■事業概要
ブリッジインターナショナルグループは、法人営業の全プロセスをデジタルと人の力で変革する「End to End」の支援体制を構築している。主な事業は、実務実行を担う「インサイドセールスアウトソーシング事業」、戦略策定とIT実装を行う「プロセス・テクノロジー事業」、DX人材を育成する「研修事業」の3つである。
1. インサイドセールスアウトソーシング事業
インサイドセールスアウトソーシング事業では、インサイドセールスのアウトソーシングサービスをクライアント企業から受託し、営業支援の形でクライアント企業の売上目標達成に向けたプロセス管理強化をサポートしている。インサイドセールスとは、直接顧客を訪問せずに電話やメールまたはSNSなどの様々な営業チャネルを活用し、法人営業プロセスの一部を担当して実行する営業活動、または営業担当者のことである。従来型の訪問営業を非対面の営業活動と分業化することで、営業の効率化・生産性の向上を図ることが可能となる。プロセスの分業化により属人的となっている営業活動の課題を解決し、企業の法人営業部門を支援する。多くの企業において営業活動は、その成長を支える重要な活動の1つである。
同社は、クライアント企業へインサイドセールスリソース(同社正社員)を提供し、顧客の社員に代わってインサイドセールスを実施している。現在は、首都圏エリア4拠点と地方5拠点(大阪・福岡・松山・沼津・徳島)でサービスを展開している。収益モデルは年間契約により月額手数料を受け取るストックビジネスであり、顧客は大手企業が中心のため、一定規模のリソース提供があり安定した収益獲得が見込まれる。
同社は2023年2月より、本社・事業所への出社を前提としない「フルリモート就業」インサイドセールス職の従業員採用を強化している。これまでどおり各事業所に所属する従業員採用は継続しつつ、展開していない地方の潜在的な人材の獲得を進めている。全国各地での採用を強化することで、2025年までに20以上の地方自治体で約100人の「フルリモート就業」従業員を確保する計画を打ち出しており、優秀な人材を安定的に確保することで、持続的な事業成長の実現を目指す。
2. プロセス・テクノロジー事業
分業による効率化を進めてきた企業においては、売上を創出するマーケティング、セールス、カスタマーサクセスの各部門が個別の目標を追い効率化を目指すことによる弊害も生まれている。同事業はこうした課題に対し、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)の提供を軸にプロセスの全体最適化を支援するコンサルティングや、ITツールの選定・構築・伴走支援を提供している。
コンサルティングは、連結子会社のブリッジプロセステクノロジー(株)(2025年3月、ClieXito(株)から商号変更)を中心に、DX推進の上流工程から手掛ける包括的な支援を展開している。システムソリューションサービスは、CRM、SFA、MAなどの企業の売上成長に関わる様々なシステム・アプリケーションの選定・構築・運用を担っている。近年は、ツールの急増により何を活用するかが問題となっており、顧客の営業活動に合ったツールの選定・構築のみならず、導入後の運用伴走においてもニーズが高まっている。収益モデルは、AIなどのクラウドサービスの提供に必要な開発売上とサブスクリプション売上の2つに分かれる。
同事業はこれまで主に子会社であるブリッジプロセステクノロジーが担ってきたが、2024年3月にB2Bマーケティングの戦略策定からオペレーション支援に強みを持つ2BCを吸収合併し、さらなる体制強化を図った。なお、2024年2月に子会社化したトータルサポート(宿泊施設向けネットワーク・SaaS提供)については、事業ポートフォリオの最適化を目的に、2025年12月期に株式を譲渡し非連結化した。
3. 研修事業
研修サービスはアイ・ラーニングが提供している。アイ・ラーニングは1990年に日本アイ・ビー・エムの研修部門から子会社として設立された経緯があり、IT研修や新入社員研修に加え、営業職向け研修プログラムにおいて多数の企業に対する実績を持つ。
コロナ禍を機にオンライン研修への移行が定着したことを受け、現在はデジタル研修の制作・配信拠点と対面学習の場を兼ね備えた「iLスクエア」を拠点に、オンラインと対面を組み合わせた研修体系を構築している。場所や時間の制約を解消するオンラインの特性と、集合型研修による実践的な教育を両立させることで、企業のDX人材育成における多様な学習ニーズに対応している。
同社は従来のインサイドセールス関連やオンライン営業研修などに加え、アイ・ラーニングの研修プログラムを幅広く提供することで研修サービス分野を強化している。社内のDX推進リーダーを担う人材を育成するための研修プログラムなど新たな注力領域のコンテンツ強化によって利益成長の加速が期待される分野であり、企業がデジタル人材の発掘・育成を急ぐなかでリスキリングの動きが広がりを見せていることが追い風になっていると弊社では考えている。
収益面では、従来は新人研修の比率が高く季節性が見られた。しかし、クラウド、ITスキル、プロジェクトマネジメント、経営・財務、ビジネススキルといった通年型の多角的なプログラム拡充により、収益の平準化が進展し、利益成長が加速している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)