■株主還元策
クイックは、持続的な企業価値の向上と株主への利益還元を重要な経営課題と位置付けている。株主還元策は、配当政策、自己株式取得、株主優待制度、そして市場における株式の流動性向上策を組み合わせて行われている。
2026年3月期の1株当たりの期末配当は連結業績の状況を踏まえ、予想の18円から3円増額し21円に引き上げられ、年間配当は前期の32円から37.6円と5.6円の増配となった(配当額は2025年12月の株式分割を反映)。また、同社は中長期的な企業価値の向上を図るため資本効率の最適化に向けたキャピタルアロケーション方針の検討の結果、機動的な資本政策の遂行及び株主への利益還元をさらに強化するため、2026年4月に株主還元方針の変更を決議した。具体的にはまず2027年3月期より「下限配当」(年間配当38円)を導入し、2027年3月期から2029年3月期までの3年間は下限配当38円と配当性向70%のいずれか高い方を配当として採用する。加えて、機動的な資本政策の一環として、2029年3月期までの3年間で累計30億円以上の自己株式を取得する。これにより総還元性向は100%超となる見込みだ。なお、2027年3月期の年間配当は、2026年3月期実績の37.6円から38円へと増配とする計画であり、同社の年間配当は2022年3月期から6期連続の増配となる見込みである。
また、同社は株主優待制度を導入しており、中長期的な株式保有を促している。毎年3月末に300株(3単元)以上を保有している株主を対象として、保有株式数と継続保有期間に応じてクオカード、同社が選定する日本各地の工芸品または特産品などの優待品が贈呈される。株式の流動性向上については、2025年2月に主要株主が保有する90万株の立会外分売を実施、さらに2025年12月に普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)