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芙蓉リース Research Memo(4):成長領域がけん引、事業分野別で堅調な展開が進む(1)

■決算動向

4. 事業分野別の業績及び活動実績
(1) モビリティ/ロジスティクス(RT分野)
芙蓉総合リースの2026年3月期末の営業資産残高は2,918億円(前期末比607億円増)、ROAは3.2%(前期は2.9%)、経常利益は85億円(前期比23億円増)と順調に伸びた。モビリティにおける収益拡大には遅れが見られるものの、グループ拡大※1に伴う収益基盤の強化により増益となり、営業資産も着実に積み上げた。非財務目標として掲げる「新規成約台数におけるEV・FCV比率」※2も7.2%を確保した。活動面では、新たにグループインしたワコーパレットや日本パレットレンタルとの連携強化や、アライアンス先との協業により国内でのロジスティクス領域における事業機会の創出※3に取り組んだほか、海外においても戦略的な領域拡大により事業機会の多様化※4を進めることができた。

※1 物流機器の販売・レンタルを手掛けるワコーパレットの連結化(2025年3月公表)、並びにレンタルパレットサービスを展開する日本パレットレンタルの持分法関連会社化(2025年4月公表)が収益の伸びに寄与した。
※2 日本におけるEV普及率の緩やかな状況を鑑み、当初の「EV・FCV保有比率」から目標とする指標を見直した。
※3 国内ロジスティクス領域については、物流商材とDX商材との掛け合わせによる新規事業の開発、パレットレンタルスキームや物流DX商材の提案、ベンダーフリーの提案体制の整備等により、「物流改革の総合パートナー」としての地位確立に向け前進した。
※4 2025年5月にタイのフォークリフト販売・レンタル事業会社MATEHAN SIAM LAMBDA CO.,LTD.を連結化したほか、2025年9月には双日グループが保有する北米貨車リース事業会社の持ち分50%を取得し、成長が見込まれる領域への参入を果たした。

(2) エネルギー環境(AT分野)
2026年3月期末の営業資産残高は2,277億円(前期末比101億円増)、経常損失は296億円(前期は18億円の利益)となった。経常損失となったのは、海外再エネ関連の一過性損失(約291億円)によるものであり、その分は営業資産を減らす要因にもなった。ただ、期末の営業資産残高については、海外アセットの積み上げを抑制した一方、国内における事業拡大もあり前期末比でプラスを確保した。非財務目標である「再エネ発電容量」は1,000MWの目標を1年前倒しで達成することができた。活動面では、今回の海外再エネ損失を踏まえた事業ポートフォリオの再構築を進めるべく、新領域(蓄エネルギー等)への取り組み等で様々な進展※があった。

※ Tesla製蓄電池Powerwallを用いた「DERアグリゲーションサービス」の提供開始や系統用蓄電所「しんかわ蓄電所」の商業運転開始、再エネ併設型蓄電池事業の取り組み開始、非常時地域開放型系統電池事業の取り組み開始、大規模系統用電池コンソーシアムへの参画など。

(3) BPO/ICT(AT分野)
2026年3月期末の営業資産残高は633億円(前期末比74億円増)、ROAは3.2%(前期は2.8%)、経常利益は50億円(前年比3億円増)となった。営業資産残高は、ICT領域においてWindows 11への更新特需に伴うPCレンタルの伸長や、データセンター関連の取り組みにより順調に積み上げた。また、収益性の改善により、人件費を中心としたコスト増を吸収し増益を確保した。非財務目標である「お客様の業務量削減時間(2022年3月期比)」は100万時間の目標を1年前倒しで達成することができた。また、活動面では、BPOビジネス領域におけるグループ内組織再編※1やICT領域でのデジタル社会の基盤を構築するハイパースケーラー向けデータセンター※2への取り組みを国内外で積極的に推進した。

※1 第一歩として、インボイス、FOC両社の経営管理及びコーポレート業務を中間持株会社に集約した。相互送客などの事業連携や、コーポレート部門の集約による業務効率化等にねらいがある。
※2 ハイパースケーラーとは、世界規模の巨大クラウドインフラとサービスを提供する事業者のこと。

(4) ヘルスケア(AT分野)
2026年3月期末の営業資産残高は1,092億円(前期末比147億円増)、ROAは1.7%(前期は2.2%)、経常利益は17億円(前期比2億円減)となった。経常利益は各種コストの増加により減益となり、ROAも低下した。一方、営業資産残高は、診療・介護報酬債権ファクタリングが好調であったことに加え、ヘルスケア事業施設や事業承継、再生ファイナンス等により拡大した。非財務目標については、「高齢者介護施設(新規提供室数)」が1,307室(前期末比296室増)に増えたほか、「医療・福祉マーケットの経営支援に資するファイナンス」では560億円の目標を1年前倒しで達成することができた。活動面では、グループ機能の拡充や地域金融機関との連携※を通じた領域拡大に取り組んだ。

※ 診療・介護報酬債権ファクタリングの拡大やCBヘルスケアによる非ファイナンス領域(医療・介護・福祉業界に特化した専門性の高い経営ソリューション)のサービス展開など。

(5) 不動産(GP分野)
2026年3月期末の営業資産残高は1兆1,835億円(前期末比758億円増)、ROAは2.8%(前期は2.5%)、経常利益は315億円(前期比40億円増)となった。収益性やポートフォリオのバランスを意識したアセットコントロールを継続するなかで営業資産を積み上げた。経常利益は売却益の拡大等により資金原価増を吸収し増益となり、ROAも改善した。活動面では、商業施設の投資・運営・バリューアップ機能を強みとする双日商業開発(株)を持分法関連会社化したほか、海外不動産への取り組みでは、良質なパートナーシップを基盤に、リスクリターンを見極めつつ、欧州・豪州・アジアでの領域拡大※を進める。

※ 賃貸用集合住宅開発(米国・豪州)、物流倉庫共同投資案件(シンガポール)、オフィス大規模改修事業(英国ロンドン)など。

(6) 航空機(GP分野)
2026年3月期末の営業資産残高は3,891億円(前期末比63億円減)、ROAは2.9%(前期は3.2%)、経常利益は114億円(前期比横ばい)となった。個別航空会社の業況悪化を踏まえ、引当金(原価)を第4四半期に計上したものの、非正常先からのリース料回収の進展に加え、保有機体売却益の計上が寄与し、経常利益は前期比横ばいを確保した(目標とする100億円を既に上回る水準で推移)。一方、営業資産残高は保有機体売却に伴い若干減少した。機体数では新規購入と売却を並行して実施した結果、横ばいとなった。活動面では、回転型ビジネスの推進に向けて売却機能を強化するため、専門部署を設立した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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