Our Vision 私たちが目指す姿
十河宏輔氏(以下、十河):本日はお忙しい中、当社の2026年12月期第1四半期の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。AnyMind Group株式会社 代表取締役CEOの十河と申します。
大川敬三氏(以下、大川):取締役CFOの大川と申します。
十河:それでは、説明に移ります。決算の詳細に入る前に、まず当社が現在どこを目指しているのか、新たなビジョンについて説明します。2016年にAnyMindを創業してから、10年間走り続けてきました。
アジアを起点とした当社の挑戦は、現在15の国・地域に広がり、海外売上比率は49パーセント、海外拠点で働く仲間は全社の74パーセントを占めるまでに成長しました。
日本企業でありながらアジアに深く根を張り、世界で稼ぐ企業へ。私たちは、その途上にあります。
この10周年という節目を迎え、目指すべき姿を新たに設定しました。「The World’s New Gen Business Infrastructure 世界の次世代ビジネスインフラになる」。わかりやすく言えば、当社が目指すのは、次世代の総合商社のような存在です。
日本の総合商社は、戦後の日本経済を支え、世界中で外貨を稼ぎ出してきた歴史があります。その精神を引き継ぎつつ、当社はテクノロジーとAIを駆使して再定義された、まったく新しい形のビジネスインフラを構築しようとしています。
テクノロジーとアジア全域に張り巡らせたグローバルネットワークを武器に、企業とパートナーをつなぎ、国境を越えた新しいビジネスの可能性を生み出していきます。これが、私たちの次の10年の覚悟です。
最初の10年が、この会社の基盤を築く時間だったとすれば、次の10年はその基盤の上で日本経済への貢献と、世界での存在感を一段引き上げていく時間です。。アジア発のグローバル企業として、世界中の顧客やパートナーのみなさまとともに、新しい価値創造に挑戦していきます。
サマリー: 2026年12月期第1四半期の総括と今後の見通し
それでは、本日の発表内容のサマリーをご説明します。2026年度第1四半期は、主力事業の成長を背景に売上収益、売上総利益、各利益指標ともに第1四半期の予想を上回る結果となりました。
売上収益は前年同期比40パーセント増、売上総利益は39パーセント増となり、過去最高を更新しています。特に法人ブランド支援事業が日本と東南アジアを中心に高成長を続け、全社の成長を力強く牽引しました。
営業利益は前年同期比で減益となりましたが、これは前年の特殊要因によるギャップが顕在化したもので、第1四半期において概ね一巡しています。
通期業績予想は、第1四半期が予想を上回る結果となったことから、当初の予想を据え置きます。
現在、生成AIを活用したAI Native化による業務効率化が着実に進んでおり、第2四半期以降は営業利益でも増益基調に回帰する見通しです。また、コマース領域の拡大やリージョナルクライアントとの関係深化を加速させ、2027年度の目標達成に向けた取り組みを着実に推進していきます。
さらに、コーポレート関連では、1月に実施した3件のM&Aにより、シナジーがすでに増収効果として現れ始めています。
新たに5億円を上限とする自己株式取得を決定し、株主還元の強化に取り組んでいきます。
2026年12月期第1四半期ハイライト
次に、第1四半期の業績ハイライトです。売上収益は177億円で、前年同期比40パーセント増、売上総利益は67億円で39パーセント増と堅調に成長しています。特に、東南アジアでの法人向けEC支援が好調に推移しているほか、国内M&Aのシナジーも加わり、主力の法人ブランド支援事業が売上総利益63パーセント増と力強く事業成長を牽引しています。
法人ブランド支援が成長を牽引
創業以来、マーケティングおよびEC支援を中心とした法人ブランド支援事業が成長を牽引しており、その構成比は全社の売上総利益のうち76パーセントを占めるまでに拡大しました。成長率も前年同期比で63パーセント増と引き続き高い伸びを示し、過去最高収益を更新しています。
生産性改善プロジェクトの進展と販売管理費の最適化
生産性改善および販管費の推移です。第1四半期は主にM&Aの影響により人員数が増加しましたが、当四半期に子会社化した3社の人員を除いたオーガニックベースでは、前四半期比で35名の増加にとどまっています。
前年同期からの人員増加は、2025年に実施したM&Aによる増員が主な要因です。また、人件費の増加は売上総利益の成長率を下回る水準で管理されています。生産性改善が継続し、従業員1人当たりの月間売上総利益は前年同期比で増加しています。
販管費に対する売上総利益比率は季節要因により第1四半期に一時的に上昇しましたが、第2四半期以降は再び改善する見込みです。
継続的な収益性改善に向けた進捗
継続的な収益性改善に向けた進捗をご説明します。第1四半期の営業利益は1.9億円となりました。クリエイター支援事業の環境変化やオフィス増床などの要因が重なり減益となりましたが、前年比較でこれらの影響は第1四半期で概ね一巡しており、第2四半期以降は増益基調に回帰する見込みです。
M&Aや物流効率化といった成長投資に伴う一時費用も一巡しています。人員数の変動も見込まれておらず、第2四半期の費用は安定的に推移する見通しです。
また、社内でのAI活用やグローバルでの業務プロセス標準化を進めることで、第2四半期以降のさらなる収益性向上を見込んでいます。親会社の所有者に帰属する当期利益は1.7億円となり、前年同期の3,300万円から大幅に改善しました。
前年同期比減益の要因:事業縮小と固定費増の影響
前年同期比での営業利益の増減要因をご説明します。今回の減益は、昨年第2四半期以降に発生したクリエイター支援事業の縮小と国内オフィスの増床という2つの要因が、前年同期との比較で顕在化したものです。
これらの特殊要因を除いたオーガニックベースでは、実態としては増益となっています。チャートの右側にあるとおり、M&Aによる利益の上積みや既存事業の成長・生産性向上により、1.3億円の増益となっています。
第2四半期以降は、前年同期比において同様の差分要因がなくなるため、前年同期比でのギャップは解消されます。既存事業の成長とM&Aシナジーを背景に、増益基調へ回帰する見込みです。
事業成長と人員増加抑制を両立、AI活用による生産性向上が進展
生産性向上の進展です。事業を拡大する一方で、従業員数は2025年1月以降にM&Aによりグループインした子会社従業員数を除くと、今年3月末時点で前年比3パーセント増、64名増と、極めて抑制的に推移しています。また、足元の4月および5月も、人員は増加せず推移しています。
これは、AI活用による業務効率化が進展し、追加的な人員投資を伴わずに収益成長が可能な事業構造へ移行していることを示しています。具体的な事例を2点ご紹介します。
まず、プロダクト開発において、AI導入により社内指標ベースでの生産性が約7倍向上し、開発スピードと対応範囲が劇的に拡大しています。
また、国内マーケティング事業においては、プランニング業務の約60パーセントをAIで対応可能にするなど、現場オペレーションにおいても大きな成果を上げています。今後も全社でAI Native化を推進し、さらなる収益改善を図っていきたいと考えています。
マーケティング事業の収益性改善とAIエージェントによるプロセス変革
マーケティング事業における収益改善の具体例の説明です。現在、マーケティング事業の営業利益率には国別で大きな差がありますが、これは改善余地と捉え、高収益国におけるベストプラクティスを展開することで収益改善を図っています。
また、スライド右の図に示されているように、AIエージェントを活用したプロセスの自動化をグローバル規模で推進しています。これまでは複数の専門メンバーが時間をかけて対応していた提案作成業務をAIが代替することで、リードタイムの短縮と品質向上を同時に実現しています。
これらのプロセス改善および収益改善は、すでに各国で効果を上げ始めており、グローバル全体の収益率を底上げすることで、2027年度の営業利益目標である63億円の達成を目指していきます。
自己株式取得に係る決議について
本日発表した自己株式の取得についてご説明します。過去からの利益成長、現在の株価水準、および今期の業績見通しを総合的に勘案した結果、本日、5億円を上限とする自己株式取得の決議を行いました。
今回の実施には主に3つの目的があります。1つ目は、配当に加えて自社株買いを行うことで株主還元を充実させることです。2つ目は、EPS向上などを通じた資本効率の向上。そして3つ目は、将来のM&A対価やインセンティブ設計に機動的に活用することです。
今後も持続的な成長と企業価値の向上に努め、株主のみなさまの期待に応えるよう努力していきます。
当社代表取締役CEO十河宏輔(個人)による当社株式取得について
また、本日発表しました私個人による当社株式の取得についてご説明します。私が個人として最大1億円分を市場から取得する予定です。これは、当社の将来の成長に対する私自身の強い自信と、さらなる企業価値向上へのコミットメントを示すものです。引き続き、経営陣一丸となって事業を推進していきます。
それでは、ここから財務および業績の詳細について、CFOの大川よりご説明します。
2026年12月期第1四半期 連結業績サマリー
大川:2026年度第1四半期の連結業績サマリーです。法人向け事業の好調と新たに連結された3社により、前年同期比で売上収益が40.3パーセント増加、売上総利益が39.2パーセント増加と大幅な増収となりました。
M&Aを除いたオーガニックベースでも、売上収益は25パーセント増加、売上総利益は23パーセント増加しており、通期予想に対して順調に進捗している状況です。
営業利益は、クリエイター支援事業の市場環境変化や一部成長投資の影響を受けて減益となりましたが、当四半期でその影響は概ね一巡しています。
当社の事業は、第1四半期から第4四半期にかけて業績が拡大するという季節性があるため、第2四半期以降は前年同期比で増益に転じる見込みです。
通期業績予想に対する進捗率
通期予想に対する第1四半期の進捗率です。売上収益および売上総利益はともに22パーセントで、期初の業績予想を上回るペースで順調に進捗しています。一方、営業利益の進捗率は6パーセントですが、計画対比で順調に推移しています。
前年の第1四半期は、クリエイター支援事業の収益貢献の影響が大きく、第1四半期時点での進捗率が例年より高い状況でした。しかし、今期は通常の季節性でのペースに戻っています。
一方、当期利益は前年実績を上回って推移しています。
(参考)2026年12月期通期業績予想:成長加速と収益性改善による利益成長の継続
2026年12月期の業績予想の再掲です。当社の重要指標である売上総利益は前年比38.4パーセント増、営業利益は30.6億円で前年比70.1パーセント増を見込んでいます。また、営業利益率は3.1パーセントから3.9パーセントへ改善すると想定しています。
(参考)2026年12月期 通期業績予想:予想の前提
こちらは業績予想の前提ですが、変更がないため説明は省略します。
地域別比率:アジアを軸に分散した収益基盤
地域別の業績です。第1四半期において、日本および韓国がすべての事業で高成長を遂げ、グループの業績を牽引し、構成比も拡大している状況です。
売上総利益の構成比は、日本および韓国が60パーセント、東南アジアが32パーセント、中華圏およびインドが9パーセントを占めています。
スライド右側の成長率ですが、注力領域である法人ブランド支援事業は、右下に示されているように、すべての地域で堅調に推移しています。日本および韓国が80パーセント増、東南アジアが49パーセント増、中華圏およびインドが44パーセント増と、それぞれ成長しています。
四半期売上収益と売上総利益の推移
四半期別の業績推移です。冒頭の説明のとおり、第1四半期の売上収益は前年同期比40パーセント増、売上総利益は同39パーセント増となり、通期計画に向けて着実に進展している状況です。
四半期営業利益と調整後EBITDAの推移
営業利益の状況です。第1四半期は1.9億円となり、前年同期比で減益となりました。サマリーパートでも説明していますが、事業環境変化の影響があり、第1四半期でその影響は概ね一巡する見込みです。そのため、第2四半期からは前年同期比で増益に転じる計画です。
また、スライド右側の調整後EBITDAは8億円となり、前年同期比で8,000万円の増益となっています。
コストの内訳と販売管理費の推移
販管費の四半期推移です。
第1四半期の売上総利益に対する販管費率は、M&Aを実施した3社の連結開始、成長投資としての昇給などの影響で一時的に上昇しました。しかし、第2四半期から第4四半期にかけて段階的に低下する計画です。
継続的な生産性向上と安定的な人材投資
収益性の改善を測る重要な指標である従業員1人当たりの売上総利益です。生産性の改善が進んだ結果、前年同期比で20パーセント増と大きく伸長しています。
2026年1月に実行したM&Aおよび成長領域に関する人員投資の影響で、従業員数は増加していますが、期初の計画と比較すると抑制した形で進んでいます。
成長と安定性を両立させる規律ある財務マネジメント
バランスシートの状況です。2026年第1四半期にM&Aが発生したため、有利子負債として銀行借入を追加で調達し、M&A資金に充当しました。
今回のM&Aの実施に伴い、銀行借入による有利子負債の増加やのれんの増加が発生しましたが、3月末時点においても、引き続き健全な財務基盤を維持しています。次の事業説明パートは、十河よりご説明します。
事業別の業績サマリー:法人ブランド支援事業で成長トレンドを継続
十河:事業別の状況です。第1四半期の売上総利益は、法人ブランド支援事業のうちマーケティング事業が前年同期比24パーセント増、D2C/EC事業が151パーセント増と、高成長を遂げました。
パブリッシャー支援事業は、前年同期比4パーセント増と安定して推移しました。クリエイター支援事業は外部環境の変化や注力領域の見直しの影響により、前年同期比で12パーセント減少しています。また、全社の売上総利益率は概ね安定した水準を維持しています。
事業別比率:法人ブランド支援事業の構成比が大きく進展
第1四半期は、1月に実行したM&Aにより3社を新たに連結したことに加え、法人ブランド支援事業がグループ全体の成長を牽引しました。これにより、同事業の売上総利益の構成比は前年の65パーセントから76パーセントに拡大しています。
営業体制の強化によりインフルエンサーマーケティングを中心に成長率は回復傾向
マーケティング事業は、売上総利益ベースで前年比24パーセント増を達成しました。昨年下半期は成長性の高いEC支援分野へのリソース配分により成長率が低迷していましたが、営業体制の強化により回復傾向にあります。
また、生産性改善のため、AIエージェント構築が第1四半期より実装段階に入っており、第2四半期以降は業務効率化が進むと見込んでいます。
2026年度第1四半期において全地域で継続的に安定成長
マーケティング事業の地域別売上総利益成長率は、日本および韓国が前年比34パーセント増、東南アジアが8パーセント増、中華圏およびインドが45パーセント増となりました。
中華圏では力強い成長が続いており、日本および韓国でも大型案件の獲得により成長率が上昇しています。東南アジアは、営業リソースの増強が進み、改善基調にあります。
当事業のトピックスとして、日本において「TikTok Shop GMV Max Award」を受賞しました。これは、東南アジア市場で培ったソーシャルコマースの知見を日本市場へ迅速に横展開し、早期に成果を創出したことが高く評価されたものです。今後も日本市場におけるソーシャルコマース支援において、確かなポジションを確立していきます。
サン・スマイル社連結と東南アジアの成長により法人EC支援事業が大きく伸張
第1四半期において、D2C/EC事業は前年比151パーセントの成長を達成しました。法人向けEC支援事業のオーガニックでの好調に加え、サン・スマイル社の連結もそれに寄与しています。地域別では、引き続き東南アジアが成長を牽引しているほか、日本でもオーガニックベースで順調に事業が拡大しています。
D2C / EC事業:KPI推移
EC取り扱いブランド数とブランドあたりの売上高の推移です。クリエイター向けのブランド数は、前四半期と同水準で推移しています。
1ブランド当たりの売上は季節性の影響で前四半期比では減少しましたが、前年同期比では増加しました。法人向けEC支援に関しては、サン・スマイル社を連結したことにより取り扱いブランド数が増加しました。また、複数国展開の進展などにより、全地域で案件規模が拡大した結果、ブランド当たりの売上収益も成長しています。
事業間シナジーの創出:D2C/EC × クリエイター支援
D2CおよびEC事業とクリエイター支援事業のシナジー創出事例です。法人向けEC支援の事例として、1月にグループに加わったBcode社に所属するライブクリエイターと連携し、日本のTikTok Shopでライブコマースを実施しました。
2日間で計5時間のライブコマースを行い、4,300個以上の商品を販売しました。
また、クリエイターD2Cでは、中国で人気のSNS「Red」にてAnyMindの公式ショップを開設しました。これまでクリエイター支援事業で培った中華圏でのネットワークを活用し、効果的なライブパフォーマンスを実施しました。このショップにおける3月単体のGMV(流通取引総額)は、ライブコマースでの販売を中心に1,000万円を超えています。
法人EC支援:大型クライアントを中心に新規法人顧客を獲得
法人EC支援では、大型クライアントの新規獲得も継続しています。「嵐」「なにわ男子」といった人気アーティストの作品を扱う「ストームレーベルズ」向けに、初の公式ECサイトの構築および運用を支援しています。海外対応のサイト構築に加え、物流まで一貫してワンストップで支援しています。
スライド右側には、当社のAIライブコマースプラットフォーム「AnyLive」を活用したサムスン電子の事例が示されています。2週間という短いリードタイムで、8市場において10の配信を同時展開し、月間4,450時間以上の配信枠を創出しています。
オンラインとオフライン施策の効果分析から、最適化・実行まで一気通貫で支援するAI Agent搭載型プラットフォーム「AnyAI OMO」提供開始
新しいプラットフォーム「AnyAI OMO」をご紹介します。「AnyAI OMO」は、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し、売場改善などの実行までを担うAIエージェントを搭載した次世代プラットフォームです。
AIがリアルタイムで効果を解析し、広告配信の強化や棚割りの拡大など、具体的な次のアクションを自動提案します。また、当社のAI技術と子会社サン・スマイルの流通網を融合したBPaaSモデルによる独自の支援体制を提供します。
すでに米国発ブランド「Advanced Clinicals」では、オンライン施策による店頭への波及効果により、対象店舗の売上が前月比で約1.5倍に拡大する成果を上げています。今後もこの強みを活かし、OMO領域におけるオンラインとオフラインの双方を網羅する当社独自の支援体制をさらに強化していきます。
クリエイター支援事業の構造転換とパブリッシャー支援事業の安定成長
パートナーグロース事業の売上総利益は前年同期比で5パーセント減少しました。クリエイター支援事業は事業環境の変化や注力領域の転換に伴い前年比で減少したものの、著作権関連の一過性収益を計上したことで計画を上回る結果となりました。
パブリッシャー支援事業は、前年同期比で4パーセント増加し、安定して推移しています。
パブリッシャー支援: KPI推移
パブリッシャー支援事業では、収益性や単価水準の改善を目的とした取引審査基準の厳格化を継続しています。この影響で支援パブリッシャー数は一部減少しましたが、収益性の高いパブリッシャー基盤への質的シフトが進展しています。
また、自社独自の広告プロダクトの企画および販売を強化した結果、パブリッシャー当たりの売上および売上総利益は前年同期比で増加しました。
クリエイター支援: KPI推移
クリエイター支援事業は、中期的なシナジーを重視した注力領域の見直しに伴い、契約クリエイター数はやや減少しています。一方、クリエイター1人当たりの売上収益および売上総利益は、著作権関連収益など一時的な収益計上により増加しています。
パートナーグロース事業におけるビジネスモデルの多様化を推進
パートナーグロース事業では、ビジネスモデルの多様化を引き続き推進しています。スライド左側には、パブリッシャー支援や1月にグループジョインしたMISM社との連携事例が示されています。
アプリユーザーの獲得支援において、UGC風素材は有効ですが、これまでは外部企業への発注が主流でした。MISM社と連携することで、これを内製化するとともに、クリエイティブ制作から広告配信、分析、改善までを一気通貫で提供するソリューションを開発しています。
スライド右側は、子会社GROVEよりデビューしたキッズグループ「MADAMADA」の紹介です。昨年12月に公開したミュージックビデオでは、プロモーションなしで再生回数1,400万回を突破しています。
4月からテレビ朝日系列での番組放送も開始しており、高い注目を集めています。
事業セグメント別ハイライト:法人ブランド支援の高成長と事業間シナジーの創出
最後に、当社の各事業のハイライトと位置づけをご説明します。売上総利益の約8割を占める法人ブランド支援事業は、高い成長率でグループ全体を力強く牽引しています。一方、パブリッシャー支援事業とクリエイター支援事業は、現在、収益性のさらなる向上と最適化を進めているところです。
これら2つの事業は、法人ブランド支援事業を支える強力なネットワーク基盤として重要な役割を果たしており、各事業が相互にシナジーを創出するポートフォリオを構築しています。
このシナジーとアジア全域を網羅する体制、さらにデータとオペレーションを融合したBPaaS支援モデルが、ソーシャルコマース領域における当社の圧倒的なポジションを確立しています。今後も各事業の連携を一層深め、中長期的な成長路線をより一層強固なものにしていきます。
以上をもって、当社からの説明を終了します。ご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:営業キャッシュフロー改善要因について
司会者:「営業キャッシュフローの大幅改善について質問です。昨年は売上成長に伴って運転資本も膨張し、通期でもP/Lの利益計画に対して営業キャッシュフローが極端に少ない状態だったと認識しています。今回の第1四半期の営業キャッシュフロー改善が、基本的に今後も継続すると考えてよいのでしょうか?」というご質問です。
大川:おっしゃるとおり、昨年の第1四半期は営業キャッシュフローがマイナス3億7,000万円だったのに対し、今回の第1四半期はプラス5億2,000万円で、約9億円の改善となっています。
要因の1つとしては利益の増加がありますが、運転資本の面では売掛金の減少と買掛金の増加があり、クライアントからの回収を含めて改善しています。
昨年は少しイレギュラーな年だったと思いますが、ご理解のとおり、基本的には前年と比較して利益の増加とオペレーションの改善に伴い、キャッシュフローも改善していく状況と考えています。
四半期ごとに見ると多少のばらつきがある状況ですが、改善の傾向を作っていけると考えています。
質疑応答:IR活動強化と成長事業の展望について
司会者:「-御社の強みでもあるアジア市場を戦略の柱とし、カンパニービジョンに向かって着実に成長されていると感じています。御社の事業特性上、売上の過半を海外が占めていますが、一方で投資家にとって、現状のIR発信では海外での事業活動の内容が伝わりづらい状況であると感じています。
今後、中長期に成長していく過程で、投資家に対して正確かつタイムリーに事業活動を発信することは必要不可欠です。どのような施策を検討されているのか教えてください」というご質問です。
大川:おっしゃるとおり、当社の事業範囲や国ごとの多様性により、投資家のみなさまにとっては事業内容が理解しにくい部分があると考えています。
この点に関しては、IR上の課題であると認識しており、IR活動の質・量ともに強化することが必要であると考えています。
具体的に申し上げると、当社は創業以来、複数の事業を展開しており、昨年の後半から今年にかけて、法人向け事業が成長の軸となってきています。特に、マーケティングやeコマースを含むソーシャルコマース領域が、国内外を通じて事業成長の重要な柱になると考えています。
この事業における成功事例やクライアント事例を明確にし、その軸に沿った形で、今後、より多くの機会を通じて投資家のみなさまに詳しく説明していくことが必要だと認識しています。
さらにもう1点、昨年から今年にかけて特に注力しているポイントとして、AIが挙げられます。AIを活用してオペレーションをどのように改善していくかは、大きなインパクトを持つ重要なテーマであると考えています。
その改善の具体的な内容や実績については、投資家のみなさまに十分にお伝えしていくとともに、今年も引き続き力を入れて取り組んでいきたいと考えています。今後も継続的な改善を進めていく所存です。
質疑応答:第1四半期から第2四半期の営業利益の見通しについて
司会者:「十河社長自らの株式取得について、非常に頼もしく感じています。第1四半期の営業利益は予想を上回るペースとのことですが、今回の決算説明会資料だけでは通期の営業利益30億円を達成できるイメージが伝わりづらいのではと感じました。
第2四半期以降はトップラインの増加が加速する一方で、人件費などコストサイドの上昇は抑制されるというイメージなのでしょうか? 第1四半期以降の現状の手応えと併せておうかがいしたいです」というご質問です。
大川:営業利益の見込みを含めて回答します。スライドで少し触れていますが、販管費の中では人件費が一番大きな項目になっています。人員については、第1四半期の3月から4月にかけて増加していません。
通常、4月は入社のタイミングとも重なるため、人員が一度増加する時期ですが、今回はそれを抑制できています。AI活用は今後ますます本格化していくと想定されますが、足元でもAIの生産性改善と採用のバランスを取りながら、全体の採用数を抑制しつつ成長を進められています。
したがって、第1四半期から第2四半期にかけては、変動費が事業の成長に伴って増加する部分はありますが、全体のコスト構造や販管費が大きく変わることはないと想定しています。
つまり、第1四半期から第2四半期にかけて、通常の季節性による成長とビジネスの成長が重なり、営業利益により直接的に寄与する構造を構築できる基盤が整っています。第2四半期以降も、コストの増加を抑えながら営業利益を改善する基盤が整っていると考えています。
質疑応答:「AnyLive」の料金体系について
司会者:「サムスン電子にも提供を開始した『AnyLive』の料金体系について教えてください。毎月一定額の利用料だけなのか、月額料金とは別に顧客の売上貢献に応じて手数料も入るようなモデルなのか、まったく別のモデルなのかなどを知りたいです」というご質問です。
十河:「AnyLive」の料金体系はおっしゃるとおり、2パターンあります。1つ目が、毎月一定額の月額固定モデルです。もう1つが、月額を受け取りながら、「AnyLive」経由で生み出したGMVの一部に対して手数料をいただくモデルです。
現時点ではこの2つのモデルを用意することで、サムスン電子のような大手ブランドの獲得が順調に進んでいます。今後も引き続き、着実にクライアントの獲得を進めていきたいと考えています。
質疑応答:日本における「TikTok Shop」の状況について
司会者:「前回の決算説明会で、日本における『TikTok Shop』の立ち上がり状況をご解説いただきました。この3ヶ月でアップデートがあれば教えてください」というご質問です。
十河:この3ヶ月間で予想以上に伸びた「TikTok Shop」の領域についてお話しします。
当初の想定では、短尺動画から生まれる購買やGMVの創出が日本市場では大きくなると考えられていました。しかし、直近の状況をみると、当社が最も注力している領域であるライブコマース経由のGMVの伸びが非常に強くなっています。そのため、ライブコマースの需要が高まっているといえます。
当社の「AnyLive」は、もともと海外市場で先行して実施していましたが、日本市場でも本格的にローンチしました。今月初めには、日本で初めて「TikTok Shop」で「AnyLive」が導入された事例もあります。
ライブコマースは「TikTok Shop」の中でも非常に重要な要素になると考えており、当社はそれをチャンスと捉え、積極的に伸ばしていきたいと考えています。
質疑応答:3月時点からの進捗状況について
司会者:「3月の株主総会での質疑応答時から、経営環境や事業進捗の状況に変化はありますか? 変化があったポジティブな要素やネガティブな要素などを、差し支えない範囲で教えてください」というご質問です。
大川:3月末時点から状況が大きく変化しているわけではないと考えています。全体としては悪化することなく、同じ成長のストーリーを見ています。
進捗の中で、ポジティブな点が大きく2つあります。総会のタイミングでもお伝えしていたことですが、1月に3件のM&Aを日本で実施し、PMIを通じてシナジーを創出し、連携させていくことをご説明しました。
その連携やシナジー、すなわち相乗効果が、実際の案件のパイプラインとして具体化し始めています。総会から約2ヶ月で手応えを確実に感じています。実際に業績に反映されるのは今期の下期になると考えていますが、かなり進展している状況です。
もう1点も総会のタイミングでお話しした内容ですが、AIに関しては引き続き非常に大きなポテンシャルがあると考えており、総会以降も複数のプロジェクトを社内で進めている状況です。
この2ヶ月弱の間に、検討段階から進展し、当社が「AIワークフロー」と呼ぶAIを活用したプロセスを導入しました。これにより変化が生じ、効率性が向上し始めています。この2ヶ月弱で効果を実感できたことが、大きな進展であったと考えています。
ネガティブ要素ですが、3月の時点でも指摘があった中東情勢に関してです。あれから2ヶ月が経過する中で、想定よりも長引きそうだと考えています。
東南アジアを含めて大きな影響は現在のところ見られず、現時点ではそれによるなんらかの問題は想定していません。一方、当社は規模は小さいものの中東でも一部ビジネスを展開しているため、中東の情勢を注視し、その影響をカバーするための施策や対応を講じていく方針です。
現時点では、中東情勢が会社の業績などに大きな影響を及ぼすとは考えていませんが、引き続き注視し、適切な対応を進めていきます。以上、3点をお伝えしました。
質疑応答:重要なKPIについて
司会者:「御社の成長を引き続き期待し、応援しています。2026年の成長シナリオを株主として理解する上で、今後1年、特に注目すべきKPIを3つ挙げるとしたら何か教えてください」というご質問です。
大川:冒頭でも少しご質問がありましたが、事業内容や展開している国もかなり多いため、事業の成長がどのように順調なのかをご理解いただくという意味でも、非常に重要なご質問だと思っています。
私の視点で重要だと思う3点を挙げます。まず1点目は成長率です。当社は粗利、売上総利益の成長率を重視しており、特に中長期の成長の軸となる法人向けブランド支援における粗利の成長率を、重要なKPIとして位置づけています。
2点目は、営業利益の改善です。今年は着実に営業利益を改善し、利益を確保するという計画を立てています。そのため、利益の絶対額、すなわち利益が出ているかどうかを数字としてご確認いただくことが適切だと考えています。
他のすべての事業においても、成長だけでなく、生産性を向上させて利益性を高める形を模索しながら事業運営を続けています。したがって、その点をご確認いただくのが2点目として重要だと考えています。
3点目に関しては、先ほど述べた利益の部分に関連する背景ですが、AIのワークフローを導入し、生産性を向上させることが基盤として非常に重要になると考えています。
決算説明資料でも示しているとおり、人材1人当たりの粗利、すなわち人材の生産性や人員増加率の数字をご確認いただくことが、営業利益改善の背景をご理解いただく上で非常に重要であると考えています。
これら3点は、実績を示しながらご説明していく必要があると考えています。当社にとって重要なKPIです。
質疑応答:大手企業との新規契約について
司会者:「サムスン電子やカルビーのような有名企業と新たな契約はありますか? 個別企業名などはけっこうですので、伝えられる範囲でお答えいただきたいです」というご質問です。
十河:現状、サムスン電子のような大手企業との新規契約は存在します。当社は、いわゆるビッグエンタープライズと呼ばれる大手企業との取引がもともと多い会社です。
今回は、サムスン電子のプレスリリースを発表しました。ご存じのとおり、サムスン電子は韓国でも一番事業規模が大きい企業であり、その影響で他社からの問い合わせが増えています。
特にサムスン電子は家電領域やガジェット領域に強みを持っていますが、このようなガジェット領域のクライアントも増加しています。
また、直近では美容コスメ領域が特に強い状況です。日韓の大手化粧品・コスメ関連ブランドの多くが、当社のソリューションをご利用いただいており、この点は非常に誇れる部分だと考えています。
まだ獲得可能なクライアントがいると考えていますので、新規開拓を引き続き進めていきたいと考えています。
質疑応答:中期経営計画達成に向けた取り組みと意気込みについて
司会者:「昨年の中期経営計画の説明時から、成長性について意気込みは変わっていないのでしょうか? 今現在の意気込みについて教えてください」というご質問です。
十河:意気込みはまったく変わらず、非常にポジティブに捉えており、自信を持っています。今年に入って新しくM&Aによってジョインした3社とのPMIも非常に順調に進んでおり、シナジーもかなり効いていると考えています。
本日、OMOリテールプラットフォーム「AnyAI OMO」をローンチしました。オンラインとオフラインを融合するこの領域においても、非常にユニークなソリューションを提供できていると考えています。
また、当社が事業展開している市場はグローバルで、まだ成長していける市場だと思っています。そこで十分にシェアを取っていくことで、中期経営計画も達成できると考えています。
加えて、先ほどCFOの大川からも説明しましたが、AI Native化の活動やそのイニシアティブがグローバルで効果を発揮しています。従来はトップラインの成長に伴い人員を増やす必要がありましたが、人員を大幅に増やさなくてもトップラインの成長を実現できる構造へ移行しつつあると考えています。
今後、この移行をこの1年から2年でやり遂げ、中期経営計画を確実に達成できるよう努めていきたいと考えています。