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サイオス Research Memo(5):2026年12月期もストック型ビジネスがけん引し増収増益となる見通し

■今後の見通し

1. 2026年12月期の業績見通し
サイオスの2026年12月期の連結業績は、売上高で前期比4.9%増の20,000百万円、営業利益で同12.1%増の450百万円、経常利益で同2.5%増の510百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.6%増の370百万円となる見通し。KPIとするEBITDAは同17.2%増の540百万円、ROICは13.4%と見込む。ストック型ビジネスモデルへの継続投資と、AI及びOSSによる事業強化を推進する。

事業セグメント別では、プロダクト&サービスが売上高で前期比9.5%増の6,300百万円、セグメント利益で同30.8%増の950百万円を見込む。「Gluegentシリーズ」や「LifeKeeper」「Quickスキャン」など主力製品が順調に増加する見通し。また、米国子会社も拡販に注力し、増収を見込んでいる。なお、2026年に入って「SaaS is Dead」という言葉が株式市場を賑わし、SaaS企業の株価が一斉に下落したが、同社では一部の簡便なサービスを除いてAIがSaaSを代替することはなく、今後も共存していくものと考えている。生成AI機能を実装することでSaaSの付加価値を高めていくことが可能であり、こうした取り組みを迅速に進めることがさらなる成長につながると考えており、弊社でも同様の認識を持っている。

コンサルティング&インテグレーションは売上高で同4.6%減の3,300百万円、セグメント利益で同24.3%減の260百万円と減収減益となる見通し。APIソリューションをはじめとした各領域では案件獲得が順調に推移する見込みであるものの、前期収益に貢献したシステム開発案件が一巡するため保守的に計画を見積もっていることが要因だ。

ソフトウェアセールス&ソリューションは売上高で同5.5%増の10,400百万円、セグメント利益で同36.7%減の90百万円を見込む。売上高はRed Hat, Inc.関連商品、Elastic N.V.関連商品ともに伸長するものの、主要顧客先での一部商品の取引条件変更に伴い売上総利益率が悪化することで※、一時的に減益となる見通しだ。

※ 従前は商品ごとに利益率が異なっていたが、2026年より全商品の利益率を一定にした。

費用面では、積極的な人員増強による人件費の増加を見込んでいるほか、社内システムの更新に伴う減価償却費増を見込んでいる。一方、研究開発費については前期並みの水準を想定している。2026年2月までの受注環境は引き続き堅調なものの、イラン戦争の勃発による景気の先行き不透明感が強まっていること、さらには半導体メモリ不足によって国内のサーバー供給が滞り始めており、「LifeKeeper」の今後の販売に影響が出る可能性があり、業績のリスク要因となる。

(1) ストック型ビジネスモデルへの継続投資
ストック型ビジネスについては、従来のライセンス販売に加えてサブスクリプションサービスでの提供を行うこと、また新規契約の獲得と機能拡充に伴うアップセルに取り組むことで売上高比率の上昇を図る。「LifeKeeper」の国内売上はライセンス販売が大半を占めるが、2024年12月よりAWS Marketplaceでの提供を開始しており、AWSのサービスを利用している企業ではサブスクリプションサービスの利用が簡便となった。また、2025年10月に提供開始した「LifeKeeper v10」では、全製品※1に1年単位のサブスクリプションプランを設定し、より利便性を追求した製品に仕上げたことで、今後のサブスクリプション売上比率の上昇が期待できる。また、MFP向けソフトウェアとなる「QuickスキャンAI」もサブスクリプション版※2となる「QuickスキャンPlus」を同年11月より提供開始しており、今後の売上比率向上が見込まれる。「Gluegentシリーズ」については、新規契約件数の拡大に向けて、販売パートナーとの連携を一層強化するほか、「Gluegent Flow」「Gluegent Gate」ともにアップセル施策を継続する。これらの取り組みによりプロダクト&サービス事業におけるストック型ビジネスの売上高は前期比8.3%増の4,050百万円を見込む。

※1 DataKeeper Cluster Edition v10を除く。
※2 月額基本料金は2,000円(税抜)で、OCR枚数に応じた従量課金を設定している。

(2) AIとOSSによる事業強化
生成AIの活用、AIエージェント的アプローチによる事業強化を推進する。プロダクト&サービスでは、AIエージェント※的アプローチでの高付加価値機能の提供により顧客当たり売上単価のアップと新規顧客の獲得につなげ、MRRを積み上げていく。具体例として、2025年に「Gluegent Flow」で実装したユーザーアシスト機能は受動的な便利機能にとどまっていたが、2026年後半にリリース予定の次世代版は、社内で申請を行う際に過去のユーザーの傾向を参照し、必要な情報を先回りして取得、加工して提示する自律的な提案機能を実装する計画で、さらなる業務効率の向上を実現する。また、顧客のAI利活用を支援するコンサルティング案件も引き合いが多く今後の成長が期待される。

※ 単発のタスク処理にとどまらず、複数の業務プロセスを連携させ一連の仕事を完遂できるAI技術。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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