AGENDA
青木耕平氏(以下、青木):株式会社クラシコム代表取締役社長の青木です。本日はお忙しい中、当社の決算説明動画をご覧いただき誠にありがとうございます。2026年7月期第3四半期の決算説明を始めます。
本日のアジェンダです。まず、2026年7月期第3四半期の決算概要および業績予想の進捗状況については、CFOの山口からご説明します。2026年7月期第3四半期の事業ハイライトについては、私からご説明します。
2026年7月期第3四半期業績のハイライト
今回の説明会における全体のハイライトについて簡単にご説明します。
グループ全体の連結売上高は26億8,000万円、YoYプラス17パーセントとなり、今四半期も計画どおりに非常に堅調な成長を遂げることができました。
連結EBITDAは4億8,000万円、YoYプラス43.3パーセントと収益性の大幅な伸長が確認できた四半期です。
クラシコム単体の売上高でも26億円、YoYプラス16.2パーセントと堅調な成長を見せています。また、購入者数は11万3,000人となり、売上成長と購入者数の成長はほぼ相関しています。しっかりとした購入者数増加を伴う健全な成長だといえます。
このような背景には、「北欧、暮らしの道具店」のマーケティング投資をインハウス化し、効率化しながら規模を拡大させていることがあります。
第3四半期ではアプリのダウンロード数が四半期として過去最高を達成し、そのような背景もこの成長を実現させる要因となっています。
続いて、第3四半期の決算概要および業績予想の進捗について、CFOの山口よりご説明します。
2026年7月期 第3四半期 損益計算書(対 前年同四半期実績)
山口揚平氏(以下、山口):取締役CFOの山口です。私からは2026年7月期第3四半期の決算概要および業績予想の進捗についてご説明します。
外部環境は非常に不透明な状況にありましたが、当社としては第3四半期も好調に推移し、業績予想に対して順調な進捗となっています。
まず、連結損益計算書について前年同四半期と比較しながらご説明します。売上高は26億8,000万円、17パーセントの増加となりました。
売上原価は「北欧、暮らしの道具店」におけるオリジナル比率の増加もあり、若干改善されています。それに伴い売上総利益は20.2パーセント増加し、売上高を上回る増加率となっています。
結果として、売上総利益率は46.3パーセントとなり、1.2パーセント改善しました。
販管費は増加したものの、増加率は8.5パーセントと低く抑えられているため、営業利益以下の各利益は前年同四半期を大きく上回る結果となっています。
EBITDAは43.3パーセント増加の4億8,800万円となり、EBITDAマージンも18.2パーセントと非常に高い収益性を達成しました。
2026年7月期 第3四半期 セグメント別業績(対 前年同四半期実績)
セグメント別の状況です。こちらも前年同四半期と比較しながらご説明します。
「北欧、暮らしの道具店」はマーケティング投資が好調に推移し、売上高、EBITDAともに第3四半期として過去最高を更新することができました。売上高は16.2パーセント増加し、EBITDAは42.9パーセント成長しています。
「foufou」も、前年同四半期比で売上高が60.3パーセント増加し、高い成長を実現しました。期首にかなり高い業績予想を設定したため、目標には若干届かなかったものの、第3四半期累計で66.8パーセントの成長を達成し、引き続き高い成長を維持しています。
販管費の状況
販管費の状況についてご説明します。全体では6,000万円増加し、7億7,000万円となりました。増加率は8.5パーセントです。
増加率が低く抑えられていることで、売上高販管費率は前年同四半期比で2.2パーセント改善し、28.8パーセントとなりました。
広告宣伝費については、一定の規律の中で、引き続き積極的にマーケティング投資を行っています。前年第3四半期はやや多めだったことから、増加率は低くなっていますが、継続して積極的な投資を行い、しっかりと成果も出ています。
人件費については、人員数はほぼ変わらず、主にベースアップによる増加となっています。その結果、増加率は8パーセントと低く抑えられています。
このように、人件費を大きく増やすことなく規模の拡大に対応できているため、人件費が売上高販管費率の低下に寄与している状況が続いています。
その他のコストについては、事業規模の拡大に伴い、システム関連の費用などが若干増加しています。
2026年7月期 業績予想の進捗
業績予想に対する進捗についてご説明します。全体として、業績予想に対して順調に進捗しています。
第3四半期終了時点で、売上高の進捗率は78パーセント、営業利益以下の各利益の進捗率は90パーセントを超えています。売上高はほぼ想定どおり、各利益については若干想定を上回る推移となっています。
外部環境は非常に不透明な状況ですが、足元では中東情勢を含めて大きな影響は出ていません。第4四半期の販売に必要な在庫の準備もすでに発注を完了しており、目途が立っています。
そのため、このような不透明な状況にある中でも、業績予想を変更する必要はないと判断しています。
2026年7月期 セグメント別 業績予想の進捗
セグメント別の進捗についてご説明します。
「北欧、暮らしの道具店」は順調に進捗しています。売上高は78.8パーセント、EBITDAは93パーセントの進捗となっており、いずれも業績予想の想定を若干上回る進捗です。
「foufou」はかなり高い業績予想を立てており、その目標には届いていません。ただし、今期はしっかりと売上成長を実現できる見込みです。
2026年7月期 第3四半期 連結貸借対照表
貸借対照表の状況です。全体的に非常に健全な状態を維持できています。
前期末からの大きな動きとして、まず現預金が2億4,200万円増加しています。配当金の支払いが3億5,300万円あったものの、毎四半期しっかりと営業キャッシュフローから資金を獲得できていることから、増加に転じました。
また、商品は前期末から4億6,500万円増加しています。これは事業規模の拡大とシーズン在庫量による季節変動が要因ですが、在庫の中身としては非常に健全な状態です。
2026年7月期 第3四半期 連結キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書の状況です。第3四半期の3ヶ月間において、営業活動から3億円を超える資金を獲得しました。投資活動と財務活動に関しては、大きなトピックスはありません。
配当予想の修正
配当予想の修正についてご説明します。従来、1株当たり48円としていた年間配当予想を55円に上方修正しました。従来予想比では15パーセント増、金額では7円の増額となります。また、前期の配当は1株当たり48円だったことから、前期比でも増配となります。
還元ルールに変更はありません。従来からご説明している還元方法に則り、当期フリーキャッシュフローの予測を見直すとともに、配当を前提にして再計算した結果が55円となっています。
私からのご説明は以上です。
四半期別売上高・購入者数・新規会員数の推移
青木:続いて、私から第3四半期の事業ハイライトについてご説明します。
まず、四半期別の売上高、購入者数、新規会員数の推移についてお話しします。
先ほど山口からも詳細にご説明したとおり、売上高はYoYプラス16.2パーセントと、堅調な成長を実現した四半期となりました。
この成長は、中央のグラフに示した購入者数がほぼ同じペースで増加していることに支えられています。極めて健全な売上の拡大が特徴といえます。
購入者数を増やしながらYoYで売上を伸ばすことができれば、お客さま1人当たりに過度なご負担をお願いすることなく売上が増加していきますので、これは非常に健全な成長だと考えています。
また、購入者数には当期中に獲得した新規会員の購買も寄与しています。新規会員数はYoYプラス14.1パーセントとなり、高い成長率で新規会員を獲得できています。
「北欧、暮らしの道具店」購⼊者数推移
スライドでは購⼊者数の推移を属性別に示しています。
今四半期にご購入いただいたお客さまのうち、1年以内に再購入いただいた方を「継続」、今四半期に初めて購入いただいた方を「新規」、直近1年は購入がなかったものの今四半期に再購入いただいた方を「復活」としてプロットしたチャートです。
いずれの数字も第3四半期として過去最高であり、極めてよい状況が保たれていると考えています。
エンゲージメントアカウント数・会員数・購入者数推移
当社が重要視するKPIについてご説明します。
売上成長に先行する重要な指標として掲げているエンゲージメントアカウント数は、今四半期までの累計で1,100万アカウントを突破しました。
エンゲージメントアカウント数とは、アプリのダウンロード数、SNSのフォロワー数、YouTubeのチャンネル登録者数、Podcastのフォロワー数、メルマガ登録者数など、お客さまの自発的な意思により、能動的に当社のコンテンツを受け取ることを許可いただいたアカウントの総数を指します。
これらが順調に積み上がることで、私たちは日々魅力的なコンテンツを提供し続けられる状況が広がりますので、売上成長の先行指標として極めて重要な役割を果たしています。
この指標が今四半期も堅調に成長した結果、新規会員の獲得や既存会員のリテンションが実現し、第3四半期累計で約9万人の新規会員を獲得しました。累計会員数は87万人に到達しています。
第3四半期累計の購入者数も約24万人に達し、ほぼ前期の通期購入者数に近い水準に到達しています。
アプリダウンロード数2期連続過去最高を達成
エンゲージメントアカウント数が急速に伸びている大きな要因として、当社アプリのダウンロード数が加速している状況が挙げられます。
スライドのグラフからもおわかりいただけるように、第3四半期のダウンロード数はYoYプラス20.6パーセントと、非常に大きな伸びを記録しています。
また、四半期ベースでの獲得ダウンロード数も、前四半期に引き続き過去最高を更新しています。
冒頭にハイライトの中で触れたとおり、当社ではマーケティングや広告運用のインハウス化を急速に進めています。今期中にはほぼ100パーセントがインハウス化される見通しです。
この取り組みにより費用対効果が大きく向上しています。また、クリエイティブのほぼすべてを内製化することで、精度と効果も向上しています。
これらが複合的に作用することで、アプリのダウンロード数が増加しており、それに伴って売上も堅調に伸びる構造が実現しています。
エンゲージメントチャネルの拡大 –ドラマ配信による新たな可能性–
第3四半期に関連する事業トピックスを2つお伝えします。
1つ目は、当社のオリジナルドラマ『ひとりごとエプロン』についてです。この作品は2019年頃からYouTubeで公開を始めたものですが、大変人気を集めており、YouTube上での累計再生回数が現在1,700万回を超えるIPとなっています。
このオリジナルドラマは、Amazonの「Prime Video」をはじめとする国内で主要な定額制動画配信サービスでも配信をスタートしています。
YouTubeで公開したコンテンツが、そのままの形で主要な定額制動画配信サービスでも配信される事例は多くなく、とてもエポックメイキングな取り組みではないかと思います。
「Prime Video」ではドラマTV番組部門の4位まで上がり、大変な人気を博すドラマとして現在も非常に多く再生されています。また、その感想がUGCとしてSNS上で頻繁に投稿される状況となっています。
当社ではSNSやPodcast、YouTubeのようなプラットフォームを通じてエンゲージメントチャネルを開拓してきました。
それらに加えて「Prime Video」をはじめとする定額制動画配信サービスにもコンテンツを展開できるようになれば、私たちの有力なエンゲージメントチャネルの1つに成長する可能性があると考えています。
今後、YouTube上で展開しているその他のIPについても、可能な範囲でこのようなチャネルでの配信に挑戦することを検討しています。
また、『ひとりごとエプロン』というIPは日本国内だけでなく、韓国のテレビ放送やドメスティックな配信サービスでもリリースされており、そちらでも一定の評価を得ている状況です。
これには少し前に取り組んでいた海外向け「Instagram」アカウントが寄与しています。
現在も展開している韓国ユーザー向けの「Instagram」アカウントが急速に伸長した影響で、関心を持った現地の事業者からお声がけいただき、このような取り組みが実現しました。海外に向けたアプローチは、少しずつではありますが確実に成果を上げています。
このように『ひとりごとエプロン』のような強いIPをしっかりと育てていくことが、事業成果にも確実に反映される状況となっています。今後も見極めながら取り組みを続けていきたいと考えています。
TBS系列テレビ番組「がっちりマンデー!!」に出演
2つ目のトピックスは、TBS系列テレビ番組「がっちりマンデー!!」への出演です。
厳密には第3四半期ではなく、第4四半期のはじめに起きた出来事です。この人気テレビ番組の兄弟経営特集という枠組みで、当社が紹介されました。
当店のサービスや商品の紹介のほか、私と副社長である店長の佐藤が兄妹で経営していることについてインタビューを受ける様子が放映されました。多くの方に視聴いただき、当社を知っていただく機会となりました。
これに伴い、アプリのダウンロードや新規会員の開拓、さらに既存会員による購入が一定程度発生したと考えています。詳しくは次の四半期の発表時にご説明します。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:マーケティング投資の効果と今後の方針について
山口:「アプリダウンロードのためのマーケティング投資について、継続して高い成果が望める状況でしょうか? 今後のマーケティング投資・販促投資の考え方についてお聞かせください」というご質問です。
青木:マーケティング投資については、インハウス化を進めることで費用対効果が向上し、広告クリエイティブがほぼ内製化されたことで精度も向上しました。
現状としては、効果を改善しながら規模も拡大できており、広告運用において理想的な状態を実現できています。
もちろん、さまざまな外部環境や状況の変化により効率が低下したり、規模拡大がうまく進まない可能性も考えられます。
しかし、基本的には広告運用を開始した当初から、一定の規律の中で一貫して高い効果を上げてきました。アプリの本格的なマーケティングを開始した2020年初頭から6年以上にわたり、それを継続できている状況です。
少なくとも現時点で、直ちに状況が悪化する懸念はご心配いただく必要はないと考えています。
質疑応答:マーケティング投資による獲得顧客の変化について
山口:「マーケティング投資開始以降に獲得した新規顧客について、購入率やリピート率、LTVなどの観点で従来の顧客と比較して変化はありますか?」というご質問です。
青木:過去に獲得したお客さまと新たに加わったお客さまの間で、有意なネガティブな差は確認できていません。また、全体のLTVも基本的には向上傾向にあります。
そのため、マーケティングの拡大によって新規のお客さまが変化してしまう心配はまったくないと思っています。
質疑応答:マルチカテゴリ戦略の進捗と今後の見通しについて
山口:続いてのご質問は、当社のマルチカテゴリ戦略に関するものです。「カテゴリ展開の展開力やSKU数等についての現状と、今後の見通しを教えてください」というご質問です。
青木:カテゴリの開拓は随時行っていますが、新規カテゴリを投入するだけではなく、既存カテゴリを地道に育てていくことも戦略の重要な柱だと認識しています。それは計画どおり順調に進行していると考えています。
新規カテゴリや既存カテゴリに対する取り組みや、新しい商品の開発を進める中で、SKU数も徐々に増加していますが、全体の売上やビジネスの規模感と比較しても十分タイトにコントロールできており、その維持もできていると考えています。
質疑応答:商品の供給体制とサプライチェーンの現状について
山口:「売上成長に向けて商品供給面の強化も進められていると思いますが、現時点で供給体制は想定どおり機能していますか? また、需要に対する商品供給の充足度についての認識を教えてください」というご質問です。
青木:少なくとも、足元や近い将来に向けた堅調な成長に必要な商品の供給や充足については、特段の問題を抱えている状況にはないと認識しています。
ただし、海外でのさまざまな情勢が非常に不透明な動きを見せているのがそもそもの現状です。そのような中で、サプライチェーンのいずれかに課題が生じる可能性がまったくないとは言い切れません。
もちろん、現時点で想定し得るリスクに対しては一定の対策を講じていますが、それを超えるような前提条件の変化や、状況・情勢の変化があった場合には、その限りではありません。その場合は、その状況に適切に対処していくことが必要だと考えています。
いずれにしても、現在わかり得る範囲において、成長対応に支障をきたすような課題は抱えていませんので、ご安心いただける状況だと認識しています。
質疑応答:人材募集の状況とその背景について
山口:「経営幹部層を含めた人材募集をされているようですが、募集から一定期間が経過し、社内での変化など現時点の感触を教えてください」というご質問です。
青木:ご質問者さまがどのような意図で「経営幹部層」とおっしゃっているのかはわかりませんが、我々の認識としては、副社長直下の部門で仕事をする人材を募集したという経緯です。したがって、必ずしも経営幹部に該当するわけではないと認識しています。
当社としては、今後展開していく重要な事業において、しっかりと役割を持ち活躍していただける人材を募集しました。
この募集に関しては現在も選考の最終段階にあり、ご入社いただき、実際に活躍いただくまでには、しばらく時間がかかるものと見込んでいます。
ただし、どちらかといえば中長期的な課題に取り組むための施策であり、少なくとも当面の業績に影響を及ぼすものではないと考えています。
中長期的に我々がよりブランドを強化し、収益性と成長性を維持し続けるために、ある意味で欠かせない取り組みでもあると認識しています。
選考やオンボーディングを含め、これらのプロセスにも引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
山口:1点補足します。募集内容を見た方からリアル店舗を期待する声をいただいていますが、現時点ではリアル店舗に関する具体的な計画は進んでいません。この点をご理解いただければと思います。
青木:店舗についてもう1点補足します。今回の募集の中で触れた「店舗」については、必ずしも大きく売上に寄与させるような店舗展開を目指す戦略があるわけではありません。
「我々のブランドを体験できるフラッグシップを、どこかに作るべきタイミングではないか」という考えから、その取り組みを模索していく意図によるものです。
また、特定の時期を狙って店舗を開設しようと考えているわけでもありません。店舗展開において良い機会や出会いがあればそれが加速することもありますし、そうでない場合には早い段階で店舗開設を望めない可能性もあります。
現時点では、具体的な計画があるというよりは「そのような店を作りたいよね」というテーマを経営の中で議論している段階であるとご理解いただければと思います。
質疑応答:株主還元方針変更の可能性について
山口:「上場企業としての投資魅力度の競争下にある中で、還元方針の変更や調整をする可能性はありますか?」というご質問です。
青木:現状の還元方針による実際の還元内容について、いろいろなご意見があるとは思います。
しかし、十分にフェアで、一定の魅力があるものになっていると考えていますので、現時点では当初から掲げてきた還元方針を堅持する方針です。
質疑応答:中東情勢の影響と今後の対応について
山口:「中東情勢の緊張を踏まえ、原材料や資材の不足、物流コストの上昇、納期遅延などのリスクについて、現時点での見通しを教えてください。また、状況が長期化した場合、粗利率や商品供給への影響をどのように見込まれていますか?」というご質問です。
青木:中東情勢については、少なくとも足元や今期中の業績に直ちに影響を及ぼす事態にはならないだろうと考えています。
一方で、来期以降にこの情勢がどのように変化していくのか、あるいはどの程度続くのかについては、本当に誰もわからないのではないかと思います。
おそらく当事国の大統領など当事者であってもわからない状況だと思いますし、大変不透明であると認識しています。
原油はあらゆるところで広く利用されており、当社に限らず国民生活にも深く関わる重要な原材料です。そのため、広範に影響が出ることは避けられないと考えています。
仮に状況が長引けば、そのように広く影響を受ける状況の中で、我々がまったく影響を受けずにビジネスを続けることは不可能だろうと認識しています。原材料や資材の高騰、さらには物流におけるさまざまな制限が発生する可能性があります。
その場合には、事業を成長させて利益を伸ばすことよりも、その環境下で事業価値を毀損せずに生き残ることに注力しながら経営していかなければならない、エマージェンシーな状況に直面することになると考えています。
そのような状況に陥ることなく早期に事態が収束することを願っていますが、楽観的な姿勢で、「早期に収束するだろう」という考えに基づいて経営を進めることは、極めて無責任だと考えています。現状としても、長期化した場合に対応できるよう可能な準備を進めています。
ただし、おそらく誰も経験したことがないような状況に対応することになりますので、過剰に予測や準備をしすぎてしまうことが逆効果となる場合もあると考えています。
適切にこの状況に対応できるよう、経営陣として知恵を絞り、確実に取り組みを進めていきたいと考えています。
質疑応答:AI活用の状況と今後の戦略について
山口:「生成AIの活用が日常生活に浸透してきており、SEOの進化版としてAEO対策を強化するサービサーも出てきています。このような動向への現状の対応状況や今後の戦略について教えてください」というご質問です。
青木:現在、各AIの提供元は日進月歩で新たなモデルや新たな機能を提供しています。
そのような状況の中で、「現状のAIにどのように対応するか」という点に過度にフォーカスすることは、1年後や3年後に負の遺産となる可能性もあると考えています。
したがって、現状ではAIの利用者として私たち自身が習熟していくことに重点を置いています。サービスそのものをAIに強く適合させていくことについては、もう少し先の議論でも十分に間に合うと考えています。
どちらかと言えば、業務や開発といった分野でAIを大いに活用できる体制を構築しておくことで、なにか変化があった際にもその体制を迅速に変更しやすくなります。
また、現在は開発スピードも非常に向上しています。例えばAIに対応したプロダクトが必要になった場合でも、社内でAIに十分習熟していれば、それに応じた迅速な対応が可能です。
そのため、状況を十分に見極めた上で、AIが普遍化した社会に対してどのようなプロダクトを提供するのかが明確になった段階で、しっかりと対応していくことが可能な世界になりつつあると実感しています。
現状では社内での在り方や仕事の進め方、業務フロー、システム開発の在り方にAIを的確に実装していくため、責任者を配置して強力に推進する取り組みを開始しています。
実際にさまざまな業務や開発において、AIは欠かせないパートナーとして活躍しています。
このような取り組みを通じ、私たち自身がAIを新たな事業推進のパートナーとして確実に事業へインテグレートしていくことが、結果的にAIを活用いただくお客さまにとって利用しやすいサービスにつながっていくものと考えています。
質疑応答:ブランドソリューション事業の現状について
山口:「ブランドソリューション事業の事業規模や売上構成に占める割合について教えてください。また、今後の成長性についてどのように考えていますか?」というご質問です。
青木:ブランドソリューションドメインに関しては、現状では規模の詳細を開示していませんので、それについては言及を控えます。事業自体は堅調に成長しており、サービスとしての業界でのプレゼンスが確実に拡大していると考えています。
事業の中身としては、タイアップコンテンツを提供するシンプルなものから、現状ではエージェンシーとして顧客のブランディングにおけるインテグレートの支援も行っています。
これは国内の多くのナショナルクライアントのブランディング上の課題に対し、単に「北欧、暮らしの道具店」のアセットを活用したサービスだけでなく、さまざまなソリューションを用いて、ブランディングのインテグレートをサポートするものです。
この領域は今後さらに存在感が増し、堅調な成長が期待できると認識しています。
一方で、我々のD2C事業の規模と比較すると、引き続き限定的な規模であることに変わりはありません。その中でも非常に重要な事業として、今後も成長していくことを期待しています。
質疑応答:「foufou」の成果や課題について
山口:「『foufou』について、顧客接点や在庫管理のあり方等、さまざまな改善活動の現状の成果や課題について教えてください」というご質問です。
青木:D2C事業では、今期は業績予想において高い目標を掲げ、約2倍を超える成長を目指してさまざまな準備を進めてきました。現状では、足元で約7割弱の成長を実現している状況です。
1年間で単一のブランドを7割弱成長させることは、さまざまなオペレーションに破綻を来しかねない、非常に速い成長速度であると認識しています。
事前に在庫のコントロールや経営管理、組織マネジメントなどの体制をしっかりと構築してきたからこそ、このような速い成長を遂げながらも、健全な働き方や管理体制を維持できています。
特に当期においては、昨年11月にオープンした旗艦店を含めて成長を図るという、「foufou」にとってチャレンジングな新しい環境の中でのマネジメントが求められていました。
その中で破綻せずに7割弱の成長を実現できていることは、事前の準備が成果を上げた結果だと考えています。
当期は十分に準備した場合に、一体どのくらい成長することができるのか、規模の成長にフォーカスすることを決めてスタートした期でした。
十分な準備をすることで、おおむね70パーセント程度の成長が実現できていることを現状からも確認しています。
規模の成長軌道が一定程度確認できた今、次にどのように利益を創出していくのかが、来期以降の課題になると考えています。
今期、足元ではなんとか黒字で着地する見込みです。さらなる利益成長については、来期は一定の堅調な成長を遂げながら利益を創出できる体制を完成させることがテーマになるのではないかと捉えています。
一つずつ積み上げていることを実感しながら運営している状況ですので、その点をご認識いただければと思います。
質疑応答:テレビ出演による業績への影響について
山口:「先日、『がっちりマンデー!!』で御社が紹介されていました。新規顧客獲得やアプリのダウンロード数、サイト流入などになんらかの変化は見られましたか? また、テレビ露出の効果についてどのように評価されていますか?」というご質問です。
青木:詳しい影響の数字などについては第4四半期の発表をお待ちいただければと思いますが、一定程度の影響はあったと認識しています。
ただし、テレビ放映が業績予想を変更するほどに大きな影響を及ぼしたかといえば、そうではありません。このため、現段階で業績予想の変更は行っていません。
テレビ放映は、認知や理解の獲得につながる非常にありがたい機会であると認識しています。しかしながら、それにより必ずしも事業に大きな影響を及ぼすわけではないとも考えています。
今回の「がっちりマンデー!!」出演についても、大変ありがたいことに一定の効果を得られたと認識していますが、それが今期の業績予想を変更するほどの、想定外の大きな影響だったというわけではないと考えています。