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NSW Research Memo(9):中期経営計画の目標達成を目指し、事業戦略、経営基盤戦略、投資戦略を推進(3)

■NSWの中長期の成長戦略

3. 経営基盤戦略
「人材価値の向上」「グローバル展開」「サステナビリティ推進」「ブランド力強化」を目指して、「事業成長を支える人材強化の取り組み」「経営基盤強化に向けた多面的な取り組み」を推進する。

(1) 事業成長を支える人材強化の取り組み
「育成・教育強化」では、教育システムのレベルアップ、ナレッジ蓄積による独自の学習基盤構築、技術力強化とマインドチェンジを推進し、資格取得者数を前中期経営計画期間中の800名から、本中期経営計画期間中には1,200名を目指す。「健康経営とWell-being」では、メンタル面とフィジカル面双方をサポートし、ワークライフバランスの実現を図る。「採用強化」では、本中期経営計画期間中に新卒採用500名、キャリア採用200名を行い、グループ社員数を2025年3月の2,487名から2028年3月には2,800名に増やす計画だ。

人材強化として、エンタープライズソリューションでは「業務コンサル人材の創出」のために、異業種連携を通じた高度な課題解決能力を持つコンサルタントの育成に、サービスソリューションでは「上流企画・AI人材育成」を目指して、コンサルティング能力強化と生成AIを活用した業務変革に取り組む。また、エンベデッドソリューションでは「異業種クロス人材の創出」のために、異なる業種ノウハウをクロスさせたビジネスモデルをけん引する専門技術者の育成に取り組み、デバイスソリューションでは「グローバル人材の育成」を目指して、海外事業拡大を支えるグローバル対応可能な専門人材を育成する。

(2) 経営基盤強化に向けた多面的な取り組み
「グローバル展開」として、将来的なマーケット及びパートナーを見越した地域選定、戦略的な海外技術及び海外サービスの日本市場への導入を目指す。「ブランド力強化」では、CM/広告/スポーツ協賛等への積極的な取り組み、企業価値向上に向けた株主及び投資家向けのIR強化を図る。「サステナビリティ推進」では、事業活動を通した環境負荷の低減、ダイバーシティ推進、コーポレートガバナンスの強化に取り組む。具体的な目標としては、採用者に占める女性労働者の割合を、2025年3月期実績の18%から2027年3月期には25%に、同様に男性育児休業率を37%から70%に引き上げる。さらにGHG排出量(Scope1+Scope2)を2014年3月期実績の14,240から、2031年3月期には半減させることを目標に掲げている。

2026年3月期の取り組みとしては、全社ブランド力強化では、周年広告・スポーツ協賛やCM放映に取り組んだ。創立60年を機に、2025年8月より俳優の杉咲花さんを起用したCM放映を開始しており、採用面での認知度向上の効果を期待する。また、全社学習環境の整備として、学習プラットフォームの全社整備をし、資格取得率は前期比16%アップした。さらに、マレーシア法人を設立し、2026年4月より営業開始した。デバイスソリューションの重点戦略に基づき、半導体関連の拠点として海外需要を確実に取り込む計画だ。

4. 投資戦略
「競争力の源泉となる戦略的な投資」を目指す。

・事業戦略及び経営基盤戦略の実現に向けた投資
「投資戦略」としては、中期経営計画の3年間で最大100億円規模の投資を計画する。これは、貸借対照表に計上される資産と損益計算書に反映される費用を含む概算である。その内訳として、「事業戦略」では、各セグメントの施策実現を支援することで事業の最大化を目指すために、研究開発投資とビジネス開発投資で合計50億円を計画する。次に「経営基盤戦略」として、中長期的な視点による人材への投資を中心に強固な経営基盤の構築を目指すために、人的資本投資とブランドマネジメントに50億円を投じる計画だ。

2026年3月期は、事業戦略投資として、各セグメントの事業戦略拡大に向けた人材育成や技術・マネジメント教育、全社横断のAI活用推進、海外マーケティング強化などへの投資を行い、投資規模は合計7億円であった。また、経営基盤戦略投資として、賃上げ、職場環境改善等の処遇改善や、社内教育プラットフォーム強化による教育環境強化、キャリア採用強化、ブランディング活動などに投資し、投資規模は16億円であった。2027年3月期には、事業戦略に10億円、経営基盤戦略に20億円の投資を計画している。

SIerとして価値を出し続けるにはAIが重要な基盤である。社内AI活用推進では、GPT、Claude、Geminiの最新モデルを開発環境に利用し、案件や開発のフェーズによって用途にあわせたモデルの使い分けを実現している。また、社内データを活用するための独自AI基盤を構築しており、社内利用者も前期556人(社員に占める比率27.2%)から997人(同48.8%)に増加している。全社を横断する重点領域としてPhysical AI(ロボットや機械を自律的に動かすためのAI)を推進しており、現場で収集したデータをAI、デジタルツインで分析し、現場を進化させる取り組みも進めている。

5. グループ経営目標
以上のとおり、中期経営計画では「事業戦略」「経営基盤戦略」「投資戦略」の推進により、グループ経営目標として2028年3月期には売上高600億円(年平均成長率6.25%)、営業利益率12%、ROE10%以上、配当性向30%以上を掲げている。計画初年度の2026年3月期には、米国の関税の影響や将来の成長に向けた投資に伴う経費増を織り込み、売上高は横ばい、営業利益は大幅減益を予想していたが、売上高は過去最高を達成し、営業利益も計画を上回って着地した。計画2年目の2027年3月期も、小幅の増収増益の控えめな業績予想である。中期経営計画は将来に向けて力をつける3年間と位置付け、必要な投資も含めて計画どおりに進捗している。中期経営計画に沿って成長戦略を実施すれば、最終年度のグループ経営目標は達成可能であると弊社では見ている。引き続き、今後の業績の推移及び成長戦略の推進状況に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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