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エクシオグループ、25年度は過去最高業績を達成 新中計でさらなる成長を目指すとともに株主還元も強化

(1)決算ハイライト

梶村啓吾氏:エクシオグループ代表取締役社長の梶村です。日頃より格別のご支援・ご指導を賜り、心より御礼申し上げます。また、本日はお忙しいところ説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。これより、2025年度決算のご説明を始めます。

まず、今回の決算業績です。決算ハイライトとして、受注高・売上高がともに前年比で10パーセント以上増加し、過去最高を更新しました。事業全般において好調でしたが、特にNext-GIGAでは想定以上に受注・売上を大きく伸ばすことができました。

利益面においてもすべてのセグメントで大幅な増益となり、前年比で22パーセント増と過去最高益を達成しています。事業環境の好調さに加え、これまで当社が尽力し続けてきた各種利益改善や効率化施策の効果が表れていると考えています。

期初計画に対して大きく利益を伸ばすことができたことから、DOE4パーセント基準に則り、期初公表の33円に2円を追加し、期末配当35円を予定しています。

なお、2026年度から配当方針を変更し、DOE4.5パーセントを基準とします。詳細は後ほど説明します。

(2)業績ハイライト(受注高・売上高)

業績の詳細をご説明します。受注高は、過去最高であった前年度をさらに上回る8,118億円、前年同期比14パーセント増となりました。

特にNext-GIGAでは想定以上の発注があり、大幅な増加となっています。また、NTTドコモさまの容量対策工事も非常に積極的に発注されており、前年度を大きく上回りました。

売上高は7,877億円となり、前年同期比で17パーセント増と大きく伸びました。近年の受注増加に伴い、手持工事も潤沢になっています。

2025年度は、大型のデータセンター案件を含む都市インフラ事業を中心に工事が順調に進み、売上高も着実に増加しています。Next-GIGAも大きく寄与しました。

スライド右下に記載している繰越工事高は前年同期比で300億円増加し、過去最高となっています。2026年度も好調を維持できると考えています。

(3)業績ハイライト(営業利益)

営業利益は通信キャリアで22億円、都市インフラで42億円、システムソリューションで38億円と、すべてのセグメントで大きく増益を実現しました。

期中に上方修正した目標には若干届きませんでしたが、これは工事の遅延や不採算といった理由によるものです。しかし、中期経営計画として期初に掲げた470億円を大きく上回り、非常に良い決算であると評価しています。

(4)業績ハイライト(セグメント別状況)

事業セグメント別の状況です。通信キャリアセグメントは、売上がほぼ横ばいながらも、利益率を大きく改善することができました。取組みを続けている各種効率化に加え、比較的採算性の良いモバイル分野や光開通工事の増加効果で利益改善が進み、投資抑制が続くNCC各社さまの工事の減益を吸収しています。

都市インフラセグメントでは、データセンター案件の順調な工事進捗が増収につながり、その売上増が利益増にも結びついています。選別受注の効果も少しずつ表れており、前年度の不採算の反動を上回る利益を積み上げることができました。

システムソリューションセグメントでは、Next-GIGAが売上に寄与するとともに、DXやサイバーセキュリティ関連のソリューションも拡大しました。その結果、売上増および利益増に貢献しています。

懸案であったグローバル分野は、事業損益でのブレークイーブンには到達しませんでしたが、前年比で大きく利益を改善しました。

(1)計画サマリー

2026年度計画についてご説明します。新しい中期経営計画の1年目として、すでに取組みを開始していますが、その方向性や考え方は後ほどご説明します。

2026年度計画では、受注高7,700億円、売上高7,500億円、営業利益560億円と、減収増益を目指しています。トップラインに関しては、2025年度の特需であったNext-GIGA終了の影響が大きく、700億円超の減少が避けられません。

一方で、各セグメントにおける受注環境は好調な状態が続いています。手持工事が積み上がっているため、Next-GIGAの影響を跳ね返すべく事業活動を継続していく方針です。

利益面においては、Next-GIGAが薄利であったことも踏まえ、モバイルの容量対策工程や「フレッツ 光クロス」工事のエリア拡大、データセンターなどの大型案件の工事進捗、グローバル分野の収益改善により、十分な増益が可能だと考えています。

セグメント変更(2026年度~)

今後のご説明を進めるにあたり、2026年度からのセグメント変更についてお話しします。

次の中期経営計画では、各事業セグメントのマネジメントをさらに強化し、社内・社外の双方からわかりやすくすることを目的に、セグメントの一部見直しを行いました。

具体的な変更内容として、都市インフラセグメントに含まれていたCATVやインフラシェアリングを、通信関連事業を扱う通信キャリアセグメントに統合し、セグメント名称を「通信インフラ」に改めました。

また、従来の公共系およびその他の施設基盤という区分を廃止し、セグメント名称を都市インフラから「社会インフラ」に改称しました。

そしてシステムソリューションセグメントに包含していたグローバルユニットを案件の性質に応じて各セグメントに帰属させました。各セグメントにおいて国内外をシームレスに運営できるよう改善していきます。

新たなセグメントごとの中期展望は、後ほど中期経営計画の中でご説明します。

(2)計画サマリー(セグメント別状況)

2026年度計画のセグメント別状況です。新たな事業セグメント別で開示を進めます。スライドの数字は、新セグメントを基に2025年度の数字を遡及修正した値となっています。

通信インフラセグメントでは、モバイルの容量対策工程や「フレッツ 光クロス」のエリア拡大による引き合いにより、好調が見込まれることから、増収を想定しています。効率化施策の継続により、安定的な利益創出を目指します。

社会インフラセグメントでは、引き続き豊富な繰越工事を抱えるデータセンター案件を中心に、工事の進捗が拡大する見込みです。その一方で、低採算案件が減少することから増益の計画としています。

システムソリューションセグメントでは、Next-GIGA案件の消滅で大幅な減収が見込まれるものの、高付加価値領域への展開をさらに進めることで影響を跳ね返し、利益の増加を目指します。

(1)通信インフラ

各セグメントの状況をご説明します。

通信キャリアセグメント改め、通信インフラセグメントでは、2024年度以降、NTTグループ向けの事業が非常に好調です。特に、モバイル分野では容量対策案件が積極的に発注されており、完成の前倒し要請もあるため、足元では非常に繁忙な状況が続いています。

これまでにさまざまな課題がありましたが、お客さまと協力して対策を講じた結果、2026年度にはさらに売上の増加が見込まれます。また、アクセス分野においても「フレッツ 光クロス」のユーザー数増加やエリア拡大に伴い、発注が増加しています。一方、NCCユニットの回復には時間がかかる見込みです。

セグメント変更に伴い、通信インフラセグメントに国内外のシェアリング関連案件が組み込まれました。現在、海外で展開しているインフラシェアリングを日本国内でも進めるため、グループ内の事業連携を加速しています。

通信インフラセグメントでは、中長期的に売上が急増することは見込みにくい状況です。引き続き生産性向上を図り、利益最大化への取組みを進めていきます。

(2)社会インフラ

都市インフラセグメント改め、社会インフラセグメントです。注目されているデータセンター工事は、引き合いが強い状況が続いています。

データセンター案件は、2024年度において非常にタイミングに恵まれ、約700億円に及ぶ高水準の受注がありましたが、2025年度もその水準に匹敵するほどの発注がありました。

その積み上がりをしっかりと消化しながら取り組んだことにより、売上面でも大きく増加しました。2026年度はさらに受注額が増える見込みです。

利益面では、公共分野において採算性を重視した選別受注を進めており、利益率のさらなる向上に努めています。

今後の取組みは新中期経営計画と一部重複するため、簡単にご説明します。大規模空調設備の案件は、まだ対応力が十分ではありません。この点を課題と認識しており、一刻も早く施工能力を確保していきたいと考えています。

(2)社会インフラ(エッジデータセンターの取り組み)

社会インフラセグメントでは、1つトピックがあります。現在注目されているエッジデータセンターに関する取組みで、先日ニュースリリースも行いました。

当社はこれまで、ハイパースケーラー向け大規模データセンターのFit Out工事を中心に受注してきましたが、今後の展開を見据え、モジュール型とコンテナ型の2種類のエッジデータセンターソリューションを用意しました。

このソリューションのポイントは、顧客志向であることです。設置場所や用途に応じて最適なデータセンター環境を選択いただき、その後の設置作業までをワンストップでサポートします。

さらに、エクシオグループが調達するリファービッシュGPUサーバと組み合わせて、経済性に配慮したパッケージ型データセンターソリューションの開発を検討します。

今後はメニューをさらに充実させ、当社の岩槻拠点にはショールームを設ける予定です。ぜひご見学ください。

(3)システムソリューション

システムソリューションセグメントです。2025年度はNext-GIGAの特需により受注・売上が大きく向上しています。受注額は約800億円、売上高は約700億円と考えてください。

当初の見通しに対して倍以上となり、非常にうれしい予想外の結果となりました。スライドのグラフからも、かなりの特需であったことがおわかりいただけると思います。

利益面では、このセグメントに含まれるグローバル子会社の利益改善が進んだことに加え、薄利ながらもNext-GIGAの利益が積み上がったことで、2025年度は増益となっています。わずかではありますが利益率の改善もできたことは、すばらしい成果だと捉えています。

2026年度は、引き続き上流コンサルをはじめとした高付加価値領域、特にNext-GIGAで強化した文教系のお客さまへのソリューション提案を進めるとともに、AI駆動型のソフトウェア開発などを適切に活用することで抜本的な生産性向上に取り組みます。

2025年度のNext-GIGA分における反動減は避けられないものの、特に利益面ではその減少を跳ね返し、増益を目指していきます。

(3)システムソリューション(オファリングサービスの提供)

システムソリューションセグメントのトピックを2つご紹介します。

1つ目は、高付加価値領域への挑戦に関するもので、今年4月下旬にニュースリリースを行いました。当社はM&Aを通じて蓄積してきたグループ全体の知見とノウハウを整理・体系化し、オファリングサービス「EX-LIGN(エクスライン)」の提供を開始しました。

当社グループ全体で保有している商材は130種類以上あります。顧客が抱える課題を起点に、当社の各種ソリューションを適切に組み合わせることで、コンサルティングからシステム構築・保守・運用までを一貫して提供します。改善提案も加えるなど、常にお客さまと並走する、伴走型アプローチのサービスです。

従来の受託開発・構築に加え、新たなストック型ビジネスの拡大に取り組み、システムソリューション事業のさらなる収益性向上を目指します。

(3)システムソリューション(冷凍倉庫の省エネルギー運用に向けた実証)

2つ目は、コールドチェーンソリューションに関するものです。マーケットイン型のイノベーションや新規事業創出に取り組みました。

「コールドチェーン」とは、いわゆる冷凍倉庫における省エネルギー運用の分野です。当社の技術力を活かしたソリューションの提供が可能ではないかということで、福山冷蔵株式会社さまと共同で実証実験に取り組んできました。

その結果、冷凍機の運用を工夫することで、消費電力を約10パーセント近く低減できる可能性が確認されました。今後も実証実験を継続していく予定です。

また、その過程で獲得した専門技術や運用ノウハウを活用し、将来的には冷凍倉庫の省エネコンサル、設計構築、さらには冷凍物流などの新たな事業も視野に入れ、「コールドチェーンソリューション」の提供を目指します。

重要なテーマであるGX(グリーントランスフォーメーション)を通じて、社会課題の解決に貢献することにもつながると考えており、今後もR&Dを含めて積極的に取り組んでいく方針です。

(1)配当・自己株式取得

株主還元についてご説明します。今回、期末配当金は、2025年度の業績向上に伴い純資産が積み上がったことから、DOE4パーセントの基準に従い2円増配し、35円とすることを決定しました。中間配当の33円と合わせて、年間配当は68円となります。

2026年度以降は、中期計画においてさらなる企業価値向上とROE向上を追求するため、従来のDOE4パーセント基準からDOE4.5パーセントに引き上げます。

今後は、株主還元と成長投資のバランスを取りながらキャッシュを配分し、総還元性向60パーセントを目指して自己株式の取得を継続します。この新しい方針に基づき、2026年度の配当金は年間80円とし、40億円の自己株式取得も公表しました。

中期経営計画の振り返り(1)

ここからは、本日決算と同時に公表した、2026年から2030年に向けた中期経営計画についてご説明します。

まず、前中期経営計画の振り返りです。当社は2021年5月に「エクシオグループ2030ビジョン」として2025年度までの中期経営計画を発表しました。その際に設定した財務目標はスライドのとおりです。

連結売上高、連結営業利益、ROE、EPS、そして3つのセグメントの収益ポートフォリオ「1対1対1」は、2025年度までに達成し、目標を大きくクリアしました。

ただし、残念ながら営業利益率のみ目標の7.5パーセントに対して6.6パーセントと未達成に終わり、収益性向上の課題が明確になりました。

中期経営計画の振り返り(2)

これらの成果を出すために、当社はこの5年間、多岐にわたり取組みを進めてきました。すべてを説明することは難しいため、要点をご説明します。

通信キャリアセグメントでは、モバイル5Gや固定10ギガ対応など高速ネットワーク基盤構築に貢献しました。

また、都市インフラセグメントでは、生成AIによるデータセンター需要の爆発的な拡大に対応するため、人的リソースをシフトしつつ事業を拡大しました。

システムソリューションセグメントにおいては、GigaスクールをはじめとしたさまざまなDXビジネスやサイバーセキュリティ強化案件に携わるとともに、グローバル分野でも新規事業の拡大をアグレッシブに進めてきました。

経営基盤の強化や積極的なM&Aに努めてきましたが、一方で、先ほど申し上げた収益性の向上をはじめ、さまざまな課題が残っている状況です。

経営環境の変化と中期経営計画(2026~2030)への課題

こちらのスライドでは、あらためて社内外の状況を整理しました。左側は内部の状況ですが、一部の事業の採算性やグローバル分野の収益性に課題が依然として残っています。さらに、人財の確保・育成や136社のグループ一体経営の強化も求められています。

一方、右側は外部環境の状況です。自然災害の激甚化、地政学リスクの増大、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化など、当社を取り巻く環境が大きく変化しています。

このような状況を総合的に整理した結果、「収益力・生産性の向上」「持続的成長」「グループシナジーの発揮」の3つを経営課題として位置づけ、新中期経営計画を策定しています。

中期経営計画(2026~2030)の基本方針

新中期経営計画の基本方針です。「2030ビジョン」を踏まえ、本計画では「変化を力に、確かな技術と人財の成長でグループ一丸となって飛躍する新たなステージ」をテーマに掲げています。

通信インフラ、社会インフラ、システムソリューションの各事業セグメントの戦略は、後ほど詳しくご説明します。

また、さらなる飛躍に向けた3つの成長ドライバーを掲げています。「顧客志向の強化と徹底」「人財中心の経営の実践」「先進技術への挑戦」により飛躍を目指します。

エクシオグループの強みは、お客さまに信頼される技術力と人財です。顧客課題を起点として、先進技術で解決し、それを人財の力でやり抜く、この3つのドライバーを循環させることで、従来の通信建設会社の枠を超え、あらゆるインフラの価値創造企業へと進化していきます。

さらに、グループ経営基盤の強化として、スライド下部に示した6つの取組みを推進し、「2030ビジョン」の達成を目指します。

2030年度の業績目標・財務指標

2030年度の業績目標として、連結売上高9,000億円以上、連結営業利益770億円、利益率8.5パーセント、ROE12パーセント、EPS260円を掲げています。

事業ポートフォリオについて、収益ではバランスを取ることができましたが、利益面ではまだ通信インフラ事業の比重が大きく、約半分を占めています。

今後は社会インフラセグメントとシステムソリューションセグメントの収益性をさらに強化し、営業利益でも「1対1対1」のバランスを目指します。

セグメント別の戦略(通信インフラ)

各セグメントの戦略を具体的に説明します。

通信インフラセグメントは創立以来のコア事業であり、今後も筋肉質な事業体制を構築し、高度なデジタル社会基盤の普及と拡大を牽引していきます。

業績目標はスライド右上に記載のとおりです。売上は5年間横ばいを想定していますが、利益は270億円を目指します。そのために、グループ横断でのコスト効率化による利益の最大化と生産性5パーセント以上の向上を目指します。

これまでにも取り組んできた設計・施工や間接業務の標準化、体制の見直しをさらに加速させ、特に生成AIやデジタル技術を全面的に活用して効率化を図っていきます。

さらに、各通信キャリアさま事業への貢献や増大する通信トラフィックへの対応に加え、今後本格化するサービストランスファーとメタルマイグレーションに備えた体制整備、パートナー制度の活用、協働育成による担い手確保を進めます。

そのほか、IOWN、6G、衛星通信などの先進技術への対応も行っていきます。

また、他セグメント事業へのリソースシフトも進めます。電力ケーブル工事やエッジ系データセンターをはじめ、国内外データセンター事業に関わる人財を強化およびシフトしていく予定です。

セグメント別の戦略(社会インフラ)

社会インフラセグメントの戦略です。業績目標は売上高3,300億円とし、40パーセント以上の成長を見込んでいます。営業利益は250億円、利益率は7.6パーセントへの改善を目指します。

そのために、グループ全体でのトータルサポート力の強化を進めます。データセンター関連事業では、電気・通信・ネットワークに加え、空調も含めた全工事領域をグループ全体でカバーし、設計から施工、維持管理までをワンストップで提供する、いわばトータルサブコンとしての地位を確立することを目指します。

データセンター以外のポートフォリオ拡大にも取り組みます。今後成長が期待される系統用蓄電池や半導体工場向けの施工体制の強化に加え、国土強靱化や防衛設備の整備、高速道路の高度化、鉄道事業の省人化といった、幅広い社会インフラ分野の維持向上に努めていきます。

業績目標達成において最も重要なのは、大胆な施策による人員確保と施工能力の向上です。特に電気分野では、新卒および経験者を合わせて年間40名規模の採用強化と育成が必要です。専任タスクフォースを設け、強力に推進していきます。

また、設計積算の分析手法や営業ノウハウを展開し、グループ全体の利益最大化を図っていきます。増収増益という非常に高い目標ですが、その達成を目指して取り組んでいきます。

セグメント別の戦略(システムソリューション)

システムソリューションセグメントの戦略です。業績目標は売上高を2,900億円、営業利益はほぼ倍増となる250億円、利益率も8.6パーセントへ大幅に改善することを目指します。

この目標を達成するためには、まず顧客の事業動向や課題に基づいたグループ一体の統合アカウントプラン策定とコンサル型営業、上流工程への進出が非常に重要であると考え、これらを強化して進めていきます。

顧客ポートフォリオの多角化にも取り組み、自治体、金融、製造、流通といった多様な業種へ顧客基盤を拡大していきます。

さらに、提供ソリューションの領域拡大と高付加価値化を目指し、顧客課題に応じて、さまざまな分野のオファリングメニューを展開していきます。

特にERP分野を重点的に強化します。単にERPパッケージを提供するだけでなく、ローコード開発を組み合わせたオールインワンのアプリケーション提供や、セキュリティとクラウド基盤の組み合わせ提供を促進していきます。

このセグメントでも最も重要なポイントは人財の確保です。プロジェクトマネージャーおよびプロジェクトリーダー人財の育成、さらに上流工程へのリソースシフトを通じて、重点人財の倍増を目指します。

もう1つ大事なポイントは、AI駆動型のソフトウェア開発やITインフラ設計の自動化など、抜本的に生産性を向上させることです。業界内で先頭グループに位置することを目指し、取り組んでいきたいと考えています。

このセグメントも目標は非常に高いですが、ビジネスモデルの変革を通じて収益性を抜本的に改善し、利益倍増を目指します。

グローバル分野の取組み

グローバル分野の取組みです。セグメントごとのマネジメントを強化し、国内外をシームレスに運営していきます。各セグメントで培ったナレッジやケイパビリティを相互に活用し、水平展開することで、新たなグループシナジーの創出を図ります。

例えば、ベトナム、フィリピン、インドネシアにあるオフショア拠点の活用を強化し、国内事業の生産性向上を加速させます。

また、さらなる成長に向けて、ニュートラルホスティング事業、GPUサーバのリファービッシュ事業、マレーシアやインドでのデータセンター関連事業など、AI需要の拡大を確実に捉えて躊躇せず投資し、事業拡大につなげていきます。

そのほか、ガバナンスの強化やさらなる事業の選択と集中による収支改善もあわせて加速していきます。

さらなる飛躍に向けた成長ドライバー:①顧客志向の強化と徹底

ここまでのスライドでも成長ドライバーの目印を記載していましたが、さらなる飛躍に向けた新たな取組みについてあらためてご説明します。

1つ目は、顧客志向の強化と徹底です。当社が目指すのは、マーケットインの発想による、顧客起点の高付加価値ソリューションを、グループ一体で創出することです。

スライドの図に示したように、グループ、協力会社、パートナー会社のアセットやケイパビリティを組み合わせ、顧客起点での提供価値を最大化します。

グループ全体でこの思想を徹底し、顧客課題や社会課題に真正面から向き合いながら、グループ横断でイノベーションを連鎖的に生み出していきたいと考えています。

その中核として、2つの機能を全社横断的な体制として強化します。1つは、グループおよびセグメントを横断して営業・ビジネス開発を推進する「マーケティング統括機能」です。もう1つは、顧客、市場、技術動向を先読みするコーポレートインテリジェンスとしての「マーケティング戦略機能」です。

この2つをエンジンとして、グループ全体の統合アカウント戦略を加速し、クロスセルやアップセルを拡大していきます。先ほどの決算説明でお話ししたオファリングサービス「EX-LIGN」も、その象徴的な取組みの1つです。

コールドチェーンソリューションのような、顧客課題や社会課題を先取りしたビジネス開発にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

さらなる飛躍に向けた成長ドライバー:②先進技術への挑戦

2つ目は、先進技術への挑戦です。マーケットインの発想でR&Dを強化していきます。

その取組みを加速する体制として、「テクノロジーフロンティアラボ」を設置します。また、ベンチャーキャピタルなどを活用し、北米にも拠点を設立してスタートアップとの接点を積極的に構築していきます。これにより、R&D投資規模を売上比率で2倍へ拡大させる計画です。

スライド下部の図は技術ロードマップの概略図です。データセンターやAI、ロボティクスなど、技術ロードマップに基づく重点技術領域を対象に、現場および市場の声に応える価値創造を加速し、技術力を競争優位性の源泉としていきます。

さらなる飛躍に向けた成長ドライバー:③人財中心の経営の実践

3つ目は、人財中心の経営の実践です。スライド右側に先ほどご説明した各セグメントの人財戦略を記載していますが、これらを支えるのがグループ共通の人財マネジメント基盤です。

最も重要なのは、採用、育成、最適配置、リテンションのサイクルを戦略的に回していくことです。こちらは、後ほど詳しくご説明します。

また、人財データベースを構築し、AIを活用したタレントマネジメント機能を整備します。これらの施策により人財ポートフォリオを実現し、事業戦略を円滑に遂行していきます。

事業成長と拡大に向けた投資戦略

事業成長と拡大に向けた投資戦略です。大きく2点あります。

1点目は、M&Aによるケイパビリティ補強です。既存領域では、高スキル人財の確保などを目的としてM&Aを推進します。新規領域では、データセンターや生成AIといった注力分野でのM&Aを重点的に進めていきます。

2点目は、次世代技術・先進技術への投資です。野球におけるピッチャー、キャッチャー、審判、コーチのような仕組みを社内に構築することで、新技術や新事業の芽を継続的に探索・選別していきます。

この2つの投資戦略を通じて、不足するケイパビリティの補強と先進技術の獲得を実現し、事業成長の加速につなげていきます。

経営基盤の強化に向けた6つの取組み

事業成長を支える経営基盤の強化に向けた、6つの取組みについて簡単にご説明します。

経営基盤の強化に向けた取組み(人的資本経営の拡充)

1つ目は、人的資本経営の拡充です。人財中心の経営の実践が最も重要な成長ドライバーであり、経営基盤強化の中核となります。採用、育成、最適配置、リテンションのサイクルを回し、人的資本経営を強化していきます。

採用では、新卒採用はもちろんのこと、キャリア採用やリファラル採用など、多様な採用手段を活用して人財を獲得します。また、ブランディング強化や大学連携なども強化していきます。

さらに、外国人財の獲得も推進し、現地採用から日本語教育、生活支援、グループ配属までを一貫して支援する、外国人財向けのプラットフォームを整備する計画です。

育成では、電気やAIといった戦略領域における専門人財の強化に努めます。さらに、人財育成機関として「EXEO Professional Training Center (EPTC)」(仮称)を設置し、グローバルにも通用するインフラ・デジタル人財を体系的に育成していく方針です。

最適配置では、人財データベースを活用し、グループ横断で最適な人財を機動的にプロジェクトにアサインできるようにします。グループ内での人財流動化を進めることで、プロフェッショナル人財の価値を最大化していきます。

そして、リテンション強化を進め、「選ばれ、働き続けたい会社」の実現を目指します。

人、モノ、金、情報のすべてのリソースを重点的に投入し、この4つのサイクルを着実に回すことで、人財の力を最大化していきます。

経営基盤の強化に向けた取組み(パートナー企業との連携強化)

2つ目は、パートナー企業との連携強化です。パートナー企業と連携し、Win-Winの新たなエコシステム構築を目指します。

例えば、サプライヤーさまとは、共同でのコスト改善やオペレーションのデジタル化など、調達改革を実行します。

また、施工を担う協力会社さまとは、パートナー制度の活用や協働育成を通じた担い手確保を進め、各事業会社とは、戦略的提携を通じた新たな価値の創造を図ります。

これらの取組みは、ケイパビリティの強化やリソース確保のために不可欠です。バリューチェーン全体の最適化という観点からも、非常に重要であると認識しています。

経営基盤の強化に向けた取組み(AI・データドリブン経営の実践)

3つ目は、AI・セントリックな企業への進化、データドリブン経営の実践です。

8つのテーマからなる中期DX戦略を進める計画で、これには基幹系システムのグループ共通化、コミュニケーション環境の一元化、サイバーセキュリティの強化などが含まれています。このグループ共通IT基盤を活用し、スライド下段に示した3つの変革を実施していきます。

データに基づいた経営判断の徹底では、経営データを可視化し、経営判断の迅速化を図ります。

そして、エージェンティックAIによる業務変革です。社内には依然として人手による多様で複雑な業務フローが数多く存在しています。これらはまさに宝の山とも言える部分であり、エージェンティックAIを徹底的に活用してゼロベースで見直すことで、飛躍的な業務効率化を目指します。

さらに、全社員が一人ひとりのAIエージェントを育成し、業務変革を推進する構想も進めていきます。

経営基盤の強化に向けた取組み(グループ一体経営の深化)

4つ目は、グループ一体経営の深化です。

グループフォーメーション変革として、通信インフラおよび社会インフラはエリア単位で展開し、システムソリューションは全国一体運営を進めます。重複機能やリソースを集約することで、効率的なマネジメントとシナジーの創出を追求します。

グループ共通IT基盤の導入を進めるだけでなく、財務、調達、人事給与などの業務運用を統一し、シェアードサービスを展開します。

ガバナンス面では、権限移譲による意思決定の迅速化を図り、一体経営の実効性を向上させていきます。

経営基盤の強化に向けた取組み(環境・循環型社会への貢献)

5つ目は、環境・循環型社会への貢献です。2030年の目標として、CO2排出量を43.9パーセント削減すること、またCDP評価でAリスト企業を獲得することを掲げています。

新たな施策としては、インターナルカーボンプライシングを段階的に導入していきます。これまで取り組んできた使用電力の実質再エネ化や車両・設備の省エネ化、バイオマス発電事業なども推進していきます。

経営基盤の強化に向けた取組み(安全・品質の向上)

6つ目は、安全・品質の向上です。安全と品質は、当社グループの経営基盤を支える最も基本的かつ根幹をなすテーマです。これが揺らいでしまっては、いかに事業を拡大しても持続的な成長は望めません。当社は重大事故ゼロを掲げ、安全と品質を大切にする企業文化のさらなる深化に取り組んでいきます。

この目標を実現するには、人、プロセス、ルール、技術など、多方面で粘り強い取組みが必要です。

特に力を入れているのは、安全品質AIです。これまでも積極的に取り組んできましたが、今後は最新の生成AI技術を組み合わせ、社内に蓄積された経験知を活用した危険予知支援システムの構築に取り組んでいきます。

また、この安全品質AIのソリューションは、多くの企業の方々から高い評価をいただいています。今後、オファリングサービスの1つとして提供を拡大し、工事業界全体の安心・安全に貢献していきたいと考えています。

持続的な成長に向けた投資の拡大

各種戦略と経営基盤の強化についてご説明してきましたが、スライドにはそれらの取組みの実践に伴う投資計画をまとめています。

M&Aの推進やベンチャー出資など、事業成長・拡大投資として1,000億円程度、研修センタ設置や人財育成、採用強化として、社員数拡大による人件費増も含めて500億円程度、IT・DX投資として700億円程度、R&D投資として200億円程度、社員のエンゲージメント強化や業務効率化につながる拠点整備として600億円程度を計画しています。以上、合計3,000億円規模の成長投資を実行していきます。

資本効率を意識した経営

資本効率を意識した経営についてご説明します。当社は本中期経営計画の実行を通じて、収益性の向上と資本効率の改善を同時に推進し、企業価値の持続的な向上とROE12パーセント達成を最重要目標としています。

最適な資本配分として、キャッシュフローは5年間の累計で4,300億円を計画しています。

株主還元の充実として、総還元性向60パーセントを目安にした累進配当を継続する方針で、自己株式の取得も機動的に実施していきます。

以上のように、成長分野への積極的な投資、資本効率の向上、充実した株主還元をバランスよく実現することで、株主のみなさまの期待にしっかりと応えていく考えです。

以上、中期計画について説明しました。「2030ビジョン」の実現に向けて、グループ一同で新たな価値の提供と、顧客課題や社会課題の解決に取り組んでいきます。

さらなる成長を実現し、みなさまに高く評価されるよう、取組みを強化していきます。引き続き、よろしくお願いします。

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