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VPJ Research Memo(5):2025年12月期は契約数増加によりARRが拡大し、増収増益。過去最高益を更新

■ビジュアル・プロセッシング・ジャパンの業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の業績は、売上高で前期比13.8%増の1,374百万円、営業利益で同42.2%増の260百万円、経常利益で同34.4%増の248百万円、当期純利益で同44.5%増の176百万円となった。売上高は、既存契約企業からのサブスクリプション収益であるARRの増加に加え、「CIERTO」の新規契約件数が前期比48.3%増の46件と大きく伸長し、計画を上回る進捗となった。また、期末にかけて複数の大型開発案件が完了したことも増収に寄与した。利益面では、採用費用やオフィス拡張に伴う費用、上場関連費用の増加があったものの、売上高の伸長によりこれらを吸収し増益となった。ARRの拡大に伴う収益構造の改善により収益性が向上し、過去最高益を更新した。

2. サービス別売上高の実績
2025年12月期のサービス別売上高を見ると、継続SaaSと継続保守を合わせたARR継続ビジネスが前期比18.5%増の789百万円となり、全体をけん引した。継続SaaSは同23.7%増の559百万円、継続保守は同7.5%増の230百万円となり、前期までの積み上げが寄与した。新規プロダクトビジネスは、同8.7%増と伸長した。このうち新規SaaSと新規ライセンスは翌2026年12月期のARR継続ビジネスに寄与する構造である。新規関連ビジネスは同7.8%増の359百万円となった。内訳は新規開発案件売上が同0.9%増の217百万円、新規SI案件が同19.5%増の141百万円である。これらを合計したストック型ビジネスは全体の69.0%に達し、同社の安定収益を支えている。

3. 主要KPIの状況
安定収益の基盤となるARRは980百万円(前期比19.2%増)へ拡大した。「CIERTO」の新規契約件数は46件(前期比15件増)となり、累計契約件数も280件(同33件増)まで増加したことがARRの積み上げにつながった。解約率は2.44%と前期の1.74%から上昇したものの、同社が目標とする3.00%未満の水準を維持している。

自己資本比率は75.3%と健全性を維持、収益性も着実に向上

4. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比600百万円増加の1,708百万円となった。主な増減要因は、現金及び預金が518百万円増加したこと、無形固定資産が15百万円増加したことによる。

負債合計は前期末比97百万円増加の422百万円となった。主な要因は買掛金が35百万円、前受金(契約負債)が29百万円増加したことによるものである。

純資産は前期末比502百万円増加の1,285百万円となった。これは新株発行により資本金及び資本準備金が増加したことに加え、当期純利益の計上により利益剰余金が積み上がったことによるものである。

収益性指標では、ROEが前期比0.2ポイント上昇し17.1%、営業利益率が3.7ポイント上昇し18.9%となり、収益性の着実な向上が見られた。

安全性指標では、自己資本比率が前期末比4.6ポイント上昇の75.3%となり、財務の健全性がさらに高まっている。加えて、流動比率も同70.5ポイント上昇し341.2%となり、手元流動性に対する懸念はないと言える。

5. キャッシュ・フローの状況
2025年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、277百万円の収入となった。主な収入は、税引前当期純利益の計上が248百万円、仕入債務の増加が35百万円、前受金の増加が29百万円であった。一方、主な支出は、法人税等の支払額が55百万円であった。

投資活動によるキャッシュ・フローは72百万円の支出となった。主な支出は、ソフトウェア開発に伴う無形固定資産の取得による支出が46百万円、敷金及び保証金の差入による支出が21百万円だった。

財務活動によるキャッシュ・フローは312百万円の収入であった。主な増減要因は上場に伴う新株発行による収入が337百万円、配当金の支払が18百万円となった。

この結果、2025年12月期末の現金及び現金同等物は518百万円増加し、同期末残高は1,214百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)

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