本日のご説明内容
多木勝彦氏:みなさま、こんにちは。本日は、多木化学株式会社の個人投資家さま向け会社説明会をご視聴いただき、ありがとうございます。
本日のご説明を担当する、代表取締役社長の多木勝彦です。短い時間ですが、みなさまに当社を知っていただく機会になればと考えています。よろしくお願いします。
本日は、当社の安定した事業基盤となっている製品・サービスをはじめ、「長期ビジョン・中期経営計画」や直近の決算と本年度の進捗状況、サステナビリティへの取り組みなど、5つの項目に分けてご説明します。
1. 会社概要
まずは、「会社概要」として、当社グループの事業内容や、製品・サービスついてご説明します。
当社は本社を置く兵庫県加古川市を中心とする地域とともに歩んできた企業です。1885年(明治18年)に創業し、昨年創業140年という大きな節目を迎えました。
グループ理念を「創業者精神に則り自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて豊かな社会の実現に貢献」とし、肥料や化学品など、社会にとって不可欠な分野において事業を展開してきました。
私自身は、2024年に社長に就任してから約2年が経過しました。この間、当社の事業や組織の現状を見つめながら、これからの多木化学のあるべき姿について思いを巡らせてきました。
これまで培ってきた技術や信頼といった基盤を大切にしながら、時代の変化に対応した新しい取り組みにも挑戦していく、その両立を図っていきたいと考えています。
1. 会社概要 ─ 創業から現在まで ─
多木化学の歴史は、日本で初めて人造肥料の開発に成功したことに始まります。以降、今日まで肥料等の製造・販売を通じて日本の農業発展に貢献してきました。
1960年には、世界で初めて水処理凝集剤、ポリ塩化アルミニウム「PAC」を開発し、化学品事業を開始しています。この薬剤は、スライド中央の写真左側のように濁った水に、数PPM添加するだけで、数分で濁り成分が沈殿して透き通った水になるものです。
1969年には本社PAC工場を完成させ、その後、千葉、九州とPAC工場を新設し、化学品事業を拡大してきました。上下水道、工場排水処理になくてはならない製品としてご利用いただいています。
1988年には、本社周辺の社有地の有効活用の一環として、ショッピングセンター「グリーンプラザべふ」を開業し、本格的に不動産事業を開始しました。
1991年には、今日のスマートフォンに欠かせない機能性材料分野の高純度酸化タンタル・酸化ニオブの工場設備を新設し、製造を開始しました。
ファイナンス面では、1949年、大阪証券取引所に株式を上場し、2013年には、東京証券取引所市場第一部に上場、2022年、東証の再編に伴いプライム市場へ移行し、現在に至っています。
創業140年の中で蓄積した化学技術とノウハウで、今後も当社らしい方法で企業価値向上、持続的な社会の形成に貢献していきます。
1. 会社概要 ─ 基本データ ─
当社の基本データです。生産拠点は、千葉、本社、九州の3工場、営業所を6拠点有し、地域、ユーザーに密着した事業を展開しています。
資本金は21億4,700万円、直近の連結総資産は656億5,300万円となっています。取引先は約6,000社、連結従業員数は640名と中堅の化学メーカーという位置づけになります。
1. 会社概要 ─ グループ概要 ─
当社のグループ概要です。多木化学単体としてはアグリ事業、化学品事業、不動産事業を3本の柱としており、子会社の建材事業、石油事業、運輸事業と合わせ、連結グループは合計6つのセグメントから構成されています。
1. 会社概要 ─ 事業紹介 ─
当社グループの昨年度のセグメント売上高構成比です。祖業のアグリ事業が約3割、化学品事業が約5割の売上高構成となっており、モノづくりを主体とする当社グループにおいて重要な基盤事業となっています。
残りが建材、石油、不動産、運輸となっています。
1. 会社概要 ─ 事業紹介 ─
昨年度の営業利益ですが、連結の売上高利益率は7.5パーセントとなっています。
セグメント別の利益額および売上高利益率はご覧のとおりですが、セグメントに配賦していない本社費等を除いた費用で計算していますので、高く見えています。
利益率ベースでは不動産事業が最も高く、次に売上規模の大きな化学品事業、続いて運輸事業、アグリ事業、建材事業、石油事業の順となっています。
1. 会社概要 ─ アグリ事業 ─
ここからは、当社の事業についてセグメント別にご説明していきます。
アグリ事業は、本社工場で一貫生産する肥料を中心に、土壌改良材等の製造・販売も行っています。
当社の強みとしては、専門の農事技師による栽培指導、土壌診断に基づく最適な施肥設計、用途別の豊富な品揃えと確かな品質、全国約800の特約店網を通じた販売体制などがあげられます。
農家への販売の直接の窓口となる特約店に対しては、農家のみなさまへの情報提供のため、定期的な技術研修会を行っています。
製品知識、施肥・栽培方法の提供を行うとともに、当社営業担当者や農事技師との同行販売などを積極的に行い、現場密着の販売活動を進めています。
1. 会社概要 ─ アグリ事業 ─
また、当社が開設しているYouTubeチャンネル「肥料の寺子屋」では、施肥や栽培技術などの情報を随時発信しています。
現時点で取引先や農家さんをはじめとして2,800名以上の方にチャンネル登録をしていただいています。当社製品や育成方法など、さらなる情報発信を行っていきます。
また、新たにコミュニケーションアプリの「LINE」公式アカウントを開設し農業に関する話題や技術情報、製品情報の配信を行っています。
1. 会社概要 ─ 化学品事業(水処理薬剤) ─
化学品事業です。化学品事業は大きく水処理薬剤と機能性材料に分かれています。
水処理薬剤は、上下水道、工場排水処理などに利用される「水処理薬剤の製造・販売および関連資材の販売」を行っています。当社が世界に先駆けて開発した水処理用凝集剤ポリ塩化アルミニウム(PAC)は、全国の浄水場等で広く使用されており、水道水の安定供給、水環境の維持・改善に貢献しています。
当社の強みは、本社の兵庫をはじめ、千葉、福岡に工場を有し、全国に供給する体制をとっているところです。近隣地域にはタンクローリー等で配送するとともに、工場から遠い地域にはストックポイントを設けて安定供給体制を確保し、国内トップシェアを維持しています。
また、処理する水の性質を調査し、最適な凝集剤やその投入量の情報を提供する現場密着の技術営業を展開しています。近年の河川や湖沼の水質悪化や水道水中の不純物イオンの減少などに着目して、当社が独自に開発した超高塩基度ポリ塩化アルミニウム「PAC700A」は、高性能で環境負荷も小さいサステナビリティ対応商品です。
その性能や経済性などが総合的に認められ、現在、全国の多くの地域の水道施設等で導入が進み、販売量が着実に増加しています。
1. 会社概要 ─ 化学品事業(機能性材料) ─
機能性材料です。素材メーカーである当社は、みなさまのお手元に直接お届けする製品は殆どありませんが、みなさまの身近なところにも当社の製品が使用されています。
例えば「自動車排ガス浄化触媒や、スマートフォン、製鉄、歯みがき、医療用材料、化粧品」など、幅広い分野で当社製品が活躍しています。
特に自動車の排ガス処理装置部分で使われる耐熱性のセラミック繊維の原料となる高塩基性塩化アルミニウムや、スマートフォンの電波の送受信デバイスに使われる高純度酸化タンタルは、高いシェアを有しています。
いずれも透明な液体や白い粉という外観的には特徴のない製品ですが、どの製品も、縁の下の力持ちとして身の回りの製品に組み込まれ、みなさまの生活の質の向上に貢献しています。
1. 会社概要 ─ 成長が期待される製品群 ─
化学品事業の中から、成長途上の製品群として「生分解性ポリマー」「酸化物ゾル」「3重らせんコラーゲン」をご紹介します。
生分解性ポリマーは、医薬品原料、医療用材料として、厳しい管理のもと最高品質のものを開発しています。分解速度や柔軟性などの物性を精密に制御する高度な技術力を生かして、お客さまの要望にお応えしています。
堅実に売上も伸びてきて当社の利益にも貢献し始めており、当社の新しい事業基盤として期待しているところです。
次に「酸化物ゾル」ですが、金属の酸化物をナノサイズに調整して液体に分散させたものです。ナノサイズにすることで多様な形のものに、光触媒や帯電防止、紫外線吸収、バインダー、触媒助剤などの金属の種類由来のさまざまな機能を付与することができます。
具体的には、リチウムイオン電池関連部材、排ガス浄化触媒の添加剤などニッチな領域に不可欠な製品として利用されています。
3重らせんコラーゲンは、魚のウロコから抽出した安全で機能的なコラーゲンです。医療、化粧品、繊維分野への展開を進めています。まだ、当社での寄与は小さいですが、新たな領域への挑戦であり、継続して取り組んでいきます。
また、マツタケの近縁種であるバカマツタケの人工栽培に成功しています。商業化に向けた課題解決に時間を要していますが、継続検討中です。
1. 会社概要 ─ 不動産事業 ─
不動産事業です。本社周辺の加古川市別府町にある社有地を活かした商業ビルや不動産の賃貸を行っています。
当社が開発した地域は、加古川市南東部エリアの商業の中心地となっています。そのコアとなるショッピングセンター「アリオ加古川」は、近隣のみなさまの生活に欠かせない存在となっています。
昨年にはショッピングセンター周辺にホテルを誘致するなど、自社開発エリアのコンパクトシティ化をめざした取り組みを推進しています。
1. 会社概要 ─ その他事業(連結子会社関係) ─
最後に子会社セグメントについて簡単にご説明します。
建材事業は、多木化学 本社工場から出る副生物などを有効活用して、石膏ボードの製造販売を行っています。
石油事業は主にサービスステーションでの石油製品の販売、車輌の点検整備などを行っています。
運輸事業は主に海上輸送、倉庫業等を行っており、当社の物流業務の一部を担うほか、独自に港湾荷役業、艀および内航海運を行っています。
いずれもグループ収益への影響は大きくありませんが、グループ企業の一員として親会社事業、地域経済などに貢献しています。
1. 会社概要 ─ その他事業(連結子会社関係) ─
昨年には、滋賀県に本社・工場を置く洛東化成工業株式会社を子会社化しています。洛東化成工業は、各種工業用酵素剤および繊維工業用薬剤の製造・販売を行っており、繊維用糊抜き剤ではトップメーカーです。
その他、微生物培養をコア技術に据えた自社微生物剤の製造販売や各種微生物の受託培養を行っています。
今回、当社グループの一員となったことで、主要セグメントであるアグリ事業におけるバイオスティミュラントや、化学品事業における環境に配慮した水処理薬剤の開発、さらには新たな研究開発において事業シナジーを発揮することを期待しています。
1. 会社概要
会社概要は以上ですが、当社ウェブサイトでは最新情報も含めわかりやすく紹介しています。
限られた時間の中で本日お話しできなかった事業の詳細や財務・非財務情報、サステナビリティへの取り組みなど、当社ウェブサイトをぜひご覧いただければ幸いです。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
続いて、「長期ビジョンおよび中期経営計画」についてです。
まず、「長期ビジョン2050」です。グループ理念である「創業者精神に則り自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて豊かな社会の実現に貢献」のもと、新たにグループミッション「伝統と革新〜100年先も選ばれる企業に」を設定しました。
長期的な視野に立って経営を考える上では、従業者とその家族を大切にする経営で、既存事業の深化と革新的な新規事業の開拓が可能になり、ひいては株主・投資家のみなさまをはじめとするステークホルダーの方々の期待に応える企業グループになると考えています。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
多木化学グループのありたい姿を「環境、社会、地域に配慮した持続可能な事業戦略の実践」とし、サステナビリティに重点をおいたビジョンとしています。
先行きが不透明なVUCA時代、あえて数値目標は設定せず、理想的なありたい姿のみを明確化することで、中期経営計画ごとに臨機応変に対応して、変わりゆく環境に適合していきます。
環境、社会、地域を戦略の軸として、アグリ、化学品、不動産の3本の柱をさらに深化させるとともに、独創的、革新的な新事業・新商品で、持続可能な企業経営をめざします。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
戦略イメージは、アグリ、化学品、不動産の各セグメントおよび、新事業・新商品についてありたい姿と実現したいことを明らかにし、みなさまにお知らせするとともに、役職員に周知・浸透させることで達成に向けた意思を明確にしました。
アグリ事業では、農家の高齢化と後継者不足の深刻化、気候変動による生産リスクの増加などの事業環境の中、「Try Agriculture」というスローガンのもと、新たな農業関連事業への挑戦を掲げています。
昨年は、肥料の新生産方式を検討するとともに、農作物生産事業への進出に向けて試験的に水稲栽培を行いました。継続して拡大生産を検討していきます。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
化学品の水処理事業では、「PAC700A」を「環境配慮型製品」と位置づけ、水処理用PACの販売数量に占める割合を2030年に50パーセント以上にすることをめざします。
昨年は、「PAC700A」の需要増加を受け、増強計画を策定しました。九州工場の生産能力を2倍にし、2027年3月に稼働予定です。本社工場についても、増強計画を検討しています。
また、海外展開では進出国をマレーシアに決定し、現地駐在を予定しています。現地調査を行い、現地法人化をめざします。
機能性材料については、これまでもニッチな製品が多く、ニーズをもつユーザーさまとの個別開発になることが多くなりますが、新銘柄の開発と新たな用途探索に取り組んでいます。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
不動産事業では、自社開発エリアの再開発によるコンパクトシティ化実現に向けて取り組んでいます。
推進チームとコンサルティング会社による「べふミライ会議」を発足し、まちづくりブランディング案を策定しました。計画に沿って、行政や地元企業への働きかけにより計画を推進しています。
また、ショッピングセンター周辺開発の一環として、ビジネスホテル「たびのホテル」を誘致して昨年9月に開業しています。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
新事業・新商品では、当社の多彩な研究開発力を拡大・融合し、革新的な商品の開発を進めます。
昨年のトピックスとして、大阪・関西万博では、クオリプス株式会社と共同開発した「自立拍動するiPS心筋ミニ心臓およびiPS心筋シートを展示」し、多くの来場者の方に新しい技術の可能性を見ていただけました。
また、研究体制としては、次世代に発展する成長事業の創造を担う研究グループと既存事業の生産性向上を担う技術部という役割分担を明確にした体制にしました。これにより、成長事業の創出を加速させます。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
次に、「中期経営計画2028」です。2023年を初年度とする5ヶ年の「中期経営計画2028」を推進しています。
達成目標および推進項目は「長期ビジョン2050」からバックキャストし、非財務目標については「サステナビリティビジョン2030」に基づき、気候変動への対応や人的資本への投資などを推進するものとしています。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
設定した基本方針は4つあります。
1つ目の「成長事業への積極的投資と新事業の創出」については、ライフサイエンス、機能性材料などのファインケミカル分野の推進項目を設定するとともに、M&Aや海外進出についても、これまで以上に積極的に取り組んでいきます。
2つ目の「既存事業の深化による収益力向上」については、主力のアグリ、水処理、不動産の基盤事業に対する各種改善を精力的に進めていきます。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
3つ目の「サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践」については、従業員が心身ともに健康で安心して働き続けられるよう、そして従業員一人ひとりがより付加価値の高い業務に注力できるよう環境整備を進め、人的資本経営とDXの両輪に、重点的に取り組んでいきます。
最後の「GRCの推進」については、事業を続けていく上での大前提です。教育や啓蒙にも注力し、コーポレートガバナンスのしっかりした基盤のもと、持続的な成長につなげていきます。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
中期経営計画の初年度および2年目の業績は、肥料および水処理薬剤の販売数量の増加、原料価格の上昇に伴う販売価格の値上がりが進んだことに加え、各セグメントの事業が堅調に推移したことから、当初想定を上回る結果になりました。
2025年の好業績の主な要因ですが、アグリ事業の肥料販売数量が増加したことや、販売価格が原料価格の上昇により値上がりし、売上高は118億6,300万円と前期に比べ10.1パーセントの大幅な増加となりました。
加えて生産方式の合理化などにより、営業利益は4億8,500万円と前期に比べ110.9パーセントの大幅な増加となりました。
化学品事業の水処理薬剤は、超高塩基度ポリ塩化アルミニウム(PAC700A)の販売数量が増加したことに加え、原料価格の上昇に伴う販売価格の是正に努めたことにより、売上高は134億1,700万円と前期に比べ11.8パーセントの大幅な増加となりました。
機能性材料は、スマートフォン向け高純度酸化タンタルの販売数量が競争の激化により減少したものの、自動車関連セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウム等の販売数量が好調に推移し、売上高は66億1,900万円と前期に比べ7.3パーセントの増加となりました。
その他化学品の売上高は1億7,500万円と前期に比べ11.4パーセントの増加となりました。
それらの結果、化学品事業の売上高は202億1,200万円と前期に比べ10.3パーセントの大幅な増加となり、営業利益は23億1,200万円と前期に比べ10.8パーセントの大幅な増加となりました。
2. 長期ビジョンおよび中期経営計画
初年度および2年目の好調な業績を受けて、最終年度の売上高および営業利益の目標値をそれぞれ420億円から440億円、30億円から35億円へと上方修正しています。
ROE(自己資本利益率)についても、利益水準の向上に加え、機動的な株主還元による資本効率の最適化を推進することで、「7.0パーセント以上」としています。
積極的な成長投資による「稼ぐ力の強化」と、適切な資本政策による「効率性の追求」を両立させる方針のもと、当初計画を上回る「7.0パーセント以上」を新たなボトムラインとして設定し、持続的な企業価値向上に邁進していきます。
3. 業績・財務状況
続いて、「業績・財務状況」です。
2025年12月期の売上高は、419億7,700万円、前期比30億6,100万円の増収となっています。
同様に営業利益は31億6,300万円で前期比4億9,500万円の増益、経常利益は37億8,000万円で前期比6億1,900万円の増益、当期純利益は32億7,700万円で前期比9億7,800万円の増益と過去最高益になっています。
3. 業績・財務状況
過去5年間の連結業績推移をグラフに示します。アグリ、化学品、不動産という業容から安定的に収益を確保しています。
2025年は、アグリ事業における販売数量の増加と生産方式の合理化や、化学品事業において原料価格の上昇に伴う販売価格の是正に努めたことにより、大幅な増益となっています。
2026年は、肥料および水処理薬剤などの販売価格の値上がりを見越し、売上高は増加となるものの、不透明な原料情勢を背景に営業利益、経常利益、当期純利益は減少となることを予想しています。
3. 業績・財務状況
主要経営指標です。今期の業績好調により、ROEは8.1パーセントと近年の中でも高くなっています。さらなる改善に向けて、付加価値の高い化学品セグメントの拡大、低収益製品、事業の見直しを進めていきます。
また、自己資本比率も高く、有利子負債も極めて小さいことから、強固な財務基盤となっています。
今後、これらの資本を、アグリ、化学品事業の成長投資、M&A等による事業拡大等に投資し、収益につなげていきます。
4. 株主還元・株価推移
続いて、「株主還元・株価推移」です。
グラフに期末配当金と配当性向の推移を示しています。当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的かつ継続的な還元を基本方針としています。
配当については、連結配当性向30パーセント以上を目安としつつ、累進的な配当を意識した安定的かつ継続的な配当を実施しており、近年は業績向上を背景に増配を継続しています。
2026年12月期は1株当たり80円の配当を予想しています。
また、昨年には、資本効率の向上およびROE・総還元性向の改善を図るために、自己株式を取得しています。
引き続き、企業価値向上に取り組んでいきます。
4. 株主還元・株価推移
株主優待制度です。毎年12月31日現在の株主名簿に記載または記録された1単元以上の株式を保有されている株主さまを対象としており、毎年3月下旬に、決議通知等とともに、保有株式数に応じた「QUOカード」を贈呈しています。
100株以上400株未満で「QUOカード」1,000円分、400株以上で「QUOカード」3,000円分となっています。
本年度のカードに使われている写真は、本社建屋になっています。
4. 株主還元・株価推移
近年の当社株価の推移です。2018年にバカマツタケの完全人工栽培成功のニュースにより株価が上昇し、その後は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ侵攻による原燃料市況などの影響も含めて株価は下降傾向にあります。2024年からの中長期経営計画のスタートを契機に、業績向上、株価回復に努めていきます。
PBRは、現在1.0を下回る水準で推移しています。高付加価値製品のウエイトを増加させるとともに、成長投資を遅延なく進め収益化していくことが重要であると考えています。
昨年度は、業績の上方修正に伴って、増配、自己株買いを行っていますが、将来の成長、企業価値向上の道のりについて、適時適切に情報開示し、市場のみなさまに期待していただけるよう努めていきます。
引き続きPBR1倍超をめざして、多面的に取り組んでいきます。
5. サステナビリティへの取り組み
次に、サステナビリティへの取り組みです。
当社グループは「持続可能な地球環境への貢献」「製品・サービスを通じた環境と社会への貢献」「人的資本経営の推進」「ステークホルダーエンゲージメントの向上とGRCの推進」を4つのマテリアリティとして、11の重要課題を掲げてサステナビリティに取り組んでいます。それぞれの課題はSDGsにも関連したものです。
詳細な説明は割愛しますが、社会の要請、自社の強みなども考慮し、当社グループが持続的にステークホルダーのみなさまに必要とされるために、社会と当社の共通価値を見出せる取り組みを推進していきます。
5. サステナビリティへの取り組み
当社の技術や事業を支えているのは、日々現場で業務に取り組んでいる従業者一人ひとりの存在です。
化学の技術も、それを担う人材によって磨かれ、発展していくもので、研究開発、製造、営業など、それぞれの分野において従業者が努力を重ねてきたことが、現在の当社の事業基盤を支えています。
そのため当社では、人材を最も重要な経営資源として位置づけ、人材育成に取り組んでいます。
安心して働き続けられる環境を整備し、人事制度や福利厚生の充実を通じて、一人ひとりにとって魅力ある企業であり続けられるよう、各種施策を推進しています。
これらの施策を通じて、「人が育ち、会社が伸びる」好循環を確立し、人的資本を軸とした持続的な企業価値向上を実現していきます。
おわりに
最後になりますが、企業に必要とされていることは、地域社会や経済環境の改善による社会価値と、自社の競争力向上による経済的価値を両立すること、すなわち共通価値の創造であると言われています。
当社グループはすでに140年の歴史がありますが、それにあぐらをかくことなく社会変化の大きな今の時代を乗り越え、さらに100年先もみなさまに選んでいただける、良い会社であり続けられるよう役職員一同、努力していきます。
今後とも、ご支援いただきたく、よろしくお願いします。
以上で、多木化学株式会社の個人投資家さま向け会社説明会を終了します。最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました。