■リンクアンドモチベーションの事業概要
4. 人的資本可視化指針及びその見直し
近年、労働力人口の減少やビジネスのソフト化、ワークモチベーションの多様化が進み、人的資本経営の機運が高まる中、2023年に「企業内容等の開示に関する内閣府令」などが改正され、この改正により「人的資本」の情報開示が有価証券を発行している大企業の義務となった。これに関連し、「従業員エンゲージメント」を情報開示項目として求める「人的資本可視化指針」の内閣官房による公表が、「モチベーションクラウド」の急成長の背景にあるのは明白だろう。さらに「開示した数値を改善したい」という変革ニーズが高まるなか、間接的に「変革」サービスも一気通貫で提供できる同社の魅力を高めてきた。
この「人的資本可視化指針」は、「経営戦略と関連付けた人材戦略」や「従業員給与の決定方針」などの開示拡充の義務化(2026年3月期から適用)や国際的なサステナビリティ開示の方向性などを反映し、2026年3月に改訂・公表された。改訂版においては、人的資本開示を単なる項目開示にとどめることなく、経営戦略と人材戦略の連動を具体化し、質の高い人的資本投資の拡大を促す実践的なガイダンスが示されている。この改訂は、コンサルティングに対する企業ニーズを直接的なものとし、「診断」と「変革」を一気通貫で提供する同社の優位性をさらに際立たせる可能性があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)