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バーチャレクスHD、IT&コンサルティング事業が牽引し営業利益が前年比41.3%の大幅増 AIビジネスへのシフトが進展

2026年3月期ハイライト

丸山栄樹氏:バーチャレクス・ホールディングス株式会社代表取締役社長の丸山栄樹です。2026年3月期決算説明を開始します。よろしくお願いします。

それでは、本日お伝えしたい全体概要をハイライトとしてご説明します。はじめに決算概要です。売上は前期比6パーセント増と順調に増収となりました。営業利益についても前期比41.3パーセント増と、売上以上に大幅な増加となっています。ただし、経常利益以下では特別損失を計上しています。その点については後ほどご説明します。

IT&コンサルティング事業についてご説明します。近年AIが世界的ブームとなり、当社が取り組むコールセンター領域でもAI関連のIT投資がさまざまな業界で進んでいます。

当社はこの領域で主にITソリューションを提供していますが、AI関連のコールセンター向けIT事業が堅調でした。また、AIを活用したコールセンター向けコンサルティング案件も拡大し、スタッフの稼働率も高水準を維持した結果、増収増益となっています。

次に、アウトソーシング事業についてです。コンサルティングとアウトソーシングを組み合わせたものを「マザーセンター」と呼んでいますが、このマザーセンター運用の受託が1年前より大手クライアント内で横展開された効果もあり、アウトソーシング事業も増収増益となりました。

成長戦略の進捗状況です。当社はここ数年、全事業をAIビジネスにフォーカスし、その中で成長する方針を掲げています。コールセンターのAI化支援では、電力会社での高付加価値型BPOに生成AIを組み合わせて業務全体の最適化を図っており、順調に進捗しています。電力会社以外でも、上流のコンサルティングから支援を開始しています。

IT領域では、生成AIが人間に代わって回答を生成するソリューションとして業務資本提携しているKotozna社のソリューションを活用し、生成AIとチャットボット、あるいは生成AIとメール問い合わせシステムを連動させるシステムの本格導入を実施しました。

続いて、AIコールセンターの総合プラットフォームについてです。コールセンターにおけるAIの適用領域は多岐にわたります。このプラットフォームは、それらすべてに総合的に提案を行う次世代のコールセンター向けAI基盤といえるものです。最終的には、コールセンター全体の自動化・AI化を実現するサービスとしての提供を目指しています。

この取り組みに向けては、スライド下部に記載されている「DCL(デジタルクローン)」が特に重要です。DCL型AIはAIエージェントの一種で、顧客対応を行う人間のクローンをAIで作成するものです。このパイロット版の開発を開始し、総合的なAIコールセンタープラットフォームにも着手しています。

また、進化計算「TENKEI」については数年来取り組んでおり、当年度は実験的に導入して効果を実証するPoCを複数の企業で実施し、その成果が確認されたことから本格導入が決定しました。

新年度はこれらの本格導入に加え、新たな大手企業でのPoCを進めます。PoCから本格導入、さらに横展開へとつなげる取り組みが本格的に始動しています。このように、AIビジネスにフォーカスした成長戦略は着々と進展しています。

業績推移

業績推移をご説明します。スライド中央の緑枠で囲んだ部分が当期実績です。上段は連結の売上推移、下段は連結の営業利益推移を示しています。棒グラフのピンク色が予想値、ブルーが実績値です。

売上についてはほぼ予想どおりの着地となり、前期比6パーセントの増収となりました。前年はやや減少しましたが、それが回復し、さらに上積みできたかたちです。要因は、IT&コンサルティング事業におけるAI関連プロジェクトが奏功したことに加え、アウトソーシング事業でAIを活用したマザーセンターの拡大や横展開が進んだことによるものです。

営業利益は3億9,400万円と予想値を大きく上回り、前期比41.3パーセントの大幅な増益となっています。売上推移と同様に、ITコンサルティング事業におけるAI関連のコールセンター事業が寄与したことが要因です。さらに、スタッフの稼働率向上により、結果として利益率も高水準を維持しました。

また、前年度はタイムインターメディア社で一部プロジェクトの進捗に問題があり、利益を圧迫する要因となっていましたが、今年度はそれが解消されたことで、正常な営業利益を計上できました。

セグメント収支-IT&コンサルティング事業-

次に、セグメント別の収支についてご説明します。IT&コンサルティング事業の売上は約40億円で、前期比7.7パーセントの増収となりました。IT事業の成長が牽引したもので、利益は売上以上に伸び、21.1パーセントの増益となりました。

グループ会社のバーチャレクス・コンサルティング社で、コールセンターを中心としたITコンサルティング事業が好調だったほか、昨年はSalesforce社のAI導入プロジェクトを多数実施しました。また、タイムインターメディア社は、大型案件の進捗トラブルが収束して追加発注を獲得し、増益に大きく貢献しています。

ただし、この数字には、昨年度に売掛金の回収不能リスクを想定して計上した引当金4,100万円が含まれています。これが問題なく回収できたため戻入となり、結果的に4,100万円を除いた水準が実質的な数値と考えています。

セグメント収支-アウトソーシング事業-

アウトソーシング事業についてです。売上は前期比3.7パーセントの増収となりました。マザーセンターを中心に、大手企業向けプロジェクトの横展開が拡大している一方で、数年来手掛けている従来型のアウトソーシングやコールセンター案件が一部で縮小しています。従来型案件の縮小と新規領域の拡大を合わせるかたちで、3.7パーセントの増収となりました。

利益は4.4パーセントの増益です。売上増加に伴い利益率も上昇し、すべてのプロジェクトで収益性の細かな改善に取り組んだ効果が表れています。

連結収支(前期比)-1/2-

結果として、連結売上は68億8,000万円となり、前期比6パーセント、金額にして1億9,800万円の増収となりました。IT&コンサルティング事業とアウトソーシング事業を合計したセグメント利益は14億6,200万円で、前期比14.6パーセントの増益です。

このセグメント利益からグループ全体の販管費を差し引いたものが営業利益ですが、全社費用は10億6,800万円で、前期比7.1パーセントの増加となっています。毎年実施している新卒採用強化が主な要因で、特に前年度は入社人数が倍増したことから、研修費用や翌年度入社向けの採用費用が大部分を占めています。

連結収支(前期比)-2/2-

営業利益は、前年度の2億7,900万円に対し、当年度は3億9,400万円となりました。前期比41.3パーセント、金額にして1億1,500万円の増益となりました。前スライドでご説明したとおり、販管費を含め全社費用が増加している中で利益が拡大しており、収益構造は大きく改善していると考えています。

連結経常利益は営業利益と同様に、前年度の1億8,500万円から当年度は4億4,200万円となり、前期比139パーセントの大幅な増益となりました。営業外収益として、投資事業組合やファンドへの出資に伴う運用利益や、人材育成助成金も含め6,200万円を計上しています。この6,200万円を引くと、営業利益と同程度の額となります。

最終的な純利益はマイナス8,100万円となりました。スライド右下に赤線で示すとおり、約4億円の有価証券評価損を計上しています。これは株式投資と転換社債(CB)の投資合算分で、総額4億円となります。会計上いったんゼロにする処理を行ったため、その分を特別損失として計上しました。

結果として純利益はマイナスとなりましたが、特別損失は現時点では損失が確定したものではありません。今後は投資先と共同でAI事業の拡大を図っていく方針で、先ほど説明したとおり、昨年にソフトウェア開発案件で貸倒引当金を積んでいたものが、当年度に戻し入れされています。

今回の特別損失も損失確定ではなく、将来的に評価や価値を高めることで、投資分のリターンを得られると考えています。その実現に向けて、我々もさらに努力を続けていきます。

2027年3月期 業績予想

2027年3月期業績予想に移ります。売上は70億円を見込んでいます。前期比1.7パーセントの成長となりますが、一部縮小するプロジェクトも見込まれており、その分をリカバリーした上での70億円という数字です。

営業利益は前期比103.9パーセントの4億1,000万円を予想しています。前期の営業利益には引当金の繰り戻し4,100万円が含まれているため、その部分を差し引いた実質的な営業利益で比較すると、スライドの「※1」に記載のとおり、前期比116.1パーセントという数値になります。

そのような意味では、売上は1.7パーセントの微増予測ですが、利益は成長を目指した目標値となっています。

バランスシートの状況

バランスシートの状況です。2026年3月期末時点において、特損の影響により純資産の数値は若干減少しましたが、それ以外には大きな変化はありませんでした。

今後の業績見通しについて

今後の業績見通しとして、3ヶ年計画を発表しています。新年度はすでに4月から始まっていますが、この新年度が計画の3年目で最終年度となります。

前スライドでご説明したとおり、2027年3月期は4億1,000万円の営業利益を見込んでいます。初年度と2年目の実績を踏まえると、仮に予想どおり4億1,000万円を達成した場合、3ヶ年合計で10億8,000万円となり、10億円の目標が射程圏内に入っていると考えています。

この1年は3年目の集大成として、この目標を超えるつもりで取り組んでいきます。また、1年が終わる頃には、その先を見据えた新たな3ヶ年計画を発表したいと考えています。

剰余金の配当状況および株主優待制度の創設

剰余金の配当状況および株主優待制度の創設についてです。昨年から株主優待を始めました。また以前から継続して配当を行っており、配当方針に変更はありません。株主優待についても、スライドのとおり株主のみなさまに還元すると発表した内容で継続的に実施していきます。

参考までに、2026年3月末時点の株価を用いた場合、配当と株主優待を合わせた想定利回りは6.7パーセントとなっています。

当社グループ事業を取り巻く環境変化

ここからは成長戦略の進捗状況をご説明します。コールセンター市場とAI市場は日本でも急速に成長しているというのがこちらのスライドの内容です。我々は、大きなコールセンター市場にAIを積極的に取り入れることを主軸にビジネスに取り組んでいます。

当社グループの新たな成長戦略

そのような状況の中で、当社が取り組む内容をスライド下部に記載しており、コールセンターのIT事業、コールセンターに限らないデジタルマーケティング、さらにはコールセンターと関連する分野において、SFDCのAIである「Agentforce」の導入を進めています。

コールセンターのIT事業と「Agentforce」は将来的に連携する世界を想定しており、IT領域においては、この柱を中心にAIの活用を推進していきます。

BPOの領域は日本のコールセンター市場において非常に大きな分野です。この領域に単純なBPOとして攻めていくのではなく、AIを活用したBPOやアウトソーシング、さらに現在実行しているBPOビジネスにAIを導入して変革を進めています。

これら2つの取り組みを通じて、最終的には企業のコールセンターの無人化を目指しています。無人化による24時間対応サービスのマーケットに進む方向性で事業を展開しています。

成長戦略の進捗状況(1)

マザーセンターアプローチの進捗状況については、IRで発表したとおり、東京電力エナジーパートナー社の業務においてBPOと生成AIの活用を実現しています。この分野は他の大手企業などにも横展開が可能で、どの企業にとっても必要なソリューションであると考えています。そのため、さらなる推進を進めていきます。

また、マザーセンターでは、大手放送事業者、カード会社、証券会社などでAIを活用したコールセンター化構想が始まり、AI活用による営業戦略策定など、さまざまなプロジェクトにも着手しています。昨年度にはプロジェクトのいくつかが立ち上がり、大手クライアントと伴走しながらAI化を進めています。

成長戦略の進捗状況(2)

生成AI活用では、Kotozna社の生成AIと当社のコールセンタープラットフォーム「inspirX(インスピーリ)」を連携させ、お客さまからメールで寄せられた問い合わせに対する回答を、生成AIが加工して返信するモデルを構築しています。このプロジェクトはIRでプレスリリースを行っています。

お客さまからのメールによる問い合わせに対し、生成AIが回答を作成します。その際、回答内容や書き方に誤りがないかなどについて、当社の生成AIを教育するスペシャリストが監視し、指示内容の修正やチューニングを行って回答の精度・速度を向上させていきます。

そのため、ソフトウェアを販売して月次で収益をいただくだけではなく、我々のスタッフがプロフェッショナルとしてAIを指導し、そのソフトウェアが効果的に動くよう支援する取り組みとなります。この取り組みが大きく進展し、成果を挙げたことで評価をいただいています。

このような仕組みはSalesforce社の「Agentforce」も同様です。我々はこれまでの実績を踏まえ、コールセンター案件やAI案件を今後も広めていきたいと考えています。

成長戦略の進捗状況(3)

AI総合プラットフォーム事業についてです。コールセンターは、スライドの図に示すように、電話、メール、Web、スマートフォンなど、さまざまなチャネルから情報が入ってきます。

AIには多様な活用方法があり、音声認識のAI、お客さまと直接やり取りを行うチャットボットのAI、メールや回答内容を生成する生成AIなど、さまざまなAI技術が求められます。お客さま対応を行うために、CRMというお客さま情報をきめ細かく履歴管理する仕組みも必要です。全体的に業務を運営するには、業務内容を分析し、レポーティングする機能も求められます。

このようなシステム全体がプラットフォームとして提供されることで、企業のコールセンターが構築されます。最近は企業ごとにAI活用の部分が異なるケースもありますが、私たちはその構想全体をプロデュースしています。スライドの進捗状況に記載のとおり、大手企業などと協業したり、依頼を受けたりしながら、全体や一部を当社がサポートする取り組みを行っています。

将来的には、AIがあたかも人間のように、デジタルクローンのオペレーターとして応答する時代になると思っています。当社では、そのデジタルクローンのパイロット版の開発を開始し、技術検証を進めています。こちらの取り組みは新年度も進めていきたいと考えています。

成長戦略の進捗状況(4)

進化計算「TENKEI」は、無限にある組み合わせの中から最適な組み合わせを短時間で見つけるAIプラットフォームです。数年にわたり取り組んでおり、製造業の生産計画への適用として、現在は大手メーカーの工場の生産計画に適用する取り組みを進めています。

スライドの進捗状況①に記載のとおり、大手食品メーカーの工場でPoC(概念実証)を行い、効果を評価いただいた結果、本格導入に着手しました。それと同時に、10ヶ所以上の工場それぞれに順次導入する計画を現在立案しているところです。

これまでR&Dで計画し、PoCを実験的に導入してきましたが、現在は本格導入が始まった段階とご理解いただいてよいと思います。

現在「AI」としきりに言われているのは一般的に「生成AI」と呼ばれるものですが、進化計算の領域のAIは、これまでのAIとは異なるエンジンを持っています。当社はこのエンジンそのものを自ら開発し、実行しています。

こちらのAIはPoCを終えて本格導入が始まりました。これからは果実を得ていく段階にしていきたいと考えています。

以上で私からのご説明を終わります。ありがとうございました。

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