■ククレブ・アドバイザーズの業績動向
4. 中期経営計画
同社は2025年10月に3ヶ年の中期経営計画「A Tech-Driven Platform Strategy」を発表した。不動産テックを起点としたCREソリューションの高い「質」と「成長性」を通じたビジネス展開の加速により、CREプラットフォーマーとしての地位確立を目指す。
CREソリューションビジネスでは、戦略的アライアンスの推進や各サービスの強化に加え、「CRE×M&A(事業再生と資産価値の最大化)」戦略を掲げた。ネットワークの拡大を通じて、プラットフォームとしての事業成長を推進する。不動産テックビジネスでは、不動産テックシステムの機能強化と利用拡大に注力する。さらに、不動産テック関連企業とのM&Aやアライアンスによる事業拡大も目指す。
業績目標としては、2028年8月期に売上高12,000百万円、営業利益3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,080百万円を掲げた。年平均成長率では売上高で67.5%、営業利益で73.6%、親会社株主に帰属する当期純利益で67.2%となる。業績目標値には2025年11月に実施した公募及び第三者割当増資により財務基盤を強化した効果は織り込んでいない。投資余力の拡大によるキャピタル・リサイクル戦略の推進により、2027年8月期以降収益成長がさらに加速する可能性も十分に考えられる。
直近は金利の上昇や原油高により景気の先行き不透明感が強まっているものの、CRE市場は景気動向の影響を受けにくいといった特性がある。特にここ数年は、資産効率の向上が求められるなかで、保有不動産の見直しに取り組む企業が増えており、同社を取り巻く市場環境は追い風が続いている。主戦場とする20億円以下のコンパクトCREの市場規模は60兆円規模と推計され、このうち同社が抱えている有力見込み案件は2026年3月末時点で670億円程度と全体の0.1%の水準であり、成長余地は大きい。また、20億円超の案件についてもパートナー企業との共同投資やCREファンドを組成することで対応する方針だ。足元の引き合い状況は活発で、中期経営計画の業績目標の達成に向け視界は良好と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)