■要約
ジェーソンは、関東一円で、低価格の飲料、加工食品、日用品などを扱うバラエティストア「ジェーソン」をチェーン展開しており、2026年2月末時点のグループ拠点は直営店117店舗、子会社が運営する「サンモール」6店舗を有する。「人々の生活を支えるインフラ(社会基盤)となる。ビジネスをサイエンスし、未来へ進化し続けるロープライスストアを目指します。」というビジョンの下、「ムリ・ムラ・ムダ」を省いた徹底したローコスト経営に強みがある。商品の展開においては、独自ルートで仕入れた低価格なJV(ジェーソン・バリュー)商品※に加え、自社工場で製造する「尚仁沢(しょうじんざわ)の天然水」や、好調な「はじける強炭酸水(天然水の炭酸水)」などのPB(プライベートブランド)商品のラインナップ拡充を進めている。
※ JV商品とは、同社の独自の仕入れルートにより他社よりも低価格を実現した商品。
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.1%増の28,604百万円、営業利益が同62.7%減の200百万円となった。(株)サンモールの連結子会社化による売上高増加、PB商品の好調な販売などが増収に寄与した。一方、インフレによる仕入価格上昇の継続が仕入れ数量の減少につながり、売上高の伸びを抑えた。減益の要因は、将来投資に伴う減価償却費や販管費が増加したことによる。将来の生産能力拡大に向けて、(株)尚仁沢ビバレッジの新倉庫稼働、各店舗への配送を担う車両購入などの投資を積極的に進めた。特別損失により、親会社株主に帰属する当期純利益は上場来初の損失を計上した。
2. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の29,000百万円、営業利益が同4.5%増の210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は150百万円(前期は201百万円の損失)の増収増益を見込んでいる。仕入れ体制の立て直しやPB商品の拡大、サンモールの収益改善により黒字回復と増収増益基調への回帰を計画している。仕入れ強化については、新規仕入先の開拓等、積極的に進める。サンモールについては、引き続き管理体制の整備を進めるとともに、同社との共同店舗(ハイブリッド)化の加速や商品の相互補完を強化し、グループ間のシナジー効果を最大限に発揮させる方針である。
3. 中長期の取り組み
同社は中長期成長に向けて、社内IT・デジタルテクノロジーの高度化を主軸に、徹底したローコスト経営と各種経営戦略を展開し、企業価値向上を目指している。2027年2月期の重点施策として、1) 店舗戦略の推進と収益構造の強化、2) 商品力と商品供給力の強化、3) DXと人的リソースによる経営基盤の整備の3点を掲げている。
■Key Points
・2026年2月期は微増収も、将来投資に伴う減価償却費や販売費の増加により大幅な営業減益
・2027年2月期はインフレ逆風下でも仕入れ強化で、増収増益の見通し。M&A効果も寄与
・PB商品の増産体制と物流体制を強化し、中長期の成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)