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ダスキン、通期も増収増益 フードグループの増益効果が寄与し各段階利益で予想比を上振れて着地

連結業績ハイライト(前期比・予想比)

大久保裕行氏(以下、大久保):みなさま、こんにちは。代表取締役社長執行役員の大久保です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、2026年3月期の決算概要と、2027年3月期の業績予想、そして2025年4月よりスタートした「中期経営方針2028」についてご説明します。

2026年3月期の連結業績についてです。まず前期比の状況です。売上高は訪販グループ、フードグループ、その他のすべてのセグメントで増収となり、連結全体でも増収となりました。

営業利益については、訪販グループが原価率の上昇などにより減益となったものの、引き続き好調に推移しているフードグループが増益となったため、全体として増益となりました。経常利益は、持分法による投資利益の増加により営業外収益が増えた結果、前期を上回る水準に達しました。

一方、親会社株主に帰属する当期純利益については、当期も政策保有株式の縮減を継続してきましたが、前年に計上した有価証券売却益が大きかった反動で当期の売却益は減少しました。また、当期は固定資産において減損損失を計上した影響も受けました。

これらの減益要因はあったものの、本業および営業外収益の増加により、最終的には親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。

予想比では、売上高はわずかに下回りましたが、利益面ではフードグループの増益効果が大きく、各段階利益で予想を上回る結果となっています。

前期比増減

スライドには、連結営業利益の前期比増減について、要素別に各セグメントが連結営業利益に与えた影響額を示しています。まず、全セグメントが増収となったことによる売上影響は約22億円であり、そのうち訪販グループが12億円と大きく寄与しました。

原価率影響としては、フードグループにおいて価格改定等により原価率が改善した一方、訪販グループでは先行的な原価計上の影響等により、全体では4億円のマイナス要因となっています。後ほど、この先行的な原価計上の内容についてご説明します。

経費影響については4億円の増加となりました。これらの結果、連結営業利益は前期比で14億7,900万円増加しています。

予想比乖離

予想比乖離についてご説明します。スライドは2025年11月7日に開示した修正後の業績予想との比較です。まず、売上影響については、訪販グループおよびその他が予想をわずかに下回って推移したことから、予想比ではマイナスとなりました。

また原価影響も、訪販グループにおいて想定を下回る結果となり、予想比でマイナスとなっています。

一方、経費影響では各セグメントにおいて使用額が予想を下回り、予想比ではプラスとなっています。

これらの結果、連結営業利益は予想比で上振れしました。なお、各セグメント内の詳細な要因については、後ほどご説明します。

連結貸借対照表の状況

連結貸借対照表です。連結総資産は前期末から69億6,900万円増加し、連結純資産は前期末から67億5,400万円増加しました。

主な増減項目としては、有価証券が32億300万円の増加、利益剰余金が39億300万円の増加となっています。

連結キャッシュフローの状況

連結キャッシュ・フローの状況です。営業活動によるキャッシュフローは、増収に伴う売上総利益の増加などの効果があったものの、法人税などの支払額が増加したため、前期比で減少しました。

また、投資活動によるキャッシュフローも、ナッシュ株式会社の株式取得に伴う支出などにより、前期比で減少しています。これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなりました。

財務活動によるキャッシュフローについては、当期に自己株式の取得を実施しなかったため、支出額が減少しています。

以上の結果、現金および現金同等物の期末残高は前期末から31億9,700万円増加し、241億8,300万円となっています。

訪販グループ 業績概況(前期比・予想比)

セグメント別の業績です。まず訪販グループについてご説明します。売上高は前期比2.6パーセント、28億1,000万円増の1,112億4,800万円となりました。予想比では0.4パーセント下回りました。

主力のクリーンサービス事業では、営業専任活動やデジタル施策の推進に注力した結果、新規獲得件数は増加しています。しかしながらお客さま軒数の増加には至らず、家庭向け・事業所向けともに減収となり、予想比でも下振れる結果となりました。

そのような中、家庭向けでは新商品が好調に推移しています。特に、2025年2月に販売開始した「ケース付きモップクリーナー」は、モップについたゴミやホコリを取り除くクリーナーとモップを収納するケースが一体化したもので、綺麗な状態でモップを毎回使用できることが好評を博しています。

また、2025年6月に販売した「ファインバブル浄水シャワー」も売上に寄与しました。その結果、減収幅はわずかにとどまりました。

一方で、訪販グループのその他事業については好調を維持しています。特に、サービスマスター事業やレントオール事業が予想を上回る結果となりました。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場内の清掃や衛生管理も当社が受託し、業績に寄与しています。

営業利益は前期比1.4パーセント、8,200万円減の56億3,900万円となりました。予想比では2.5パーセント上振れています。

訪販グループ 営業利益(前期比・予想比)

訪販グループの営業利益における増減要因および乖離要因についてご説明します。まずスライド上段の前期比について、減収の主な要因は「ケース付きモップクリーナー」の原価計上の影響です。

原価計上については、当社が加盟店に初めて商品を出荷した際、先行して一括で原価を計上しています。当期はこれにより、営業利益が前期比で8億円押し下げられました。ただしこちらは、次年度以降は粗利のみが上がり、原価計上が発生しないというレンタル特有の仕組みとなっています。

その他、人件費や販売促進費等の経費増加はあったものの、この原価の先行計上の影響を除くと、増益での着地となっています。

スライド下段の予想比についてです。売上予想が下振れした影響に加え、レンタル資産の評価替えなどにより原価率の上昇影響がありました。

一方で、金利上昇に伴い退職給付費用が予想を下回ったことや、当初見込んでいた販売促進費が未使用だったことなどにより、経費の使用は想定を下回りました。

以上の結果、全体として営業利益は予想を上回る結果となっています。

フードグループ 業績概況(前期比・予想比)

フードグループの業績です。売上高は前期比3.2パーセント、21億6,700万円増の689億1,400万円となりました。予想比については、おおむね予想どおりの着地となっています。

主力のミスタードーナツでは1店舗当たりの来店お客さま数が減少したものの、2024年7月と2025年3月に価格改定を実施したことで平均お客さま単価が増加しました。さらに、新規出店により店舗数が増加し、全店合計のお客さま売上高は前期を上回りました。

また当期は55周年記念として、お客さまからのご要望が多かった復刻商品やコラボ商品などを展開した結果、既存店ベースのお客さま売上も前期を上回りました。

営業利益については、前期比17.1パーセント、14億6,700万円増の100億2,300万円となりました。予想比では6.6パーセントの上振れとなっています。

フードグループ 営業利益(前期比・予想比)

フードグループの営業利益における増減要因と乖離要因です。まず、スライド上段の前期比についてです。大幅な増益となった最大の要因は、主力のミスタードーナツの増収効果です。そのほか価格改定効果に加え、高付加価値商品の構成が上昇したことにより原価率が改善し、利益を押し上げました。

予想比についても同様に、高付加価値商品の好調な推移による原価率の低減に加え、当初想定していたシステム費用の使用時期変更などの影響で経費の使用が想定を下回り、予想からの上振れとなっています。

その他 業績概況(前期比・予想比)

その他グループの業績です。売上高は前期比2.9パーセント、4億8,500万円増の169億7,100万円、営業利益は前期比13.4パーセント、6,800万円増の5億7,900万円となりました。予想比では、売上高が0.2パーセントの下振れ、営業利益は5.4パーセントの上振れとなっています。

国内連結子会社でリースおよび保険代理業を行うダスキン共益株式会社は減収増益となりました。同じく国内連結子会社で病院のマネジメントサービスを行う株式会社ダスキンヘルスケアは増収増益です。

一方、海外では、海外連結子会社のビッグアップルグループが店舗数の増加により増収となったものの、台湾向けのマット売上が前期の大口出荷の反動で減少したことなどにより、海外事業全体としては減収増益となっています。

2027年3月期 業績予想(2026年3月期対比)

2027年3月期の業績予想です。スライドには、セグメント別に上期・下期の予想数値を2026年3月期対比で示しています。連結売上高合計は、2026年3月期比3.6パーセント、69億円増の2,015億円と予想しています。

営業利益については、原材料費や人件費、経費の高騰が想定されるものの、2026年3月期比2.9パーセント、2億5,000万円増の90億円と予想しています。

親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式売却に伴う有価証券売却益などを織り込み、2026年3月期比6.7パーセント、6億円増の98億円を予想しています。ただし、これらの予想には、先行きが不透明な中東情勢の影響は現時点では織り込んでいません。

セグメント別の詳細についてです。訪販グループの売上高は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の反動影響を見込むものの、ケアサービス事業を中心に好調傾向を維持すると予想しており、増収を見込んでいます。

営業利益については、「ケース付きモップクリーナー」の出荷が2027年3月期も継続するものの、前期比では減少することが寄与し、増益を見込んでいます。

フードグループにおいては、主力のミスタードーナツが引き続き好調を維持し、増収を予想しています。営業利益に関しては、2026年3月期の上期において「もっちゅりん」の反響により販売促進費が減少していた反動に加え、好評により「もっちゅりん」が品切れとなる事態が発生し、前期は販売促進費が未消化となっています。

その反動に加え、当期は新たなシステム導入に伴う費用が発生する予定で、通期では若干の減益が予測されています。

また、全社費用においては、人件費の上昇に加え、株主優待制度見直しに伴う費用増加やDX推進に関連する経費、本社ビルの修繕費などにより、費用の増加を見込んでいます。

株主還元

株主還元についてです。「中期経営方針2028」期間中の配当方針は、連結配当性向60パーセント、または自己資本配当率(DOE)3.5パーセントのいずれか高い額としています。

この配当方針に基づき、2026年3月期の1株当たり年間配当は118円とします。期初の公表からは3円の増配となります。また、2027年3月期の配当予想については、1株当たり中間で55円、期末で70円、年間125円を予定しています。

中期経営方針2028で目指すこと<基本方針>

「中期経営方針2028」に基づく2026年3月期の取り組みについてご説明します。「中期経営方針2028」は、長期経営戦略「Do-Connect」の第1フェーズと位置付け、2026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年計画として公表しました。

「新たな事業領域への新化」「周辺事業への進化」「既存事業の深化」、そして「経営基盤の強化」という4つの経営テーマに取り組むことで、当社のパーパスである「人に社会に寄り添い、安心と喜びのある豊かな明日の創造」の実現を目指していきます。

中期経営方針2028で目指すこと

当社は、パーパス実現に向けて担うべき役割として、「人と人、人と社会、人と明日をつなぐ
笑顔の環を届けます。」をビジョンに掲げています。

このビジョンを具体化するため、各グループにおいて方針を定めています。訪販グループでは「新しいつながりで、暮らしに喜びを。」をグループビジョンとし、従来の注力領域である衛生領域・ワークライフサポート領域・シニアサポート領域に加え、新たにハウスメンテナンス領域にも注力していきます。

その上で、「領域拡張戦略」「事業深化戦略」「チャネル戦略」「DX戦略」の4つの戦略に基づき、取り組みを進めています。

フードグループでは「この世界に新しい食文化を。」をグループビジョンとし、美味しさと喜びが心に残り続けるおいしい思い出を、より多くのお客さまにお届けすることを目指しています。

その実現に向け、「新業態開発」「バリューチェーンの強化」「マーチャンダイジング」「新たな成長への挑戦」という4つの取り組みを推進しています。

新たな事業への「新化」の取り組み

2026年3月期の具体的な取り組みについてご説明します。まずは新たな事業への「新化」の取り組みです。2025年7月、当社は冷凍宅配弁当「ナッシュ」を運営するナッシュ株式会社と資本業務提携を締結しました。当社が保有するリアルでの顧客接点と、ナッシュ株式会社が強みとするWebでの顧客接点を組み合わせ、顧客基盤のさらなる拡大を目指します。

現在、両社メンバーによる協業検討委員会を立ち上げ、相互送客の取り組みを開始しており、その他の具体的な連携案についても検討を進めています。

子育て支援領域における取り組みとして、2026年1月より、一部地域でシッターサービスのテスト検証を開始しました。今後はサービス品質の標準化やオペレーション全体の確立を進めるとともに、利用者ニーズに基づいた提供メニューの最適化や価格設定などの検討を進めます。

ミスタードーナツ事業の海外展開については、2026年2月に中国で現地法人とマスターフランチャイズ契約を締結しました。中国では過去に進出・撤退の経験がありますが、その反省や現在の経営、社会環境を踏まえ、進出方法を見直しました。その結果、近年展開を進めているシンガポールや香港と同様の方式での再出店を決定しました。

これはマスターフランチャイズ方式で現地の地域を限定し、そこで加盟店を展開する権利について先方と契約を結ぶものです。2027年3月期中に1号店のオープンを目指し、現在準備を進めています。

周辺事業への「進化」の取り組み

訪販グループの取り組みについてです。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、当社は複数の事業を通じて会場運営を支えるサービスを提供しました。

具体的には、清掃業務や衛生管理、ユニフォームのレンタルなど、これまで培ってきた現場力を活かし、多言語対応やデジタル技術の活用により来場者の利便性向上、環境配慮、現場オペレーションの効率化に取り組みました。

また、スタッフの安全面にも配慮し、安心して働ける環境を整備しました。熱中症予防を目的として、場内で業務を行うスタッフが腕に装着することで深部体温の変化を推定できるウェアラブル端末を導入しました。

こうした取り組みで活用した仕組みは、レゴランド・ジャパンでの清掃衛生業務にも展開しており、大型施設運営で得た知見を他の事業や現場へも横展開しています。

また、ハウスメンテナンス領域への取り組みとして、鍵のトラブル対応サービスであるレスキューサービス事業の加盟募集を一部地域で開始しました。現在、23店舗と加盟契約を締結しています。店舗の増加に伴い、売上も2025年3月期比で35パーセント増と、順調に推移しています。

引き続き訪販グループはハウスメンテナンス領域の拡張に取り組み、新たな顧客価値を創造していきます。

またハウスメンテナンス領域では、株式会社クラシアンとの提携を進めています。

既存事業の「深化」の取り組み

訪販グループの既存事業の「深化」の取り組みについてご説明します。日用品やイベント用品などのレンタルを事業とするレントオール事業では、避難所での被災者の不安を軽減する「防災サポートサービス」を提供しています。

このサービスは、震災発生時の有事において、避難所の設営や必要物品の貸し出しにとどまらず、当社の他の事業と連携することで、避難所の衛生管理や高齢者の支援も行うもので、現在104の自治体と契約を締結しています。

この「防災サポートサービス」をさらに深化させるために、昨年6月に株式会社減災ソリューションズと「防災・減災への取り組みにおける相互協力協定」を締結しました。

平時における「減災トレーニングパッケージ」として、家屋の倒壊モデルを製作し、倒壊時にどのように救助を行うかや、公的機関の救助を待つだけでなく、近隣住民のみなさまが自主的に救助活動を行うトレーニングパッケージを自治体に提供しています。

これらの災害協定に関連するお客さま売上高は、2025年3月期と比較して2倍以上に伸びており、地域社会への貢献が着実に広がっているものと認識しています。

本取り組みは、災害時に地域の安心・安全を守るための重要な施策であり、各地域に根づいた加盟店のネットワークを持つ当社ならではの強みを活かしたものと考えています。

社会的価値と経済価値の両立を実現し、「この街にダスキンがいてよかった」と思っていただける取り組みとして、今後も積極的に展開していきたいと考えています。

周辺事業への「進化」と既存事業の「深化」の取り組み

フードグループの取り組みについてご説明します。既存飲食ブランドの展開として、とんかつレストラン「かつアンドかつ」、そして2024年3月期に子会社化した株式会社ボストンハウスが運営するイタリアンレストラン「ナポリの食卓」のフランチャイズ展開を目指し、現在準備を進めています。

引き続き、従来とは異なる立地・客層・利用動機に応える新たな飲食ブランドの開発に注力し、新たなお客さま価値の創造を進めていきます。

既存事業の取り組みとして、ミスタードーナツ事業において創業55周年企画を展開しました。記念商品として、もっちゅり食感が特徴の新食感生地を使用した「もっちゅりん」や、多くのお客さまから復活のご要望をいただき、販売終了から12年ぶりに再販した「ショコラフレンチシリーズ」をご提供しました。

「もっちゅりん」に関しては商品が品切れとなり、お客さまに大変ご迷惑をおかけしましたが、今年6月から再販を開始します。予約注文が非常に好調で、多くのご注文をいただいている状況です。

また、店舗運営における省力化やDXの取り組みとして、スライド右下にあるAI機器を活用しています。これらはすでに一部店舗に導入済みです。

その他、複数のオペレーション支援機器についても検証を開始しています。例えば、ミスタードーナツでは商品にバーコードを商品に付けていません。店舗ではお客さまに直接商品を取っていただいたり、商品を指名していただいて店員がピッキングしたりしています。

そのため従来は一つひとつ商品をレジで打っていましたが、これらをAIスキャン(レジ)で画像認識することにより、その手間を大幅に軽減する仕組みを一部導入しています。

経営基盤の強化の取り組み

経営基盤の強化の取り組みについてご説明します。人的資本経営の推進として、経営(事業)戦略と人材戦略の連動を図っており、この4月から新たな人事制度を管理職から導入しました。

本制度では、役割と成果をKGIやKPIに基づいて評価し、それに応じて適切に報いる仕組みを構築しています。これにより、従業員一人ひとりが自らの成長と活躍を実感できる状態を目指しています。

また、DXの推進においては、デジタルを活用した業務の効率化を牽引する人材の要件と育成計画を策定し、すでに教育研修も開始しています。

各部門において、継続的かつ主体的に事業改善を生み出す体制の構築を目指し、各部署から対象となる人材を選出した上で、事業改善に必要なデジタルツールの活用スキルを取得するよう進めています。

サステナブルの取り組み

サステナブルの取り組みについてご説明します。企業の持続可能性を追求する取り組みとして、経営戦略の実効性評価を目的に、すべての取締役および監査役が参加したオフサイトミーティングを開催しました。

このミーティングでは「稼ぐ力の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」に基づき、当社の在りたい姿と価値創造プロセスについて議論を行いました。

そこで導き出された課題に対して、社内取締役を中心に経営改善プロジェクトを立ち上げ、早期解決に向けた取り組みを進めています。

またその課題の一つである、監督と執行の分離についても対応を進めており、取締役会における大局的かつ戦略的な意思決定を強化するため、意思決定プロセスの見直しと権限移譲を一部実行しています。

社会の持続可能性に向けた取り組みとしては、訪販グループにおける営業車両のEV化推進の一環として、直営店に先行して55台分の充電設備を設置しました。2028年3月期末を目標に、直営店で142台の導入を予定しています。

引き続き、「ダスキン環境目標2030」の達成に向けた取り組みを推進していきます。

質疑応答:中東情勢の影響とコスト増への対応について

質問者:中東情勢の影響に関しては、計画に織り込んでいないとのご説明でした。現時点で想定される影響があれば、数字的なインパクトや、それに対してどのようにカバーしようとお考えなのか教えてください。

大久保:中東情勢の影響は、価格の高騰などに出ています。この4月における影響が通年で推移した場合、6億円から7億円程度の影響が見込まれると推測しています。

調達などについては、現在パッケージなどでの影響が予測されています。そのため、極力商品の原材料の上流まで交渉を行い、商品の先行発注などで対応しています。

質問者:6億円から7億円ほどのコスト増について、訪販グループとフードグループにおいて、原油や包装資材など、具体的にどのような内容が含まれるのかを補足していただければと思います。

大久保:訪販グループへの影響は5億円強ほどと想定しています。これはあくまで4月の状況が1年間続いた場合という前提でお話ししています。訪販グループについても、一部の梱包資材やパッケージなどにおける価格上昇が見られる状況です。

フードグループのミスタードーナツについては、4月の状況が1年間継続した場合、影響は1億円程度と想定しています。お持ち帰り用のパッケージは紙を中心としたものであり、また従来のエコ推進の一環として、店内飲食では陶器の食器を使用しています。そのため、一部副資材の価格が上昇しているものの、現時点ではその範囲で収まっています。

質疑応答:ミスタードーナツの海外展開について

質問者:外食企業の中で、ここ数年は海外進出が非常に成功しているという印象を持っています。本日も、中国におけるミスタードーナツのマスターフランチャイズ形式での再展開についてご説明いただきました。

そのミスタードーナツにおける海外展開の現状について教えてください。可能であれば数字的な業績への影響についてもお聞かせください。

大久保:ミスタードーナツの海外展開の状況について、現在展開している台湾では、合弁会社として展開しています。インドネシアとフィリピン、タイについては、マスターフランチャイズ契約で展開しています。シンガポールと香港についてもマスターフランチャイズ契約を締結しています。

現在、中国の上海を中心とした広東地域への展開を目指し、2月に契約を締結しました。上海と香港を拠点とし、これらの地域で出店していただいている企業を起点として、中国の経済状況を見極めながら展開を進めていきたいと考えています。

業績への影響については、マスターフランチャイズ契約であるため、売上に対するロイヤリティ収入と資材売上に対する利益が主な収益となります。具体的な金額については、現時点では回答が難しいため、あらためてご案内できればと思います。

質問者:すでに展開されている台湾やインドネシア、フィリピン、タイ、シンガポール、香港といったエリアの既存店の状況や店舗の現状について、各国ごとにどのように評価されていますか? 

大久保:各国の状況は異なりますが、商品の強化を進めるため、原材料の調達を従来それぞれのマスターフランチャイズ先に委ねていた部分を見直し、日本と同等の原材料を供給することで品質の向上を図る取り組みを実施しています。この取り組みは、原材料の購買売上の向上につながると考えています。

今、シンガポールや香港などでは、こちらが指定した原材料を日本企業の海外法人から提供していただいています。

フィリピンとインドネシアについては、コンビニエンスストアの一角をお借りしてドーナツを置かせていただいているパターンもあり、独自に原材料を調達しています。シンガポールや香港と同じような仕組みに切り替えることで商品価値を高めていく取り組みを進めています。また、コンビニエンスストアに展開している部分をより本格的な店舗へと切り替えることも含め、現在取り組みを進めています。

質疑応答:ミスタードーナツにおける消費税変更の影響について

質問者:フードグループに関してうかがいます。食料品の消費税が1パーセントもしくはゼロパーセントになる可能性があるかと思います。ミスタードーナツにおいては特にテイクアウトの比率が高いことから、追い風になるのではないかと考えています。

これはまだ仮定の話になるかと思いますが、現時点でどのように見ているのか教えてください。

大久保:ミスタードーナツに関しては、現時点では大きな影響は出ないと想定しています。ただし消費税がゼロパーセントになることで、コンビニエンスストアでの飲食には消費税がまったくかからなくなる可能性もございます。

またイートインに関しては消費税がかかる方向性が示されつつありますが、まだ確定ではないため、今後も注視しながら対応していきたいと考えています。

質問者:補足でうかがいます。現在ミスタードーナツのテイクアウトの比率はどれくらいでしょうか? また、テイクアウトの比率はかなり高いと思いますので、影響はないとおっしゃったものの逆に追い風となる可能性もあるのではないかと思います。その点についてはどのようにお考えでしょうか?

大久保:実際のところ、そのあたりの動向については、まだ見極めには至っていない状況です。

質疑応答:ミスタードーナツの福袋の見直しについて

質問者:フードグループのミスタードーナツ事業に関する質問です。スライド9ページにあるとおり、終了した期では1店舗当たりの来店お客さま数が前期比で約2パーセント減少しています。これは前の年、つまり2024年末の福袋販売が減少し、そのドーナツ引換券を利用するお客さまが減った影響が大きかったのではないかと思います。

1年前に行われた説明会で、大久保社長から「ミスタードーナツの業績が良いうちに、福袋のあり方を見直す」というお話があったと記憶しています。

そこで1年が経過した今、まず2025年末の福袋の販売状況についてお聞かせください。また併せて、大久保社長が1年前に言及されていた福袋の見直しについて、どのように進められ、これからどのような効果が期待されるのかお話しいただけますでしょうか?

大久保:福袋の販売実績に関して、近年では販売個数が減っており、2025年末でおよそ52万個となっています。

福袋の見直し内容として、ドーナツ交換用の引換券の個数を見直しました。その代わりにプレミアム商品などを加えさせていただきました。引換券の個数を見直すことで、実際に1店舗当たりの来店お客さま数に若干の影響が出たかと思います。

一方で、この引換券の交換期限が5月末であったため、交換目的でご来店されるお客さまが毎年殺到する状況となっていました。これにより、お客さまには長時間並んでいただくことでかえってご迷惑をおかけしていたことと、内部的にもこの時期に対応するためにアルバイトや製造スタッフの増員が必要となるといった課題がありました。

そこで交換個数を見直した結果、コストの上昇を抑えることができました。また「ついで買い」という表現は恐縮ですが、交換対象外の商品も同じ時期に販売するなどの工夫を行いました。その結果、1店舗当たりの来店お客さま数は減少したものの、平均お客さま単価は上昇しました。

このように福袋だけでなく、高付加価値の商品をその時期に合わせて販売することで、業績に寄与することができたと考えています。

質問者:確認です。収益性という観点では改善しているという理解でよろしいでしょうか?

大久保:おっしゃるとおりです。収益性が改善しているだけでなく、1店舗当たりの売上高も改善しています。したがって利益面だけでなく、売上面でも収益性の改善につながっていると考えています。

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