■会社概要
No.1は、「日本の会社を元気にする一番の力へ。」を経営理念に掲げ、全国の中小・零細企業を主な対象として、情報セキュリティ機器の企画開発・製造・販売及び保守事業や、OA関連商品の販売及び保守・メンテナンス事業などを手掛けている。1989年に法人向けソフトウェアの販売会社として神奈川県横浜市に(株)ジェー・ビー・エム(現 No.1)として設立し、事業をスタート。その後、複合機やビジネスフォン、PCなどOA機器販売や自社による保守・メンテナンス事業を開始すると、日本各地に営業拠点を開設し、新規顧客の獲得とサポートサービスを充実させ業容を拡大した。最近では、ストック型収益の拡充を図るため、サブスクリプション(月額課金)方式のコンサルティングサービス「No.1ビジネスサポート」にも注力している。また、2020年7月に子会社化したアレクソンが企画開発・製造する情報セキュリティ機器が好調に推移しており、同社の成長を後押ししている。No.1グループ全体の顧客は全国の中小・零細企業を中心に約16,000社に上る。また、業種別の顧客構成は建設業、医療・福祉業、製造業の上位3業種で50%強を占めているが、それ以外は多業種に及んでいる。
単一セグメントであるが、事業内容は1) 情報セキュリティ機器販売事業、2) OA関連商品販売事業、3) 情報通信端末販売事業、4) システムサポート事業、5) ビジネスコンサルティング事業に分類できる。同社グループは、2026年2月末時点において、同社及び連結子会社11社、非連結子会社2社、持分法非適用関連会社1社の合計15社によって構成されている。連結子会社は、(株)Club One Systems(2013年5月設立)、(株)No.1パートナー(2019年4月設立)、(株)No.1デジタルソリューション(以下、NDS)※(2020年6月子会社化)、アレクソン(2020年7月子会社化)、(株)アイ・ティ・エンジニアリング(2024年4月子会社化)、OZ MODE(株)(2024年6月子会社化)、(株)S.I.T(2024年10月子会社化)、(株)コード(2025年3月子会社化)、アイ・ステーション(2025年7月子会社化)、進々堂商光(株)(2025年9月子会社化)、(株)LGIC(2025年10月子会社化)の11社、非連結子会社は、(株)Gloria(2025年7月子会社化)、(株)エキサイター(2025年10月子会社化)の2社、持分法非適用関連会社は、(株)セゾンビジネスサポート(2022年9月設立)である。
※ 事業の見直しに伴い、2026年3月1日付けで同社による吸収合併。
1. 各事業の概要
(1) 情報セキュリティ機器販売事業
2020年7月に子会社化したアレクソン製の商品を主力としており、商品の企画・開発をはじめ、設計・製造・販売までをグループ内で行う「製造卸」として体制を整えている。インターネットの普及やDXの流れに伴って情報セキュリティ対策が企業の大きな課題となっており、需要が拡大傾向にある。UTM※1やセキュリティスイッチ※2など、ラインナップは豊富である。
※1 複数の異なるセキュリティ機能を1つのハードウェアに統合し、統合脅威管理(Unified Threat Management)を行う商品。インターネットから社内ネットワークへ侵入してくる様々な攻撃(不正アクセス、DoS攻撃、ウイルス攻撃など)をネットワークの入口で未然に防ぐ機能を持っている。
※2 社内ネットワークにおける通信パケットを監視し、ウイルスの侵入を確認した場合に、攻撃を受けたデバイスの早期の特定と迅速な遮断を行い、ネットワークへの拡散を阻止する監視機能を持ったセキュリティ機器。
(2) OA関連商品販売事業
創業来の同社の主力事業であり、複合機やビジネスフォン、PCなどのOA機器を仕入れ、販売している。複合機についてはメンテナンスサービス及びトナーなどの消耗品の費用として、プリンタの使用量に応じたカウンターサービス料も受け取っている。
(3) 情報通信端末販売事業
No.1パートナーが、Webマーケティングを活用し、モバイルWi-FiやSIMカード、緊急災害用通信機器「ハザードトーク」など各種情報通信端末の販売を行っているほか、アイ・ステーションにおいても法人向け携帯電話やタブレット端末を取り扱うなど、各種情報通信端末の販売を展開している。
(4) システムサポート事業
同社グループが販売したOA機器(複合機、ビジネスフォン)や情報セキュリティ機器などの設置工事、システム設定、および導入後の保守メンテナンスを一元的に提供している。自社グループでアフターサポートまでをカバーすることで、顧客との長期的な関係性を構築している。
(5) ビジネスコンサルティング事業
2020年9月より「No.1ビジネスサポート」を開始した。経営環境が大きく変化するなか、様々な経営課題を抱える経営者へのソリューション営業(経営支援及びIT支援)を深化させたサービスで、顧客ごとに専任のビジネスコンサルタント※を配置し、「売上向上に寄与」「業務改善・効率化への貢献」「リスク回避」など顧客の実質的な利益への貢献を目指す。2023年10月にはサービスメニューのリニューアルを実施し、各士業との連携や「No.1ビジネスサポート会員マッチング」「No.1ビジネスサポートゼミ」などが加わりメニューが拡充した。
※ 既存顧客を定期的に訪問(オンライン訪問含む)して顧客のニーズや課題を把握し、企業の状況や環境に合わせて最適なサービスを提供する役割を担う人材を指している。
2. 同社商材
同社商材は、セキュリティ関連(UTMを含む)、サーバー関連、ホームページ制作、MFP(複合機)、ビジネスフォン、防犯セキュリティ、新規取り扱いを開始した蓄電池の7つとなっている。そのうち、自社企画であるアレクソン製のセキュリティ関連(UTMを含む)とサーバー関連、ならびに蓄電池については、高付加価値商材として注力しており、商品別販売構成比の50.3%を占めている(2026年2月期)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)