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イルグルム、上期営業利益は前年比4.0倍に急拡大、通期利益予想を上方修正 既存事業が成長、垂直統合モデルを加速

エグゼクティブサマリー

岩田進氏:みなさま、こんにちは。株式会社イルグルム代表取締役社長執行役員CEOの岩田進です。本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。それではさっそくですが、2026年9月期第2四半期の決算についてご説明します。

エグゼクティブサマリーです。まず、連結業績については、第2四半期にシルバーエッグ・テクノロジー株式会社のM&Aを実施し、連結を開始しています。

それに伴い、今回は一時的な費用も発生しましたが、それを上回る既存事業の成長があり、上期連結営業利益は前年同期比で4.0倍と大きく拡大しています。

また、業績予想については2026年2月に一度修正を開示していましたが、今回あらためて修正を行いました。詳しくは後ほどご説明します。

M&Aの実施

シルバーエッグ・テクノロジーについてご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単にご説明します。当初グロース市場に上場していた同社に対し、当社がTOBを実施し、現在は連結子会社になっています。

シルバーエッグ・テクノロジーの強みとしては、1998年に創業し、25年以上も前からAI技術を軸に成長してきた点が挙げられます。世界トップレベルのAIエンジニアが多数所属している会社でもあります。

主要サービスとして、AIを用いたWebサイトのパーソナライズやレコメンドサービスを提供するプロダクトを開発しており、主にSaaSを軸とした事業展開を行っています。

シルバーエッグM&Aの主な狙い

シルバーエッグ・テクノロジーのM&Aの狙いは、大きく2つあります。1つ目は、やはり人材の獲得です。当社はAI企業への進化を掲げており、AI人材を多数確保し、優秀な人材をグループに迎え入れることは非常に重要なテーマとなっています。そのような背景で、AI人材の獲得が1つ目の狙いです。

25年にわたりシルバーエッグ・テクノロジーを牽引されてきた創業者であり代表取締役社長でもあったトーマス・アクイナス・フォーリー氏に、当グループ全体のAI領域を牽引する立場として、CAIOに就任していただいています。

もう1つの狙いである事業の成長という観点では、当社は、EC構築システムの提供だけでなく、その先の構築、運用、マーケティング、物流に至るまでを支援する、垂直統合モデルを掲げて事業展開を進めています。

このような背景から、パーソナライズエンジンは非常に重要な要素と考えており、同社にはこの中の1つの要素としてグループに加わっていただくことでシナジー効果が期待できるという狙いがあります。

連結営業利益への当M&Aの影響

先ほど、一時的な取得費用が発生しているとお伝えしましたが、スライドの左側が初年度である今期、右側が2年目以降のM&Aの影響を示したチャートです。

まず、今期に関しては一部売上の増加があるものの、のれん償却費3四半期分とM&A初年度の一時費用が大きくかかり、約9,000万円のマイナス影響を見込んでいます。

一方で、2年目以降はのれん償却費が引き続き発生するものの、それを上回るメリットの創出が見込めると考えています。したがって、2年目以降はのれん償却費をクリアし、プラス影響に転換する見込みです。以上が簡単なハイライトとなります。

目次

ここから具体的な業績状況や業績予想・株主還元、さらに事業方針についてご説明します。

今回から一部スライドの構成を変更しており、前半に数値面についてご説明し、後半に戦略面について集中的に解説します。そのような流れとしてお聞きいただければと思います。

2026年9月期 上期業績概要

まず、業績の状況です。冒頭のエグゼクティブサマリーでも少し触れましたが、今回、シルバーエッグ・テクノロジーのM&Aの影響が一定程度ありましたが、それを上回るかたちで売上高、営業利益ともに伸長しているという結果となりました。

売上高は前年同期比21.2パーセント増の28億8,600万円、営業利益は前年同期比4.0倍の2億8,500万円となりました。スライドには、シルバーエッグ・テクノロジーの影響がなかった場合の参考数値も記載しています。

売上高・営業利益推移

こちらは過去数年分の売上高と営業利益の推移を四半期ごとに示したチャートです。

直近ではシルバーエッグ・テクノロジーの連結がスタートしているため、売上高は当然ながら過去最高の水準となっていますが、同社連結の影響を除いたとしても、既存事業で過去最高の水準を達成しています。

一方、営業利益に関しては、今回のM&Aの影響が非常に大きく、前四半期比でマイナスとなりました。ただし、シルバーエッグ・テクノロジーの影響を除けば増益となり、過去最高益を達成しています。

セグメント別上期業績概要

主な要因をセグメント別にまとめたのがこちらのスライドです。まず、コマースAI事業では、売上高および損益ともにシルバーエッグ・テクノロジー連結の影響が大きいことは前提としてあります。

主力サービスのうち、イーシーキューブに関しては、構築領域においてAIの影響を受け、若干苦戦しています。しかし、直近の上期の売上は、前期に受注していた分の計上が進んだため、堅調な状態を維持しました。

そして、今回、上期の業績に非常に大きな影響を与えたのはルビー・グループの成果です。季節要因により売上が好調であったことに加え、スポット売上が発生し、大幅な増収増益となりました。

マーケティングAI事業は、大幅な増収とはなっていないものの、利益率の高い「アドエビス」の増収が利益に直接寄与し、利益面でプラスに転じています。

セグメント損益の変動要因

スライドでは先ほどご説明した内容を図で示しています。内容としては、お伝えしたとおりですので、詳細な説明は割愛します。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。今回の特徴的な点として、自己資本比率が大きく減少している点が挙げられます。これは今回のM&A実施に伴い、有利子負債が増加したことによるもので、想定内の状況です。

2026年9月期 通期業績予想(2026年5月8日に公表)

ここから、業績予想と株主還元についてご説明します。

まず、業績予想として、上期は結果として非常に良好だったとお話ししましたが、2026年2月にTOBを行った際に発表した今期の通期業績予想の営業利益2億6,000万円に対し、上期終了時点ですでに2億8,500万円となり、目標をクリアしている状況です。

そのため、あらためて業績予想を修正しました。具体的には、売上高は前期比20.6パーセント増の59億5,000万円、営業利益は前期比14.7パーセント増の3億2,000万円となっています。

セグメント別業績予想・FY2026通期業績予想の修正理由

主な修正理由としては、上期の好調であった理由とおおよそ似た内容となっています。まず、売上高は2月の修正予想に対して約2億円減少となっています。

イーシーキューブにおける構築事業の受注苦戦によるマイナス要因と、広告効果測定ツール「アドエビス」が堅調であることによる若干のプラス要因を合わせ、全体としては約2億円のマイナスになると考えています。

一方、営業利益は、先ほどもお話ししたルビー・グループが想定を超える収益を上げたことがプラス要因となっています。また、「アドエビス」の堅調さも若干プラスに作用する見込みであり、今回の予想内容となりました。

5月修正予想(2026年5月8日公表)に対する進捗状況

こちらのスライドは通期に対する進捗率を示したチャートです。まず、売上高は通期の予想に対して約半分というかたちで進捗しており、オンスケジュールとなっています。

一方、営業利益は今回の通期予想3億2,000万円に対し、すでに約90パーセントに達しています。そのため、「残りの下期では利益があまり出ないのか?」と思われるかもしれませんので、本日はそちらをご説明するためのスライドを次にご用意しています。

FY2026下期営業利益の見通しと〝打ち手〟

当初より、今期は上期に利益を集中させ、下期にはしっかりと投資を行う方針でした。そのため、ある程度は想定していた部分はあるものの、いくつかの要因があるため、各打ち手をスライドに記載しています。

まず1点目として、コマースAI事業におけるEC構築事業に関しては、直近の受注で苦戦している状況です。

これは、昨今の世界的な情勢不安や、AIによってソフトウェア開発の手法が大きく変化していることにより、大型のソフトウェア投資がやや抑制される傾向が見られ、その影響を当社も受けているのではないかと認識しています。

AI時代に求められるソフトウェアビジネスやEC支援事業がどのようにあるべきかを日々検討しているため、具体的な打ち手について後ほど詳しくご説明します。

また、ルビー・グループに関しては、上期には想定を超える収益を上げることができました。しかし、当初からシーズナリティの影響を受けやすい特性があるため、下期は利益が出にくい構造となっており、この結果も計画どおりではあるものの、あまり利益が出ないと考えています。

一方、マーケティングAI事業では、手堅いサブスクリプション事業を展開しているため、黒字を維持しつつ収益および利益を上げられると考えていますが、人件費を中心としたコストが下期に偏重しています。

また、もう1点、大きな要因として、これまで開発してきた「AD EBiS Campaign Manager(以下、キャンペーンマネージャー)」というサブスクリプション型AIを組み込んだ新たなプロダクトにおいて、モノがようやく完成した段階です。

今後はGo-to-Market(市場進出戦略)のために広告宣伝などに投下していくフェーズに入るため、利益が減少すると見込んでいます。この点についても、後ほど詳しくご説明します。以上が業績予想に関するご説明です。

2026年9月期株主還元予想

株主還元の予想についてです。従前の予想から変更はなく、1株当たりの配当は前期7.9円に対し今期は8.0円と若干増配となります。また、株主優待はデジタルギフト1,000円分を年2回という内容で、据え置きというかたちで発表しています。

『VISION2027』のROE目標

当社が「VISION2027」のROE目標を10パーセント超と掲げて事業を展開している中で、前期および前々期においては10パーセントを大きく下回る状況でした。特に前期は、M&Aを行った2社の減損損失が発生したため、最終的にマイナス8パーセントで着地しました。

今期は、業績予想のとおりに進行すれば11.3パーセントとなり、目標として掲げた10パーセントをしっかりクリアできる見込みです。

社名の由来・強み

ここからは事業概要および経営方針についてご説明します。まず当社は「未知に、道を。」をコーポレート・スローガンとして掲げ、他にない新たな社会を創造することを目指して日々経営に取り組んでいます。

セグメント構成・強化領域

セグメントの構成は、コマースAI事業とマーケティングAI事業の大きく2つに分かれます。コマースAI事業にはイーシーキューブとルビー・グループ、さらに今回からシルバーエッグ・テクノロジーが加わっています。

マーケティングAI事業は、広告効果測定の「アドエビス」および直近強化している「キャンペーンマネージャー」を含む事業であり、約半々の構成となっています。

中期経営方針『VISION2027』

「VISION2027」の大きなテーマとして、「マーケティングプロセス支援とコマース支援の2軸の成長ドライバーによって、売上100億円達成への道のりを明確にする」ことを掲げて取り組んでいます。

以前は赤字まで踏み込んで投資を進めるフェーズもありましたが、直近では売上、利益ともに成長を目指すフェーズと考え取り組んでいます。

また、ROEは10パーセント超を目標とし、現在その目標に向けて取り組んでいます。その先は、さらに高い目標を視野に入れていきたいと考えていますが、「VISION2027」の期間は10パーセント超の達成を目指し取り組んでいます。

売上構造の改革:進捗状況

事業を進める上で重要なこととして、当社は当初「アドエビス」のみで勝負する、一本足打法のような会社でしたが、次世代収益の種を生み出していく必要があると考え、しばらく取り組んできました。

このような背景のもと、1つのわかりやすい指標として、売上全体に占める「アドエビス」の割合を下げることを掲げています。

「アドエビス」の売上を削減するということではなく、それ以外の収益をしっかりと増やすことによって結果的に「アドエビス」の売上全体に占める割合を下げることを、わかりやすいKPIとして開示しています。

数年前までは「アドエビス」の売上が全体の約80パーセントを占める会社でしたが、今期は予想どおりに進めば「アドエビス」が40パーセントを切る水準まで来ています。

これは見方を変えれば、「アドエビス」以外の新たな事業がしっかりと育ち、伸びてきているとご覧いただけるのではないかと思います。今後はその他事業も着実に伸ばし、100億円達成に向けて事業に邁進していきたいと考えています。

FY2026戦略・投資方針

ここからは、「VISION2027」の3年目に当たるFY2026における戦略と事業別概況についてご説明します。

現在、AIによる世の中の大きな変化が進んでいる状況において、当社もこのAI時代に求められる価値を提供できる会社に変わる必要があります。そのため、「AI企業としての進化」を最も大きなテーマとして掲げています。

このような状況の中、サービスはもちろんのこと、組織そのものも変えていく必要があると考えています。これまで25年間事業経営を行いながら積み上げてきたものはしっかりとありますが、それに固執していては新たな時代を創ることはできません。

そのため、必要であれば現在あるものを一度壊してでも、新たな時代に最適化された組織やサービスをフルモデルチェンジしていくという強い意志を掲げています。主な強化領域として、1つはECの領域、もう1つは「キャンペーンマネージャー」の領域です。これらについて後ほどご説明します。

AIによる事業変革

まずは、AIによる事業変革についてです。スライドには、「EC-CUBE」をはじめ、新たに加わった会社であるシルバーエッグ・テクノロジーや「キャンペーンマネージャー」「アドエビス」などのサービスが、次々とAI時代に向けて変化している状況についてまとめています。

サービスラインナップ

それぞれのセグメントについて、詳しくご説明します。まず、コマースAI事業についてです。先ほど全体の事業構成をご説明した際にも少し触れましたが、このコマースAI事業では、「より良い購買体験を提供したい」と考えるお客さまに対し、当社がAIを活用して包括的に支援することを目指しています。

そのために、まずEC構築ソリューションである「EC-CUBE」、その後の運用を中心に行っているルビー・グループ、さらにレコメンドやパーソナライズエンジンを提供するシルバーエッグ・テクノロジーといったサービスを中心に、事業を展開しています。

中長期戦略:垂直統合モデルの加速

当社がどのような方向性でこれらの事業を買収や育成しているのかという点についてお話しします。最初のエグゼクティブサマリーの一部にもありましたが、当社は垂直統合モデルを目指しています。

当初はECの構築システムのみを手掛けていた会社でしたが、約4年前にWeb制作やEC構築のベンダーを買収しました。その後、運用を手掛けるルビー・グループや、直近ではシルバーエッグ・テクノロジーといった会社を次々とグループに入っていただきました。

このことにより、単なるEC構築のシステム屋という立ち位置から脱却し、その後の構築や運用、マーケティング、物流のサポートまでを垂直統合により一気通貫で提供するという戦略に沿って、現在事業を進めています。

「EC-CUBE」:コンセプト刷新

ただし、先ほどもお伝えしたように、AIの進化によって構築部分に関する予想が大きく変化してきていると感じています。最近では、「SaaS is dead」や「コマースのかたちもどんどん変わっていくだろう」と議論されています。

この点については、間違いなく当社も大きな影響を受けるだろうと考えています。具体的にどのような影響を受けるのかという点ですが、少なくともソフトウェア開発のプロセスやアプローチの方法が大きく変わってきていると感じています。

結論として、SaaS自体やeコマース、ECサイトそのものがなくなるとは考えていません。しかし、大きな変化として、これまでのソフトウェア開発においては多大な投資を行い、長年使用する中で減価償却していくというあり方が一般的でした。

しかし現在、AIの進化によりソフトウェア開発が劇的に効率化されています。従来は、ソフトウェアに業務を合わせる必要があり、業務に適した特別なソフトウェアを開発するには多大な投資を行えるごく一部の大手企業に限られていましたが、この状況が大きく変わりつつあると考えています。

そのような中、当社は「EC-CUBE」というオープンソースをベースにしているため、この状況は非常に追い風になると感じています。従来は、自社のノウハウをSaaSの型に合わせることで放棄せざるを得なかった部分もありましたが、今では独自のソフトウェアを作り上げることが可能です。

一方で、独自のソフトウェアをゼロから作るリスクもありますが、「EC-CUBE」は業務に適応したベースの基盤を提供できると考えています。実際に、非常に有効であるとお客さまからも高い評価をいただいています。

当社はこれまで、EC構築のためのオープンソース「EC-CUBE」として約20年間活動してきましたが、現在、「EC-CUBE」を業務適応型コマース基盤へと大きく進化させています。

業務を特定しなければ、より専門性の高い細かなニーズに対応できないため、リユース・買取ECやマーケットプレイス、製造業向けの受発注DXといった、従来のクライアントが多かった領域に対して、特定のパッケージや高度な専門性を持つプロダクトの開発を進めています。

「EC-CUBE」:サービス構成の変化

今後は業務特化型パッケージをどんどん進化させることで、従来のSaaSでは対応しきれなかった、しかし独自のスクラッチ開発でもないという新たな領域を、しっかりと獲得していきたいと考えています。

M&A子会社の直近Topix

コマースAI事業の主力であるルビー・グループとシルバーエッグ・テクノロジーについて少し触れておきたいと思います。

まず、ルビー・グループは、主にEC運用業務のBPOを中心に行ってきた会社です。現在もそれが主力ではありますが、このようなオペレーション業務もAIによってどんどん変化していくだろうと考えています。

EC運用を10年以上手掛けてきたことで、ルビー・グループには膨大なノウハウが蓄積されています。そのノウハウをナレッジ化し、さらにAIエージェントを用いて自動化を進めることによって、お客さまだけでなく当社においても業務効率化を促進できると考えています。このように、ルビー・グループにおいてもAIによる変革が着実に進んでいます。

次に、シルバーエッグ・テクノロジーは、当社グループに加わった約1ヶ月後に、新サービス「Try-oooon!!(トライオーン)」をリリースしました。このサービスは、オンラインで試着体験を提供するもので、主にアパレルEC向けの新サービスとなります。

今後、AIを活用した新たなECソリューションとして、パーソナライズのためのサービスを発展させていきたいと考えています。

サービスラインナップ

マーケティングAI事業についてです。

広告効果測定で圧倒的なシェアを持つ「アドエビス」を中心とした事業ですが、それ以外にも、「キャンペーンマネージャー」というAIを活用したマーケティング活動や業務プロセスを支援するためのソリューション、その他いくつかのプロダクトやサービスを展開しています。

中長期戦略・指標推移

主にサブスクリプションの事業を展開しており、主なKPIとして契約件数をスライドに示しています。契約件数は1,283件で、1社当たりの月額単価は16万円強と、いずれもわずかではありますが伸長しています。

この事業は現状では横ばいですが、どのような世界を見据えているのかについて、次のスライドでご説明します。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:市場の変化

現在、マーケティング業界では大きな変化が起きています。この背景にあるのもAIの進化です。従来、広告を出稿する際には広告代理店に業務を委託するケースが一般的でした。

しかし、AIにより作業がどんどん自動化される時代となり、日本でも広告運用業務を内製化しようという動きが非常に進んでいます。この内製化は「インハウス」とも呼ばれています。

広告運用業務を内製化することによるメリットとして、まずコスト削減が挙げられます。広告代理店に依頼する場合、広告費の約15パーセントが代理店フィーとなるケースが多く、内製化によりこのフィーを抑制することができます。

次にスピードアップです。競争力を維持するためには迅速な対応が重要ですが、外部委託ではスピード感が出にくい場合があります。一方、内製化すれば、「今日気づいたことを今日中に改善する」といった迅速な対応が可能になります。

さらに質の向上も期待されます。重要な顧客情報などを外部の代理店に全面的に共有することが難しい場合がありますが、内製化すれば、これらの情報を十分に活用して広告運用を行うことが可能です。

このように質が高まるだけでなく、スピードも向上し、コスト削減も実現できるということで、内製化が非常に注目されています。日本経済新聞でも直近で取り上げられていたように、大きなムーブメントとなっており、当社としても、この大きな流れをしっかり捉えていきたいと考えています。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:提供価値向上

このインハウスを行う上での課題としては、簡単ではないという点が挙げられます。具体的には、担当できる人材がいない、社内の体制が整っていない、ツールやリソースが不足している、実行に時間がかかるなど、いくつかの課題が存在しています。

そのような状況の中で、マーケティングプロセスをAIによって変革していく、当社の「キャンペーンマネージャー」というプロダクトは、インハウス企業に対して最適なソリューションとなると考え、すでに取り組みを開始しています。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:パートナー連携

先ほどご説明したように「キャンペーンマネージャー」は、課題の発見や業務プロセスの重要な要素を担うことができますが、他社もAIエージェントをどんどん進化させている中、このプロダクトだけでは駆逐される可能性は当然あります。

しかし、当社には広告効果測定で圧倒的シェアNo.1を誇る「アドエビス」があり、そこで培ったデータを基に、課題の発見や要因の特定、さらに改善や提案までが自動で実行され、仕組みの構築に取り組んでいます。

このサイクルを継続的に回し続けるようにし、利用されるお客さまは作業の負担を大幅に軽減した上で、判断に集中するだけでよいという世界観を目指しています。

ただし、先ほどお話ししたように人の要素も必要になるため、パートナーシップにより人のサポート部分を連携して行っていきたいと考えています。直近では、インハウス支援における国内トップ企業とされるアタラとパートナーシップを締結しました。

人材面はアタラが担い、プロダクト面は当社が担うというかたちで、相互に弱みを補完しながら、お客さまのインハウス化を支援しています。

AIによる事業変革

次に「キャンペーンマネージャー」というプロダクトがどのような世界観を描いているのかについてご説明します。

マーケティングの一連の業務プロセスそのものをAIによって抜本的に進化させていくことを目指しており、その中には効果測定の「アドエビス」も含めて、データドリブンのマーケティングを確実に実行していくという世界観を描いています。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:新機能①

まだすべてが出来上がっている状況ではありませんが、現在、課題発見エージェントや施策立案エージェントなどが順次進行しています。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:新機能②

また、直近では、広告媒体からデータを収集するAIエージェントのようなものを開発しつつ、マーケティング業務プロセスの変革を進めている状況です。

新SaaS「キャンペーンマネージャー」:認知獲得施策

この下期はあまり利益が出ないという状況ではありますが、インハウスという大きなムーブメントが到来しており、今後ここが1つのホットな市場になっていくだろうと見ています。そのような中、いち早くその市場を獲得しなければならないと考えています。

当社としてはもともとの強みもありますが、インハウス領域におけるベストなソリューションとして「キャンペーンマネージャー」の市場啓発を進める必要があると考えています。このため、この領域に対して投資していきたいと思っています。

もちろん、認知を得られればそれで十分というわけではありません。今後、競合の参入も予想されるため、当社としては従来から培ってきた強みを最大限に活かしていく必要があります。

その強みの1つが顧客基盤です。「アドエビス」には先ほどお伝えしたように約1,200件のアクティブアカウントがあり、お客さまの多くがAIを活用したマーケティングプロセスの効率化を必要だと考えています。

さらに、当社のサービス開発能力や機能、データ、そして一部取得している特許などの強みを活かし、インハウス支援を行うためのソリューションとして「キャンペーンマネージャー」をしっかりと育成していきます。この下期は、この領域への投資を重点的に進めていきたいと考えています。

以上が全体の説明となります。この後、補足資料が続きますので、よろしければご覧ください。ご清聴ありがとうございました。

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