■新興市場銘柄は利益確定売りに押された
今週の新興市場は下落。日経平均は生成AI関連株の急騰から6月3日に史上最高値を更新、先週末比0.38%高と3週連続で上昇した。一方、グロース市場指数は同5.85%安、グロース250指数は同6.46%安と、ともに2週連続で下落。プライム市場の生成AI関連株に資金が集中する中、新興市場銘柄は買いを見送るムードが強まり、利益確定売りに押された。時価総額最上位グループの銘柄を算出対象とするグロース市場コア指数は3週ぶりに下落し、同8.84%安と下げがきつかった。
時価総額上位銘柄では、ジーエヌアイグループが先週末比11.27%高。米国連結子会社が、現地の機関投資家向け会合で使用する説明資料を6月3日寄り付き前に開示したことを機に騰勢が強まった。先週まで6週連続で下落していたためリバウンドに弾みが付いた。HUMAN MADEは6月3日に年初来高値を付け、同9.16%高。5月28日に東証が貸借銘柄に指定したことから、売買活発化への期待から買われた。一方、パワーエックスは先週からの利益確定売りが一段と強まり、同25.06%安と値を崩した。
その他、ジーネクストがストップ高を連発し、週間値上がり率はグロース銘柄首位の52.72%。アルメニア共和国の業務提携先企業が現地にAIデータセンターを開設したと発表。週末5日は2日連続のストップ高となり年初来高値で引けた。CNICもAIの誤情報の検出システム開発を材料に、先週末比41.96%高と値を飛ばした。一方、かっこはAIシステム企業の買収をはやした先週の反動安がきつく、同24.86%の大幅安に終わった。
■生成AI関連銘柄の値幅調整を見極める展開に
来週の新興市場は、プライム市場の生成AI関連銘柄の値幅調整を見極める展開になりそうだ。米国IT銘柄の下落や、日本銀行による追加利上げ観測から、キオクシアホールディングスやソフトバンクグループなど直近の日経平均上昇を主導してきた大型プライム銘柄の下落が新興市場を圧迫しそうだ。ただ、グロース市場で週間下落率が首位だったQPSホールディングスや、同じく下げ足の速かったパワーエックスにはリバウンド狙いの買いが期待できよう。
このほか、週末5日の寄り付き前に、5月に続いて業績予想を上方修正したスリー・ディー・マトリックスや、出資先の米AI大手アンソロピックの上場申請をはやして年初来高値を付けたイオレは、上値を試す展開が予想される。12日には、米国宇宙開発企業スペースXがナスダックに新規上場する。今週末に売買代金首位だったアストロスケールHDを筆頭に、Synspective、ispaceなど宇宙関連銘柄の短期トレード活発化が予想されるが、いずれの銘柄もスペースX上場が業績に直接影響しないため、材料出尽くしによる下落リスクにも留意したい。
なお、来週もIPOを予定する企業はなく、東証による上場承認もなかった。現在予定されている6月IPOは3銘柄。16日にタクシー配車アプリ大手のGO、23日に金融機関向けシステムのLiNKX(リンクス)、30日に子ども向け体操教室や放課後デイサービス施設を運営するネイスが、それぞれグロース市場に上場予定となっている。