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鎌倉新書 Research Memo(1):2027年1月期も2ケタ成長見込み、中計達成に向け成長を加速(1)

■業績動向

1. 2026年1月期の業績概要
鎌倉新書の2026年1月期の連結業績は、売上高8,335百万円(前期比18.0%増)、営業利益1,161百万円(同27.6%増)、経常利益1,165百万円(同28.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は765百万円(同11.3%増)と5期連続過去最高、2ケタ成長で着地した。調整後EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却費+長期前払費用償却+株式報酬費用(ストックオプション費用))は1,653百万円(同44.5%増)となった。期初予想比では売上高(8,600百万円)は達成率96.9%、営業利益(1,150百万円)は同101.0%(株式報酬費用を考慮した実質ベースは117.6%)、経常利益(1,145百万円)は同101.8%、親会社株主に帰属する当期純利益(770百万円)は同99.4%、調整後EBITDA(1,440百万円)は同114.9%と、売上高はわずかに未達、利益面では最終利益を除いて予想を達成した。

売上面では、主力のお墓・葬祭の各事業が引き続き堅調でそれぞれ前期比9.0%及び12.8%の増収となったほか、介護事業が同24.8%増、官民協働事業が同33.7%増と大きく成長し、業績をけん引した。お墓事業については、広告宣伝による獲得効率が向上し紹介数が伸びた。葬祭事業では広告運用を内製化しさらなる効率アップと、過去最高となった紹介数・単価の増加が事業利益に寄与した。また、互助会等の大手サービスパートナーとの提携を拡大し約400の葬祭会館のサイトへの追加掲載が実現しており、今後の業績への寄与が期待できる。介護事業は2025年1月期に子会社化したユウテル(株)(※2026年2月時点では(株)エイジプラスが吸収合併済み)との協業によりオフライン(対面)営業が強化され、従来のWeb流入と相まって成約数と単価が大幅に伸長した。官民協働事業では、全国の自治体との提携数が2026年1月末時点で508(人口カバー率約60%)にまで拡大し、基盤となる終活メディア事業は483自治体、終活受託事業は42自治体に拡大した。一方でアセットマネジメント事業は前期比16.3%減収と苦戦した。しかし、第4四半期において紹介数や成約数がプラスに転じたほか、税務関連相談が増加しており、さらに他事業とのクロスユースを強化して業績改善に挑む。

利益面では増収効果のほか、広告宣伝費の顧客獲得効率策の実施により、売上に対し相対的にコストを抑えたことなどが寄与し、営業利益率が13.9%と前期比1.0ポイント上昇した。事業別では葬祭事業に関する利益が前期比58.2%増と大きく伸びた。広告運用内製化により集客効率が改善し、紹介数が伸長したほか、単価も上昇した。さらに、コールセンターの内製効果もありコスト削減に成功した。また介護事業がオフライン集客効果等で黒字化、官民協働事業では自治体提携数の増加に伴う増収効果やAI活用を含むオペレーション改善による広告受注の生産性向上効果で営業利益が同78.1%増と大きく成長した。

2. 2027年1月期の業績見通し
2027年1月期の連結業績は、売上高10,500百万円(前期比26.0%増)、営業利益1,700百万円(同46.3%増)、経常利益1,690百万円(同45.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,100百万円(同43.8%増)、調整後EBITDA2,075百万円(同25.5%増)と増収増益を見込む。2026年1月期に前倒し計上した株式報酬費用の剥落等もあり、利益面の伸び率が高い。計画達成に向け、各事業でクロスユースを推進するほか、お墓事業では2026年1月期に譲り受けた「Life.」(以下、ライフドット)事業との相乗効果を生み出す。2025年12月に開始したSOMPOホールディングスとの資本業務提携では、2026年2月より「介護」「保険」「職域」の3領域で新規顧客開拓施策の展開に向けた協業を開始しており、2027年1月期下期からの収益貢献を目指す。なお、2025年12月に設立した不動産事業子会社の(株)KS不動産パートナーズについては、終活事業における課題解決機能の一つとして、特にアセットマネジメント事業や介護事業と連携しながら運営し、業績予想では上乗せ要因と位置付けている。

事業別では、お墓事業はライフドットとの統合効果の発揮や、後述するシステム強化によるクロスユースの進展が期待される。前者は同社の有する事業ノウハウを生かしてライフドットを含めた全体の成約率のさらなる向上を図るほか、後者では他事業とのデータベース共通化によりマーケティング等を強化し業績に反映させる。葬祭事業はサイトリニューアルによるWeb集客向上や、サービスパートナーとの提携拡大による紹介数・成約数の増加が注目される。介護事業は強化するオフライン営業と従来のWeb流入の2つの営業窓口を活用し、紹介数・成約数や単価の向上につなげる。官民協働事業は2026年1月期に自治体開拓が進んだことで、伸び率はやや落ち着くと同社は見通すものの、引き続き提携拡大と、提携済自治体におけるサービス拡充を図っていく。アセットマネジメント事業は、2025年1月期から続いた紹介数・成約数の減少について、足元ではWeb集客や税務関連相談の増加により案件成約数や単価に上昇傾向が見られており、並行して他事業とのクロスユースを強化し、この流れからの成果結実に期待がかかる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)

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