中期経営計画説明会
鬼頭和也氏:みなさま、本日はお時間をいただきありがとうございます。代表取締役社長の鬼頭です。
当社は前中期経営計画において、収益構造改革やM&Aを推進し、当初目標を3年前倒しで達成することができました。
その成果を踏まえ、このたび2027年3月期から2031年3月期を対象とする新たな中期経営計画を策定しました。
今回の中期経営計画では、「さらなる深化と新領域への挑戦」をコンセプトに、既存事業の強化と新たな成長ドライバーの創出を通じて、持続的な企業価値向上を目指していきます。本日はその内容についてご説明します。
Chapter (目次)
本日のご説明は大きく4つのパートで構成しています。
まず、信和グループのこれまでの歩みと私たちが目指す姿についてご説明します。続いて、前中期経営計画を振り返り、新中期経営計画を策定した背景と位置付けをご説明します。その後、新中期経営計画における事業戦略や成長戦略についてご説明し、最後に資本効率向上や株主還元を含めた企業価値向上への取り組みについてお話しします。
それではまず会社概要からご説明します。
企業概要
まずは信和グループの概要と、私たちがどのような考え方で事業を展開しているのかについてご説明します。
信和は1977年に創業し、仮設資材メーカーとして事業を開始しました。創業以来、安全性と品質を追求しながら事業領域を拡大し、現在では仮設資材、物流機器、レンタル、施工サービスなど幅広い事業を展開しています。
また近年ではM&Aを積極的に推進し、ヤグミグループ、凰金属工業、海津建設をグループに迎えました。単なる製品メーカーではなく、建設現場全体に価値を提供する企業グループへと進化しています。
また、建設現場や物流現場では、安全性が何よりも重要です。私たちは「いのちを守り、未来を支える。」をパーパスとして掲げ、事業をしていきます。
信和の信念、信和の想い
パーパスを実現するために、私たちはミッション・ビジョン・バリューを定めています。特に重視しているのは行動規範の「責任感」「熱意と愛情」「スピード」「プラス思考」「公正性」です。
企業の成長は制度や仕組みだけでは実現できません。社員一人ひとりが同じ価値観を共有し、同じ方向を向いて行動することが重要だと考えています。
企業価値の変遷
ここ数年の企業価値の変遷についてご説明します。
コロナ禍以降、当社を取り巻く環境は決して順風満帆ではありませんでした。しかし、2024年以降、事業構造の見直しと積極的なM&Aを進めることで収益基盤を再構築してきました。営業体制の改革、グループ経営の推進、垂直統合型ビジネスモデルの構築などを進めた結果、市場からも一定の評価をいただき、株価も改善傾向となっています。
このような施策が奏功した結果、株価は2026年2月には2024年4月から43.3パーセント増加し、市場から一定の評価を得ることができました。ただし、私たちはまだ道半ばであり、企業価値向上の余地は大きいと考えています。
私たちがありたい姿
企業価値向上を実現した私たちが次に目指すのは、さらなる成長です。
これまで当社は、仮設資材部門と物流機器部門を中心に事業を展開し、着実に事業基盤を築いてきました。しかし、私たちが主に事業を展開している領域は、約75兆円規模といわれる建設市場全体から見れば、その一部に過ぎません。
そこで私たちは、これまで培ってきた強みを活かしながら、事業領域をさらに拡大し、建設・物流現場全体に価値を提供できる企業グループへの進化を目指します。
具体的には、既存の仮設資材部門および物流機器部門のさらなる成長に加え、近年注力しているレンタル・施工サービス事業を成長ドライバーとして強化していきます。また、建設・物流現場をキーワードとした新たな事業領域の創出にも積極的に取り組みます。
私たちが目指しているのは、単なる仮設資材メーカーではありません。製造・販売・レンタル・施工までを一貫して提供し、お客さまの課題解決に貢献できる「建設・物流現場のトータルソリューション企業」です。
将来的には、「仮設資材」「物流機器」「レンタル・施工サービス」「新規事業」の4つの事業の柱を確立し、持続的な成長と企業価値向上を実現していきます。
バリューチェーンの強化と新領域への挑戦
ここで新規部門についての考え方を少しお話しします。
私たちはこれまでM&Aを活用しながら、川上から川下までの垂直統合型ビジネスモデルを構築してきました。今後もその方向性は変わりません。建設現場に関連するさまざまな領域において事業機会を探索し、新たな成長ドライバーの創出を目指します。
現時点では具体的な内容を開示できない部分もありますが、将来的な企業価値向上に向けた重要な取り組みとして進めています。
事業ポートフォリオ別 売上高構成比
今後の事業ポートフォリオについてご説明します。
2031年に向けて、当社は事業ポートフォリオの変革を進めていきます。その中でも、レンタル・施工サービス事業を最重要成長分野と位置付けています。建設業界における人手不足や省力化ニーズの高まりを背景に、今後も市場拡大が期待される分野であり、現在約60億円規模の事業を、2031年には120億円規模へと拡大する計画です。
一方で、2031年時点の事業ポートフォリオを見ると、現在の事業構成比率と大きく変わっていないように見えるかもしれません。これは、現在取り組みを進めている新規事業について、中期経営計画の数値目標に織り込んでいないことが主な要因です。現時点では具体的な事業内容や数値目標について開示していませんが、建設・物流現場をキーワードとした新たな事業領域の創出に取り組んでいます。
そのため、今回お示ししている計画はあくまでも既存事業をベースとした目標であり、新規事業の進展次第ではさらなる成長の上積みも期待できると考えています。
今後、具体的な内容や数値目標について開示できる段階になりましたら、適宜みなさまへご報告していきます。
新中期経営計画策定の背景
続いて前中期経営計画の振り返りと、新たに発表する中期経営計画の位置づけについてお話しします。
前中期経営計画においては、事業面でポジティブな変化がありました。
既存事業における施策が奏功し業績が好調であったこと、先ほどからお伝えしているグループに加わった会社が増えたこと、それに伴って人材リソースに厚みが出たことなどが挙げられます。
そのような背景のもと、当初は2029年3月期までに売上高200億円、営業利益24億円を計画していましたが、2026年3月期に3年前倒しして達成をすることができました。
新中期経営計画の位置づけ
今回の中期経営計画は、「将来の成長に向けた基盤構築期間」と位置付けています。
この計画は単に売上高350億円を目指す計画ではありません。信和グループが次の成長ステージへ進むための土台を構築する5年間であり、その先にある売上高700億円規模の企業グループへの成長を見据えた基盤づくりの期間と位置付けています。
新中期経営計画のコンセプトと戦略テーマ
ここからは新中期経営の内容についてご説明します。
今回の新中期経営計画のコンセプトは、「さらなる深化と新領域への挑戦」です。
既存事業をさらに強くすること、そして新たな成長ドライバーを育てること、さらに資本効率を重視した経営を進めること、この3つを軸に企業価値向上を実現していきます。
新中期経営計画の定量目標
定量目標です。
売上高は現在の売上高から約1.5倍増の350億円、営業利益は35億円、ROEは12.0パーセントを掲げています。
私たちは前中期経営計画においても目標を前倒しで達成してきました。今回の計画についても達成をゴールとするのではなく、常に上積みを目指しながら取り組んでいきます。
なお2026年3月期はM&A取得差益(負ののれんの発生)など一過性の利益を計上しているため、より実態を正しくお示しするため、ここでは一過性利益を除いた金額で記載しています。
セグメント別取り組み(仮設資材部門)システム足場
続いて、セグメント別の取り組みについてご説明します。
まずは仮設資材部門のシステム足場です。事業環境としては、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進んでおり、今後も維持修繕・更新需要の拡大が長期的かつ継続的に見込まれています。
こうした環境の中、当社はインフラ・メンテナンス分野に特化した戦略を引き続き推進し、高付加価値製品やサービスの開発・普及に取り組んでいきます。
また、新たな成長の創出に向けては、橋梁や高速道路などのインフラ案件や大型改修案件への提案活動を強化していきます。安全性や施工性に優れた製品の開発を進めるとともに、施工サービスとの連携による提案力を強化し、お客さまの課題解決に貢献していきます。
これらの取り組みを通じて、仮設資材部門であるシステム足場等は2031年3月期に売上高130億円以上を目指します。
セグメント別取り組み(仮設資材部門)レンタル/施工サービス
続いて、仮設資材部門のレンタル・施工サービスについてご説明します。この領域は、今回の中期経営計画において最も成長を期待している事業です。
建設業界では人手不足の深刻化や資材価格の上昇が続いており、現場ではいかに効率よく、短い工期で工事を完了させるかが重要な課題となっています。また、資材を購入して保有するのではなく、必要な時に必要な分だけ利用するレンタル需要も拡大しています。
さらに、お客さまのニーズも変化しており、「資材だけを購入・レンタルする」のではなく、「施工まで含めて一括で任せたい」という要望が年々強まっています。
当社の強みは、製造・販売・レンタル・施工までを一貫して提供できることです。お客さまの状況や現場の特性に応じて最適な提案が可能であり、自社施工を行うことで高い品質と短工期を実現することができます。
こうした市場環境を大きな成長機会と捉え、今後はレンタル専任の営業人員を重点的に配置、グループ各社の拠点を活用しながら施工対応エリアの全国展開を進めていきます。
これらの取り組みにより、2031年3月期にはレンタル事業30億円以上、施工サービス事業90億円以上、合計120億円規模への成長を目指します。レンタル・施工サービス事業は、当社グループの今後の成長を牽引する最重要事業として、積極的に経営資源を投入していきます。
私は今後の建設業界において、単なる資材供給だけでは十分な価値提供はできないと考えています。
お客さまが求めているのは、「資材」「レンタル」「施工」を一体で提供するソリューションです。当社グループはその体制をすでに構築しつつあり、この分野を次の成長エンジンとして育成していきます。
セグメント別取り組み(物流機器部門)
続いて物流機器部門についてご説明します。
物流機器部門も、今後も大きな成長が期待できる分野であると考えています。EC市場の拡大や物流施設の大型化・高度化に加え、自動化・省人化への投資需要は今後も継続していくものと見ています。
そのような事業環境の中で、当社の強みはオーダーメイド製品の開発力と供給力にあります。お客さまごとに異なる課題やニーズに対し、最適な物流機器を提案できることが大きな競争優位性であると考えています。
今後も高付加価値製品の提案を強化するとともに、単なる製品販売にとどまらず、お客さまの物流効率向上や省人化の実現に貢献する提案型営業へと進化していきます。
また、自動化・省人化に対応した新製品の開発やラインナップの拡充を進めるほか、物流最適化に向けたコンサルティング機能の強化にも取り組んでいきます。
これらの施策を通じて、物流機器部門は2031年3月期に売上高100億円以上を目指します。
当社が持つ開発力と提案力を活かし、物流業界が抱える課題解決に貢献することで、さらなる成長を実現していきます。
M&Aの考え方
続いて、M&Aに対する考え方についてご説明します。
当社にとってM&Aは、単なる規模拡大の手段ではありません。既存事業とのシナジーを創出し、成長スピードを高めるための戦略投資であると位置付けています。
これまでご説明してきたとおり、当社は「建設・物流現場のトータルソリューション企業」を目指しています。
その実現に向けて、建設現場サービス領域、バリューチェーン強化領域、物流機器関連領域、さらには海外展開領域を重点分野として検討していきます。
特に、既存事業との親和性が高く、グループ全体の競争力向上や事業領域の拡大につながる企業とのご縁があれば、積極的に検討を進めていきたいと考えています。また、海外展開についても成長機会の1つと捉えており、有望な案件があれば同様に検討していきます。
一方で、当社はM&Aありきの経営を行う考えはありません。買収規模の拡大そのものを目的とするのではなく、シナジー効果、収益性、投資回収可能性を十分に検証したうえで、規律ある投資判断を徹底していきます。これまで実施したM&Aについても着実に成果が表れており、グループ全体の収益力向上や事業基盤の強化に貢献しています。
今後もM&Aを重要な成長戦略の1つとして活用しながら、シナジー創出と企業価値向上につながる案件を厳選し、持続的な成長を実現していきます。
資本コスト・株価向上に向けた対応
資本効率を重視した経営基盤強化についてご説明します。
資本コスト・株価向上に向けた対応についてです。当社のPBRは依然として1倍を下回っています。一方で業績は改善しており、ROEも回復傾向にあります。つまり、事業そのものに対する市場評価をさらに高める余地があると考えています。
私たちは持続的な利益成長、資本効率向上、株主還元の充実、投資家との対話強化を通じて企業価値向上に取り組んでいきます。
PBR向上に向けた取り組み
PBR1倍以上を目指します。そのためには単純に利益を増やすだけでは不十分です。ROEを高めること、投資家のみなさまに成長期待を持っていただくこと、その両方が必要です。
売上・利益成長、資本効率向上、非財務価値向上を同時に進めることでPBR改善を図ります。
ROE向上に向けた取り組み
PBRに関連する要素として、今回の中期経営計画ではROEを重要な経営指標と位置付けています。利益成長だけではなく、資産効率や資本効率も重視していきます。
成長投資と財務健全性のバランスを保ちながら、恒常的にROE12パーセント以上を実現できる企業体質を目指します。
企業価値向上に向けた取り組み
経済価値と社会価値の両立を目指しています。売上や利益を伸ばすだけではなく、人材育成やサステナビリティへの取り組みを通じて、長期的な企業価値向上を実現していきます。
2031年には売上350億円、営業利益35億円、ROE12パーセント以上の達成を目指します。
キャッシュアロケーション
キャッシュ・アロケーションについてです。
5年間で創出する営業キャッシュフロー約125億円を成長投資と株主還元に適切に配分していきます。成長投資として、60億円から90億円程度を想定しています。特にM&A、レンタル投資を重点領域と考えています。
利益を生み出し、その利益を再投資することで、さらなる成長につなげていく好循環を構築していきます。
株主還元
株主還元についてです。
当社は株主還元を経営の最重要課題の1つと位置付けています。そのため、年間配当金32円を下限とする累進配当方針を採用しており、今後も成長投資とのバランスを図りながら、安定的かつ継続的な株主還元を実施していきます。
また、2028年3月期は創業50周年という大きな節目の年を迎えます。当社の成長を支えていただいた株主のみなさまへの感謝の気持ちを忘れることなく、企業価値向上と株主還元の充実に取り組んでいきます。
加えて、自己株式取得についても資本効率向上や株主価値向上の観点から、財務状況や投資機会とのバランスを踏まえながら柔軟に検討していきます。
今後も持続的な成長と株主還元の両立を図り、株主のみなさまのご期待に応えていきます。
ESGの取り組み
最後にESGに関する取り組みです。
当社のパーパスである「いのちを守り、未来を支える」はESGそのものと考えています。
環境面ではCO2排出量削減や環境配慮型製品の開発を推進します。
社会面では人材育成や職場環境整備に注力します。
ガバナンス面では透明性の高い経営と投資家との対話を重視します。
持続可能な社会への貢献と企業価値向上の両立を目指していきます。
鬼頭氏からのご挨拶
本日ご説明した中期経営計画は、前中期経営計画で築いた収益基盤をさらに強化するとともに、新たな成長領域へ挑戦するための計画です。
当社グループは「いのちを守り、未来を支える。」というパーパスのもと、持続的な成長と企業価値向上に取り組んでいきます。株主・投資家のみなさまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。