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MT4やMT5にEAファイルをセットして行うFXの自動売買の発信者として精力的に業界内を駆け回っているたっくんさんに、EA運用の始め方から成功の秘訣まで幅広く教えてもらいました。EAについては難しいという印象がある方も多いかもしれませんが、1つずつ分解していくとそこまで難しい作業ではないことが分かるはずです。(FX雑誌『外国為替』vol.10より再構成/インタビュー日:2024年3月14日)
たっくん氏プロフィール
バイナリーオプションで相場の世界に入り、現在はEA中心。複数のEAを分散運用するスタイルで、利益は株式に投入して長期的な成長を目指しつつ、ユーザーのリテラシー向上のために活動中。
EA運用は意外と簡単なのです
―たっくんさんに自動売買の始め方について教えていただきたいと思います。まずは、EA運用を始めるためにはどのような手順が必要なのかを教えてください。
たっくん 最初に運用するEAを手に入れましょう。EAの入手方法は主に三つあります。一つ目は、SNSなどのプレゼント企画でもらえるパターンと、口座開設を条件にその口座でのみ使えるEAをもらえるパターンです。二つ目には、開発者個人からもらう方法もあり、これらは無料です。
三つ目は、個人や法人からEAを購入する方法です。自動売買がよく分からなくて怖いなという人は、プレゼント企画で手に入れたEAから始めてみるのも一つの方法だと思います。EAを手に入れたら次はMT4やMT5にEAをインストールします。そして、口座に証拠金を入れれば運用を始められます。EAの運用自体は①EAを選ぶ ②入手したEAをMT4やMT5にインストールする ③口座に証拠金を入れるの3ステップで可能です。
―イメージよりも難しくないですね。
たっくん 単純に自動売買を動かすという点においてはそこまで難しくはありません。LINEアプリをスマホにインストールし、友達にメッセージを送るくらい単純なフローです。そこから実際に利益を出していくには、もっと踏み込む必要があります。
―EAの運用自体は意外に簡単だと分かりました。EAの運用におすすめのFX会社はありますか?
たっくん FX会社だと、個人的には外為ファイネストがオススメです。MT4とMT5の両方が提供されているので、利便性が高いです。また、実際に運用し、大きなトラブルや不具合がないのもオススメポイントです。サポート面も充実していて、カスタマーサポートの人も親身に対応してくれるので、比較的安心して利用できると今のところは思っています。EAにはFX会社との相性があり、FX会社ごとにMT4やMT5のGMT(時間表示)やスプレッドも変わってくるので、いろいろなFX会社を比較してみるのが良いと思います。
―MT4やMT5は海外のFX業者でも使えるところが多いですが、海外業者で運用するのはどうでしょうか?
たっくん 海外FX業者で取引しても利用者側は違法ではないので、自己責任で取引するのは自由です。ただ、海外のFX業者は日本の金融庁の認可を受けておらず、日本の法律の外にいるので、トラブルが多いです。悪意を持ったブローカーも存在するので、利用するなら業者の見極めが重要です。使っている人が少ない業者や初めて聞くような業者は使わないほうがいいと思います。
―海外FX業者を使うにはトラブルのリスクをちゃんと承知の上で自己責任でやっていくべきということですね。VPSのオススメはありますか?
たっくん 海外のVPS業者のほうが価格が安いところが多いのでオススメです。国内のVPS業者は値上げを繰り返しているところがあり、最近はトラブルも増えているので、海外VPSのほうがいいのかなと思います。
EAによってはレイテンシーも重要です。レイテンシーとは通信速度みたいなもので、レイテンシーが速いほど注文から約定までの時間が短く、スリッページが置きにくいです。スキャル系のEAはレイテンシーが速いほど優位性が高くなるため、レイテンシーに合わせてVPS業者を選んでいる人もいます。
初心者の人は価格面を重視して安く使えるところが良いと思います。海外のVPS業者は英語表記が多くて分かりづらい部分もあるので、そこは頑張って翻訳しながらやっていくしかないかなと思いますね。
―海外と聞くと不安に思っている人もいると思いますが、そのあたりはどうですか?
たっくん 結局のところはピンキリで、悪い業者もいます。多数決の原理じゃないですが、ユーザーが多いところを使う方がトラブルに巻き込まれにくいです。ユーザーが多いとトラブルが起きた際に誰かが絶対に騒ぐので、そこで何らかのトラブルが起きていることに気がつきます。ユーザーが少ないところは表に出る情報も少ないので、トラブルの前兆にも気がつきにくいです。
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計測期間が長いEAを選ぶと失敗の確率が減る
―EAを入手できるオススメのサイトなどがあれば教えてください。
たっくん オススメサイトは「MQL Market」、「GogoJungle」、「LET’S REAL」、「MOSA Market」という四つの販売サイトです。基本有料です。
MQL MarketはMT4やMT5を作ったMetaQuotes社の公式な販売サイトで、EAの数が非常に多いです。基本的に海外のEAばかりですが、買い切りだけでなくサブスクもでき、バックテストデータもダウンロード可能です。ただ、種類が多すぎるのと、英語表記しかないので、初心者にはEAを選ぶのが難しい面もあります。もちろん成績の悪いEAは存在しますし、値段もピンキリです。きちんと良いEAを見極める目がない限りは、わけも分からずにお金を使うことになるのではないかと思います。
―公式サイトだから全てのEAが良いというわけではないのですね。
たっくん EAもピンキリです。次にGogoJungleですが、国内最大手と言っても良いEA販売サイトで、こちらもEAの数が豊富です。販売者はほとんどが日本人です。GogoJungleは投資助言業のライセンスを持っているので、比較的安全です。ただ、販売戦略として仕方ない部分もありますが、会社が売りたいものがランキングの上位に表示されるとか、キャンペーンで販促されるので、初心者には選定が難しい部分があります。
例えば、5年前くらいに1500本くらい売れたけど、販売時期から現在までの成績はずっと右肩下がりみたいなEAもあるので、買い損になる可能性もあります。MQL MarketもGogoJungleも良いEAと悪いEAが混ざり合っている部分には注意が必要です。
―EAの数が豊富だからこそ、良いEAを見極める目が重要ということですね。
たっくん LET’S REALはGogoJungleとは異なり、リアル口座の実績を出しています。GogoJungleは基本的に公式の実績はデモ口座で稼働させた、いわゆるデモフォワードです。デモ口座は、スプレッドやスリッページという環境差をダイレクトに受けないので、デモでしか勝てないEAも存在します。車の運転でたとえると、バーチャルの運転と実際に公道を走る運転の差ですね。LET’S REALはリアル口座での実績を出しているので、その実績を参考にしても問題ないと思います。実績ベースでEAを選びやすいので、EAを使って稼ぐという目的にマッチするEAを選びやすいのかなというのはありますね。
―最後にMOSA Marketですね。
たっくん MOSA Marketはまだ出品数が少なく、EAの数は18〜20種類ぐらいです。ただ、全てリアル口座でのデータを出していて、出品者自身も運用しています。販売者が使ってないEAは出品されていません。
5~6年のリアルフォワードを開示しているEAもありますし、実績のある有名な開発者が多く出品しています。EAの数自体は少ないですが、実績十分なEAが多いので、一番成績が良いEAを買っておこうという考えでも失敗するリスクは低いのかなと思います。
―ちなみに、EAを購入する際にオススメしないパターンは何でしょうか?
たっくん MQL Market以外の海外業者からは購入しないことです。海外業者は基本的に法律の概念が日本とは違うので、トラブルが起きたときに泣き寝入りになる可能性が非常に高いです。業者側も日本の法律を守る必要性がないので、開示しているデータや情報が嘘の可能性もありえます。
あとは、個人の販売者から購入するのもやめたほうが無難です。個人販売はSNSで行われていることが多く、匿名性が高いだけに、トラブルがあったときに追求ができなくなってしまうので、オススメしません。日本の法律を遵守する義務がある法人が運営している販売サイトだと、変なことをする確率は低いだろうという考え方ですね。
―EAには数多くの種類があると思いますが、その中から良いEAを見分ける方法を教えてください。
たっくん 良いEAを見分けるための超簡単な方法は、デモ口座ではなくリアル口座で回していて、かつ実績の長いEAを選ぶことです。例えば、リアルフォワードが半年しかないものよりかは1年、1年よりも2年、2年より3年というように計測期間が長いEAを探して、その中で成績が安定して右肩上がりに上昇しているものを選べば、今後も同じような推移で利益を出していく確率が比較的高いです。
―リアルフォワードの計測期間は最低でも6か月以上あればいいのでしょうか。
たっくん 最低でも6か月以上あった方が判断しやすいだろうと僕は思っています。理想は計測期間が1年以上ですが、そんなEAはなかなかないですね。
―バックテストとリアルフォワードの両方のデータが揃っているものが良くて、どちらかが欠けているEAは避けたほうがいいのですか?
たっくん どちらが欠けても駄目ですね。リアルフォワードとバックテストの両方のデータが揃っているのは、提供者側が両方を開示している状態です。例えば、昨年から1年分のリアルフォワードの実績は公開しているけれど、その1年よりも前のバックテストデータを見せていないものは選ばないほうがいいです。
これは、過去1年間は利益を出していても、たまたまの可能性もあるからです。過去のバックテストデータでうまく機能していて、リアル口座で1年間回しても利益が出ているケースだと、将来もその期待値に近い結果を出せる可能性が高いと考えられます。
そもそもバックテストデータを出さないのは、そのEAをどのような根拠で作ったかも分からないんですよ。EAは必ずバックテストを取りながら作り、作成したら実際にリアルフォワードを回して、良い結果だったら販売するという形が基本なので。そのため、バックテストとリアルフォワードのデータが揃っていないものは透明性に欠けます。二つのデータが揃っているEAから選ぶだけで、失敗の確率はグンと減りますね。
―リアルフォワードはできるだけ長い期間で成績が良く、なおかつバックテストも長いこと利益を獲得できているEAが良いということですか?
たっくん リアルフォワードの計測期間が長ければ長いほど良いということです。バックテストの期間は大体10年ぐらいでも問題ありません。もちろん、リアルフォワードとバックテストの成績が良いという前提条件のもとです。
株式投資の考え方と同じです。30年間ずっと利益を出している企業と、創業1年目の企業だったら、ほとんどの人は30年企業に投資すると思います。仮に30年の会社を5社選定した場合は、その5社の中から今までの実績が一番良い企業を選びます。例えば、「私達はこの1年間は大きな利益を出しています。ただし、過去の実績は見せられません。直近は利益を上げているので安心して出資してください」と言われても、投資家からしたら不安ですよね。
EAも同じで、過去の相場だとどれくらいの成績を期待できたのかというバックテストデータと実際の相場で動かした実績のリアルフォワードの両方が必要で、それらの実績を測っている期間が長ければ長いほど良いということです。
―株式の話はすごく分かりやすかったです。
たっくん 僕はそんな感覚でEAを選んでいて、データが少なく透明性が低いEAは避けています。そのようなEAは海外業者や個人販売などの匿名性の高い人が販売している可能性が高いので、必然的にそういうところのEAはオススメしないという話ですね。
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バックテストはFX会社ごとの数値に合わせて行おう
―次にそのバックテストの方法を教えてもらいたいのですが、MT4やMT5のストラテジーテスターで行うという感じですか?
たっくん 基本的にはそうです。ただ、バックテストをするにはまずヒストリカルデータという過去の値動きのデータが必要です。バックテストの前にヒストリカルデータを提供している業者からダウンロードし、MT4もしくはMT5にインポートします。
そして、検証したいEAをデータフォルダの「MQL4(MT5の場合はMQL5)」にある「Experts」に保存し、MT4もしくはMT5を再起動します。起動したら上部メニューの「表示」から「ストラテジーテスター」を開き、テストしたいEAを選択して設定すればスタートできます。バックテスト自体も割と簡単です。
―バックテストを分析する際はどんなツールを使っているんですか?
たっくん 岩ライザーFXです。視覚的にすごく見やすいのと、Quant Analyzerよりも細かく数値を見られるので使っています。ただ、岩ライザーFXは有料です。Quant Analyzerは全て英語ですが無料なので、英語が苦手でなければ使ってもいいんじゃないかなとは思います。
―ちなみに、スプレッドなどは気にしているのでしょうか?
たっくん FX会社によってスプレッドが違うので、自分がA社を使いたい場合に、A社のスプレッドではない数値でバックテストをしても、信憑性のあるデータにはなりません。例えば、A社のスプレッドが1だった場合に、バックテストのスプレッドが0.5だったら、実際のA社のスプレッドよりも甘めにバックテストを取っていることになります。
僕は各ブローカーのリアルスプレッドを毎日計測し、その会社ごとのスプレッドに合わせたバックテストを取っています。最終的にはそこまでこだわる必要がありますが、初心者はバックテストをする際は、スプレッドなどを運用したい会社の数値に合わせて行う必要があることだけを分かっておけば良いと思います。
―FX会社ごとにいろいろと違うので、バックテストもそれらに合わせる必要があるのですね。初心者にはEAは一度稼働させたらほったらかしでも問題ないと考えている人もいますが、実際にほったらかしでも大丈夫ですか?
たっくん 大丈夫なEAもあれば駄目なEAもあります。EAによるので、一概に問題ないとは断言できないです。
―放置しても問題ないようなEAはどうやって判断しますか?
たっくん 放置しても問題ないようなEAは、基本的にバックテストを回せば良い成績になります。駄目なEAはバックテストがガタつきます。完全放置したい人は、開発者が「指標のときは稼働を止めましょう」と言っているようなEAは使わないほうがいいですね。自分の生活環境を考えて、EAの手入れをする時間を取れる人なら少し手間がかかるEAを使ってもいいと思いますし、忙しくて完全放置をしたい人は完全放置ができるようなEAを選ぶべきです。僕自身、放置しても大丈夫なEAを好んで使用しているところはあります。
―週に一度は再起動するみたいなメンテナンスは必須なんですか?
たっくん そうですね。週に1回は運用状況の確認やパソコン、VPS、MT4やMT5を再起動するなどはやったほうがいいです。例えば、PCだとWindowsのアップデートが勝手に行われて再起動される場合があります。そうすると、MT4が閉じてしまってEAも止まってしまいます。だからこそ定期的な確認は必要です。毎週の土日や月曜日の朝とかにメンテナンスをしておけば、不本意なトレードが起きにくいというメリットがあります。
―運用状況やPCの状況などの確認は必要ということですね。
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頭で考えるだけではなく実際に動かすことが大切
―EAの知識を深めるにはどのような勉強をすれば良いと思われますか。
たっくん とにかくEAを動かしてみることです。やっているうちに何かしら疑問が出るはずなので、それを解決していけば自然と知識は深まっていきます。例えば、「このEAはエントリーが少ないけど、それはおかしいのかな」という疑問が出たのであれば、調べて解消していくことで、だんだんとEAについて分かってきます。疑問を解消する方法としては、SNSでEAの情報発信をしている人をフォローして見ていく、ネットで検索して調べる、セミナーみたいな有料無料を含めて学べる場所に参加してみるのが良いと思います。
―何でもそうですが、やってみないと知識も経験も積めないですよね。
たっくん とにかくやってみることが重要です。いろんなEAがあるので、常に手を動かして新たな学びを得ていくしか方法がないなと思ってます。
―頭でっかちになってはいけないということですね。次に、EAは詐欺が多いというイメージがあると思いますが、なぜ詐欺が多いのでしょうか?
たっくん これはもう簡単な話で、知識がないために詐欺を行う人の言っていることをそのまま鵜呑みにする人が多いからだと思います。あとは、人間の欲望ですよね。「楽して稼げる」とか、「何の労力もいらずに1か月で100万円も稼げる」みたいな欲にかられて、それが本当なのかを確認する作業をしない人たちが多いからだと思います。詐欺から身を守るには、利用者がEAやFXについての知識や理解を深めるしか方法はなく、そのためには経験を積んでいくことが大切です。
―EAを運用するにあたって心がけておいた方が良いことは他にありますか?
たっくん ①目的と手段を間違えない、②EAに過度の希望や幻想を抱かない、③運用前の準備をしっかりする、④事前準備が多いからこそ手を抜かない、の4点です。それだけしっかりやっておけばおそらく問題ないと思います。
―目的と手段を間違えないこととはどのような感じでしょうか。
たっくん EAを運用する目的はEAで稼ぐことです。それなのにEAの選別や分析だけに力を入れてしまい、最終的に研究者みたいにEAの分析が目的になってしまう人は多いです。あくまでEAは利益を得るための道具なので、そこは間違わないようにしましょう。そして、EAに対して期待しすぎないことです。自動売買の強みは安定した運用ができることなので、「自動売買なら月利50%や月利100%を達成できる」みたいな幻想を抱かないことですね。
―最後に、これから自動売買を始めようと考えている人たちへメッセージをお願いします。
たっくん EAは非常に便利なツールで、忙しくて相場に向き合えない人でも利益を得られる可能性があります。まだ認知が浅い部分もありますが、しっかり理解を深めていくことで、取引の補助的な役割を果たしてくれます。EAに振り回されるのではなく、自身でEAを活用できるほどの知識を習得してほしいです。
利用者の一人一人がEAを知っていくことで、EAはもちろん、投資リテラシーも上がっていきます。世の中の投資リテラシーが上がっていくに伴って、質が低いEAは淘汰されます。淘汰が進むと、良質なEAを作らないと売れないという競争原理が働き、より良いEAがどんどん世に出てきて、どれを選んでもリターンを期待できるという最高の循環になると思います。EA初心者の人は、まずはEAを運用してみて、そこから知識を身につけていきましょう。
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