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オービーシステム Research Memo(8):既存事業拡大と新事業創出拡大で連結売上高100億円規模を目指す(2)

■オービーシステムの今後の見通し

2. 中期経営計画の続き
業務提携については、2024年4月にAIと金融工学を活用した金融Webサービス・プラットフォームを提供するMILIZEと、同社CLIP(R)シリーズにAIを活用して臨床検査分野でのシステム操作をサポートする機能を実装する共同開発を開始し、2025年4月にはAI機能を搭載し音声によるシステム操作機能を備えた「CLIP(R) Ver5.1 AI」の販売を開始した。既に「CLIP(R)」を導入している全国130の医療機関からのニーズでもあったため、この機能強化により全国の病院等取引先の拡充が見込まれる。また、2024年4月には韓国のコリアファステックが展開するマイグレーションソリューションシステム「Smart Conversion Suite」の日本における販売代理店・保守サービス提供契約を締結した。本システムは、古いシステムの状況分析、設計文書の自動出力が可能であり、この分析結果を利用して新しいシステム基盤に自動変換する機能を備えたシステムの変換ソリューションである。本システムは2007年のリリース以来200超の顧客の導入実績があり、手作業でのマイグレーション作業に比べて開発時間で54%減少、開発費用の44%節減を可能にする。この提携により、日本におけるマイグレーション、モダナイゼーション事業分野におけるソリューション展開が期待できる。2025年12月には、ロームと「Solist-AIエコシステムパートナー契約」を締結している。なお、「Solist-AI」はロームがエッジコンピューティング分野に向けて提供するエッジAIソリューションだ。

ほかにも、大阪大学が産業界との共創を通して、将来の新たな社会的・学術的価値及びビジネスを社会に提供するための仕組みである「未来社会共創コンソーシアム」を活用することを2025年7月に同社が発表し、現在同校との取り組みを進めている。2026年4月には、「生成AIを用いた要件定義書レビュー支援に関する実証的研究」を実施するなど、システム開発の効率化につながる成果を早くも出しており、引き続き共創・研究の動きが加速していくだろう。

M&Aについては、既述のとおり2024年4月にH&Tを完全子会社化した。H&Tは、北海道札幌市に拠点を構え、2015年より業務系、組み込み系ソフトウェアの開発を行っており、主要取引先には富士ソフト(株)、東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(株)(東京エレクトロンのグループ会社)等がある。車載系などの組み込み系ソフトウェアの開発に精通した技術者を擁していることから、東名阪の取引先から増加する開発案件をH&Tとの連携によりキャパシティの拡大と開発期間、コスト効率の最大化を図る、同社DX開発案件を強化する、同社の教育システムを活用してH&Tの体制強化を行い、IT産業振興に取り組む札幌市のソフトウェア開発案件への取り組みを加速するなどのシナジー効果を見込んでいる。既に、H&Tの人材が参加した同社の開発プロジェクトが進行しているようだ。2025年5月にはGCを完全子会社化した。GCは東京都千代田区に拠点を構え、1984年より有価証券管理システム、日銀即時決済システム(RTGS)、与信管理システムなどの金融系のシステム開発、特にメガバンク系のシステム開発を行っており、売上の約8割を占めるBIPLOGYとは40年近い取り引きを継続している。売上の約7割が金融系システムの業務であり、残り16%が流通系、14%が公共系のシステムである。同社とは業務領域、技術面で親和性が強く、増加する金融系/公共系のGC開発案件を同社の開発リソース、ノウハウにより開発キャパシティの拡大と開発期間、コスト効率の最大化が期待される。また、同社は地域金融機関の基幹系に、GCはメガバンクの市場系/資金運用系の開発にそれぞれ強みを持つため、両社の取引先に対する開発対応範囲の拡大が可能だ。さらに、H&Tの開発プロジェクトにも対応していくことで、グループ全体でのさらなる開発効率の拡大など大きなシナジー効果が期待される。

なお、見直した連結ベースの中期経営計画においては、キャッシュ創出とキャピタルアロケーションの計画を追加した。3ヶ年の既存事業の成長と連結経営による事業拡大など営業活動によるキャッシュ創出を約17億円、政策保有株式売却などその他のキャッシュ創出を約4億円見込み、これをM&AやR&Dなどの成長投資と配当など株主還元に充てる計画だ。成長投資にあたっては、既存事業強化のためのリソース強化、新事業創出のためのアセットの確保に注力する。営業利益率10%超、ROIC10%超の確保を投資判断基準に掲げている。R&Dは、AI、DX関連事業への対応を強化し、業務提携の加速、新規商材開発、社内研究開発の推進を図る。また、1株当たり純利益(EPS)と1株当たりキャッシュ・フロー(CFPS)を経営指標として加えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)

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