■リンクアンドモチベーションの業績動向
1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上収益で前期比10.9%増の41,522百万円、売上総利益で同13.7%増の22,605百万円、営業利益で同23.4%減の4,204百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同56.1%減の1,621百万円となった。キャリアスクール事業以外の事業がすべて増収となり、売上収益は過去最高を記録した。また、利益率の高いコンサル・クラウド事業と人材紹介事業が計画どおりに成長したことから、売上総利益は予想値の22,100百万円を2.3%超過、売上総利益率も前期の53.1%から54.4%へと上昇している。一方、営業利益と親会社の所有者に帰属する当期利益は前期の数値を大きく下回るとともに、予想値も大きく割り込む結果となった。これは、キャリアスクール事業における構造改革をさらに推進するため、当該事業ののれん全額を減損損失として計上したことが主な要因である。こののれん全額減損は、今後の業績における不透明感を払拭し、同社の財務基盤を強化するものであり、弊社はポジティブに評価している。キャリアスクール事業以外の事業が順調な成長を見せる中での全額減損は、今後、不安なく高収益・高成長領域へ経営資源を集中するための戦略的な判断であるといえよう。
コンサル・クラウド事業をけん引役に、2ケタ成長を実現
2. 事業セグメント別動向
(1) 組織開発Division
組織開発Divisionの売上収益は前期比13.4%増の16,845百万円、売上総利益は同14.7%増の11,757百万円となり、2ケタの増収を達成した。予想値をわずかに下回ることとなったが、売上収益、売上総利益ともに過去最高を記録し、成長軌道を堅持している。
コンサル・クラウド事業の売上収益は前期比14.8%増の13,293百万円、売上総利益は同13.9%増の9,941百万円と、2ケタの増収となった。同事業のKPIであるモチベーションクラウドの月会費売上は、主に大企業を中心とした顧客数の拡大により、2025年12月末に2024年12月末比21.6%増の627百万円と大幅な増加となった。2025年12月末のチャレンジングな予想値650百万円には届かなかったが、これは生成AI台頭による顧客の検索行動の変化により、上半期の商談数が減少したことによる。もっとも、同社はマーケティングルートの最適化やマーケティング予算の増加といった対策を講じており、下半期には商談数が回復している模様だ。
IR支援事業については、統合報告書制作に加えて、動画配信サービスの売上が成長し、売上収益は前期比6.2%増の3,902百万円、売上総利益は同16.1%増の2,030百万円となり、2ケタの増益となった。
(2) 個人開発Division
個人開発Divisionの売上収益は前期比5.3%減の6,083百万円、売上総利益は同5.2%減の2,875百万円となった。
キャリアスクール事業の売上収益は前期比7.5%減の5,121百万円、売上総利益は同8.3%減の2,398百万円と減収減益であった。これは、オンライン化移行を進める構造改革の影響で新規通学入会者が減少し、既存教室の通学者が減少したことによる。ただし、オンライン講座の売上高は前期比17.0%増の647百万円と順調に伸びており、構造改革は確実に進展しているといえよう。
学習塾事業については、在籍者数及び顧客単価の双方が伸長、売上収益は前期比8.7%増の962百万円、売上総利益は同14.3%増の476百万円となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)