなどにより増収となった。今後はサーバー監視機能に加えて、アプリケーションソフトウェアを含めたシステム全体に対するオブザーバビリティ※プラットフォームサービスとして「Mackerel」を拡大していく方針だ。監視サーバー台数の多い主要顧客はAPM機能の導入に慎重なスタンスであるが、中小規模ユーザーであれば同機能の導入に対する心理的なハードルも低いようで、セミナーなどによるリード獲得も順調に進んでいるようだ。サーバー監視機能にAPM機能を加えると平均顧客単価は1.3~1.5倍に上昇するものと予想され、2027年7月期以降は成長加速が期待される。

※ システムの外部出力から内部の状態を推測・把握する能力や取り組み、それを実現する手法を指す。システムの動作や内部状態を理解することで、システムの異常な挙動を特定し、デバッグや障害復旧などを迅速に対処できる。

なお、生成AIサービスの普及が「Mackerel」に与える影響について、同社では共存共栄できると見ている。「Mackerel」はサーバー内に蓄積された様々なデータを収集・分析・監視するためのツールであり、これらは汎用のAIサービスとは用途が異なるためだ。「Mackerel」と生成AIの両方を活用することでより効率的な運用が可能になると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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