マネーボイス メニュー

C&R社 Research Memo(1):プロフェッショナル分野の人材需要を取り込み、2期ぶりに過去最高業績を更新

■要約

クリーク・アンド・リバー社は、プロフェッショナル(専門職)のエージェンシーとして、プロデュース事業(開発・請負)、エージェンシー事業(派遣・紹介)、ライツマネジメント事業(知的財産の企画開発・流通)の3つの事業を、クリエイティブ分野(映像、ゲーム、Web、広告・出版等)や医療、会計、法曹など様々な分野で展開している。プロフェッショナル人材のネットワークはグループ全体で46.3万人と年々拡大しており、顧客数も5.7万社を数える。

1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の連結業績は、売上高で前期比22.1%増の61,393百万円、営業利益で同36.0%増の4,914百万円となり、2期ぶりに過去最高業績を更新した。第2四半期より損益に反映した高橋書店グループ※1の影響(売上高6,150百万円、営業利益691百万円)を除いても、売上高で同9.9%増の55,244百万円、営業利益で同16.8%増の4,223百万円と過去最高業績を更新しており、プロフェッショナル分野における旺盛な需要を取り込み、収益を拡大した。売上高は、(株)バンダイナムコエンターテインメントと2025年3月に設立した合弁会社※2が寄与したこともありゲーム&ライツマネジメントが同20.8%増と大きく伸長した。利益面では、ゲームやアグリテック領域の先行投資負担をその他領域の増収効果等で吸収した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、同81.0%増の4,075百万円と大幅増益となったが、高橋書店グループにおける税金費用減少と(株)コネクトアラウンドにおける補助金619百万円※3の計上の合計で約10億円の嵩上げ要因となっている。

※1 (株)C&Rインキュベーション・ラボ(2025年6月1日付で(株)C&R EVERLASTING STORYに社名変更)が、高橋書店グループの持株会社である(株)T&Wオフィスの全株式を取得し、関連会社を含め5社をグループ化した。売上高の約7割はカレンダー・手帳・日記類で占めるため、第3四半期に収益が偏重する。
※2 モバイルゲームを中心としたゲーム開発・運営の合弁会社(株)URS Games(ユアーズ ゲームス、出資比率51%)を2025年3月に設立した。
※3 福島県に2025年6月に開設した「農・食・滞在」をテーマとした複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」の開設費用として自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金619百万円の交付を経済産業省から受け、特別利益として計上した。

2. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の連結業績は、売上高で前期比6.7%増の65,500百万円、営業利益で同6.8%増の5,250百万円と増収増益が続く見通しである。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期が特殊要因で嵩上げされたため同17.8%減の3,350百万円となるが、同要因を除けば9%程度の増益となる。すべてのカテゴリで増収増益を見込んでおり、売上高はAI/DX・ITで同10.9%増と2ケタ増収が続く見通しである。ゲーム分野で東京都内に点在していた複数のスタジオを2026年5月に1ヶ所に集約・増床するなど、事業拡大に向けたインフラ整備による7.2億円の費用増があるものの、増収効果で吸収する。なお、同社はM&Aを成長戦略の1つとして掲げており、期初計画には織り込んでおらず、案件の規模次第では業績修正を行う可能性がある。

3. 成長戦略と株主還元方針
同社は「プロフェッショナル分野のさらなる深耕」「プロフェッショナル人材をベースとしたプロデュース事業の展開」「異分野のプロフェッショナルを掛け合わせたプロデュース事業の展開」「グループの営業資産を組み合わせた事業承継、M&Aの推進」を基本戦略として推進している。グループシナジーを高めながら収益拡大を図る。中長期の業績目標として、売上高1,000億円、営業利益100億円の達成を掲げている。株主還元方針は連結配当性向30%以上を目安としている。2026年2月期の1株当たり配当金は前期比9.0円増配の50.0円、配当性向は26.0%だが、特別利益の影響を除いたベースでは30%を達成した。2027年2月期は前期と同額の50.0円、配当性向で31.6%を予定している。また、2026年より新たに導入した株主優待制度では、毎年2月末時点の株主(保有株数100株以上)を対象に、高橋書店の商品(カレンダーまたは手帳等)を贈呈する。

■Key Points
・2026年2月期はM&A効果もあり2期ぶりに過去最高業績を更新
・2027年2月期は8カテゴリすべてで増収増益となる見通し
・プロフェッショナル領域の拡大とグループシナジーの創出により成長目指す
・配当性向30%水準を目安に配当を実施、株主優待制度も導入

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。