INDEX
池田雄一氏(以下、池田):株式会社ロゴスホールディングス代表取締役社長の池田です。本日は個人投資家のみなさまに直接お話をする機会をいただき、誠にありがとうございます。
本日は当社の会社説明に加え、2026年5月期第3四半期の決算概要と今後の見通しについてご説明します。こちらのスライドは、本日のアジェンダです。
会社概要・グループ構成
池田:まず、会社概要についてご説明します。当社は、注文住宅事業を主軸に展開しています。現在はグループ全体を7社で構成し、高性能・高品質な住宅を適正価格で提供しています。また、全国へ出店し、エリア拡大を進めています。
沿革
池田:当社の母体となるロゴスホームは、2003年に北海道帯広市で創業しました。創業当初から全国へ事業を拡大する志を持ち、事業をスタートしています。その後は地方工務店のM&Aを通じて、グループ会社を拡大してきました。
現在は自社の出店とM&Aによって全国に40拠点を展開し、年間で1,500棟弱を供給するまでに成長しています。
PHILOSOPHY
池田:「日本の家づくりをつくる。」という理念のもと、全国に約3万社存在する工務店が抱えている集客と生産性、これら2つの課題を解決する存在であると自負しています。
主な事業会社の特徴
池田:こちらのスライドは、主要なグループ会社と事業イメージを示しています。各社は地域、気候、文化に合わせた特徴的な商品を揃え、幅広いニーズに対応しています。
付加価値の源泉
池田:当社の強みの源泉についてご説明します。家づくりは気候や住文化、所得水準など非常に地域性の強いものですが、大手ハウスメーカーは全国一律の統一した家づくりを行っています。
当社は大手とは異なり、全国で規格化された基準に頼らず、各地の気候や住文化、所得水準などの地域特性を考慮した商品設計により、快適性を実現しています。
住宅総合展示場には出店せず、販売価格と販管費を抑えることで、価格面での優位性を確立しています。この点については、後ほど詳しく説明します。
ターゲット層
池田:メインターゲットは、世帯年収400万円から800万円の層です。主に、Web集客が刺さりやすい30代を中心に販売を展開しています。
住宅の平均単価は、2,500万円から3,000万円程度です。当社グループでは高性能・高品質、かつデザインの自由度が高い注文住宅を適正価格で提供しており、このバランスが最も取れている存在だと考えています。
市場環境|市場規模
池田:戸建住宅は、8兆6,536億円規模という巨大な市場があります。しかし、先ほどお話ししたとおり地域の特性が非常に強いビジネスであるため、寡占化がまったく進んでいません。
みなさまも名前を聞いたことがある大手企業でも、戸建住宅のシェアが1パーセントにも満たないところがほとんどです。1パーセントを超える企業がほぼいない、分散市場になっています。
そのような中、当社の全国シェアは依然として1パーセントにも満たない状況ですが、エリア拡大の余地を考えると、成長のチャンスはまだ大いにあると考えています。
市場環境|競合環境
池田:北海道に限らず全国どのエリアでも、戸建注文住宅の着工数は減少しており、他の住宅会社では毎年の建築棟数が減少を続けています。
一方、当社グループは出店を拡大し、M&Aによってグループの仲間を増やしています。また、企業内の生産性を向上させてきた結果、北海道の住宅会社として最も成長しており、引渡棟数を毎年増やしながらシェアを拡大しています。
市場環境|競合環境
池田:北海道内では順調にシェアを伸ばしているものの、北海道全体でもまだ7.9パーセントという水準です。そのため、帯広圏以外にはさらにシェアを拡大する余地があり、チャンスは大きいと考えています。
関本圭吾氏(以下、関本):株式会社IR Agents代表の関本です。会社概要について質問します。まず、過去に特に北海道でシェアを伸ばされてきたことは、大変すばらしいと思います。
鍵となるのは、おそらく性能と価格のバランスが取れた適正価格を実現している点だと思いますが、なぜ御社がこの適正価格を実現できているのでしょうか?
池田:まず、当社は他社よりも粗利率を5パーセント程度低く設定できています。なぜそれを実現できているかというと、ビジネスモデルとオペレーションの効率性によるものです。
ビジネスモデルの強みについては後ほど詳しくご説明しますが、一般的な住宅会社では住宅総合展示場に出店して営業活動や集客を行うのに対し、当社では自社展示場を活用しています。
また、北海道という厳しい環境の中で培われたオペレーションによって固定費を削減し、その分を売価に反映させていることが、適正価格を実現できている理由ではないかと考えています。
関本:オペレーションの効率性やビジネスモデルの強みによってコストを削減できる部分を削減した結果、非常に良いバランスでお客さまに提供できているのではないかと思います。
競争力の源泉
池田:それでは、当社の強みについてお話しします。当社の成長の理由は、スライドに記載した3点です。これらの強みにより、他社には模倣が困難なビジネスモデルを構築していると考えています。3つの強みについて、順番にお話しします。
01 高性能・適正価格を実現する商品開発力
池田:1つ目の強みは、商品開発力です。創業の地である北海道帯広市は、夏はプラス35度、冬はマイナス25度と、寒暖差が60度にもなる非常に厳しい気候の地域です。さらに、地震が多いものの、お客さまの所得水準が比較的低いエリアでもあります。
そのため、断熱・耐震・省エネといった高性能住宅を適正な価格で提供するノウハウを長年にわたり蓄積してきました。当社の「北海道品質の家」は、全国で通用する高い住宅性能と適正価格の両立を実現しています。
02 デジタルマーケティング
池田:2つ目の強みは、デジタルマーケティングです。先ほども少し触れましたが、一般的にハウスメーカーは住宅総合展示場に出店して集客活動を行います。
しかし、総合展示場には莫大なコストがかかります。借地料や豪華なモデルハウスの建築費、運営費など、非常に高額なオペレーションが必要なうえ、来場されるお客さまの多くは見込みが非常に薄く、成約率がとても低い状況です。そして、多額のコストが販売価格へ転嫁される仕組みになっています。
当社はそのような展示場には一切出店せず、デジタルマーケティングを活用し、自社のモデルハウスやショールームに直接、確度の高い有効なお客さまを集めている点が強みではないかと思っています。
自社ショールームに直接集客することで競合が少なく、効率的で低コストな集客が可能になっています。成約率が高いため、結果的に住宅販売価格を抑えることにつながっています。
大手ハウスメーカーは長年にわたり総合展示場への多額の投資を行ってきたため、営業スタイルを簡単に変えることは難しいと思われます。
その結果、デジタルマーケティングへの切り替えや大規模な再投資が困難となり、当社のビジネスモデルは模倣されにくいと考えています。
03 DXによる効率的なオペレーション
池田:3つ目の強みは、DXによる効率的なオペレーションです。もともと本社が広大な北海道に所在するため、移動コストが非常に高くなっていました。
北海道内では、一番端の店舗からもう一方の端の店舗まで車で8時間以上かかることもある中で、いかに移動コストを削減するかを考えながらビジネスを展開してきました。
その結果、「移動時間を0(ゼロ)にする家づくり」を掲げ、家づくりに関わるすべての工程をDX化・オンライン化しています。
インサイドセールスという電話専門の部隊が質の高いアポイントを獲得し、そのアポイントを営業に引き継ぎます。また、打ち合わせ工程をオンライン化することで移動時間を削減し、削減した時間を商談数の増加や労働時間の短縮に活用しています。
関本:ビジネスモデルの強みについて、補足でいくつかおうかがいしたいと思います。
まず、先ほど「大手ハウスメーカーは総合展示場に今まで投資してきたため、デジタルマーケティングは難しいと思います」とおっしゃっていました。とはいえ、それでは勝てない場合、他社も切り替えを検討されるのではないかと考えています。
大手ハウスメーカーが少なくともこれまで切り替えを進めてこられなかった理由を、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
池田:まず、総合展示場で発生する減価償却費の負担が大きいことや、切り替えの過程では総合展示場とデジタルマーケティングを並行して進めなければならないため、コストが非常に大きくかかり、利益を圧迫しかねないといった要因があります。
関本:御社は初めから総合展示場を使わずにデジタルマーケティングに注力しているからこそ、蓄積もあり、効率性が実現できているということでしょうか?
池田:そのとおりです。当社はこれ一本でやってきました。
関本:承知しました。次に、成長戦略についてお願いします。
成⾧戦略
池田:成長戦略についてお話しします。こちらのスライドが、当社の成長戦略の全体像です。
成長のドライバーとしては、出店拡大とM&Aの2つがあります。2030年までにロゴスホームとして50拠点を展開し、グループ全体の引渡棟数を現在の3倍以上となる5,000棟にすることを目標としています。
この5,000棟の内訳は、ロゴスホームの出店拡大によるオーガニックな成長で2,500棟、そしてM&Aによる増加で2,500棟を目指すという内容です。
ロゴスホームにおける出店拡大
池田:まず、出店についてです。2026年4月14日の決算発表時点で、当社の中核を担うロゴスホームの拠点数は26拠点となっていました。この出店を継続し、2030年までに50拠点を目指す計画です。
2026年5月期は既存店舗のリニューアルを優先したため、新規出店は三重県四日市市のみとなりました。一方、2027年5月期には、今期もともと予定していた岐阜県大垣市に加え、北海道以外のエリアで5店舗の出店を計画しています。
2028年5月期以降も、関東、東海、北陸、九州などで年間4店舗から5店舗の出店を予定しています。昨年の新規出店である「ロゴスホーム名古屋」を皮切りに、現在、東海エリアへの出店が続いています。
出店開始からわずか9ヶ月で累計100棟の受注を達成するなど、予定を上回る非常に好調な滑り出しとなっています。新規出店によるポテンシャルは大きいと感じています。
店舗の大型化
池田:これまでは店舗の近くに売却型モデルハウスを建築し、低コストで出店を行ってきました。
売却型モデルハウスはモデルハウスとしての役目が終われば売却するため、コストが比較的少なく済みます。しかし、小さな店舗であることから、キャパシティやスタッフの人数に基づく対応力に限界が生じてきました。
今後は市場規模の大きいエリアを対象に、先行投資として自社展示場・ショールームや常設型モデルハウスの導入を進めます。
敷地内には、コンセプトの異なる複数のモデルハウスを建築します。また、ショールームでは耐震性能や、当社が得意とする遮熱・省エネ性能を体感していただき、さらには実際にモデルハウスへの宿泊を通して住宅の性能を直接知っていただくことで、成約率の向上を図る店舗作りを行っています。
店舗の大型化によって商談数のキャパシティが増加し、営業の生産性がさらに向上しています。自社展示場は先行費用が増加しますが、総合展示場と比較しても販売コストの優位性を変わらず維持できると考えています。
認知拡大、商談数の増加、ブランディング強化により、棟数の拡大を加速させています。実際に東海エリアでの好調の背景には、このような営業戦略の切り替えも寄与していると考えています。
M&A:今後の戦略
池田:M&Aについてです。オーナーの高齢化や後継者問題、さらにデジタル化や法規制への対応といった、世の中の変化に伴う課題に悩む地方の工務店が非常に増えています。
地方の工務店がなくなるということは、各地域に合った家づくりのノウハウやエリアの顧客基盤が失われ、地域経済や暮らしの質が低下することにつながります。
当社はホールディングス体制に基づく経営ノウハウを活用して、工務店が従来行っていたオーナー経営から組織経営へと転換し、当社の強みを活かしてシナジーを創出しています。
M&Aを通じて、従来の会社名やブランド名、従業員を承継しながら、技術や顧客基盤もそのまま引き継ぐことを実現しています。
当社の目標は「地域ナンバーワン工務店の集合体」を実現することです。地域の住宅文化や雇用を守りつつ、効率的な経営によって当社の持続的成長と地域発展の両立を目指しています。
関本:成長戦略について、いくつか深掘りしていきたいと思います。まず、戦略の1つ目である新規出店についてです。
実際に新規出店後は早めに利益貢献が始まるのか、それとも最初はコストがかかってしまうのか、このあたりの貢献イメージをお聞かせください。
池田:実は、家は受注してから引き渡しまでに10ヶ月程度かかります。そのため、出店当初は赤字の負担がありますが、2年から3年程度かけて実績を積み上げることで収益に貢献するようになります。
関本:確かに、受注してすぐに製造・販売ができるわけではありませんからね。ここで気になるのが、やはり出店コストが先行することで減益に見えるケースが上場各社で散見されることです。この点をどのようにお考えでしょうか?
池田:その点については十分に計算を行い、現時点では増益を確保できる水準で出店を進めていく方針です。
関本:この件に関連して、出店におけるもう1つのポイントとしては何がネックになるのでしょうか? 例えば人材なのか土地なのか、あるいはそもそも出店に伴うコストなのでしょうか?
2030年に50店舗を目標に掲げていますが、出店に際してどのようなリスクが存在する印象ですか?
池田:住宅会社においては、やはり家を販売するには人材の確保が不可欠です。幸い、当社は住宅会社として非常に成長しており、「住宅会社で働きたい」と希望する方を一定程度採用できていると考えています。
もう1点は、土地の確保です。地縁や血縁がない新たなエリアで土地を確保することは、最初の大きなハードルとなります。したがって、出店におけるネックは、人材と土地の2点になるのではないかと考えています。
関本:出店に関しては後ほどうかがいたいため、次はM&Aについて質問です。
前期に坂井建設を買収されて以降、2026年5月期はあまりM&Aの発表がなかったように思います。言える範囲で良いので、どのような状況であると認識されているのかをうかがってもよろしいでしょうか?
池田:現在も、ターゲットとなる企業の精査を進めています。具体的な交渉状況は先方の事情もあるため、公表できる段階になるまでは回答を差し控えます。
関本:決して止まっているということではなく、きちんと進んでいるものの、現時点では話せることがあまりないということですね。
池田:そのとおりです。
関本:もう1点質問です。M&Aを進める場合、バランスシートや予算は重要なポイントだと思います。現時点で自己資本比率や負債を考えると、必ずしも強いバランスシートではないと思うのですが、M&Aを含め、この点についてどのようにお考えでしょうか?
大きなM&Aが可能なのか、それともある程度小規模なものから進めていくのか、予算感を教えていただけますか?
池田:現時点で、キャッシュフローに問題はないと考えています。また、当社は新興企業であるため、まずは利益を積み上げて自己資本比率を改善し、バランスシートの強化を図りたいと考えています。
M&Aについては、基本的に借り入れを行い、相手企業に合わせた投資を行う方針であることから、規模には特にこだわっていません。
関本:承知しました。成長戦略についてはここまでとして、次に、直近発表された業績についてうかがいたいと思います。
エグゼクティブサマリー
池田:それでは、先日発表した2026年5月期第3四半期決算についてご説明します。まず、エグゼクティブサマリーです。
建築基準法の改正などを背景に、建築確認申請に時間がかかり、施工までの時間が長引く結果となりました。それを踏まえ、今期は第2四半期の時点で第3四半期と第4四半期の見込みを修正しました。
第3四半期累計実績では、修正後の見込みを上回る大幅な利益を確保し、当初の計画を達成して営業黒字へと転換しました。第4四半期の引渡に向けた取り組みを進め、通期での売上と利益の計画達成を目指していきます。
2026年5月期 四半期業績予想
池田:2026年5月期の四半期業績予想です。スライドに記載のとおり、第4四半期に偏重する計画となっていますが、足元では順調に推移していると認識しています。引き続き、通期の業績計画達成に向けて取り組んでいきます。
受注動向
池田:今期第1四半期より、月次の受注速報を開示しています。3月単月の受注は223棟となり、過去最高を更新しました。
ビジネスモデルの特性上、単月単位での前期比変動は大きいものの、累計では計画を上回り、前年同期比で高水準のプラス成長を継続しています。
2027年5月期 業績見通し
池田:2027年5月期の業績見通しについて、現時点でのイメージをお話しします。
当期は坂井建設の連結影響による一過性の要因がありましたが、それを除くと現時点での当期連結実績に対し、全体で20パーセントから30パーセント程度の成長が可能だと考えています。
詳細については、4月と5月の受注動向を踏まえて検討する必要があり、現在精査を進めています。ただし、来期に向けて成長が大きく鈍化しないよう努めたいと考えています。
関本:ここまでの業績に関して、追加でお聞きしたいと思います。今回、詳細が発表されていない部分について質問です。
業績予想のスライドを見ると、第4四半期に非常に偏重していることがわかります。こちらは、引渡しなどはある程度見通しが立っていると考えて問題ないでしょうか?
池田:今期の引渡物件はすべて工事が進んでおり、計画どおり着地できると考えています。
ただし、現在は中東情勢の悪化など、さまざまなリスクが存在し、物資が入ってこないといった懸念もあります。そのため、引渡しが遅れるリスクがある程度あると認識しています。
今期の物件は引渡しまであと1ヶ月となるため、手配にはある程度目処がついています。しかし、まだ100パーセントとは言えず、一定のリスクが残っていると考えています。
関本:続いて、今回は詳細なお話がありませんでしたが、来期に向けて札証物産に関するお話がありました。こちらも、ご説明の中でうかがいたいと思います。いかがでしょうか?
池田:先日、札幌の分譲住宅会社である札証物産が民事再生法の適用を申請し、当社はそのスポンサー契約を締結しました。
これはM&Aではなく、札証物産が持っていた資産を譲り受け、当社が販売するというかたちになります。
関本:それが来期に寄与するということですね?
池田:はい。金額は不透明ですが、来期への利益貢献があると考えていただいて問題ありません。一方、このように経営難になる中小ハウスメーカーなどが近年増えてきており、それらの受け皿となれる企業として認識されてきているのは良い傾向であると感じています。
関本:わかりました。続いて、株主還元についておうかがいしたいと思います。
株主還元
池田:株主還元です。成長投資と安定的な株主還元の両立を目指し、DOE5パーセントを下限とし、配当性向30パーセントを目標としています。
また、当期は1株当たり63.39円の配当を予定しています。配当利回りは、4月16日の終値ベースで3.23パーセントです。引き続き、安定的な経営基盤の構築に注力していきます。
株主優待
池田:株主優待です。このたび、株主還元策のさらなる拡充を目的として、新たに「シェア型株主優待制度」の導入を決定しました。
本制度は、あらかじめ設定した優待総額を基準日の対象株主数で按分し、贈呈する仕組みです。対象は、毎年5月末時点の株主名簿に記載または記録された当社普通株式を200株以上保有する株主です。
本制度の大きな特徴は、株主数に応じて1人当たりの贈呈額が変動する点にあります。2026年5月末日を初回の基準日とし、優待総額を1,000万円に設定しています。
参考として、昨年11月末時点の対象株主数は769名でした。この769名で算定した場合、1人当たりの贈呈額は1万3,003円となります。
これを優待利回りに換算すると、4月16日終値ベースで3.32パーセントとなり、配当利回りを合計した総還元利回りは6.55パーセントです。
なお、次回以降の優待総額は、株主数の推移や財務状況に加え、時価総額や流通株式比率などを総合的に勘案し、常に適切な還元水準となるよう継続的に検討していきます。
今回の導入の背景には、当社株式の流動性向上という明確な課題があります。個人株主のみなさまとの関係をより一層強化し、ファン層を拡大することが、中長期的な株主価値の向上に必要不可欠であると判断しました。
あらためて配当方針について申し上げると、従来のDOEおよび配当性向に基づく安定的な利益還元の方針に変更はありません。安定配当を維持しつつ、本優待によるプラスアルファの還元を行うことで、株主のみなさまとともに持続的な成長を目指していきます。
以上で、当社に関するご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:「シェア型株主優待制度」の導入意図と背景について
関本:まず、株主優待について質問です。今回、シェア型株主優待制度の導入を発表されましたが、今年から目にするようになった新しい試みだと感じています。
株主還元の拡大については意図を理解しましたが、「シェア型株主優待制度」はどのような考えで導入されたのでしょうか?
池田:株主数の増加と還元の強化については、継続的に図っていきたいと考えています。
一方、当社には大株主が存在しており、市場での流動性が非常に低い状況です。そこで、株主優待として展開することで、少数株主に配慮した還元が可能になります。また、予算も固定型であれば確定しやすく、経営上も過度にリスクを取らずに済むと考えました。
関本:わかりました。私も、これは非常におもしろいと感じています。優待を多く活用した結果、株主数が1万人、2万人と増え、結果的に膨大な配送費がかかってしまうケースもありました。
そのような意味では、御社は予算が固定化されていて、さらにデジタルで配布する仕組みになっている点が非常におもしろいと思います。
池田:比較的新しい取り組みだと思っています。
質疑応答:イラン情勢とホルムズ海峡に関する影響について
関本:イラン情勢について質問です。ホルムズ海峡などに関して、御社の現在の考えや見えている部分があれば教えてください。
池田:当社で建築中または建築予定のお客さまがニュースをご覧になり、「物資が入らないのではないか」「値段が上がるのではないか」といった、ご心配の声をいただいています。
資材価格の今後の動向は予断を許しませんが、価格が下がることはないと考えています。一方、当社は過去の経験を活かし、一歩先んじて価格転嫁を進めているため、現時点では原価上昇の影響を吸収できる見込みです。
資材の在庫もある瞬間から完全になくなることはなく、一定の在庫があります。それを問屋やメーカーがどのようなかたちで住宅会社に卸していくかという点も、当社は比較的優先して卸していただけるのではないかと考えています。
関本:そのような意味では、さまざまな建材メーカーなどで発注停止や自粛があった場合も、なんとか取り組んでいける見込みですか?
池田:はい。その点は、それほど大きな影響にはならないと考えています。
質疑応答:当社のターゲット顧客層、商品戦略およびエリア拡大方針について
荒井沙織氏(以下、荒井):「住宅市場が伸びにくい環境下で成長を実現するために狙う、顧客層や商品戦略に変化はありますか?」というご質問です。
池田:ターゲットとする顧客層や商品戦略に変更はありません。当社グループは、世帯年収400万円から800万円のボリュームゾーンである一次取得者をメインターゲットとし、平均販売単価2,500万円から3,000万円台前半で展開しています。
池田:当社グループは、M&Aと新規出店を通じて全国にエリアを拡大することを目指しています。注文住宅の市場は寡占化されていないビジネス環境であるため、市場の成長に依存せず、エリアの拡大によって全国シェアを高め、グループ全体の成長を実現する戦略を採用しています。
池田:また、北海道の札幌や帯広エリアのように、すでに特定のエリアでトップシェアを持つ場合でも、高級層や低価格層へのターゲット拡大は行わず、現在の商品戦略を維持する方針です。
当社の強みである「高品質・高性能な注文住宅を適正価格でお届けすること」をさらに追求し、相対的に価格競争力を高めていきたいと考えています。
質疑応答:北海道エリアにおける市場シェア拡大と全国の出店戦略について
荒井:「札幌エリアで店舗拡大を進められていますが、市場シェア拡大のために最も効いている打ち手と今後の出店戦略を教えてください」というご質問です。
池田:札幌を含む北海道エリアにおける市場シェア拡大に最も効果的な施策は、既存店舗を大型の自社展示場へリニューアルすることです。これまでも、小規模店舗から大型店舗へのリニューアルを進めてきました。
例えば、「ロゴスホーム旭川」ではリニューアル後に受注が前年比で20パーセント以上伸びるなど、大きな成果を上げています。
今後の出店戦略として、北海道エリアはすでに主要エリアをカバーしているため、新規エリアの拡大ではなく、既存エリアでのシェア拡大に注力していきます。
池田:一方、道外では東海エリアを主力とし、関東・北陸・九州などで年間4店舗から5店舗のペースで新規出店を進めています。2030年までに、ロゴスホーム全体で50拠点を目指す計画です。
質疑応答:原価・人件費上昇への対応策と競合との差別化について
関本:「収益性の視点で、原価上昇や人件費上昇に対しては価格転嫁、仕様最適化、施工効率化など、いろいろな方法があると思います。御社はどのような対応を取られていますか? また、何が最も有効的だとお考えですか?」というご質問です。
池田:原価や人件費の上昇に対する最大の対応策は、価格転嫁です。もちろん価格転嫁だけでなく、仕様の最適化や施工の効率化を組み合わせることで、全体の利益率をコントロールしています。
近年、住宅関連の法律改正により住宅性能が拡充されており、こちらに伴うコスト上昇もあります。その結果、全国のどの会社でも住宅価格は年々上昇しています。
しかし、当社グループは単純な価格転嫁や住宅総合展示場への出店に頼らず、自社によるデジタルマーケティング集客やDXオペレーションによって構造的な販管費を抑制した結果、他社よりも価格転嫁を抑えることができていると考えています。
関本:プラスに捉えると、コスト面で他のメーカーが厳しい状況にある中でも、御社はDXオペレーションによって効率化ができているため、逆にチャンスになるということですね。
池田:そのように捉えています。
質疑応答:住宅業界におけるデジタル活用とビジネスモデルについて
関本:「御社のユニークな点として、DXオペレーションなどについてうかがいました。御社と同じような手法でビジネスを展開している企業はありますか? それともオンリーワンなのでしょうか?」というご質問です。
池田:新興の住宅会社の中には、総合展示場に出店せず、デジタルで事業展開を進めている会社もあります。ただし、当社の規模でこのようなビジネスモデルを実現している会社はないと考えています。
関本:それは、昔ながらのビジネスモデルで展開している会社は、新たな取り組みに切り替えることが難しいということでしょうか?
池田:そうですね。私は本当になにもないところからビジネスをスタートしたため、はじめは大きな投資ができず、総合展示場への出店もできませんでした。
そのため、さまざまな工夫を凝らしてデジタルを取り入れることが不可欠だったのですが、それが逆に良かったのかもしれません。
関本:先ほどのお話にもあったとおり、帯広という地域から始まったという点が実になったということですか?
池田:はい。この帯広という、ある意味では厳しい地域の中で磨かれた技術や工夫が、現在の住宅に活かされているのではないかと考えています。
質疑応答:帯広市での住環境改善に関する池田社長の思いについて
関本:「『高品質な家を、手の届く適正価格でお届けすること』に対して、志向して取り組んでこられたように思います。池田社長の思いやエピソードがあれば教えてください」というご質問です。
池田:先ほども少しお話ししましたが、北海道帯広市は夏と冬で寒暖差が60度もある、非常に厳しい環境のエリアです。
この地域で快適に暮らしてほしいという思いがある一方、帯広市は所得水準の高いエリアではないことから、適正価格で快適に暮らせる家をお届けしたいという思いもありました。
私自身も帯広市の出身であり、地元に知り合いや友人がいます。彼らにも楽しんで住んでいただきたいと考え、品質と価格、この2つを追求してきたように思っています。
質疑応答:東海エリアでの住宅需要と高評価の理由について
関本:「今期は東海エリアが非常に順調に進捗していると考えています。こちらは、このエリアに需要があったのでしょうか? それとも、御社の人や新しいモデルハウスなどで良かったと思う点があれば教えてください」というご質問です。
池田:東海エリアは大都会であるため、需要が非常に多い地域です。ただし、当然ながら競合となるプレイヤーも多く存在します。そのような中で、当社の住宅が非常に高い評価を受けていると認識しています。
というのも、当社の住宅はプラスマイナス60度の寒暖差においても快適に暮らせる性能を備えています。寒冷地向けの住宅を暑い地域に建てる場合、「それでは弱いのではないか」と思う方もいらっしゃいます。
しかし実際には、東海エリアは非常に湿度が高く蒸し暑い一方、寒さに強い家は外気の影響を受けにくいため、外の空気が暑くとも寒くとも室内は快適な環境を保つことができるのです。
このような性能をショールームのモデルハウスや体感ブースで感じていただいた結果、「エアコンをつけなくても涼しい」とご好評いただいています。このような要素が、非常に高い評価につながっていると考えています。
関本:断熱性が高くクオリティが高いと、住環境も良くなりますよね。電気代を抑えられる点も魅力的です。
池田:おっしゃるとおりです。電気代が抑えられたという点でも、大変ご好評いただいています。
質疑応答:ホルムズ問題について
質問者:ホルムズ問題における貴社の影響度を教えてください。断熱材も仕入れできていますか?
池田:中東情勢等の地政学的リスクに起因する資材価格の高騰については、先んじて段階的な値上げ(価格転嫁)を進めることで利益への影響を極小化しています。また、ナフサショック等による資材納品の遅れについても、今期の完工物件に関してはほぼ納品の目処が立っている状況です。なお、断熱材の個別の仕入れ状況に関する直接的な言及は資料内にはありません。当社グループとしては、情報収集を徹底し、「調達先の複数化・分散化」「代替品の検討」「仕様の見直し」を行うことで調達リスクの低減に努めており、業績への影響を最小限に抑えるよう対応しています。
質疑応答:今後の進出地域について
質問者:今後進出したい地域はあるのでしょうか?
池田:2027年5月期には、岐阜県(大垣市)のほか、愛知県(尾張・三河エリア)のさらなる深耕、および新規エリアとして神奈川県、新潟県、長野県への展開を予定しており、計5店舗の出店を見込んでいます。さらに、2028年5月期以降は、関東、東海、北陸、九州地方において年間4店舗から5店舗のペースで新規出店を進め、中期的には全国50拠点への拡大を目指しています。
質疑応答:自己資本比率について
質問者:自己資本比率16パーセントという状況ですが、今後少しずつ自己資本を高めていく予定なのでしょうか?
池田:現在の自己資本比率の低下は、坂井建設のグループ化に伴う総資産の増加と、M&Aおよび新規出店に向けた成長資金を借入(有利子負債)で調達したことが主な要因です。当社としては、これを中長期的な飛躍を見据えた積極的な投資による「成長過程における一時的な財務構造の変化」と認識しています。 注文住宅事業の特性上、新規出店から本格的に利益貢献するまでには約3年程度のリードタイムを要します。今後も当社の成長ドライバーである新規出店とM&Aへ積極的に投資していく過程において、自己資本比率は一定の低水準で推移することが想定されます。 しかしながら、これらの先行投資が将来の売上・利益の拡大へと直結し、投資回収が進むことで、自己資本比率も段階的に改善・回復していくものと確信しています。
質疑応答:モデルハウスの売却について
質問者:モデルハウスは基本的に何年で売却するのでしょうか?
池田:従来型の出店形式で建築する「売却型モデルハウス」は半年から1年ほどで売却しています。売却型モデルハウスは注文住宅仕様の建売であり、短期的に売却することで、周辺相場と遜色ない価格で売ることができ、利益の棄損を防ぐことが可能です。大型自社展示場に併設された「常設型モデルハウス」については売却を目的としたものではなく、長期的な集客装置として利用します。
質疑応答:土地仕入れ専門部署について
質問者:新しい場所で土地を獲得していくための専門部署があるのでしょうか?
池田:新規エリアでの土地獲得については、現地の営業担当が不動産業者と関係構築しながら直接情報収集を進め、ホールディングス営業部不動産課と協働して、仕入れを行っています。
質疑応答:株主優待方針について
質問者:ある程度株式の流動性が確保できた場合は優待廃止するのでしょうか?
池田:今回導入された「シェア型株主優待制度」の次回以降の優待総額については、今後の株主数の推移や財務状況に加え、時価総額や流通株式比率(流動性)などを総合的に勘案し、常に適切な還元水準となるよう継続的に検討していきます。
池田氏からのご挨拶
池田:本日は、お時間をいただきありがとうございます。当社は注文住宅の会社として、さらなる成長を目指しています。
投資家のみなさまから引き続き応援をいただけると、非常に心強く思います。ぜひ当社を応援いただけますよう、よろしくお願いします。ありがとうございました。