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ネクセラファーマ、マイルストン収入増で1Qコア営業利益が黒字化 開発品の進捗も順調で、通期黒字化を目指す

目次

都築伸弥氏:みなさま、お世話になっています。ネクセラファーマ株式会社IRヘッドの都築です。どうぞよろしくお願いします。

スライドは本日のアジェンダです。医薬・バイオセクターの概要、当社の概要、今後の展望、さらにDeep Diveとして、本日はコアな方に集まっていただいていると認識していますので、機関投資家向けよりもより専門的でニッチな内容をお話しした後、質疑応答と進めていきます。

世界の医薬品市場

まず、医薬・バイオセクターの概要についてお話しします。一般の方や、バイオ分野を久しぶりにご覧になる方もいらっしゃると思います。そのため、どのような市場であるのかや、他の業種との比較についても触れたいと思います。

このスライドは私がよく使用する資料の1つで、世界の医薬品市場の伸長の推移を示したものです。今後も7パーセントから8パーセント程度で増加するという見通しになっています。

日本の市場は小さいと言われることがありますが、国・地域別市場規模で見ると米国、中国、日本、ドイツといったように、日本は3番手または4番手に位置しています。したがって、日本も引き続き大きな市場とご理解いただければと思います。

世界の医薬品市場

世界の医薬品市場の成長見通しについてですが、バイオ医薬品が急成長すると予想される一方で、当社が取り扱っている低分子などの従来型医薬品も約5パーセントの成長が見込まれています。

世界の医薬品市場の長期パフォーマンス

世界の医薬品市場の中長期パフォーマンスについてお伝えします。スライドの図表は、コロナ禍以降の5年間におけるバイオ医薬品市場のパフォーマンスを示したものです。

足元では、韓国が相当な成長を遂げています。日本のバイオ医薬品関連企業45社については、中長期的にはマイナス44パーセントとなり、TOPIXや日本の製薬38社のパフォーマンスを下回っていたことが、この5年間のデータから読み取れます。

世界の医薬品市場の短期パフォーマンス

2026年1月以降について見ていくと、ネクセラファーマではベーリンガーインゲルハイム社(以下、ベーリンガー社)のライセンスオプション権の未行使があったため、年末に下がった分のバッファがあります。とはいえ、日本のバイオ45社と製薬38社、さらにTOPIXを含めて、5月末時点ではアウトパフォームできている状況ではあると考えています。

国内におけるセクター毎の短期パフォーマンス

セクターごとの状況について、みなさまにも共有したいと思い、スライドを用意しました。この内容はマンスリーレポートにも記載していますので、ぜひご覧ください。

半導体セクター、特に非鉄金属と電気機器が足元で大きく伸長しています。インターネットでは「半導体にあらずんば株にあらず」といった表現が見られるように、この半年間はそのような状況が続いていると思います。

そのような状況の中で、足元のスタートが弱かったという点はあるものの、ネクセラファーマは一定程度がんばっていると思っていただけたらと思います。

医薬品・バイオ企業62社を含めたデータでは、医薬品がマイナス2パーセント、バイオ企業62社もマイナス2パーセントとなっています。一方で、TOPIXはプラス12パーセント、東証グロース市場250指数はプラス26パーセントの成長を見せています。

ネクセラファーマについては、5月末時点の足元の下落によりご迷惑をおかけしている状況と承知しています。パフォーマンスはこのような状況であるとご理解いただければと思います。

国内のバイオセクターの企業別市場パフォーマンス(年始以降)

国内のバイオセクターにおけるパフォーマンスについてです。これは2026年1月以降の状況を示しています。

製薬分野と比較すると、上位のものは上位を維持し、下位のものは下位の状況にあるといった状態です。その中で、ネクセラファーマはこのような位置にあります。

国内の製薬セクターの企業別市場パフォーマンス(年始以降)

製薬セクターにおけるネクセラファーマの位置づけについては、スライドのような状況になっています。製薬企業と比較しても、ネクセラファーマのパフォーマンスは比較的高いとご理解いただければと思います。

もちろん、目標としている株価にはまだまったく到達していない状況であり、個人投資家や機関投資家からもそのような意見が寄せられています。2026年1月5日以降のパフォーマンスを見ると、他の企業よりも一定の評価を受けているとご理解ください。

「ファンドマネージャーのポートフォリオ管理はどのようにしているのか」といったご質問もいただいていますので、そのような点にも配慮しつつ、丁寧に説明を進めたいと思っています。

まずは前段として、33業種、バイオセクターや製薬セクターの中でのパフォーマンスについて触れました。

国内のセクター別の市場パフォーマンス(長期)

私がネクセラファーマに入社した理由の1つに、バイオ業界を牽引したいという思いがあります。現在のバイオ業界のパフォーマンスを見ると、この5年間で約50パーセントのマイナスという状況です。

ネクセラファーマは、5年間でマイナス10パーセントという結果で、みなさまにご迷惑をおかけしております。日経平均が倍以上に成長している中で、ネクセラファーマを含めた製薬バイオ業界全体がうまくいっていないというのが、実際のところです。

同様に、製薬セクターに関しても決して好調とは言えず、停滞しています。このように、バイオおよび製薬業界全体が厳しい状況にあることは、みなさまもご存知のとおりです。

ただ、ここで1つの企業が成功することで、この2年から3年で大きな変化をもたらしたいと思っており、またその変化を見出したいと考えています。引き続きネクセラファーマに注目いただけると幸いです。

マンスリーでお話しする中でも直近の中東情勢以降のパフォーマンスについては、触れていますが、足元では電気機器やソフトバンク社が含まれる情報・通信業、非鉄金属のセクターでパフォーマンスが良好であることがうかがえます。

このような観点で比較した中東情勢以降のパフォーマンスでは、ネクセラファーマにおいてはイーライリリー・アンド・カンパニー社(以下、イーライリリー社)によるセンテッサ・ファーマシューティカルズ社(以下、センテッサ社)の買収がキーポイントとなりました。

また、それに伴い機関投資家とのコミュニケーションが大幅に増加したことも特筆される点です。これらを含めて、中東情勢以降のパフォーマンスとしては悪くない状況といえます。

ただし、過去5年間のパフォーマンスに目を向けると、みなさまにご納得いただける状況には至っておらず、当社にとっても満足する結果ではありません。このギャップを埋めるべく努めるとともに、より丁寧な説明を心がけていきたいと考えています。

ネクセラファーマの概要

当社の概要についてご説明します。ネクセラファーマは、いわゆるグローバルバイオファーマ企業を目指しています。

創薬プラットフォームを有するヘプタレス・セラピューティクス社(以下、ヘプタレス社)が、そーせい社の時代からの基盤、およびイドルシアファーマシューティカルズ ジャパン社(以下、イドルシア社)のアジア基盤を受け継ぎ、コマーシャル事業を通じて、しっかりとしたバイオファーマを目指しているのが現在のかたちです。

ヘプタレス社と共同開発したGPCRから生まれた化合物についてですが、現在M4作動薬がフェーズ3試験の結果を来年迎える予定となっています。また、センテッサ社はイーライリリー社に買収されましたが、OX2作動薬についても、フェーズ3試験の結果が来年発表予定です。

このようなプラットフォームのもとに、一方ではキャッシュ化を目的としたビジネスとしてコマーシャル事業も展開しています。

これまでの歩み

これまでの歩みです。当社は買収を重ねて現在に至っています。2015年にヘプタレス社、2023年にイドルシア社を買収し、バイオ医薬品企業を目指して「ネクセラファーマ」というブランドに統合しています。

主要パイプライン

主要パイプラインについて、本日特に説明したいのはムスカリン関連と、センテッサ社のナルコレプシーに関する内容です。

また、ご質問をいただいているEP4作動薬やGPR52作動薬について、足元の交渉状況を含め、質疑応答の中で詳しくコメントしたいと考えています。

ジェフリーズ・ヘルスケア・カンファレンスでは、当社のクリスと野村が参加し、発言を行いました。この内容はWebでもご覧いただけます。2026年の目標に「最低1件以上の導出を今年目指す」と掲げており、順調に進んでいます。

なお、企業数に関しても、質疑応答部分でお話しする予定です。

コマーシャル事業

コマーシャル事業において、現在どのようなキャッシュ化ビジネスを構築しようとしているかというと、「ピヴラッツ」がシェアを80パーセントまで上げ、好調に売れています。

社内のみなさまにもぜひお伝えしたいのが、2026年3月に「クラゾセンタン投与法の実践的手引き」がリリースされました。これを機にシェアを8割に引き上げ、さらなる成長を目指すのが「ピヴラッツ」です。

また、塩野義製薬が不眠症治療薬として販売している「クービビック」の売上は伸びています。原価低減効果が出てくるとお伝えしてきましたが、足元で一定の成果が見られます。さらに、2027年や2028年以降に本格的な成果が期待される状況です。

「Vamorolone」の開発状況については、事前のご質問でもいただいていました。ただし、当局との状況により、現時点ではお答えが難しい状況です。第2四半期の決算説明会では、しっかりとご報告できる予定です。

また、第2四半期の決算説明会では、足元の損益計算書(P/L)や、導出がどのようになったか、「Vamorolone」がどのようになるかも含めて、ぜひ注目いただけると幸いです。

プラットフォーム事業

プラットフォーム事業としては、ニューロクライン・バイオサイエンシズ社(以下、ニューロクライン社)やセンテッサ社がありますが、今回はこの2社を中心にお話ししたいと思います。

2026年の目標

今後の展望や決算概要について、個人投資家のみなさまに、私から直接お話しする機会はこれまでなかったかと思います。ブログなどでは情報を発信してきましたが、これらを含めてしっかりとご説明したいと考えています。それでは、第1四半期決算の概要についてお話ししたいと思います。2026年の目標として5つ掲げています。

1つ目は「製品関連の売上高195億円以上」です。第1四半期の進捗率は25パーセントに達していないと思いますが、くも膜下出血が冬に多いという特性があるため、季節要因を含めて考えると、会社としてはしっかりとした進捗だったと考えています。

2つ目は「日本とAPAC(中国を除く)市場向けに、1品目以上の後期開発品を取得」です。「Vamorolone」に加えてプラス1の導入を目指しています。今後についてもぜひご注目いただければと思います。

3つ目は「1つ以上の価値の高い提携契約を締結」です。EP4作動薬やGPR52作動薬などを含み、競争的な交渉が進行中です。こちらについてもお伝えしたいと思っています。

4つ目は「パートナー企業によるフェーズ2試験を1つ以上開始」についてです。これはNBI’570(M1/M4作動薬)で達成しています。

5つ目は「総コストを10%以上削減し、IFRSベースでの通期黒字化を達成」で、今期ガイダンスを出しているとおり、第1四半期時点で達成しています。第2四半期、第3四半期、第4四半期での進捗についてもご注目いただければと思います。

主要決算数値(2026年12月期1Q)

第1四半期のP/Lについてお話しします。この期間は大きな黒字を達成しました。その要因の1つとして、マイルストンの増加が挙げられます。

昨年の第1四半期のマイルストン14億円程度に対し、今期は65億円という数字を達成しました。これにより、足元の最終的な営業利益のP/Lもスライドに示すとおりとなっています。

1Q決算のブレークダウン(2026年12月期)

コストコントロールについてご説明します。プラットフォーム事業とコマーシャル事業のセグメント別のコア営業利益を報告します。

プラットフォーム事業においても、マイルストンが多かったため、コア営業利益の黒字化を達成しました。コマーシャル事業についても黒字化を達成しています。

コマーシャル事業に関しては、1点ご理解いただきたい点があります。前年同期比でマイナス5パーセントとなっていますが、これは昨年の第1四半期に15億円のヴィアトリス社との契約一時金があったためです。この要因を除けば、売上は堅調に成長しており、販管費の削減もうまく進んでいるとご理解いただければと思います。

このように、足元の第1四半期の損益計算書(P/L)は、プラットフォーム事業が黒字、コマーシャル事業も黒字、そして最終利益も黒字で着地しました。これが第1四半期の決算状況です。

2026年12月期の業績予想の内訳(主な新規提携を含まない)

業績予想に関しては変更なく、7億円から157億円としています。このうち、150億円は新規提携を含んでいますが、7億円の最終利益は新規提携を含んでいません。

150億円は1件もしくは2件の提携を想定したものですが、足元では提携金額の具体的な予想が難しいため、100ミリオンドルという数字を基準に150億円を算出しています。今後、1件もしくは2件の提携を視野に入れ、最終的には157億円を目指していきたいと考えています。

こちらについて評価いただくのは、しっかりと金額をお伝えすることができるタイミングがよいかと思います。

2026年のイベントカレンダー

マイルストンとしては、スライドのイベントカレンダーに示されているとおり、第1四半期にはセンテッサ社およびニューロクライン社が成果を達成しています。センテッサ社については、イーライリリー社による買収という動きもありましたが、着実に進展していると考えています。

また、センテッサ社に関しては、フェーズ2試験およびフェーズ3試験のプロトコルがクリニカルトライアルに出ている状況であり、これらが間もなく開始することも含めて、みなさまにご理解いただけると思います。本日もこの点についてしっかりと説明したいと考えていました。

イーライリリー社とアッヴィ社に関しては、一部達成済みという状況です。この点を含め、上期にはなんらかの進捗がある可能性も考えられます。その点にも注目いただければ幸いです。

また、機関投資家からのフィードバックとして、「Cenerimod」のフェーズ3試験結果に関心が集まっています。この試験結果については、2026年後半に発表予定ですが、遅延した場合には2027年になる可能性もあります。フェーズ3の結果に関する注目度は増しているように感じます。

機関投資家の方々がこのスライドを踏まえてご質問されることが多いのですが、ニューロクライン社やセンテッサ社に加え、ヴィアトリス社の「Cenerimod」に関する質問も増えている傾向があります。

2030年のビジョン:高成長で高収益な日本のバイオ製薬企業を築く

2030年のビジョンです。「500億円の売上に対して営業利益率30パーセント以上」を目標として掲げています。

導入品目に関して、「どのくらい利益率を上げるのか」とよくお問い合わせをいただきます。私たちは2030年ビジョンの中で、営業利益率はロイヤリティを除いても30パーセント以上と設定しています。したがって、それに見合う製品を導入しているとお考えいただければと思います。

「Vamorolone」についても、そのような成長を達成したいと考えています。

ネクセラファーマの価値をどう考えるのか?

ここからは「Deep Dive」です。個人投資家のみなさまにご理解いただきたい内容や、私の思いをお伝えしようという趣旨で作成した資料です。

Deep Dive1として、「ネクセラファーマの価値をどう考えるのか?」についてお話しします。

私が入社した当初は前職の影響もあり、どのような価値を創造できるかを説明するのが難しく、即座にはお話ししにくい状況がありました。しかし、入社から1年以上が経ちましたので、この点を含めてご説明できればと思っています。

33業種セクター別の株価収益率(PER)

この観点について、少しPERに関する議論を持ち出してご説明したいと思います。PERとは株価収益率のことで、足元では半導体企業による投資が拡大されており、この議論は以前よりもわかりやすくなったのではないかと思います。

PERは時価総額を純利益で割ったもので、バイオテックではコア営業利益を基準にするケースが、製薬企業も含めて海外でも一般的に採用されています。そのため、営業利益が何年で時価総額を回収できるかを示す指標となります。現在の営業利益で、時価総額を何年で回収できるかを計算する際に、このPERが活用されます。

日経平均は現在、約20倍を超えています。医薬品セクターの場合は、参入障壁が非常に高い状況ですので27倍となっています。一方で電気機器や非鉄金属、半導体セクターでは、参入障壁の高さと成長性の観点から、PERがさらに高い水準にある状況です。

私がお伝えしたいのは、機関投資家の方々にネクセラファーマのバリュエーションの考え方をご説明する際に、プラットフォームをしっかり織り込んで数値を示すのは難しい部分があります。

ただ、コマーシャル事業に関しては製薬セクターに属していますので、この事業をPERで議論できるのではないかと、その点をみなさまにお伝えしたいと思っています。

主要パイプライン

コマーシャル事業についてPERを用いて、どのように時価総額を算定できるのかについて、簡単な印象ですがお話ししたいと思います。

2026年12月期の業績予想の内訳(主な新規提携を含まない)

コマーシャル事業における今期のガイダンス予想では、売上収益を195億円、コア営業利益を77億円と見込んでいます。本来のPERの考え方に基づけば、純利益をセグメントごとに算出して利用しますが、現時点では感覚値としてお話しします。

売上収益195億円、前年同期比ゼロパーセントとなっています。これは先ほどご説明したようにヴィアトリス社の件が影響しており、前年に15億円減少した段階での数値ですので、成長もしているという状況です。また、販管費も削減し、このような着地を目指すというかたちです。

先ほどのPERを用いると、時価総額は利益にPERを掛けて計算できます。コマーシャル事業ではコア営業利益が77億円となっており、ここにみなさまが何倍のPERを掛けて、時価総額を出すのかということです。

PERの数値について具体的な言及は控えますが、私と機関投資家とのコミュニケーションの中では、そのような計算でコマーシャル事業を評価していただきたいこと、また、コマーシャル事業でのバリュエーションに説明がつくという点を含め、さまざまな議論をしています。

プラスアルファとなるのが、バイオテックにとってのプレミアムであるプラットフォーム事業です。現在、我々はプラットフォーム事業において、ニューロクライン社のM4作動薬のフェーズ3や、オレキシン作動薬でフェーズ2、フェーズ3がプロトコル上は開始予定となっています。

その点を含めたプレミアムが上乗せされてくるというのが、今の価値を考えられる方法かなと思っています。

2026年12月期の業績予想の内訳(主な新規提携を含まない)

プラットフォーム事業の価値を考える場合、コア営業利益1億円にPERをかけるのでは、みなさまには納得いただけないように思います。

あくまでも足元のPERを使って時価総額を算出するものであり、実際の評価については、中長期的な成長をみなさまに織り込んでいただくかたちになると考えています。

主要パイプライン

事業価値を考える際に重要なのは、経済条件だと考えています。ニューロクライン社の場合、マイルストン総額は26億ドルです。このマイルストン総額には、開発マイルストンと販売マイルストンが含まれ、それぞれ15億ドルと11億ドルです。これらの金額は現金として入ってくる可能性があります。

また、先行薬の「Cobenfy」もあるため、それを含めてロイヤリティを換算し、将来的な収益がどのくらい得られるかをニューロクライン社で計算できると考えています。

センテッサ社については、私が昨年入社した時にはフェーズ2aのデータがまだ出ていませんでした。そのため、当時アナリストとしてレポートを書いていた際には、ほとんど織り込んでいなかったと記憶しています。

そこがOX2作動薬「ORX750」、OX2作動薬「ORX142」、OX2作動薬「ORX489」の中で、「ORX750」のフェーズ2の結果が昨年11月に発表されました。詳細な結果についてはブログなどをご覧いただくのがよいかと思いますし、機関投資家の中にはそのブログの内容で結果を把握した方もおられました。

当社は続報が発表されると考えていましたが、その前に買収されたため、続報は確認できない状況です。引き続き注目していきたいと思います。

2026年12月期の業績予想の内訳(主な新規提携を含まない)

このようにロイヤリティ換算し、どのくらいの金額になるのかをみなさまに想定していただきながら、いわゆる適切な倍率でPERを掛けていただくことが、時価総額を弾き出す方法になると考えています。

33業種セクター別の株価収益率(PER)

そのような意味で、日経平均は現在20倍程度かと思いますが、そのようにして時価総額を計算するものと考えていただければ幸いです。

2026年12月期の業績予想の内訳(主な新規提携を含まない)

私が伝えたいのは、足元でプラットフォーム事業とコマーシャル事業の2つがある中で、機関投資家に時価総額を伝えるという観点では、コマーシャル事業は足元でキャッシュがあるので、PERを適切に設定していただければと思います。

主要パイプライン

プラットフォーム事業のロイヤリティ換算においては、EP4作動薬とGPR52作動薬を除き、センテッサ社とニューロクライン社のみのデータですが、経済条件が明確な範囲で計算していただくことで、時価総額をみなさまの中で算出できるかと思います。

カバレッジ会社のアナリスト予想

本来であればカバレッジアナリストの予想もすべて提示して、みなさまと議論したいのですが、それには許可が必要なのです。今回も全面的に黒塗りとし、目標株価と更新日のみを掲載しました。

私が将来的に取り組みたいと思っていることとして、このようなかたちで情報を提示し、「M4作動薬はこういう金額で入っていますね」や「OX2作動薬はこういう金額で入っています」といった議論を深めることで、会社の質や対外的な評価が向上すると考えています。今後、こうした取り組みを進めていきたいと思っています。

ここまでがDeep Dive1でした。ネクセラファーマの価値をどう評価するかという点では、ご納得いただけない部分もあったかもしれません。

コア営業利益は純利益ではないというという観点もありますが、機関投資家と話をする際にはこれを用いて時価総額の説明をしていることも一つの要素としてあると思います。そのようなことを説明する意図を持って、Deep Dive1で使用しました。

主要パイプライン

Deep Dive2でパイプラインの詳細について説明します。まず、我々はファーストインクラスからベストインクラスへとシフトしており、昨年8月以降リリースから約1年が経過しようとしています。

最初に強調したいのは、肥満・代謝領域でしっかりと進捗が見えている点です。ただし、定量的に何かをお伝えするのは正直難しい状況です。しかし、お伝えできることは用意していますので、事前にいただいた質問についてはお答えしたいと思います。

肥満領域の市場見通しは10兆円を優に超える

肥満薬についての市場環境について、簡単におさらいします。肥満薬の市場は足元ではそれほど大きくありませんでしたが、将来かなりの成長を遂げると見られている市場です。金額感としては、10兆円を超える規模になると言われています。

スライドはドル表記ですが、ミリオンドル表記の中で10兆円を超える市場規模になると見込まれているのが現状です。

メカニズム別市場規模で大きいものとして、基本的にGLP-1が挙げられます。現在の状況では、GLP-1を主軸とし、GLP-1にプラスアルファした薬剤が出てきています。

GLP-1単独またはGLP-1とGIPの組み合わせ、この2つでほぼ予想ができるという状況です。カバーされている状況です。他の薬剤については、まだほとんど予想には含まれていません。

このような観点からも、市場はさらに大きくなる可能性があることは、みなさまのご理解のとおりかと思います。

肥満領域の経口薬パイプラインは引き続きGLP-1が中心

みなさまのためにお持ちした資料として、Evaluate Pharmaを自分なりに分析し、注射と経口でどのようなものが進行中かをまとめました。注射が多いのはもちろんですが、経口も増えてきています。

ただし、経口が増えてきたものの、GLP-1が中心であり、GLP-1と他の化合物を組み合わせたものはまだ少ない状況です。

そのため、「もうレッドオーシャンじゃないか」という意見をよく聞きますが、実際のところ、当社の開発部門もUKの研究チームも、そのような結論には至っていません。GLP-1/GIPアンタゴニスト、GLP-1/GIPアゴニスト、GCGR作動薬などを含め、取り組むべき領域は残っています。

当社が現在どれをどのように進めており、イーライリリー社とどのような協働をしているかについてはお話しできませんが、まだ十分勝機のある領域があるとご理解いただければ幸いです。

経口薬の後期開発品はGLP-1関連が占める

経口薬についてのスライドです。ご説明は割愛します。

肥満・代謝性疾患・内分泌疾患に対する次世代治療薬開発に注力

我々の取り組みについては、クリスも株主総会の資料を含めて開示しています。現在、「GLP-1 ag」「GIP ant」「Amylin ag」を着実に進めており、その他の案件についても取り組んでいる状況です。

イーライリリー社の案件に関しては、契約上、イーライリリー社が進めていることに対し、当社が同様に進行することは基本的にできないという点はご理解のとおりです。したがって、イーライリリー社に関しては、異なるターゲットに取り組んでいるとご理解いただければ幸いです。

当社としては、注射剤が基本的に利用される中、経口化への移行というトレンドが引き続き不変であると考えています。また、経口化においても、利便性や副作用、リバウンドの観点を含め、引き続き勝機があると捉え、肥満や代謝領域において積極的に取り組みを進めています。

一方で、コストコントロールという課題については、ガイダンスを示すべき状況です。日本市場の現状を鑑みると、さらなる投資が難しいという実情もあります。ただし、肥満・代謝領域で進捗が見られる状況であることをご理解いただけると幸いです。

主要パイプライン

足元のEP4作動薬、GPR52作動薬、EP4拮抗薬に関してお話しします。

他社との差別化が可能で、事業価値も大きい領域にR&Dを集中

現状、フェーズ2の準備が整っているのはGPR52作動薬とEP4作動薬です。複数の競合企業とのライセンス交渉が進行中であり、今年中に少なくとも1件の導出を目指しています。

EP4拮抗薬に関して、現在フェーズ2a試験を実施中であり、4つのがん種において進行しています。直近では、小野薬品工業が良好なデータを発表しており、その結果、プログラムの価値が高まっていると考えています。

現状においてもEP4拮抗薬への注目が高まっている状況です。ただし、当社としては、この4つのがん種に関する試験結果を踏まえ、慎重に判断を進めていきたいと考えています。直近では小野薬品工業に加え、科研製薬もEP4拮抗薬に関する情報を開示しており、日本企業がこの分野をさらに推進しているとご理解いただければと思います。

NXE’744:EP4 受容体作動薬 – 炎症性腸疾患(IBD) – P2試験開始準備完了

EP4受容体作動薬の現状については、コーポレート資料に記載のとおりです。私自身もブログで「価値が上がった」といった話題を取り上げることが多いのですが、その一例として、インドメタシン負荷モデル、いわゆる健常人を患者さまのような腸内環境にしてデータを収集するモデルが挙げられます。このデータによって、より引き合いが強まっている状況ではないかと思います。

昨年からBDチームがEP4作動薬をターゲットとして導出に取り組んでいましたが、足元のインドメタシンデータが示されたことで、さらにアクセルを踏まれるかたちとなりました。この点については、今回の決算説明会でパトリックも英語ですがインドメタシンについて触れていたかと思います。このインドメタシン負荷モデルがアクセルを強める契機となったため、引き続きご注目いただけると幸いです。

なお、当社として取り組むべきことはすでに完了しており、フェーズ2試験の準備が整っています。この段階で導出が決まれば、次はフェーズ2試験が開始されることになります。今後進捗があれば、適宜ご報告します。

NXE’149:経口GPR52作動薬 – P2試験開始準備完了

経口GPR52作動薬についてご説明します。こちらはベーリンガー社とのオプション権の行使の中で情報を渡す過程で返却されたものですが、フェーズ2試験の準備が完了している段階です。当社としてはすでに十分なデータが取れており、現状では引き続き交渉中です。これも含めて注目いただけると幸いです。

足元の状況や感触は、事前にいただいた質問で取り上げていますので、そちらでお話ししたいと思います。

EP4受容体拮抗薬NXE’732 – 進行性固形がん

EP4受容体拮抗薬に関しては、競合薬の動向も注目する必要があります。小野薬品工業のデータも発表されているため、その点を含めてご説明します。

今期の導出という観点では、EP4拮抗薬よりも、EP4作動薬やGPR52作動薬が主題となりますが、EP4拮抗薬についても足元でさまざまなデータが出てきています。せっかくの機会ですので、ご説明したいと思います。

現在、EP4拮抗薬はフェーズ2への拡大パートが進行中であり、大腸がん、胃がん、腎細胞がん、前立腺がんの4つのがん種を対象としています。

その中で、直近では競合薬「ONO-4578」において、胃がんに関する良いデータが出ています。また、最近、彼らがR&D説明会を開き、大腸がんに関するデータも発表しています。当社もこれらと同様にしっかりと取り組んでいます。

さらに、腎細胞がんと前立腺がんに関するデータについても、2027年6月に試験が終了する予定ですので、来年にはみなさまに共有できると考えています。引き続きご注目いただければ幸いです。

EP4作動薬における当社製品・競合薬の動向

競合環境についてです。EP4拮抗薬に関しては、現在の多くは3社で、これらに加え科研製薬の合計4社が取り組んでいます。ネクセラファーマは4つのがん種を対象としており、150名の患者さまでフェーズ2パートに移行している状況です。

小野薬品工業は、HER2陰性胃がん・未治療という、非常に注目すべきデータを提示しています。セカンドラインやサードラインが多い中で、未治療のHER2陰性胃がんに焦点を当てており、そのフェーズ2の結果を、米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されました。

無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)があり、95パーセント信頼区間においてOSでも有意差をとりました。さらに、サブグループ解析では、PD-L1の発現が高い方に絞るとPFSがさらに強化され、OSもハザード比として改善されるというデータが示されました。この結果は注目され、コアな方々には記憶に新しいのではないかと思います。

今後、結腸・直腸がんのデータが出てくる予定です。この分野は我々が取り組んでいる領域ですので、新たなデータの発表により、プログラムの価値がさらに向上していると考えています。引き続きご注目いただけると幸いです。

現在、この分野では基本的に2社が中心となり、ファーストインクラスのターゲットとして進められています。

主要パイプライン

M1/M4作動薬およびM4作動薬に関連するニューロクライン社に関するお話しします。

Deep Dive1でお話しした「ネクセラファーマの価値をどう考えるのか?」の現在の状況がある程度示され、見通しも立っているため、みなさまにもご理解いただきやすい内容かと思います。あらためてご説明します。

Neurocrine社は広範なムスカリン作動薬ポートフォリオを開発中

ムスカリンは、ニューロクライン社のポートフォリオの中で非常に重要な位置を占めています。同社には4つの化合物が存在し、「Direclidine」「NBI-‘570」「NBI-‘569」「NBI-‘567」です。

スライドはニューロクライン社がよく提供しているチャートで、M1からM4でどのくらい選択的かで、化合物が変わります。この中で、M4に対してより選択的な化合物が「Direclidine」であり、現在フェーズ3が進行中です。

一方で、M1/M4デュアルのものとして「NBI-‘570」と「NBI-‘569」があり、「NBI-‘570」はフェーズ2が開始された段階にあります。「NBI-‘569」に関しては、ニューロクライン社がアルツハイマー病に伴う精神疾患をターゲットにフェーズ1bを開始したと報告していました。

さらに、「NBI-‘567」はよりM1に特化した、いわゆるM1 Preferringの化合物です。M1は認知機能により関与するのではないかとも言われ、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症を対象に、フェーズ1が進行中です。

M4作動薬のフェーズ2試験トップライン結果

トップラインのデータ結果が出るのは、来年のどのタイミングになるかは未定です。ただし、ニューロクライン社が直近の説明会で、来年結果が出ると説明していますので、フェーズ3の結果がPANSSスコアとして示される見込みです。

フェーズ2の際の20ミリグラムでのPANSSスコアでは、5週目と6週目の双方で有意差が確認されました。

より多くの被験者を伴うフェーズ3において、この結果を再現できるかどうかが最大の焦点で、来年の最大のカタリストになると考えています。

グローバルP3試験の概要

このフェーズ3の試験内容を整理したものが、こちらのスライドです。フェーズ2では20ミリグラム、30ミリグラム、60ミリグラムをそれぞれ1日1回、加えて30ミリグラムずつ1日2回投与していましたが、20ミリグラムを1日1回投与することで、しっかりとした有意な差を確認できています。

フェーズ3では、この20ミリグラムを基に試験を進めており、米国で21施設が参加しています。なお、施設数は増加する可能性もあります。現時点で取得したデータによれば、21施設でプラセボを1対1の割合で実施しています。

もう1つのフェーズ3試験が、米国と欧州を含む15施設で進行中です。

試験の終了時期、プライマリーコンプリーションは2027年10月か11月頃とされています。ニューロクライン社によれば、少なくとも1本の試験結果については来年中に出るとのことですので、結果が楽しみです。

ニューロクライン社はフェーズ2の際にも、当初予定されたプライマリーコンプリーションよりも早く結果を公開しています。そのため、当社としても、今回の試験結果が10月や11月よりも早く出てくる可能性があると考えています。今後の進捗についても、アップデートがあれば随時お伝えしたいと思います。

「フェーズ3が4本走っているのはどういうことか?」よくご質問をいただくので、ご説明します。

フェーズ3は、もちろん2本のピボタル試験が進行中ですが、それ以外に長期有効性を見るために実薬群のみで行ういわゆるオープンラベル試験も進行中です。こちらは600名の患者さまを対象に実施しています。こちらは主要評価項目として中長期的な有効性を評価しています。具体的には、最大3年後に有害事象が発生した患者さまがどの程度いるのかを検証するものです。

さらに、もう1つ注目すべき試験として、再発予防・維持療法を目的とした統合失調症のフェーズ3試験が、560名の患者さまを対象とした試験です。結果が得られるまでには時間がかかりますが、結果が出た後には医師の利便性という観点で影響を与える可能性があるため、重要な試験と考えています。

このような理由から、フェーズ3の試験全体としては、現在4本が進行中です。そのうち、特に青色でハイライトした2本の試験のうちの1つが、来年には結果が出てくる予定です。また、ニューロクライン社に関して進捗やアップデートがあった場合にも、ご説明したいと思います。

このシーズに関しては、双極性の躁病の患者さま150名を対象にフェーズ2が開始されており、実薬とプラセボが1対1で試験されています。現在のところ6施設で試験が実施されており、2028年2月に終了予定です。

また、2027年にこのようなイベントがあるとすると、2028年には双極性躁病のフェーズ2の結果と、もう1つのフェーズ3の結果が出そろうこととなります。これにより、M4についてもこれらの結果を見るタイミングがあると考えています。

安全性:副作用リスク

こちらも毎回提示しているスライドですが、「Cobenfy」との比較です。先行する「Cobenfy」と、このM4作動薬の差別化の観点では、安全性の面と服薬の面が重要であると考えています。

特に服薬の面が注目されると考えており、食事制限が「あり」か「なし」か、服薬回数は「1日1回」か「1日2回」で分かれることになります。

「Cobenfy」は食事制限「あり」という条件を付けており、食前1時間と食後2時間は服用できません。そのため、一般的な服用パターンを考えると、朝起きて飲み、寝る前に飲むという服薬スタイルを患者さまに求めることになるのが、「Cobenfy」の特徴です。

一方、「NBI-568」に関しては、ニューロクライン社のフェーズ3のプロトコル上、食事制限なしで1日1回の服用となっています。この差別化のポイントを意識しながら、売上高の見通しを考えていく必要があると考えています。

「Cobenfy」に関しては進捗が遅れていると、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(以下、BMS社)の決算説明会などでも言われています。これは、食事制限あり・1日2回の服用という条件下では、すでに「リスペリドン」など他の古い薬剤が食事制限なしで1日1回の処方を実現しているため、差別化が難しく、浸透が遅れているのではないかと、アナリストベースで語られています。

こうした観点からも、食事制限や服薬回数は重要なポイントだと考えています。

先行薬Cobenfyの売上予想

私からもマンスリーを含めてみなさまに共有しているスライドです。

「Cobenfy」については、これはネクセラファーマの予想ではなく「Cobenfy」という薬に関するアナリストによるEvalusatePharmaでの予想です。2032年の見通しとして40億ドル、すなわち4ビリオンドルを超えると言われています。

当社はこれと同等、もしくはこれを超える売上高を目指し、ニューロクライン社にがんばってほしいと期待しています。

先ほど「ネクセラファーマの価値をどう考えるのか?」とお話ししましたが、コマーシャル事業は足元のPERによる評価となるかと思います。一方で、プラットフォーム事業はPERで価値を測るのは難しいです。その時に試してみていただきたいのが、将来の売上予想から一定程度のロイヤリティ収益を換算し、それを基にどのくらいのPERを算出するかは人それぞれかと思いますが、そのようなかたちで価値を算出していただければと考えています。

当社製品・競合薬の動向(ムスカリンプログラム関連)

今後のデータについて、M4作動薬に関しては、フェーズ1の結果がさまざまな面で明らかになる可能性があります。ただし、後期開発の予定は来年となっていますので、その点はお待ちいただければと思います。

競合の状況について触れます。「Cobenfy」に関しては、統合失調症以外にも双極性躁病、アルツハイマー病(AD)におけるアジテーション、あるいはアルツハイマー病における精神病やサイコシスに適応しています。

ADEPT-1、ADEPT-2、ADEPT-4に関しては2026年のリードアウトが予定されています。ムスカリンの価値向上において、これらのデータは重要ですので、当社としても注目しています。

また、Neumoraという会社がコホート3・4・5で患者さまの試験を行っており、これも2026年後半にリードアウトが計画されています。

最近ではありませんがもう1つの事例として、MapLight Therapeuticsという会社が上場し、こちらも統合失調症に関する大規模な試験を実施し、結果が出てくるタイミングでもあります。

これらの結果は当社のものではありませんが、こうした進展により、ムスカリンが再注目される可能性があります。これらのデータを含む新たな結果にご注目いただければと思います。もし新たな情報が得られましたら、ブログなどを通じて情報を共有します。

主要パイプライン

ここまでがM4作動薬に関するご説明でした。

OX2受容体作動薬シリーズ

オレキシンに関するプログラムの発表についてご説明します。

オレキシンに関連して、イーライリリー社がセンテッサ社を最大78億ドルで買収した事例があります。CVRによるプラスアルファのプレミアムを含まない場合、約63億ドルの買収となります。したがって、現在の為替レートを160円程度と考えると、1兆円を超える規模の取引であり、この資金を使ってセンテッサ社を買収したのがイーライリリー社です。

買収に伴い、開発順位が不明瞭になると懸念される方も多いかと思います。しかし、センテッサ社は3つのパイプラインを有しており、その状況にもかかわらずイーライリリー社が買収に踏み切っています。この3つのパイプライン、「ORX750」「ORX142」「ORX489」については、さらに開発が加速すると思われます。

一般的に、買収して失敗すると減損のリスクがありますが、少なくとも減損が発生するまでは、会社として非常に力を入れるのが通例です。したがって、今後2年から3年の間に、どのような試験プロトコルが設定されるのか、どのような疾患を対象とするのかという点も含めて、当社は注目していきます。この内容をみなさまと共有できればうれしいと思います。

これらについて、現状ではイーライリリー社から発表はありませんので、発表を待ちたいと考えています。

OX2作動薬の競合データ整理

ここからはデータについての話になりますので、少しニッチな内容になります。このデータは、昨年の私のログミーセミナーでも取り上げたものです。その際も「このデータはなかなかよいでしょう?」と、みなさまにご説明したと思います。

そのような会社が買収されていったことについては、分析としては興味深いものでした。

「ORX750」に関しては、安全性のデータがまず出ています。スライド上では「Unknown」と記載しましたが、当時のプレスリリースには「Severe(重度)な有害事象がなかった」と記載しています。したがって、「Severe」がなく、それ以外の有害事象があったというかたちになるかと思います。

このように比較してみると、「Severe」の部分が「TAK-861」にあったが、「ORX750」において「Severe」がなかったという点が、安全性の観点で少し評価できるかと思います。

OX2作動薬の競合データ整理

有効性について、スライドはナルコレプシーのタイプ1における横比較データです。追加した数値は1.5ミリグラム用量漸増中の試験に該当します。

用量漸増とは、フェーズ2a試験の中で最初の用量から開始し、妊孕性も考慮しながら用量を徐々に増加させていくものです。用量を増加させることで有効性が高まる可能性がある一方で、安全性も懸念されます。そのため、最終的な用量を決めることが、用量漸増試験の目的です。

この用量漸増試験の初期データは、彼らが2025年11月の第3四半期決算時に同時に発表したものです。MWT(覚醒維持検査)とは、暗闇に置かれた際にどれくらい起きていられるかを測定する検査です。横比較の結果、20分以上の改善が見られたことはよかったと思います。

個人的に最も重要だと思うのは、ESSスコアのような指標です。また、カタプレキシー頻度の観点ではWCRが該当すると思います。

ナルコレプシーの患者さまは、突然眠りに落ちるという発作があります。その発作を防ぐ指標としてWCRが用いられます。WCRは0に近いほど良く、1.5ミリグラムでこの程度のデータが得られており、その上で用量漸増中ということで、ブログでも紹介しました。

OX2作動薬の競合データ整理

NT2とIH(特発性過眠症)に関しては、用量漸増中のデータが出ています。現在、フェーズ2aの続報結果を待っている状況で、楽しみにしています。現時点で、先ほどのMWTで両方とも改善が示されており、ESSスコアも確認されています。

競合状況についてですが、アルケルメス社がフェーズ2のNT2やIHの結果を待っています。また、6月頃にヨーロッパで開催される学会「SLEEP」にも注目が集まると考えています。

OX2作動薬の試験プロトコル

「ORX750」に関しては、直近でプロトコルのアップデートがありましたので、スライドを作成しました。

私があくまでファクトとしてお話ししたデータは、昨年11月に発表されたフェーズ2aの改定前のもので、1日1回のクロスオーバーデザインによる96名の試験結果です。

その後、イーライリリー社による買収以降、プロトコルが改定されました。この改定がイーライリリー社の影響によるものかどうかは不明です。ただし、結果として試験は1日1回のパラレルデザインとなり、患者数は約3倍の248名に増えています。

この改定の意義として、フェーズ3では基本的にパラレルデザインが採用されるため、フェーズ3の確度が高まるという観点から、非常によい改定だったと考えています。

本試験のデータは2026年12月に発表される予定です。結果が出るまでに少し時間がかかりますが、その間にフェーズ2・3のプロトコルが開示されました。これにより、NT1(ナルコレプシータイプ1)およびNT2(ナルコレプシータイプ2)でパラレルデザインによる試験が222名、実薬:プラセボは2:1で行われました。

2027年に結果が出ると言及しましたが、プロトコル上はスライドのように改定されました。内容を反映させたものです。この試験が開始される予定だと、クリニカル・トライアルズにも記載されており、注目すべき内容と言えるでしょう。

センテッサ社はバイオベンチャーであるため、大規模試験に十分な資金を投入できず、これまではコストパフォーマンスを重視したクロスオーバーデザインが採用されていたと考えられます。今回のパラレル試験への変更は、フェーズ3の予見性を高めるものですので、個人的に有益な改定と捉えています。

このプロトコルはすでに公表されています。スライドは「TAK-861」のフェーズ3結果に関するプロトコルを比較しています。試験が1日1回なのか2回なのかについては明記されていないため省略していますが、基本的に同様のデザインが採用されています。

12週時点でMWT(Maintenance of Wakefulness Test)の結果が得られると考えられます。NT1、NT2、すなわちナルコレプシーのタイプ1、タイプ2に加え、IHについてもコホートCで試験が拡大される可能性が示されています。引き続き注目すべき内容です。

当社製品・競合薬の動向(OX2作動薬関連)

スライドは現状のマッピングを示しています。「ORX750」に関しては、武田薬品、エーザイ、アルケルメス社の4社が重要な競合相手と考えられます。やはり武田薬品が先行しており、「TAK-861」が夏頃に承認されるのではないかという議論がされています。

現在進行中なのはナルコレプシーのタイプ1です。続いて、武田薬品はナルコレプシーのタイプ2に関して、「TAK-360」という化合物でフェーズ2を進めています。

タイプ2については、アルケルメス社がフェーズ3を進行中で、NT1、NT2が並行して行われています。特にNT2のフェーズ3は来年終了する予定です。

センテッサ社について見ていくと、NT1とNT2に関しては、プロトコル上はフェーズ3が進行中し、2027年9月に終了予定です。

NT1では武田薬品が先行し、その後をアルケルメス社、センテッサ社、イーライリリー社が追いかける展開です。

一方、NT2に関しては、アルケルメス社とセンテッサ社が一番手を競っています。センテッサ社は「ORX750」に加えて「ORX142」も保有しています。

CVR条項に関して、機関投資家からもよく質問を受けますので、簡単にお話しします。我々が把握しているファクトでは、CVR条項には「ORX750」や「ORX142」が条件として記されています。

例えば、NT2でFD承認を取得すれば追加で支払いが生じ、IHで承認を取得すれば買収金額が増額されるという内容です。さらに「ORX142」も明記されていますので、「ORX142」にも注目が集まることと思われます。

現時点では、神経変性疾患という開示に留まっていますが、これがフェーズ2でどのような疾患となるのかの詳しい開示が注目ポイントです。

この観点に関連して、現在アルケルメス社はNT1、NT2、IHに加え、パーキンソン病に伴う疲労やADHDにも取り組んでいます。このような取り組みを含めて、大きな可能性があると考えています。

こうした点を踏まえ、今後どのような疾患に展開していくのか、買収後の2年から3年という期間は事業を加速させるうえで非常に重要な時期となるため、センテッサ社に引き続き注目していただければと思います。

ナルコレプシーに対する開発品の売上予想

「プラットフォームの事業価値をどう考えますか?」に戻りますが、アナリスト予想で提示されている売上金額が存在します。その金額にロイヤリティを掛けた計算を各自で行っていただき、その上でPERも含めた議論を進めていただければと思います。

そのような意味で、「ORX750」の2032年にIHとNTを合わせた予測売上は、約16億ドルというイメージです。これにロイヤリティを掛けたものが、私たちのロイヤリティ収入というかたちになります。

なお、これは現時点でIHとNTのみの状況であり、「ORX142」は含まれていません。センテッサ社が買収されたことで直近のアップデートについては、アナリストがセンテッサ社のレーティングを除外しているため、コンセンサス予想が取れない状況です。

イーライリリー社の商品となった後、どのような予想に変動するのか、切り上がるのか切り下がるのかはわかりません。ただ、売上予想として注目していただければと思っています。

また、マンスリーレポートでもアップデートがあれば、引き続きしっかりと開示していきたいと考えています。

質疑応答:役員報酬と今後の事業展望について

「役員報酬を下げるべき時ではないか?」というご質問です。

会社からの回答としては、役員報酬については、昨年の事業構造再構築に関するリリースのとおり、2026年1月から12月についてすでに減額を発表しています。2027年以降については、通常どおり報酬委員会で決定される予定です。

一方で、株主のみなさまにとって最も重要なのは、制度についてではなく、企業価値向上であると十分認識しています。過去の目標や見通しが達成できていないことについて、株主総会でもご意見をいただいており、その声は経営陣にも伝わっています。

今後は、透明性の高い説明と事業成果を通じて、信頼を回復していきたいというのが経営陣の意向です。株主総会の際にCEOのクリスからも発言があったように、今後の成長への自信を持っていますので、お含みおきいただければと思います。

ここからは、私自身の言葉として少し付け加えます。昨年は、ベーリンガー社のオプション権の不行使など、残念なニュースが続きました。また、2025年の赤字着地については、みなさまもご承知のとおりです。ご心配をおかけし、申し訳なく思っています。

一方で、今年は着実にマイルストンを確実に達成し、信頼感を回復していく年になると考えています。第1四半期の黒字化を受けて株価がしっかりと上昇する局面があったものの、信頼感の回復が十分でないためか、その後株価が下がる場面もありました。ただ、下期にかけて導出の進捗に注目が集まる展開となっている点は、ご理解いただいているかと思います。

来年には、M4作動薬のグローバルフェーズ3の結果が出る見込みです。また、OX2作動薬については、当初はプロトコルや試験発表の時期が不明でしたが、プロトコルが提示されたことで、結果的にそのタイミングを推測できるようになりました。プロトコル上では、2027年中に結果が得られる予定です。

M4作動薬とOX2作動薬では、グローバルフェーズ3の重要な結果が2件出てくる予定であり、来年に向けて注目が集まる状況です。

私としては、従業員として関わるのは2年目ですが、長年のバイオ企業への投資を含めて考えると、創業以来の非常にわくわくする重要な時期を迎えていると感じています。

会社が本当に飛躍できるかどうかが問われる、見極めの1年から2年になると思います。今年の導出、そして来年に予定されるM4作動薬とOX2作動薬のデータを含め、ご注目いただければ幸いです。

質疑応答:借入金、社債償還および増資に関する見解について

「2028年末までに借入金や社債償還が発生する一方で、第1四半期時点での現金および現金同等物は約116億円となっています。どのように返済するつもりですか? あるいは増資をするつもりですか?」というご質問です。

まず、借入金に関しては、コマーシャル事業が会社の価値としてどれくらいのキャッシュを生み出しているかという意味で、コア営業利益77億円を今期のガイダンスで提示しました。キャッシュカウビジネスとなっていますので、ここから借金を返済していくことが可能です。したがって、借入金に関しては問題ないと考えています。

社債についてはご指摘のとおり、2028年末までに償還の可能性があります。しかし、2027年にはグローバルフェーズ3が、少なくともM4作動薬とOX2作動薬で進展すると見込んでいます。また、2028年にかけても多くのイベントが予定されています。

2027年以降の臨床結果に絞ると、M4作動薬のフェーズ3が2028年末までに2件あります。適応拡大が進められている双極性躁病についても2028年に進展が見込まれ、こちらはフェーズ2のデータとなります。また、M1/M4作動薬による統合失調症のフェーズ2の結果についても期待されています。

さらに、「ORX750」のフェーズ3が進行中であり、「ORX142」については対象疾患がまだ明らかになっていませんが、そのフェーズ2の結果も注目です。

加えて本日、小野薬品工業に関連した話がありましたが、EP4拮抗薬におけるフェーズ2a試験では、4つのがん種のデータが出てくると予想されます。また、「Vamorolone」の開発および上市の動向についても注目していただければと思います。このように、多くのイベントが予定されています。

他の大手製薬企業と比較しても、これほど新しい新薬でフェーズ2の結果が出てくる企業は非常に少ないため、ぜひご注目ください。私としては、特に興味深い2年間に突入していくと考えていますので、不安は感じていません。

ただ、一般的なことをお伝えすると、転換社債については転換価格が設定されており、そこで償還されるか、あるいは転換価格を上回る条件でリファイナンスするのが一般的です。現時点で特段何かが決定しているわけではありませんが、これらのイベントを含めた当社の成長にご期待いただけたらと思います。借入金と社債償還についてお話ししました。

増資については、これまでにも説明会でお伝えしているとおり、方針に変更はありません。会社のパイプライン、事業環境、そして現時点の株価を踏まえ、増資を検討しているかという質問に対しては、していないという回答になります。

一方で、本日の説明会でも肥満領域に関する話をしましたが、もしも米国の企業であれば、進捗が確認できる肥満薬に対して大規模な投資を検討することも考えられます。ただし、現時点でその選択肢をすぐに取るのは難しい状況です。

しかし、この肥満薬については、そのようなレベルでの一定の進捗が見られていることは事実であり、この点を今回の説明会でみなさまにお伝えしたいと考えていました。日本の企業である以上、肥満領域だからといって一気に特化して資金を投入するという選択肢を取るには、なかなか難しいのが現状だと考えています。

質疑応答:自社株買いの可能性と資金投下の方針について

「株価対策として、自社株買いは検討していますか? 剰余金のところがマイナスになっていたのを取り崩して、可能になったのではないですか?」というご質問です。

ご指摘のとおり、自社株買いについては現状可能な状況にあるというのが事実です。ただし、現時点で詳細な言及はできないことをご容赦ください。

自社株買いとは別の話ですが、資金投下の観点では、社内の開発において肥満領域での進捗にかなり成果が見られてきています。このような領域に資金を投下したいという意欲は、マネジメントを含めてあると考えています。

一方で、コスト削減を含めた損益計算書(P/L)の管理も重要です。そのため、米国企業のように大きくアクセルを踏むことができないのは残念ではあります。

まずは今年、しっかりとみなさまに黒字化を示し、安定的な黒字化を実現したいと考えています。そして、会社が認識している時価総額とマーケットとのギャップを埋めていきたいと考えています。

質疑応答:機関投資家比率増加と株価停滞要因について

「全体観として、グロースからプライムに変わったことで、機関投資家が増えるのではないかという議論があったと思います。一方で、時価総額がまったく上がらなかった理由に関して、どのように思っていますか? また、どのようにこの株価を考えていますか?」というご質問です。

機関投資家比率に関しては、確実に高まっています。もともとは40パーセントに届かない程度だったものが、現在は40パーセント台後半から50パーセント近くまで増加しているのが足元の状況です。

時価総額が上がらない件については、私も入社して1年が経ちますが、入社時の株価は900円で、ほとんど変化が見られない状況です。本当にみなさまに申し訳ないという気持ちです。個人投資家さまや機関投資家さまはもちろん、コマーシャル事業で資本市場と関わって医療現場に製品を届けている社員に対しても、そのような気持ちを強く感じています。

ただ、事業進捗の観点では、フェーズ3試験の結果が2027年に2本ほど出てきます。もちろん、これが後ろ倒しになる可能性や不確定な部分は否定できません。しかし、このような見通しが立っているという点で、事業環境としてはかなり大きく進展していると考えています。

株価が上がらない要因について、セクター関連やファンドマネージャーの話も含め、みなさまにお伝えしたいと思います。

株式市場では非常に特殊な市場環境が続いています。日経平均が2倍に上昇する中で、牽引役になっているのは非鉄金属や電気機器セクターの半導体関連銘柄です。この状況は、みなさまもご承知のとおりだと思います。

そのような中で、端的な回答としては、ディフェンシブ銘柄である製薬セクターには資金が入ってきていないということです。その背景を機関投資家やファンドマネージャーとのディスカッションを踏まえてお話しします。

投資信託や年金を運用しているファンドマネージャーが、どのような基準でその年の勝敗を判断しているかというと、日経平均やTOPIXに対するパフォーマンスによって決まります。現状では、半導体や電気機器が上昇しており、半導体を買わなければ勝ちにくい相場になっています。

つまり、TOPIXや日経平均を上回るパフォーマンスを目指すために、どこかのセクターを縮小する動きが起こり得ます。その中でディフェンシブ銘柄をはじめとした製薬セクターが縮小されている状況が見られます。

ただし、バリュエーションの観点では依然として割安であり、特に半導体関連ではCPIなどの材料が出てくる中で、グロースを含め、まだバリュエーションが評価されていない製薬セクターには資金が戻る可能性があります。

また、金利の上昇によってグロース銘柄が選好されにくいというフィードバックも、ファンドマネージャーから聞かれます。

一方で、ネクセラファーマがプライム市場に属していることには利点もあります。プライム企業になったことで、グロース売りと呼ばれるような条件がなくなったと思われます。現在の環境では、金利の上昇を背景にグロース銘柄が買われにくく、複数のグロース銘柄をバスケットにして一括で売却する動き、いわゆるバスケット売りというものがあります。

しかし、当社のようなプライム市場の企業はそのような対象銘柄とはなっておらず、この点で恩恵を受けています。足元では、バイオセクター全体の中でも年初からのパフォーマンスは比較的良好な状況にあると考えています。

加えて、プライム市場にいることでパッシブに買われる状況が生じています。機関投資家がパッシブ的に株を買い増すことで、機関投資家比率が足元で上昇していると考えられます。

株価については、ご期待に応えきれていない部分があり、申し訳ない気持ちです。ただ、製薬セクター全体で見ると、当社は健闘していると認識しています。期待に応えられていない点は重々理解していますので、時価総額の観点からもしっかりとご説明を重ねていきたいと思っています。

今は、非常におもしろい状況になってきているとも感じます。私が昨年入社してからの新しいデータとして、2025年11月のセンテッサ社のデータが挙げられます。そのデータを含め、フェーズ3の結果が間近に迫っている状況で、非常に興味深い展開になってきていると考えています。これからの1年から2年の間、みなさまとともに当社の銘柄を見ていけたらと思っています。

質疑応答:創薬提携の現状と経営判断について

「新規の大型の創薬提携の動きはあるのか、情報提供をお願いします」というご質問です。

このあたりも、よくいただくご質問です。これはブログにも記載していますが、創薬提携という意味では、アッヴィ社やイーライリリー社など、他の企業との提携を指しているのかと思います。

現状、アッヴィ社やイーライリリー社とは積極的にやり取りを進めており、その進捗についてはみなさまもご存じのとおりです。昨年、アッヴィ社やイーライリリー社との間でマイルストンが設定されており、今年もいくつか設定されました。現状、一部は達成済みとなっており、今後も期待できる状況です。

基礎研究レベルでの創薬提携については、「一緒にGPCR創薬をやりましょう」と多くのオファーをいただいています。一方で、アッヴィ社やイーライリリー社と取り組んでいると、一部の研究員がリソースとして割り当てられてしまいます。社内の研究リソースが必要にもかかわらず、オファーに取られてしまうため、研究開発費も一定期間高止まりしやすくなる状況になります。

そのため、我々としては創薬提携のオファーはあるものの、肥満・代謝性疾患において進捗が見られていることから、そこに人員を割きたいのが経営としての判断です。社内リソースをより確保し、社内パイプラインに充てることを目指したいと考えています。

なお、この創薬提携は、導出提携とは別の話となります。基礎提携の創薬提携に関しては、オファーはあるものの、足元では自社にフォーカスしているとご理解いただければと思います。この点については、ブログなどでも記載されているかと思います。

質疑応答:選択肢としてのロイヤリティ権利の売却検討について

「センテッサ社の事例を踏まえると、後期開発品の企業価値に与えるインパクトの大きさを痛感しています。一方で、財務基盤を考えると、自社開発に大きく舵を切るのは難しいのではないでしょうか? 選択肢としてロイヤリティ権利の売却なども検討してよいのではないですか?」というご質問です。

もちろんこの場で回答することはできないのですが、このような発想のご質問はすばらしいと思い、今回取り上げました。ただ、このようなご指摘は、年間700件ほど機関投資家と面談していても、2件から3件ほどの非常に希少なご意見だと思いますので、今回ご紹介しました。

一般論として少しお話しすると、ロイヤリティファイナンスについてですが、これはロイヤリティを売却する手法であり、米国ではこの分野を専門とする企業も存在しています。

具体例として、最近ではRoyalty Pharma社やLigand Therapeutics社などはそのような企業になってきていると思います。一般的に、ロイヤリティファイナンスでは、その企業が成功確率や割引率を考慮しながらリスクを負って事業を進めています。

したがって、我々のロイヤリティについて言うと、成功確率や割引率を踏まえた上でリスクを取る過程で、価格が安くなりがちとご理解いただければと思います。一方で、例えばイーライリリーが買収したセンテッサ社のように、3つのパイプラインに対し1兆円以上の価値が評価されるケースもあります。

安くなりがちな中でも、価値が高いと判断される場合には、米国においてロイヤリティファイナンスが実施される例も散見されます。現在の我々の立場ではこのご質問に、はい・いいえでお答えすることはできませんが、機関投資家以上に高い視点でのご意見として受け止めました。

質疑応答:第三者割当増資など、株価を下支えする観点の有無について

もう1つのご質問もすばらしいご指摘でしたので、すでに私から経営層に伝えました。

「株価が好調だった時の要因の1つに、ファイザー社が当時の株価にプレミアムをつけて第三者割当増資に応じたことがあると思います。それが株価の下支えになったのではないかと感じています。今後の導出活動を含めて、このようなことは検討していないのでしょうか?」というご質問です。

こちらも、お答えすることはできませんが、しっかりと見ていただいている方がいらっしゃることをうれしく思います。このような観点も非常に大事だと思っています。

提携先を含め、このような条件について話すことはもちろんあります。一方で、大手製薬企業の場合、時価総額が非常に大きいため、一時金で1億ドルともなり、「その金額のためだけに?」という議論になります。そのため、ロジスティクス面での費用対効果のハードルもあるのが実情です。

専門知識が必要なバイオテックや医薬において、日本では持ち株を解消するという方針が見受けられますが、私自身は「逆ではないか」と考えており、株式を引き受けていただくことは非常に良い手だと思っています。

少し話がそれますが、この点において、当社はファイザー社のみならず、産業革新投資機構(JIC)や、個人投資家として著名な五味大輔さまに株を持っていただいていることをうれしく思っています。

「海外投資家も含め、彼らはどのように考えているのか?」というご質問もありますので、そちらも含めて大切に取り組んでいきたいと思っています。このようなご指摘の質問をいただき、本当にうれしく、感謝しています。

質疑応答:イーライリリー社によるセンテッサ社買収の影響について

「イーライリリー社によるセンテッサ社の買収合意の後、ネクセラ由来の化合物の評価は上がったのですか? 導出交渉を最初からやり直してもよいのではないですか?」というご質問です。

イーライリリー社によるセンテッサ社の買収が、バイオ業界のBDに与える影響は非常に大きいと考えています。CFOの野村とCEOのクリスが先週、ニューヨークで開催されたJefferiesのカンファレンスに参加しましたが、機関投資家からの質問の多くはやはりこの件に集中していたと報告を受けています。

交渉中の案件がやり直しになることはないと考えていますが、成功確率において、議論が活発になるなど、一定の影響が出る可能性はあります。総じて、この買収は非常によい影響をもたらすものと考えています。

日本市場では2025年11月にセンテッサ社の結果が発表されましたが、株価には何の反応もありませんでした。この点については、みなさまからもご指摘いただいたとおりです。「IRが悪かったのではないか」というご指摘も含め、そのとおりだったと認識しています。

一方で、この結果に株価が反応しなかったことは、少し残念に思います。しかし、センテッサ社というバイオベンチャーの臨床結果では株価は動きませんでしたが、今後はイーライリリー社からの発表が予定されています。

そのような観点から、ようやくアナリストを含め、ニッチな注目を集めるのではないかと思います。そのため、日本市場に関与する私としては、今後大きな影響があると考えています。

また、今日もデータに関する議論を行いましたが、用量漸増の試験においてあのようなデータが得られ、用量漸増が終了したか否かの段階で試験プロトコルが改定され、高用量で試験が開始されているとすれば、期待値は非常に高いと思っています。こうした点を含め、今後の結果には注目すべきだと考えます。

今日の資料については後日公開される予定です。また、2025年11月の競合薬との比較をブログにも書いていますので、そちらもご覧いただければと思います。

質疑応答:マイルストン契約総額とムスカリンのフェーズ3について

「ムスカリンシリーズの開発マイルストンに関して、開発マイルストンが15億ドルですが、これは上市したら全部受け取れるという理解で相違はないでしょうか?」というご質問です。

おっしゃるとおりです。開発マイルストンが15億ドル、販売マイルストンが11億ドルです。これらを合わせて、総額で26億ドルの契約になっていると認識しています。

現状の開発が上市まで進むことや適応拡大などの付加的な要素もありますが、開発マイルストンとして15億ドルであることに関しては、特に違和感はないかと思います。

ムスカリンについては、来年、フェーズ3の結果が出る予定であり、注目のポイントといえます。競合薬である「Cobenfy」やMapLight Therapeutics社に関しても、今年後半にデータが公開されるタイミングがあると考えています。

そのような観点を踏まえ、ムスカリンの価値がどのように変わっていくのかについてもご注目いただければ幸いです。

質疑応答:肥満領域での研究開発の進捗と提携状況について

「肥満領域の自社開発パイプラインの進捗状況について、定量的な話が出てこないため、どのような状況なのか教えてください」というご質問です。

UKからのコメントも含めて、回答します。肥満領域については、ご説明したとおり、非常に大きな進展が見られています。しかし一方で、研究開発費を大きく投下できるかといえば、コストコントロールの範囲内で進めているため、一定の制約があると考えています。

より注力している内容としては、GLP-1作動薬、Amylin作動薬、GIP拮抗薬があります。具体的には、当社はNxStaR技術によって親和性が低い分子から構造情報を生成し、その構造を基に、より高い親和性を持つものをつくり出す能力を有しています。現在、UK側からこれを100倍から1,000倍程度高められたとの報告を受けています。

「GLP-1」に関しては、一般的な経口薬候補とは構造的に異なります。現在はorforglipron型やdanuglipron型を特許的には占めていますが、その構造とは異なり、結合様式が差別化されています。

加えて、orforglipron型などは分子の複雑性が高いのに対し、「GLP-1」は分子の複雑性が低い点でも注目されています。これは定性的な側面ではありますが、重要なポイントとしてご注目いただければと思います。

さらに、Amylin作動薬に関しても、UKが複数の足場にまたがる新規構造を持っていることが強みとして挙げられています。このような進展にもぜひご注目ください。化合物の最適化が決まれば、今年後半から来年にかけて前臨床に進む見通しです。

提携に関して、イーライリリー社が取り組んでいる肥満領域において、現在のマイルストン達成については、みなさまもご存じのとおりかと思います。順調な進捗が確認できていることをご理解ください。

イーライリリー社にとっても重要な領域であるため、詳細な開示は難しい状況ですが、今後開示可能となった際にはしっかりと公表したいと考えています。

質疑応答:「Vamorolone」の進捗、および、日本・韓国における売上予測について

「『Vamorolone』の進捗と、日本・韓国での売上予測について教えてください」というご質問です。

まず韓国については、2026年中の承認申請を計画していることを、直近の「Vamorolone」のODDおよびGIFT指定に関するリリースに記載しています。上市のタイミングに関しては、規制当局との調整が必要なため、現時点で具体的に申し上げることはできません。韓国における一般的なスケジュールに基づくとご理解ください。

日本については、規制当局との協議を進めています。こちらについても、現時点で上市スケジュールについて具体的にお伝えするのは難しい状況です。ただ、第2四半期の説明会時には戦略を含めて明らかになる見通しですので、まずはその時点までお待ちいただければと思います。

売上予測に関しては、当局の管轄事項であるため開示していません。ただし、当社が導入した元の会社であるSanthera社が準備している資料を持参しました。

Santhera社の説明会資料では、市場規模や患者数などのマーケットサイズが示されています。日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドにおける売上高として100ミリオンドルを想定している旨が記載されています。

当社からのコメントは特にありませんが、Santhera社はこのように見ています。この内容がコマーシャル事業に反映されるとご理解いただければと思います。

質疑応答:「クービビック」の海外展望、「ピヴラッツ」の後発品対策について

「『クービビック』の海外展望について教えてください。また、『ピヴラッツ』の後発品対策についても教えてください」というご質問です。

「ピヴラッツ」に関しては、開発戦略の話題に該当するため非開示とします。

「クービビック」の展望に関して、日本では塩野義製薬が決算説明会で「当面のピークは200億円を目指す」と発言されています。したがって、まずはその目標達成をみなさまにお示しできればと思います。また、その過程で原価低減効果による利益率の向上にも注目していただければと思います。

アジア展開について説明すると、韓国はリリースに記載のとおり、2026年3月に承認申請を発表し、2027年中の承認取得を計画しています。台湾についてはすでに公表済みのこととして、2026年4月に承認を取得し、2026年中には販売開始が見込まれています。

売上規模感については示すことができませんが、台湾と韓国市場によるアジアでの売上貢献に当社も期待しています。また、その他の地域における事業引き継ぎや提携活動についても、今期のカタリストを含む重要なポイントがあると考えていますので、引き続きご注目いただければ幸いです。

質疑応答:ニューロクライン社のムスカリンプログラムに関するマイルストンについて

「マイルストンのところを、タイミングを含めて内容を開示できないのでしょうか?」というご質問です。

これは契約に関わる内容ですので、開示は簡単ではないため、条件の開示はできません。ニューロクライン社にとっても業績予想に影響を与える事項ですので、ご容赦ください。

ただし、NBI’567、NBI’569、NBI’570に関しては、進捗があればマイルストンに組み込まれる設計になっています。

※質疑応答の続きは「YouTube」上のアーカイブ映像をご覧ください。

※説明会中にお答えできなかったご質問についてはネクセラファーマのブログにて公開させていただきます。

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