■G-7ホールディングスの今後の見通し
(3) M&A・新規事業投資
新中期経営計画でもM&Aを成長戦略の1つとして掲げており、対象企業の選定は、「新時代(SDGs、ESG経営)に相応しい新業種・業態の開発を積極的に推進」「メガ・フランチャイジーとして培ってきた店舗運営及び効率化ノウハウを展開しやすい「小売業・サービス業」を優先する」「グループ各社の既存事業とのシナジー並びに同社の拠点とのシナジーが期待できる業種」と、3つの重要方針を基に推進する。
新たな業種・業態の開拓に向け、インバウンド関連や生活雑貨、リカーショップ、小売EC、全酒類卸売業免許などを視野に入れている。また、シナジーが期待できる領域として、食品スーパーや生鮮3品、食材配達・宅食、こだわり食品、カスタムカー、アウトドア用品などを挙げている。
新規事業投資においては、ワークマンとの協働によるアパレル小売事業への本格参入を決定した。また、全社的なAI活用及びDX推進の司令塔としてAI戦略室を新設し、取り組みを加速する。新中期経営計画では、これらM&Aや新規事業への投資枠として、約135億円を投入する計画である。
(4) 財務戦略とキャピタル・アロケーション
財務戦略については、資本収益性と財務健全性の両立を図り、最適な資本構成を追求する。成長分野への積極投資を継続しつつ、株主還元を通じた資本効率の適正化にも注力し、自己資本比率は40%台を目安に維持・管理する方針だ。また、大型M&Aの実行に際しては、有利子負債の活用も柔軟に検討していく。
5ヶ年累計のキャピタル・アロケーションは、営業キャッシュ・フロー等で約580億円のキャッシュインを見込む。これに対し、成長投資へ約400億円(新規出店175億円、店舗改装・再配置90億円、M&A・新規事業135億円)、株主還元へ約180億円をそれぞれ充当する計画である。
前中期経営計画期間では約211億円を投資に充て、売上高を1.42倍に拡大した一方、経常利益はコスト増や「リコス」の収益改善の遅れにより1.06倍と小幅な伸びにとどまった。新中期経営計画では投資枠をさらに積み増し、売上高1.51倍、経常利益1.68倍の達成を目指す。DX推進やグループ間シナジーによる店舗収益力の向上が目標達成のカギとなる。現在、開店4年を経過した店舗のうち27%が赤字となっており、これらの不採算解消による増益余地は極めて大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)