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Laboro.AI、カスタムAI事業が単四半期で過去最高売上 進捗好調も中期成長投資で通期予想は据え置き

2026年9月期第2四半期の総括

椎橋徹夫氏(以下、椎橋):みなさま、本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。株式会社Laboro.AI代表取締役CEOの椎橋です。よろしくお願いします。それでは、2026年9月期第2四半期の決算説明を始めます。

まずは、全体の総括です。スライド最上段に記載のとおり、2026年9月期第2四半期連結累積業績は、売上高が13億2,600万円、売上総利益が8億7,900万円、営業利益が2億1,100万円、当期純利益が1億4,900万円という結果となりました。

内訳として、スライド中央に各事業の2つのセグメントについて進捗を記載しています。

まず「カスタムAIソリューション事業」です。こちらは売上高が13億200万円で、前年比33パーセントの売上成長となっています。売上総利益は8億5,300万円で、前年比で26パーセントの成長を記録しました。営業利益は2億800万円で、前年比と同程度の水準を維持しています。

次に「システム開発事業」ですが、売上高は4,700万円、売上総利益は2,600万円、営業利益は200万円で黒字を達成しました。

こちらの数字を踏まえ、2026年9月期の通期連結予想については、期初に示したとおりで変更はなく、売上高は24億8,600万円、売上総利益は16億300万円、営業利益は2億9,400万円、当期純利益は2億100万円と見込んでいます。

全体の総括として申し上げると、計画に対して非常に順調かつ堅調に推移しています。売上高および利益ともに計画をやや上回るペースで進んでいるというのが、第2四半期までの累積の状況です。

一方で、昨今の市場環境や機会、リスクを含め、非常に速いスピードで状況が変化していることを受け、計画に対して順調に進展しているものの、さらなる大きな成功を目指す必要があると、直近経営として強く意識しています。

これに伴い、本日、通期の予想セクションにて、中期方針についても通常の範囲を越えて少し触れるかたちで、今後の展望についてお話ししたいと思います。

通期予想については、第2四半期まで順調に推移しているため、予想を変更せず据え置いています。これは、もし今期に余剰の売上や利益が生まれた場合には、中期的な成長に向けた投資に充てるという方針を踏まえたものです。

目次

それでは内容に入っていきます。まずは全体の業績を少し分解し、ご共有したいと思います。

Laboro.AIのミッション

まず、あらためまして、当社はミッションとして「すべての産業の新たな姿をつくる」と「テクノロジーとビジネスを、つなぐ」の2つを掲げています。

2026年9月期 第2四半期損益計算書

このようなミッションのもと、実際に行っている事業としては、「カスタムAIソリューション事業」を中心に展開しています。第2四半期までの損益計算書については、スライドに記載のとおりです。左側が累計となっており、13億2,600万円となっています。

通期予想24億8,600万円に対して進捗率は53パーセントとなっています。折り返し地点を迎え、通期予想の半分を超える進捗状況です。

営業利益は2億1,100万円で、通期予想2億9,400万円に対しては7割程度の進捗率となっています。

また、営業利益率は16パーセントで着地しており、利益率の観点でも予想をやや上回るかたちで推移しています。

コスト構造

コスト構造については、大きな変化はありません。ただし、2025年9月期第2四半期までの累計と比較すると、人件費や研修採用費がやや増加しています。その結果、営業利益率は2025年と比較してわずかに低下し、16パーセントとなりました。

人件費や研修採用費が2025年の第2四半期累計より増加した背景には、採用や組織拡大の進捗が良好であることが挙げられます。

採用や組織拡大が順調に進んだことにより、人件費や研修採用費が増加しましたが、これは計画どおり、良い進展を反映したものと考えています。

貸借対照表サマリー

貸借対照表です。第1四半期で開示した内容と大きな変更はなく、余力を確保した財務基盤を引き続き維持している状態です。

「カスタムAIソリューション事業」とは

続きまして、各セグメントの進捗および今後の成長戦略についてお話しします。まずは「カスタムAIソリューション事業」のセグメントです。

「カスタムAIソリューション事業」については、オーダーメイドでAIソリューションの開発を行い、それを通じて顧客企業の事業のコア部分を変革していくことを志向して、取り組みを進めています。

売上高/営業利益の四半期推移

スライドには、「カスタムAIソリューション事業」セグメントの売上高および営業利益の四半期推移を示しています。第2四半期については、単四半期で見ると過去最高の売上高となっています。

これは、営業およびプロジェクト執行を牽引するメンバーやチームの拡充、採用・育成が良いかたちで進んだ結果、売上が順調に拡大したという背景があります。

一方で、営業利益は第1四半期よりもやや低い水準での着地となりました。その背景としては、先ほど触れたように、人員拡大や採用、組織拡大が順調に進展したことが挙げられます。

2026年9月期 第2四半期損益計算書

「カスタムAIソリューション事業」の損益計算書です。売上高は13億200万円で、2025年と比較して33パーセントの成長を遂げています。営業利益に関しては、組織拡大が進展していることを背景に、営業利益率はやや低い水準で推移しています。

一方、売上総利益については粗利率66パーセントで、2025年と比較するとやや低い水準ではありますが、計画上では健全な水準で推移している状況です。

顧客ポートフォリオ(1/3):業界別顧客構成(2Q累計)

顧客のポートフォリオです。これは毎回示している切り口ですが、共有したいと思います。

まずは、業界別の構成です。スライドの左側に示しているように、当社は、大きく分けて「研究開発型産業」、つまり製造業を中心とした産業のバリューチェーンの上流に位置する産業と、消費者・生活者に近い部分である「社会基盤・生活者産業」の2つの大きなカテゴリを注力ポイントとして事業を進めています。

第2四半期累計では、研究開発型産業が65パーセント、社会基盤・生活者産業が35パーセントという構成になっています。

もの作り分野に注力して進めてきた結果、直近ではニーズが増加し、大型の取り組みも広がったことで、このような構成となっています。

顧客ポートフォリオ(2/3):業界別売上高の推移

産業別の詳細な構成を示しています。研究開発型産業、製造業の中でも特に自動車分野においては、第1四半期および第2四半期の双方で、大型の取り組みが進展しています。

半導体については、従来から当社が力を入れている分野ですが、大きな取り組みが長期的かつ継続的に進んでいる状況です。

また、特に前期の途中から大型の取り組みが進んでいる消費財/小売の領域についても、引き続き堅調に進展しています。

顧客ポートフォリオ(3/3):既存/新規顧客売上成長率

既存と新規という切り口で見ていきます。緑色が既存顧客企業からの売上、青色が新規顧客からの売上です。四半期ベースでは、既存顧客企業からの売上が非常によいかたちで積み上がってきています。

一方、売上比率の面では相対的に小さいものの、新しい顧客の獲得が順調に進んでいます。第2四半期単体では、5社の新規顧客企業との取り組みが開始されました。さらに、この5社を含めた第2四半期累計では計8社と、良いスピードで新規顧客の開拓が進んでいます。

人員計画の見直し

人員計画です。総論としては、非常に良いかたちで順調に採用が進んでいると申し上げましたが、その中で一部、エンジニアに関しては期初の計画に対してやや遅れが生じています。

一方で、従前は採用で苦戦していたビジネスサイドのチーム、具体的にはソリューションデザイナ(SD)やエージェントトランスフォーメーションプロデューサー(AX-P)については、非常に良いかたちで進展しています。

また、ニーズが急速に拡大している背景もあり、計画を上回るかたちで採用を加速する方針をとり、全体の採用計画の構成を少し見直しました。その結果、全体の人数としては期初計画よりやや抑えたかたちの人員計画を再計画しています。

社員数の推移

そちらを踏まえて、人員計画の推移についてご説明します。第2四半期全体で、ソリューションデザイナは約2割増加し、35名となりました。また、エージェントトランスフォーメーションプロデューサーは4名から6名に増加し、1.5倍となっています。

さらに、エンジニアも計画には少し及ばないスピードではありますが、第1四半期末の42名から48名へ、6名増加しました。

この状況を受け、今期2026年9月期末には全体で135名になる計画に修正し、あらためて設定し直しています。

26年9月期以降の成長戦略

従前から示している中期から長期にかけての成長戦略です。この戦略では3つの柱を掲げています。

1つ目の柱である事業の中身については、技術領域として最適化や生成AI、エージェントAIなどの技術的な強みが、最近特に当社の軸として確立されてきた背景があります。このため、これらの技術を基軸とし、よりメリハリのある能動的な事業展開を進めていくという方針を掲げています。

2つ目の柱は、それを支える体制の整備として、引き続き継続的に採用や育成、オンボーディングを強化していくことです。

3つ目の柱は、新しい領域への展開であり、M&Aなどを含めたインオーガニックな成長や、新規事業の立ち上げを進めていくことです。

2026年9月期第2四半期の事業進捗(サマリ)

それぞれの柱の視点から見た、第2四半期までの事業進捗の概要を示しています。

1つ目の柱については、「カスタムAIソリューション事業」のAI-SD(AIソリューションデザイン)、およびAGT-X(エージェントトランスフォーメーション)、この2つをサービスラインナップとして展開を進めており、どちらも堅調に事業が進展したと評価しています。

並行して、こうした技術の軸をさらに強化するため、研究開発にも注力しています。第2四半期までを振り返ると、直近では精度が向上しているコーディングエージェントを中心に、さまざまなAIエージェントを活用しており、当社のプロジェクトおよびサービス提供においても積極的に活用しています。そのための技術研究開発を進めてきました。

2つ目の柱「成長を支える体制の整備」についてですが、採用に関してエンジニアの分野で計画どおりに進んでいない部分があるため、評価としては△(三角)としています。それ以外の分野は順調に進展しています。

3つ目の柱「M&Aおよび提携」「新領域」の2つに関して、M&Aについては、活動量をこれまでより1段階増やすかたちで模索を進めています。

また、新領域としては、「未来リサーチ」という新しいサービスの立ち上げを進めており、現在、順調にさまざまな検証が進んでいます。

それぞれ体制の整備および新領域については、後ほど触れます。

採用/育成の進捗状況

採用と育成の部分です。エンジニアの採用人数については、単四半期で6名増加しました。ただし、非常に高い採用目標を掲げていたことを踏まえると、やや遅れが生じています。

この点については、さまざまな施策を講じ、来期に向けて採用をさらに加速させる取り組みを進めています。引き続き注力し、チャレンジ領域として位置付けています。

それ以外の部分は順調に進展しており、特にソリューションデザイナやエージェントトランスフォーメーションプロデューサーに関しては、2025年9月期に少し苦戦があったものの、さまざまな対策を講じたことで成果が出てきており、第2四半期までは非常に良好に進展しています。

「未来リサーチ」共同検証の取組みと今後の展開

新しいプロダクトのようなかたちで、「未来リサーチ」という新しいサービスを進めています。こちらは端的に言いますと、多くの企業が新製品や商品を開発する際、市場で消費者に直接アンケート調査を行う代わりに、AIを活用して消費者アンケートをシミュレーションする試みです。

このサービスの開発は技術的に大きく進展しており、過去に各企業が実施した市場調査の結果と、当社の「未来リサーチ」でシミュレーションした結果を付け合わせて比較検証したところ、実際の調査と非常に近く高い精度で結果を出すことが可能であることが確認されています。

このような結果を踏まえ、現在トライアル販売として、有償でこのサービスを利用していただいている企業が複数出てきています。今後さらに進展させていきたいと考えています。

主要な事業の進捗(1/4):主要取引先様

その他の主要な事業の進捗です。まず、主要な取引先企業さまについてですが、全体の顔ぶれに大きな変化はありません。ただし、前期でも8社増えるなど、取引先企業さまの基盤が順次拡大している状況です。

主要な事業の進捗(2/4):主要プレスリリース

また、引き続き対外的にさまざまな取り組みを行うとともに、関係者との連携を強化しています。その一環として、確率モデリングや生成モデルの分野で非常に著名かつ技術的成果を持つ専門家である須山敦志氏を、新たに当社の技術顧問として迎えることになりました。

須山氏には、さっそく研究開発の領域で当社のエンジニアチームと連携して、新しい領域の探索を進めていただいています。今後も専門家やアカデミアとの連携をさらに強化し、この領域の発展について適時みなさまに共有していきたいと考えています。

主要な事業の進捗(3/4):主要な出展・講演・掲載

引き続き、さまざまな勉強会やセミナーへの登壇、出展を進めています。これにより、対外的な認知の向上やAIに関する展望の発信に力を入れています。

主要な事業の進捗(4/4):その他 主要なアクティビティ

そのほかにも、メディアへの露出を引き続き進めています。

システム開発事業:事業進捗

システム開発事業のセグメントです。システム開発事業の財務上の進捗については冒頭でも触れましたが、売上高は4,700万円、営業利益は200万円となっています。第1四半期の時点ではセグメント全体で赤字でしたが、第2四半期に累計で黒字に転換しています。

定性的な事業進捗については、既存の顧客企業との取り組みは順調に進み、3月には複数の案件が完了し、売上が順調に進捗しました。

新規案件については、さらに範囲を広げるチャレンジがこれまで続いており、Laboro.AIとの連携を進める中で、営業活動においても協調し、協働を加速する動きが見え始めている状況です。

組織の進捗については、採用や育成、エンゲージメントのすべてにおいてLaboro.AIとの連携を深めながら進めています。以上が第2四半期までの進展です。

2026年9月期通期の売上高及び営業利益の予想

通期の業績予想と、冒頭で少し触れた中期的な考えについてお話しします。まず、2026年9月期の通期業績予想については、期初に発表した予想を据え置きとしており、売上高は24億8,600万円を見込んでいます。前期比では31パーセントの売上成長を予想しています。

粗利率は65パーセント、売上総利益は16億円、営業利益は2億9,400万円で、営業利益率は12パーセントとしています。

中間地点を終えた時点で計画を少し上回る推移を見せており、良好な状況です。中期的により高い成長率を目指し、さらに大きなチャレンジを行っていくことを視野に入れ、通期で余剰利益等が発生した場合には、成長投資に充てていきたいと考えています。このような方針を踏まえた業績予想となっています。

中期方針 2026-2030

ここからは、中期方針についてご説明します。中期事業計画については、第4四半期中を目途にあらためて開示し、みなさまにお伝えする予定です。本日はその前段階として、大きな方針をご説明します。

まず、このタイミングで中期方針を打ち出す背景ですが、当社は2026年3月末で創業10年を迎えます。この10年間でマーケット環境や事業環境は大きく変化しました。特に、当社が上場した3年前と比較しても、非常に大きな変化があったと認識しています。

そのような中で、ここから先を「第2の創業」と位置付け、中期的な視点を持ちながら、これまでの延長線上にとどまらない新たなチャレンジと成長を実現したいと考えています。そのために、来期以降の中期計画を策定し、みなさまとの共有を通じて、さらなる成長を目指していきたいと思います。

中期方針として、大きく3つのテーマを掲げています。1つ目は、経営体制の変革です。これまで以上にダイナミックかつスピード感のある経営を実現するため、CXO体制を拡充し、経営チームをアップデートします。また、成果に連動して各メンバーへ還元すべく、より弾力的な報酬体系の強化も進めていく方針です。

2つ目は、カスタムAIソリューション事業の変革です。既存の主力事業を飛躍的に進化させ、さらなる成長を目指します。

3つ目は、新領域の創出です。特にM&Aについては、直近でも活動量を増やして推進していますが、今後さらにもう1段踏み込み、インオーガニックな手法を成長の重要なドライバーとして位置付けます。その実現を目指し、体制整備も進めていく方針です。

1 経営体制の変革

まず、経営体制の変革についてです。当社は6月1日付でCXO体制を拡充します。CEOがCXOチームをリードし意思決定を一元化しつつ、各専門領域では各CXOが重要な意思決定に関与する体制を構築します。このように経営チームの機動性を高めつつ、権限を共有し、チームで経営を推進する体制にアップデートしていきます。

背景として、当社はこれまで、代表2名に権限がかなり集中していました。しかし現在では、経営チームが非常に高度な意思決定が可能なレベルにまで成熟したと認識しています。このような状況を踏まえ、新体制に移行する方針です。

また、新体制を担うメンバーに対しては、企業価値の向上と連動した弾力的なインセンティブ制度の導入も同時に推進していきます。

2 既存事業(カスタムAI)の変革 (1/3)

カスタムAIソリューション事業の変革についてです。

先ほども少し触れましたが、あらためてシンプルに事業構造を分解すると、プロジェクトに関わるエンジニア、ソリューションデザイナ、エージェントトランスフォーメーションプロデューサーといったフロントメンバーの1人当たりの生産性、言い換えれば1人当たりが生み出す売上の規模と、それを実行できるフロントメンバーの人数の掛け合わせが、カスタムAIソリューション事業の売上構造となっています。

その中で、まず1つ目として、1人当たりの生産性を大きく向上させることを目指します。現在AIエージェントを中心に、AIの能力が非常に高度化していることを背景に、生産性を倍増できる可能性が見えており、中期的にはこれを実現していきたいと考えています。

スライド左側に示しているのは、あるパイロットプロジェクトでの実際の生産性向上の検証結果です。このプロジェクトは、大手製造業向けに最適化技術を用いた、まさに当社が得意とする、独自性を持っている領域の取り組みです。

従来、3人月程度でプロジェクト単価が約2,000万円、1人当たりの売上が約600万円から700万円というのが、当社の標準的なプロジェクトの一例でした。このプロジェクトでは、従来なら3人月程度かかるところを、コーディングエージェントなどをフル活用することで、1人月程度、約3分の1の工数で同様の成果を実現しました。

工数が下がるとプロジェクト単価も下がるのではないかという指摘がありますが、当社では「カスタムAI」として、製造業における最適化など、代替が難しい領域のソリューション作成に注力しています。そのため、工数ではなく提供価値をしっかりと評価していただくことで、プロジェクト単価の維持を実現した事例です。そうすると、単純計算では1人当たりの売上高が約3倍になります。

ただし、すべてのプロジェクトでただちに1人当たりの売上高を3倍にできるとは考えていません。当社がこれまで注力してきた、他社では対応が難しい、高付加価値を前提としたテーマにおいては、工数を削減しても価値ベースで対価を支払っていただける事例を増やしていきたいと考えています。

中期的には、このような実践をプロジェクト全体に波及させることを目指します。これにより、1人当たり売上高の大幅な向上が可能であると考えています。このような1人当たりの生産性変革を掲げて、徹底的にこれに取り組んでいきます。

2 既存事業(カスタムAI)の変革 (2/3)

このような取り組みが可能な人材の採用と定着、それによるチームの拡大については、当社は従来から、人材を事業成長の中心と位置付けて採用や育成を重視してきましたが、今後も引き続き強化していきます。

これまでは採用面で苦戦した時期もありましたが、採用や育成の取り組みは進化を遂げています。足元の進捗状況としては、フロント人員数が前下半期から今上半期までの半年間で約40パーセント増加しました。また、離退職率の低下も進んでいます。こうした地道な取り組みを継続することで引き続き優秀な人材をさらに引き付け、組織拡大につなげていきたいと考えています。

人材の採用を通じて組織規模を拡大し、かつ1人当たりの生産性も向上させることで、中期的に大きな成長を実現できると考えています。

2 既存事業(カスタムAI)の変革 (3/3)

加えて、この技術基盤に対する課金モデルを構想として進めています。従来、当社はプロジェクトベースで取り組みを進めており、プロジェクト終了とともに収益も終了する構造となっていました。

最近では、顧客企業からのニーズとして、カスタムAIのプロジェクトを限定的な領域、例えば1部門や1工場に導入した後、そこで開発したカスタムAIソリューションを、速いスピードで全社へ展開させたいという要望が非常に増えています。

一方で、例えば1つの工場から10工場にソリューションを展開する際に、10工場すべてでプロジェクトチームが張り付きながら進める方法は、スピード面でもコスト面でも最適とは言えないということがよく聞かれます。

これに対し当社では、技術基盤を活用し、初期段階のプロジェクトでは当社のプロフェッショナルチームと技術基盤を組み合わせてカスタムAIソリューションの開発を行い、その後は、プロジェクトチームが常時張り付かなくても、顧客企業自らが技術基盤を活用しながら全社展開を進められる仕組みの構築を目指しています。

当社のビジネスモデルでは、従来獲得が難しかった領域についても、新たに技術基盤への課金というかたちでクロスセル収益を得る可能性があります。これが先ほどご説明した「人員数×生産性向上」に加わる新たな成長ドライバーとなると考えています。

こうした取り組みを組み合わせることで、カスタムAIソリューション事業を中期的にさらに大きく飛躍させていきたいと考えています。

(参考) 技術基盤のコンセプトと足元の進捗

技術基盤のコンセプトについてご説明します。カスタムAIの開発をクライアント企業内で一定程度内製化しながら展開できる基盤を目指して、設計を進めています。

実際に、この技術基盤を活用しながらプロジェクトを進める事例が、現在パイロットプロジェクトとして見えてきています。今後は、こうしたプロジェクトを下半期から来期に向けて拡大していきたいと考えています。

この部分のさらに具体的な内容や進捗については、今後中期計画をご説明する際にあらためて共有します。

3 新領域創出の体制整備

最後に、3つ目の新領域の創出については、M&Aの強化です。何度か触れてきたとおり、2026年1月の第2四半期に入る時期から、M&Aの推進を担うメンバーを社内でアサインし、活動量を増やしてきました。その結果、短期間ではありますが、活動量やソーシングの進捗において目に見える成果が出始めています。

このような成果を踏まえ、さらにM&Aを当社の成長戦略における重要な柱とするため、スライド左下に記載のとおり、戦略投資の専門組織を新たに立ち上げる方針です。これにより、投資対象候補となる領域の拡張を図っていきます。

具体的なM&Aの戦略やターゲットや考え方については、今後中期計画の中であらためてご説明したいと考えています。まずは新しい体制を強化し、M&A領域も積極的に推進していく方針を、この場で共有できればと考えています。

以上をもちまして、2026年9月期第2四半期の決算説明を終了します。どうもありがとうございました。

質疑応答:製造業向け生産計画とプロセスの最適化AIソリューションについて

司会者:「生産性が3倍になったプロジェクトがあるとのことですが、どのようなプロジェクトで、どのように生産性を上げたのか、もう少し具体的に教えてください」というご質問です。

椎橋:ご説明の中でも少し触れましたが、大手製造業向けのAIソリューション開発プロジェクトです。このプロジェクトでは、製造のプロセスや生産計画の最適化を目指し、最適な生産計画を自動的に算出するAIや、最適な製造プロセスを自律的に導き出すAIソリューションを開発しています。

この生産計画や製造プロセスの最適化は、当社として重点的に取り組んでいるソリューションテーマであり、複数の案件が並行して進行しています。従来、この領域は非常に難易度が高く、高度なエンジニアリングを伴うプロジェクトであったため、経験豊富なエンジニアチームが多くの工数を費やしながら進める必要がありました。

それに対して今回のパイロットプロジェクトでは、経験豊富なシニアエンジニアが一定のリソースを活用し全体の指揮を執りつつ、実装や細かな開発部分についてはAIエージェントを活用するかたちとしました。その結果、非常に高難易度の開発でありながら、従来比約3分の1のエンジニアリソースで開発を進めることができました。

AIエージェントがどれだけ進化しても、製造業向けの最適なソリューションを開発するには、ノウハウや知見がなければ実現は難しい領域です。このような状況下で、顧客企業から高い評価をいただいており、価格水準も維持できています。

質疑応答:当社の技術基盤とカスタムAI戦略について

司会者:「国内の他のAIerも、同じようなプラットフォームの開発を公表している企業がありますが、御社の技術基盤との違いや優位性はどのような点にあるのでしょうか? 教えてください」というご質問です。

椎橋:国内外を含めてプラットフォームというかたちで技術基盤の展開を進めているプレイヤーは多いと認識しています。その中で、多くのプレイヤーがバックオフィスやコーポレート機能の業務効率化、あるいは業務代替を目的としたプラットフォームを展開していると考えています。

一方、当社は技術基盤の課金という意味においても、「カスタムAI」と「バリューアップ」を軸にしています。例えば製造業であればもの作りの根幹部分、小売業や消費財業界であれば顧客との関係性など、事業の売上を生み出すコア領域に対してAIを導入することを前提とした技術基盤になっています。

加えてもう1点、プロジェクトの中でまずは当社のプロジェクトチームと技術基盤を組み合わせ、顧客企業側でカスタムAIを内製化し、全社展開して使っていただくことを想定しています。プラットフォームと言った場合、はじめから顧客企業に対してプラットフォームを提供して使ってもらうケースが多数派であると考えています。

カスタムAIとバリューアップを実現するために、人材だけでなくAI技術を組み合わせ、いかにスケールさせていくかにフォーカスしている点が、当社の技術基盤の特徴といえます。

質疑応答:基盤モデル開発プレイヤーの動向と当社の競争力について

司会者:「OpenAIなど、従来は基盤を提供してきたプレイヤーが、コンサルティングや業務変革領域に徐々に進出している事例が見られますが、これらのプレイヤーと御社との違いについて教えてください」というご質問です。

椎橋:OpenAI社やAnthropic社など、基盤モデルを開発しているプレイヤーが、最近では顧客企業の中に深く入り込み、インテグレーション支援を行うエンジニアチームや、コンサルティングファームに近い領域の構築などを手掛けていると認識しています。

基盤モデル単体では大きな価値創出が難しく、プロフェッショナルが伴走することで大きな価値が生まれるという当社が大事にしてきた考え方が、世の中でも認識され始めている流れだと考えており、非常にポジティブに見ています。

その上で、OpenAI社やAnthropic社のような大手プレイヤーがこの領域に参入してくる点は当社としても慎重に見る必要があると考えています。ただし、基盤モデルを開発する能力と、実際に顧客企業に深く入り込み、事業やビジネスを変革していく能力は、かなり異なるものだと考えています。

当社は創業以来10年間、一貫してこの領域にフォーカスし、特に日本の大手企業のパートナーとなることを試みてきました。この過程で培った能力やノウハウの優位性をもって、引き続き非常に高い競争力として維持できると考えています。また、今後もこの強みをさらに磨き続けることが重要だと考えています。

質疑応答:採用状況とエンジニアの生産性向上について

司会者:「エンジニア採用が期初計画に対してマイナス10名の着地となるように見えていますが、今後の売上拡大やプロジェクト執行においてボトルネックとなりえますか? ならないとすると、どのような対応を考えているか教えてください」というご質問です。

椎橋:まず、採用に関しては、中期的な成長に向けて、引き続き採用スピードを高めることが重要だと考えています。現状、計画よりも遅れている採用状況は課題として認識しており、その改善に向けて取り組みを進めています。

一方で、コーディングエージェントの活用などにより、優秀なエンジニア1人当たりの売上生産性が大きく向上する可能性について、先ほどお示ししました。そのため、エンジニアの採用ボリュームゾーンとして掲げていた比較的ジュニア層のエンジニアが、直近で採用遅れの原因となっている状況は、足元の業績にただちに大きな影響を与えるとは考えていません。

実際、上期累計でエンジニア採用がやや遅れているものの、売上・利益ともに計画を上回る進捗を達成しています。生産性向上の取り組みを組み合わせることで、短期的にはカバーが可能と考えています。

一方で、中期的にはチームの拡大自体も非常に重要であるため、採用強化については手を緩めずに継続して取り組んでいく方針です。

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