■成長戦略
フェイスネットワークは中期経営計画「NEXT VISION 2029」を策定しており、「東京に真の不動産価値を届ける」をミッションに掲げ、「真の不動産価値」の創造を軸に事業を拡大する方針である。物件価値、オーナーにとっての価値、入居者にとっての価値、さらには社会に向けた価値を創出し続けるため、新たな挑戦を継続する考えである。具体的な収益性指標としては、2029年3月期に売上高50,000百万円、経常利益7,500百万円を計画している。また、中期経営計画の期間を通じてROE30%以上を維持する方針であり、高い資本効率を重視した経営を継続する。加えて、配当性向35%以上を目標とし、新たに累進配当を導入することで株主還元の強化も進める。KPIとしては、年間竣工棟数25棟、物件平均単価19億円、売上総利益率25%以上を掲げている。開発棟数の拡大と大型化を推し進めながら、高付加価値物件の提供による高収益体制を維持する方針である。
(1) 成長戦略基本方針
同社は、独自のビジネスモデルを軸に、ビジネスサイクルを高効率で回転させる成長戦略を推進する。新築一棟RCマンションを中心に、城南3区を重点エリアとし、開発から設計、施工、販売、管理までを一貫して行うワンストップサービス体制の強みを生かし、企業価値の持続的な向上を目指す方針である。
今後は、年間40~50棟のプロジェクト進行を目指し、開発棟数及び物件規模の拡大を進める。また、物件価値の最大化に向け、唯一無二のデザイン性や居住性に加え、「住むだけで健康になれる体験価値」を備えた空間づくりを推進し、モノづくりへのこだわりを強化する。さらに、営業、施工、デザイン部門を中心に優秀な人材の確保と育成を進めるほか、金融機関との連携強化や新ブランド展開による販売力・ブランド力向上にも取り組む。加えて、セールスプロモーションやブランド認知向上施策に注力する。
(2) 高効率経営の推進
2026年3月期のROEは32.4%であった。純利益率は10.9%を確保しており、唯一無二の物件価値の創出や、ワンストップサービスによるコスト抑制力、さらに高い入居率と安定した収益実績を背景とした価格決定力などが、収益性の向上につながっている。また、総資本回転率は1.02回転となった。中低層物件の開発による短い開発期間や、開発から販売までを一貫して手掛ける体制が生み出す開発スピードが、高い資本効率を支えている。財務レバレッジは2.9倍であり、自己資本比率30%以上を維持しながら、約30行の金融機関との安定した取引を背景に、借入金を有効に活用した財務運営を行っている。中期経営計画「NEXT VISION 2029」の期間においても、ROE30%以上、純利益率10%前後、総資本回転率1回転前後、財務レバレッジ3倍前後の水準を維持しながら、2029年3月期に経常利益を7,500百万円へと拡大する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)