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Jストリーム Research Memo(8):EVCとOTTが順調、医薬依存度は低下

■Jストリームの業績動向

2. 市場別の動向
単体の市場別売上高は、医薬領域が3,313百万円(前期比11.1%減)、EVC領域が2,886百万円(同0.7%増)、OTT領域が2,982百万円(同3.3%減)となった。連結ベースでは、医薬領域で一部子会社は増収となったものの減収、EVC領域は子会社連結効果や教育系の好調により増収、OTT領域は技術商社の好調継続で増収となった。連結・単体ともに医薬領域への依存度低下が進んだ。

医薬領域では、Web講演会用途のライブ配信や集客広告などの関連業務の受注は継続しているものの、薬価改定や製剤上市状況の影響により製薬企業各社のマーケティング活動にばらつきが見られた。また、製薬企業側でリスク分散やコスト低減のため講演会の発注先を複数に分散するマルチベンダー化の動きが広がっており、入札環境や単価の動向に影響が生じた。こうした環境下、同社は、生成AIを活用した字幕生成、グループ会社による専門性の高いコンテンツ制作、データ分析ツール「Webinar Analytics」、広告施策などを組み合わせた総合提案により取引の維持を図った。その結果、大口取引先の案件を確保、AI要約サービスや病院向けなど隣接領域の開拓で進展があったが、新薬上市の状況から外資系企業と比較して内資系企業の減収幅が大きくなった。マルチベンダー化は、ライブ配信の単価下落につながり、新規顧客の獲得や中堅顧客の取引規模拡大にもつながったものの相対的に少額のため大口取引先の低迷を補うことができなかった。子会社については、ビッグエムズワイが減収となったもののコスト削減で増益、クロスコは低価格政策やAI字幕、短縮ビデオの投入により小規模講演会の独自開拓が進んで増収増益となった。

EVC領域では、企業・団体内部において教育や情報共有を目的とした動画活用が進んだ。こうした環境下、同社は、社内外向けWebセミナーやオンラインイベント関連の受注獲得に注力し、Webサイトや社内チャンネルの構築、大口の広告運用などの受注を確保した。バーチャル株主総会は、上場廃止企業の増加やハイブリッド開催に伴う負担回避などを背景に、市場全体でも実施企業数が減少した。この結果、オンデマンド配信やWeb制作、システム関連売上は前期並みを維持したが、前期受注した大口の販促イベントのライブ配信や映像制作のシリーズ案件の反動減により、単体ではほぼ前年並みの推移となった。しかし、アイ・ピー・エルの連結効果(5ヶ月で2億円程度の売上寄与の模様)に加え、VideoStepで成長性の高い教育系SaaS(製造現場での教育マニュアル)が好調に推移したため、連結では増収となった。

OTT領域は、放送局やコンテンツ事業者によるコンテンツ配信規模の拡大傾向が続いた。こうした環境下、同社は、放送・メディア業界向けのシステム開発、サイト運用、関連する制作・運用業務、配信ネットワークの提供に注力した。システム開発や高度なノウハウを要する運用業務は、顧客各社の動画配信サービス拡大を背景に引き続き安定した需要があった。配信システム更新に伴うシステム開発、視聴用アプリケーションの保守業務なども売上増に寄与した。放送局向けは、配信データ量の増加や随時発生する追加開発案件に対応したことで比較的安定して推移した。大口キー局によるモータースポーツのネット配信やアーティスト系マストバイソリューションなども実績を積み上げた。しかし、前期に納品した大口システム機器の反動減に加え、サービス終了やシステム移行により一部顧客のネットワーク関連売上が減少した。コンテンツ事業者向け配信システムやCDNの案件獲得も計画を下回り、単体の売上高は減収となった。ただし、前期大口納品約1.8億円を除くと微増収を確保したとみられる。連結では、イノコスが前期に納品した大口機器納品関連の運用や販売終了品の駆け込み需要でカバー、連結では増収を確保した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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