■CSSホールディングスの業績動向
(3) 空間プロデュース事業
売上高は2,919百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は247百万円(同19.7%増)、営業利益率は8.5%(同1.7ポイント上昇)となった。一部の輸入ブランドの取り扱い変更に伴う既存顧客の剥落に伴い減収となったが、金融機関向けの案件が寄与して大幅増益となった。同事業は施工型ビジネスであるという特性上、期初における業績の正確な予想は困難である。
子会社の東洋メディアリンクスは、引き続き大手金融機関向けのITV(監視カメラ/Industrial TV)及び周辺装置・業務放送設備・モニター等の新規・更新需要が堅調で、売上・利益は期初予想を上回った。また、子会社のMood Media Japanは、グローバルのMood Mediaを統括するMood Mediaヘッドクオーターと連携し、新規開拓や顧客紹介案件を取り込みながら下期に向けて受注案件を順調に積み上げている。さらに、ブランド品を輸入する子会社の音響特機は、一部の輸入ブランドの取り扱い変更に伴う既存顧客の剥落に伴い減収減益となったが、新たな輸入ブランド商品をラインナップに加え、設計・施工を行う東洋メディアリンクスとの連携強化により利益率の高い輸入ブランド商品の拡販に注力中である。
空間プロデュース事業における2026年9月期中間期の取り組み例としては、音響特機は、関西圏における自社取り扱い製品の認知向上と普及を目的とし、大阪にて「音特博覧会」を開催した。サウンドマスキングやボイストラッキングに対する関心の高まりを背景に、多くの顧客が関心を寄せた。当日はデモ依頼を受ける等、直接製品の魅力を広く伝える貴重な場となった。
また、昨秋開業し今春グランドオープンを迎えたニュウマン高輪の高層階に位置する空中庭園「LUFTBAUM」において、Mood Media JapanがBGMプロデュースを手掛けた。豊かな植栽と絶景が融合するこの場所にふさわしい音をデザインし、都会の喧騒を忘れさせる心地よいひとときを演出している。
自己資本比率は49.8%の高水準で、高い財務の健全性を維持
3. 財務状況と経営指標
2026年9月期中間期末の財務状況は、資産合計は前期末比418百万円増加の6,736百万円となった。流動資産は458百万円の増加となった。主な要因は、現金及び預金64百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産222百万円の増加、商品及び製品137百万円の増加によるものである。固定資産については39百万円の減少となった。主な要因は、投資有価証券66百万円の増加、繰延税金資産71百万円の減少によるものである。
負債合計は前期末比152百万円増加し、3,380百万円となった。流動負債は167百万円の増加であった。主な要因は、支払手形及び買掛金277百万円の増加、短期借入金80百万円の増加、未払消費税等90百万円の減少、その他流動負債70百万円の減少によるものである。固定負債については14百万円の減少となった。主な要因は、リース債務4百万円の減少、退職給付に係る負債11百万円の減少によるものである。純資産合計は同265百万円増加し、3,355百万円となった。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益386百万円の計上による利益剰余金の増加、剰余金の配当151百万円による利益剰余金の減少によるものである。
結果として、借入金及びリース債務の合計は前期末比76百万円増加の390百万円となった。長期借入金はなく、同社は子会社を含め、短期借入金で事業運営を行っている。
安全性の指標では、自己資本比率は49.8%の高水準を維持している。これは、2025年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均34.1%、サービス業平均5.8%を大きく上回る水準である。D/Eレシオも0.11倍と、有利子負債は自己資本を大きく下回っており、極めて高い財務の健全性を示している。
収益性の指標では、2025年9月期のROAは12.1%、ROEは20.4%であった。2025年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する全産業平均の4.6%及び9.4%や、サービス業平均の0.8%と8.6%を上回り、収益性も極めて高いと評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)