■早稲田アカデミーの業績動向
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,712百万円増加の26,197百万円となった。流動資産では現金及び預金が2,500百万円増加の10,591百万円となり、固定資産では繰延税金資産が321百万円増加した一方で、減損処理や子会社の土地売却により有形固定資産が925百万円減少したほか、のれんが179百万円減少した。負債合計は前期末比339百万円増加の9,640百万円となった。流動負債では未払金が124百万円増加したほか、役員及び従業員の株式給付引当金118百万円を計上した。固定負債では退職給付債務が65百万円、資産除去債務が39百万円、リース債務が49百万円それぞれ増加した。純資産合計は前期末比1,372百万円増加の16,557百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益2,487百万円の計上と配当金支出1,113百万円により、利益剰余金が同1,372百万円増加した。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率が63.2%と高水準を維持しているほか、無借金経営で現金及び預金も初めて100億円を突破するなど潤沢なことから、財務内容は健全な状態にあると判断される。積み上がった資金については新規校舎の開設や既存校舎の改修費用のほか、DX投資やM&A資金、株主還元に充当する方針だ。収益性については営業利益率で前期比0.4ポイント上昇の10.5%、ROAで同0.6ポイント上昇の15.7%と右肩上がりに推移している。学習塾業界では少子化や物価上昇の影響で苦戦する企業が増えているが、同社は高い合格実績とDX戦略によるサービス品質の向上により塾生数を拡大しながら収益性向上を実現してきた。今後もこうした戦略を継続することで、収益性の維持向上につなげていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)