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コニシ Research Memo(6):2027年3月期に売上高1,500億円、営業利益115億円を目指す

■中期経営計画

コニシは、2024年5月に2027年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」を発表した。以下がその概要であるが、2026年3月期までの実績を踏まえると、この計画は順調に進捗していると言える。

1. 数値目標
(1) 主要KPI
主要なKPIの目標として、2027年3月期に売上高1,500億円(2024年3月期実績比12.8%増)、営業利益115億円(同12.0%増)、EBITDA145億円(同17.0%増)、ROE9.0%、設備投資額(3年間の累計額)150億円、株主還元(配当総額+自己株式取得額)120億円を目指している。

この目標に対して、2026年3月期までの実績では、2026年3月期の売上高は136,569百万円、営業利益は10,464百万円、EBITDAは13,562百万円、ROEは9.2%、2025年3月期と2026年3月期の2期累計の設備投資額は119億円(コニシ栃木工場水性製造所、物流倉庫、DX関連、サンライズの生産設備、ウォールボンド工業の生産設備、物流倉庫など)を実施済みである。なお、株主還元では、同2期累計で自己株式取得87億円、配当総額49億円を実施済みで目標値を達成している。

(2) セグメント別目標値
各セグメント別の目標値(2027年3月期の売上高、営業利益)は、ボンドでは売上高808億円(2024年3月期比12.8%増)、営業利益73億円(同10.4%増)、化成品では売上高426億円(同8.5%増)、営業利益16億円(同24.4%増)、工事事業では売上高272億円(同24.2%増)、営業利益24億円(同8.5%増)となっている。

2. 各セグメントの重点戦略
重点戦略として「ボンド:非住宅分野の新規開拓」「化成品:自動車・電子電機業界への販売強化」「工事事業:社会インフラの老朽化対策工事に注力」を掲げている。各セグメントの具体的な施策は以下のとおりである。

(1)ボンド(メーカー部門)
1) 産業用途の新規開拓推進 ~非住宅分野の強化~
電子電機及び自動車向けの封止材や接着剤を開発し、新規開拓とシェアアップを図る。事業領域の拡大を進め、売上高13億円増(2027年3月期まで)を目指す。

2) 社会インフラ・建築ストック長寿命化への取り組み推進
リペア市場の深耕開拓、土木建築補修用の新製品・新工法開発を推進する。また建築用シーリング材のシェアアップ(シェア約40%→45%)を目指す。土木用で売上高4億円増(2027年3月期まで)、建築用シーリング材で売上高11億円増(同)、建築補修材等で売上高5億円増(同)を目標とする。

3) 既存主力業界である住宅関連用のさらなる拡販
集成材用、タイル用接着剤などの業界内シェアアップを図る。サンライズは住宅用シーリング材の拡販を図る。ウォールボンド工業は壁装用接着剤の拡販を図る。

(2) 化成品(商社部門)
1) 注力分野への販売強化
自動車・電子電機業界での新規・深耕開拓を推進する。具体的には、a) HV・EV(電気自動車)向け商品や放熱材などの新商材の拡販、b) 半導体関連商材の販売強化、c) 丸安産業:コンデンサ用商材の拡販などを推進する。

2) メーカー機能を併せ持つ商社へ
自社開発製品の上市・拡販を図る。具体的には、a) 自動車・電子電機業界向け高耐熱・放熱タイプの樹脂材料の開発、b) 塗料・コーティング材の開発などを推進する。その結果、自社開発の推進と市場導入により、自社開発製品の売上高8億円増(2027年3月期まで)を目指す。

(3) 工事事業(工事部門)
1) リペア市場(土木補修分野)における事業拡大
建設後50年以上を経過する橋梁が、2030年には約55%となる見込みであるため、ボンドエンジニアリングを中心に、社会インフラの老朽化対策工事に注力し、さらなる事業の拡大を図る。

2) 事業規模拡大に向けた体制の構築
有資格者(土木施工管理技士等)の採用強化に注力する。社内育成による資格取得の推奨を進める。

3) M&Aによる事業拡大
社会インフラの補修・改修・補強工事業のなかで、特にリペア需要が見込まれる「橋梁分野」で相乗効果が発揮できるM&Aを推進する。

【工事事業グループM&A実績】
2013年:近畿鉄筋コンクリート(橋梁などの上部床版工事業)
2017年:角丸建設(土木建築工事業)
2020年:(株)和泉(2023年、角丸建設に吸収合併)
2020年:山昇建設(株)(2022年、ボンドエンジニアリングに吸収合併)
2023年:中信建設(土木建築工事業)
2026年:中井土木(土木建築工事業)

3. 資金配分計画と主な設備投資
(1) 資金配分計画
今回の中期経営計画では、成長に必要な設備投資に加え、安定的な配当と自己株式取得により株主還元を強化する。資金配分としては、設備投資(3年累計)に150億円、株主還元に総額120億円(うち自己株式取得に50億円、配当に70億円:配当性向30%)を充てる予定だ。

一方で、資金の源泉としては、すべてを中期経営計画期間内の営業キャッシュ・フローで賄う計画としている。

(2) 設備投資
生産能力の増強及び効率化・合理化、DXの推進のために、過去最大規模(3年累計150億円)の設備投資を行う予定であり、主な投資案件は以下のとおりである。

1) 生産・物流体制の強化(105億円)
a) 「コニシ栃木工場」新製造所・物流倉庫の建設(2025年4月稼働)
・水性接着剤の生産2拠点化によるBCP対策と東日本エリアへの配送効率向上
・生産工程・充填・入出庫作業の自動化(省人化によるコスト削減)

b) 「コニシ滋賀工場」生産合理化の推進
・生産工程・設備の見直しを行い、生産効率向上を図る(生産量増、コスト削減)

c) 「サンライズ」シーリング材製造設備の増設・更新
・生産設備導入及び既存設備更新(生産効率向上、省人化によるコスト削減)

d) 「ウォールボンド工業」新物流倉庫の建設(2025年7月稼働)
・入庫作業の自動化(省人化によるコスト削減)

2) DXの推進(15億円)
a) 新基幹システムの導入
・各種課題及びビジネス環境等を考慮した効率的・合理的なシステムの導入

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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