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ゼンムテック Research Memo(5):2025年12月期は大幅な増収増益。売上高及び各段階利益で過去最高を更新

■ZenmuTechの業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の業績は、売上高が前期比31.3%増の851百万円、営業利益が同88.3%増の144百万円、経常利益が同90.8%増の160百万円、当期純利益が同98.6%増の155百万円と、大幅な増収増益となった。期初計画を達成するとともに、売上高及び各段階利益で過去最高を更新した。売上高は、主力のZVDにおいてサブスクリプション契約が順調に積み上がったことにより、ストック売上高が402百万円(同44.6%増)と大きく伸長した。加えて、第4四半期に大型のフロー案件2件を計上したことも売上拡大に寄与した。また、ZENMU Engineではアライアンス戦略の強化により、売上高が前年同期比105.9%増と大幅に伸長した。利益面では、将来の成長に向けた人材・研究開発といった成長投資や認知度向上に向けたマーケティング投資などにより、販管費が同110百万円増加したものの、増収によりこれを吸収し、販管費率は同5.9ポイント低下した。この結果、営業利益以下の各利益は大幅な増益となった。同社のコストは固定費が中心であり、売上高の伸長とともに、利益率が向上する構造となっている。

2. ソリューション別業績
(1)秘密分散ビジネス
秘密分散ビジネスの売上高は、前期比36.9%増の700百万円となった。主力のZVDは同34.9%増の671百万円、ZENMU Engineは同105.9%増の29百万円となった。企業の情報セキュリティ対策強化の動きを背景に、VDI環境からの置き換え提案が進展した。1社あたり1万ライセンスを超える大型顧客の獲得もあり、ZVDのライセンス数は堅調に増加し、2025年12月期末には115,417件(前期末比16.2%増)となった。従来のVDI環境との共存及び置き換え提案を中心に大企業向け導入が進んだことに加え、代理店パートナー経由の販売も拡大した。また、期末にかけて大型フロー案件を計上したことも売上高の押し上げ要因となった。

(2) 秘密計算ビジネス
秘密計算ビジネスの売上高は、前期比10.4%増の132百万円となった。国の研究プロジェクトや民間企業との共同研究、受託開発案件の進展が増収に寄与した。AIや機械学習などのデータ利活用ニーズの高まりを背景に案件数は増加傾向にある。一方で、現状は受託開発型の売上が中心であり、外部委託費の増加などにより利益率は相対的に低い傾向にある。

新規上場に伴う増資により、手元流動性と自己資本が増加

3. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の財務状況は、資産合計が前期末比629百万円増加の1,286百万円となった。主な増減要因として、現金及び預金が281百万円増加したほか、期末の大型案件計上による売掛金256百万円の増加が挙げられる。

負債合計は、前期末比52百万円増加の471百万円となった。主な増減要因は、サブスクリプション契約の積み上げにより契約負債が41百万円増加したことが挙げられる。一方、長期借入金を全額返済したことで固定負債の残高はなくなった。

純資産合計は前期末比577百万円増加の814百万円となった。新規上場に伴う株式発行により資本金が214百万円、資本剰余金が206百万円それぞれ増加し、当期純利益155百万円により利益剰余金の欠損幅が縮小した。

この結果、自己資本比率は前期末の35.4%から62.9%へと大幅に上昇し、財務の健全性が向上した。また流動比率も248.7%へと大幅に改善し、資金繰面の懸念もない。

増資により、現金及び現金同等物は大幅増加

4. キャッシュ・フローの状況
2025年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、27百万円の支出となった。主な要因として、税引前当期純利益が160百万円あった一方、売上債権の増加256百万円が挙げられる。投資活動によるキャッシュ・フローは65百万円の支出となった。無形固定資産の取得による支出40百万円が主な要因である。財務活動によるキャッシュ・フローは373百万円の収入となった。新規上場に伴う株式の発行による収入397百万円が主な要因である。

この結果、2025年12月期の現金及び現金同等物は前期末比281百万円増加し、期末残高は788百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)

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