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Jストリーム Research Memo(7):医薬低迷も成長領域が堅調

■Jストリームの業績動向

1. 2026年3月期の業績動向
2026年3月期の業績は、売上高11,997百万円(前期比1.7%増)、営業利益826百万円(同9.9%減)、経常利益866百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益485百万円(同11.9%減)、期初予想に対しても、売上高で138百万円、営業利益で106百万円の未達とやや厳しい決算となった。一方で、大きな特需となったコロナ禍から明確な好転の兆しが見えない医薬領域に対し、EVC領域とOTT領域はともに順調に推移したといえる。

日本経済は、雇用・所得環境の改善が見られ、円安を背景としたインバウンド需要も景気を下支えする状況が続いた。一方で、欧州・中東における地政学的リスクの高まりを受け、原材料価格を含む物価や各種コストの上昇、為替相場の不安定な動向など、先行きに対する不確実性が継続した。インターネット業界においては、生成AIの活用が進展し、コンテンツ制作や業務効率化を含むDXによる新たな価値創出が期待されるが、IT人材不足やレガシーシステムへの対応といった構造的課題も依然として残されている。こうした環境下、同社は、「ライブ配信サービス」や「J-Stream Equipmedia」、システム開発・運用受託サービスなど、顧客の多様なニーズに対応した提案活動を強化するとともに、AIを活用した機能開発や既存サービスへの組み込みを推進した。

売上高では、子会社売上が堅調に推移したことに加え、開発や機器納品、運用系が安定していたOTT領域及びアイ・ピー・エルの子会社化や現場教育向けが大きく伸びたEVC領域が堅調で、医薬領域の低迷をカバーした。利益面では、サービス開発の進展に伴うソフトウェアなど減価償却費や、クラウドインフラ利用の拡大・円安の影響による外貨建てロイヤリティ支出、大型案件向け仕入が増加した。一方で、新卒を除く採用の抑制や、経費節減、組織運営の効率化、医薬領域のコンテンツ制作子会社の内製比率上昇、サービス開発の一巡と内製化進展による業務委託手数料の削減などにより、売上総利益率が改善した。しかし、イベント出展やセミナー開催、広告出稿、デジタルマーケティングといった販売促進費のほか、営業支援のための活動費、M&A費用(取得関連費用・初年度のれん償却)、社内業務システムのライセンス費用、グループ会社のオフィス関連費用など販管費が増加した。この結果、販管費の増加が売上高の伸びを上回り、販管費率の上昇で営業減益につながった。一方で、第4四半期には、アイ・ピー・エル子会社化に伴う増収効果や、採用抑制・外注削減を含むコストコントロールの効果が寄与し、増益につながった。なお、期初予想に対して売上高と営業利益が未達になったのは、横ばい想定の単体医薬領域が減収となったことが主要な要因である。

その他の動きとして、さくらインターネット及び(合)LCBとの業務提携が挙げられる。さくらインターネットとは、国内向けコンテンツ配信の基盤強化に向けた協業を開始し、さくらインターネットのネットワーク内に「J-Stream CDNext」のエッジサーバーを設置した。これにより、共同配信基盤によるコスト効率と配信の柔軟性を高める。さらに、ストレージ/クラウドとCDNを一体で利用できる環境を整え、高いセキュリティと可用性※の確保を進める。将来的には、動画配信関連サービスの共同開発を進め、国内事業者向けにSIを提供するサービスも検討している。LCBは、地域の街並みやグルメなど全国のローカル放送局が制作した地域情報コンテンツをクラウド上に集約し、各種プラットフォームや事業者へ提供する地域情報コンテンツ事業を行っている。同社は実証実験でLCBと連携してきたが、今回の社会実装に際して改めて提携した。

※ システムが継続して稼働できる可能性や能力。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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